豆腐を作ってみました

 今年の冬、豆腐を作りました。
 作ろうと思った動機の一つは、豆腐が入っているパックの問題でした。自治体でも生協でも回収はしてくれないし、捨てるにもかさばるし、しかも、塩ビ(たぶん)でできていて燃えるごみに出す気にはなれないし、燃えないごみに出してもフタル酸エステルの問題があるし・・・。そのうち回収してくれるようになるかも、と思いつつ、結局洗ってとっておきました。しかし、貯まるばかりでどうにもなりません。豆腐のパックだけならまだしも、色付トレー・透明トレー・卵のパックなど回収されないものやカン・ビン・白色トレー・牛乳パック・新聞紙・雑誌・ダンボールなどの「ごみ」の分別にかなりのスペースを使うようになりました(冬の間、不燃物の収集はやっていないし、廃品回収は春に1回だけ)。
 もう一つの動機は遺伝子組み換え大豆です。農薬がかかっているのはまだしも、これだけはなるべく避けたいと思いました。生協で聞くと、入っていないことを確認しているということでした。私の場合、冬はなかなか生協まで行くのが大変なので、近くのお店で買うことが多かったのですが、そこで聞いてみると、遺伝子組み換えのことすら知らない様子でした。
 作ってみよう、できれば自給してみようと思いました。
 そう思ったのが2年前です。まずは豆腐作りの道具(木枠・にがりなど)。これは、帰省したときに探して、すぐに見つかりました。
 次に大豆。まずは種となる大豆を村で催されている農作物の品評会で手に入れました(終わると出展されたものを安く売ってくれる)。それを春に蒔きました。大雨が降り続いた年でしたが、幸い収穫までたどり着きました。大豆は蒔いてしまえばあまり手のかからない作物です。葉が生い茂るまで雑草が伸びてくるので、それを取ることくらいです。肥料は少しで間に合うし、虫や病気にもやられません。手がかかったのは収穫してからでした。刈り取った大豆を畑で乾燥させます。十分に乾燥したら、ビンで叩いて、豆を落とします。次に豆に混ざっている葉っぱや砂を選別するために「とうみ」(唐箕=風力を使って重さの違うものを分ける農具)にかけます。そして、石や虫食いのある豆などを手で選別します。これでやっと豆の用意ができました。
 最後にミキサーを買って用意が整ったのは、作ろうと思ってから1年半経っていました。
 豆腐は1回で3丁分できるのですが(木枠の大きさ)、これが非常に面倒くさい!手順としては、大豆を水に浸けて戻す→ミキサーで潰す→煮る→濾す→温めながらにがりで固める→型に入れて重しをする→とりだして水にさらす、となります。目を離せる作業が少なく、ずっと台所から離れられず、作り終わったときは疲れ切っています。しかも、3丁分の分量で作るのに、2丁分しかできないのです。ミキサーで潰しても完全につぶれないのが原因のようです。石臼か何かで挽かないと駄目なのでしょうか?豆腐が少ないかわり、おからは豆のつぶつぶが残っていて、結構いけます。おからの副産物=豆腐?
 結局、あまりの面倒くささに、3,4回作っただけになってしまい、豆腐自給計画はあえなく失敗しました。3丁作るのも、300丁作るのも、時間も手間もあまり変わらないでしょう、300丁づつ作るなら続くかも・・・。
 今では豆腐のパックに、紙と一緒に燃やせると書いてあります(何の解決にもなっていませんが)。

戻る