おんさ

おんさは「ら」の音を出す。

どんなに強く叩こうと、弱く優しく当てようと。

揺らぎ無い「ら」の音。

何かに惑いそうになると、しずかにその銀を手にとり、そして、振る。

手から伝わる波を。耳から伝わる波を。ひたすらに受け入れる。

それでも足りなければ、震えるそれを、左胸に当てて。

心に、「ら」を満たす。

波に感応して、私のなかから音を産むのは、私の中に、たしかに存在する芯。

身体に響く、ゆるぎない「ら」の音。

こうして私は自分の芯を確認する。


ていと あ ていと うかんではきえるあわのように