不思議体験2 こめかみの白光


不思議体験2 こめかみの光

めずらしく、私以外の目撃者がいるお話です。

これも、私の周りに不思議なことが著しくいっぱい起きた高校2年の時の話。

美術部員でもないのに顧問の先生に部員だと思い込まれ、「夏休みの合宿に出るように。それと、部費払ってないぞ」と言われてしまった私は、手渡されたわら半紙の合宿申込書を両手に受け取ったまま、まわりの後輩たちと顔を見合わせてニッと笑って言いました。

「先輩、参加しちゃいましょーよ(瞳キラキラ)」
「参加しちゃおっかー? いーのかなあ?参加しちゃって(ニヤリ)」

というわけで、もぐりの部員はこの日を以って部員リストにも載らないままに正式部員(?)と認められ、長野県は白馬のホルベイン合宿に参加することとなりました。

それは、1泊目の夜だったと思います。(多分)

女子の部屋は、人数の多さもありひと部屋には入れず分かれてしまいました。

私は自分の部屋の他の後輩たちに誘われ、別の部屋にいる後輩の子たちと話をするためにその部屋へ行きました。

その部屋で、みんな適当なベッドに腰をかけ、向こうから山肌を這って来た雲があっという間に自分たちを包み、それはとんでもなく濃い霧で、晴れたと思ったらその霧が遠くに行くほど普通の雲に見えて「やっぱり雲には乗れないのか」とがっかりしたことや、10代の年頃の女の子が好むような少しばかり神秘的な話に花を咲かせていました。
部屋は、雰囲気を盛り上げるために電気を消し暗くしてありました。

ずいぶんと話を続けたころ、私の前の自分のベッドにこちらを向いて座っているCちゃんの髪の毛にくっついているような位置に、白い光が点きました。

今までなかったものだし、もしかして、彼女の後ろに見えているベッドの宮のところにかっぱえびせんか何か知らないけどアルミのスナック菓子のパックでも置いてあって、そのシワのある面に外かどっかの街灯の光が反射して銀色に光っているのかな?と思い、私は上半身を右に少し倒して彼女の後方の壁際を見てみようとしました。

しかし、何も置いてありません。それどころか、体をずらしてみていよいよはっきりしたのですが、どうみても左こめかみの脇の髪の毛のところが一点光っているようなのです。

心理的に感じた大きさは1センチくらいだと思います。形はありません。動いてもいません。円とかコロナ風とかいったものではありませんでした。光も強烈にまぶしくもなく、かといってぼーっともしていない、はっきりとした白銀の光でした。

その間もみんな話を続けています。「私だけが見えてるのかな?本人は何も変化ないのかな?それとも小さなアクセサリを髪にとめてるのかな」そう思いながら1から2分も経ったころ、その光はふっ、と、本当に「ふっ」という擬音がぴったりな感じで、とつぜん消えたのです。無くなったというよりは、すごいスピードで小さくなり消えたようでした。私の口から思わず「あ、消えた・・・」と間の抜けたような声が発されました。

「え?なんですか?」

会話は中断され、みなこちらに向きます。

「えっ、いま、なんかずっと光ってたんだけど、急に消えて」

すると、勢い切って右がわに座っていたNちゃんが言いました

「光ってましたよね?」

皆どよめきます。Mちゃんは素早く立って電気をつけます。私は明るくなった電気の下で、Cちゃんの髪に光る金属や銀紙がついていないかその場所を見ました。もっと良く確かめるため近寄ろうとした時、Nちゃんが一足早く指差しました。

「ここのところに・・・」

それは、やっぱりこめかみ脇の髪の毛の外側でした。私の位置からちょうど90度の角度でCちゃんのほうを向いていた彼女が指したその位置と、私から見えていた位置と、クロスするのは、やっぱりそこでした。

とつぜん光が現れて、目の錯覚かな、なんだろう?と思って、気のせいかどうか自信がないから黙って見ていたら急に消えた、、、というのが二人の共通した証言でした。

こめかみの脇に白い光は確かにあった・・・確かに・・・

もしも、あなたの目の前の一箇所がどう見ても光っているように見えたら、あなたはどうしますか?

見る位置を変えて場所を特定しようとしたり、一体何が光っているのか確かめようとしたりするでしょう。そして、そこが自ら発行しているのか、何かの反射なのかという事も、知ろうとするのではないでしょうか・・・

しかし、やがてそこが何もない空間だった事が判ったら、あなたならどんな仮説を立てますか?
空気が発光したのでしょうか・・・

この夜、床に就いて眠りに入りつつ、「Cちゃん達と一緒にいてありえない場所に光が現れたのは、これで2度目だな・・・」と思っていました。

その後、同じ光は合宿中には現れませんでした。

おわり

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