街なか再生と賑わい創出レポート
TMO通信で公開された本市街なか再生推進本部設置と物産館等街なか再生核施設計画の概要等全体像が示されたことを機に、これまで研修視察した国内の優良事例の中から概況をまとめてみました。
滋賀県のある地方都市が独自の施策で「街の再生・にぎわいを取り戻した」事例。
この街は、長浜市。周辺の浅井町・びわ町も合併して約人口八万人の都市になった。以前は相次ぐ大型店の郊外出店により旧来の街は活気を失っていた。将来に危機感を持った有志が立ち上がり、出資者九人(資本金一億三千万円)、市民七人と銀行、行政を含む関係者による現況の衰退阻害要因を洗い出しながら「商店街活性化」に向けたビジョンづくりに奔走、多元的な発想の中から地域の@歴史性A文化芸術性B国際性を基本に据え、まち全体の活性化を図ろうと、調査、研究に着手し、大型店とは異なる手法(大型店との差別化)で既存の街なか再生を目指した。
準備段階では、古来からの街並み景観の再検証、核となるビジョンの精査、街並みに付加価値を高める要因や古い銀行の建造物を生かしながら、日本古来のまち文化、更には近在の公共物やお寺等が点在的であった景観を面的つながりの街としての人通りのストリートや小道等を結びつける発想をしつつ、新しい戦術としてガラス工芸を軸とした「作る、見る、体験する」等の新しいテーマを定め、時代の求める消費者ニーズ、顧客の多様性を踏まえた蔵づくりで、統一された古風さと新しさを混在させ、個性豊かなまちづくりを目指す一方、交流人口を見越した観光客の誘客、大型にはない人情みや立地的自然景観を生かした独自性を誇る「地域住民の利便性と観光的交流人口の拡大と両面からとらえた街再生・賑わい創出の取り組み」により、当時、一時間に四人の通行人、犬一ぴきが通る街から十四年を経て、来場者二百万人を誇る国内有数の賑わいを取り戻した街を再生させる事例に触れることができて感慨しきり。
さて、わが街は如何にあるべきか、暗中模索モード。しかし、私達の知恵と脳裏は、制度疲労にあると気づかされる程、刺激的な視察研修であった。
先進事例に見る街なか再生・賑わい創出の要点を整理してみた。
(一)訪れる観光客、観光バスを街なかや核施設に立ち寄らせる個性的店舗、街並み景観づくりと共に駐車場等の受け皿づくり、地元消費者の利便性と観光の観点からの両面性が見てとれた。
(一)既存の古き良きまちの文化と、これまで街なかに無かった新しいガラス工芸や統一された街並みづくりの新術、空き店舗活用を含む「作る・見せる・体験する」による魅力的集客力の演出があった。
(一)来街者の回遊範囲「歩く人の為の街並み小道、順路歩道づくり」の発想が明確化されていた。
(一)街なかの核となる施設(ハード面)の次に来る大切な、賑わい創出の戦術的(ソフト面の創意工夫である内面的仕掛け等)がより成功のかぎに見えた。
(一)関係者、当事者だけでなく、地域生活圏の住民による広域的参加型の賑わいコミュニティに位置付けた発想と誘客行動がポイント。
(一)よそのまねをするのではなく、大型店との住み分け的工夫と地元の資源、食材、生産物等を活かし、郷土の価値観を高めながら、個性豊かな街づくりが功を奏している思いをもった。
(一)商工機関、商店会、金融機関、行政機関、市民との総合的連携体制も見逃せない。