米麹の作り方


準備するもの

いろいろなやり方がありますが、私の場合は麹蓋法で、一度に6升(9kg)作ります

製麹

0日目 浸漬

米を研いで水に漬ける。冬なら12時間以上、暖かい時なら短めに。精米歩合が高い(通常の白米は90%)と吸水率が低くなるので十分に漬けて吸水させる。

1日目 午前 水切り

蒸しの2時間以上前(最低でも1時間前)に水を捨て、十分に水を切る

1日目 午後 蒸し

蒸気が米の中を通って上がるようになってから40分以上、ひねり餅(米粒を親指と人差し指の間か、両掌に挟んでひねり潰す)を作ってみて芯が残らない状態まで蒸す。芯が残っていなくても、あまり硬い場合は更に10-20分程度蒸す(特に古米は時間がかかる。中でもあきたこまちの古米は1時間以上蒸さないとうまくできない)。

1段3升なので、2段で6升=9Kg

1日目 午後 引込み・床もみ

蒸米を広げしゃもじで混ぜながら温度を下げる。40度以下に下がったら種麹を付ける(あまり熱いと菌が死んでしまう)。種麹(粉状)は通常70gで米200kg分、米1kg当たり0.35g。9kgなら3.15g。均一に混ぜるのがなかなか難しい。(最初は規定量の倍ぐらい混ぜるとよい)
種麹のつけ方1・・・蒸米を一部取って種麹を混ぜ、その蒸米を全体に振りまいてさらに全体を混ぜる
種麹のつけ方2・・・種麹を2つ折にした紙(薬包紙でなくてもOK)から蒸し米全体に降り掛け混ぜる、これを2回繰り返す
2のやり方のほうがよく混ざる。一度米に付くと他の米にはなかなか移ってくれない。

 蒸米をまとめカマスに入れ、それをビニール袋に入れ、更にそれをダンボールに入れて麹室に入れる(蒸米→カマス→ビニール袋→ダンボール→麹室になります)。蒸米水分多い場合はビニール袋は省略可。カマスを省略すると、ビニール袋の内側に水滴が付くので、カマスがない場合は蒸した時のふきんで包んでビニール袋に入れる。室内の湿度が高くて室温が安定している場合はダンボールを省略可。
この段階で品温が30度を切らないになるようにする。室温が低いと温度低下が早いので手早くやる(あるいは暖房の効いた部屋でやる)。品温が高めだと、品温経過が早くなる(種麹の種類によっても異なる)。室温は品温が30度になるように30度±2度ぐらいで調整する

1日目 夜 切返し

床もみから10-14時間後、蒸米の塊をばらして、品温を均一にする。カマスに入れたまま、カマスの外からばらすと品温があまり下がらない。この作業はやらなくてもよく(特に床もみ後の品温が下がりすぎたときなど)、時間によっては2日目の朝でもよい。

2日目 昼 盛

床もみから20-30時間すると発酵熱で品温がだんだん上がってくる。
目安は品温が33-35度になったとき(本来はもう少し早くやるべきだが、室から出して作業をするので、品温が下がり過ぎないよう、遅め遅めに手入れをする)。塊をばらして麹蓋の中央に山にしてから、麹の高さが麹蓋の高さより低くなるように山を潰すように広げる。端の方に転がった米粒をそのままにしておくと破精落ちの原因になるので全部の米粒をひとまとめにする。

画像ではよく分かりませんが、ところどころ白く破精ている(透明感がなくなる)ところがあります

2日目 午後 仲仕事(一番手入れ)

盛から3-6時間。品温35-38度。米を麹蓋全体に広げる。麹蓋の中央は温度が上がりやすいので薄くする。前後を少し高めにし、両端が一番高くなるようにする。ただし、麹蓋の四方の側面には接しないようにする。接しているとその部分の水分が多くなり過ぎる。

2日目 夜 仕舞仕事(二番手入れ)

仲仕事から3-6時間程度。品温38-42度。中央の米の品温が高いので全体の品温が均一になるように混ぜるか、品温の高い部分が両端にいくようにする。仲仕事と同じ状態に戻した後、表面積を多くするために溝を切る。麹蓋毎に5mm厚程度の角材等を挟み隙間を空ける(品温が低い場合は上がるまで待つ)。蓋の裏が結露するなら新聞紙を挟む

3日目 積み替え

本当は夜中も温度を管理すべきだが、省略。朝から出麹まで、品温を見ながら調整する。品温は42度上限と言われているが、45度ぐらいでもできないことはない(朝起きたら48度になっていたことがありましたが、ちゃんと麹になりました)。また、麹蓋毎に品温にばらつきができるので適宜積み替える。

3日目 昼以降 出麹

床もみから45-48時間程度で出麹。様子を見ながら45-60時間ぐらいの間で出麹とする。

3日目−4日目 枯らし

麹蓋を互い違いに積んで寒いところに一晩置いて冷やし、水分を飛ばす。

保存

なるべく早く使いましょう。使えない時は・・・
冬なら常温でも1ヶ月以上問題なく使っています。冷蔵庫(野菜室)に入れて2,3ヶ月使っていたことがありますが大丈夫でした。それ以上長い期間や夏を越す場合は冷凍しましょう(ただし、ゆっくり乳酸発酵してきます)。菌は死にますが酵素は残ってますので、甘酒や味醂など酵素だけを利用するには問題ありません。

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