♪所在なさのなかに

 私の表面温度と同じくらいの風が吹くと、どこが身体だか輪郭がわからなくなって、魂がふわりとつられてさらわれてしまいます。...所在なくなり、ただ、立ちすくみます。

 街なかで、すうっと、自分が街の風景の一部であることを感じたとき、その絵のどこに自分がいるのか....一瞬見失ってしまって、でも「私」は確かに「いる」ので、その感覚に立ちすくみ、やっぱり所在がなくなります。

 奇麗すぎるもの、素敵すぎるもの...心を動かしすぎるものにであったとき、ここにもうすでに私の心をここまで動かすものがあるならば、私がいることすらもどうでもいいことなのじゃないだろうか?そんな感じに囚われ、ちょっと悲しく立ちすくみ、所在なさに心の動きそのものが止まってしまいます。

 ほかにも、所在なさは、突然襲ってきます。

 どうしたらいいかわからないのです。

 そうして、立ちすくむ...のです。

 人といて所在なくなるのは理由があるからまだ大丈夫なのですが、一人の所在なさはもてあましてしまいます。どうしていいのか。なにもできなくて。ただ所在なさのなかに、ぽつんと取り残されるのは、ちょっと、なんだか、こまる感じなのです。


ていと あ ていと うかんではきえるあわのように