音戸山通信 2004/04/11

カンボジア旅行記より 第三日目の2

 

トンレサップ湖を訪れる

 午後からはトンレサップ湖を訪れる。今は乾季なので、水面はシェムリアップ市内よりずいぶん南に寄っているが、雨期の満水時には市内のはずれから観光船に乗れるそうだ。バスで水面までがたがた道を走ることになった。市内から川に沿って進むに連れ、家並みが変わって行くのが面白い。

シェムリアップ市内から南に下がって行く 

この辺りは雨期には湖の中である 山は聖山プノン・クロム

 市内からプノン・クロムまではおよそ10km、この写真のあたりで通行料金を徴集されるのは、雨期にはこの辺が湖上集落となり、入り浜権のようなものか。道路はひときわ高いところを走り、沿道の家は高脚になっている。鋪装道路はいつしか地道へと変わり、ぼこぼこ道となる。雨期には部分的に水に沈むので、その度ごとに道路はぐちゃぐちゃになるのだそうだ。ゆっくり散策し、スケッチをしていたいアジア的な風景である。周りは水量が少ない川で、水牛が水浴びしたり、網を入れて猟をしたりしている。水が全くない場所にエリ網が置かれていたりする。

港に着き、ここから船に乗る  エリ網もずいぶん水面より高く出ている

 やっと船着き場に到着、ここから船に乗る。船長は若い青年で、助手はどう見ても小学生である。水深は50cm足らず、泥たまりというところだ。小さい魚や海老がたくさん泳いでいる。湖に出るが、それでも水深は1m少々というところであろう。たびたびスクリューに藻がからまり、その都度、エンジンを止めて除去する。のどかな船行きである。湖を渡る生ま暖かい風。ゆったりとした時間の流れを感じる。以下、湖上の風景をお楽しみください。

湖上集落風景 右は生け簀

家が船の上につくられている

薪などもある

これは水上マーケットのようだ

豚小屋もある

船を操る少年

展望台付き水上レストランでひと休み

水上レストランからの眺め

 トンレサップ湖上集落を訪ねるのは、この旅行に最も期待していたものだが、期待通り、情趣を満喫できた。カンボジアを訪れる人は遺跡を削っても、このツアーを入れておくことだ。乾季はどうしても水が泥っぽいが、それでも、琵琶湖のように藻の腐った匂いがしない。雨期ならば、水面に靄が立って、またいいものだろう。今度来ることがあれば、ぜひ個人で来て、ゆっくりスケッチをしていたい。

 

帰り道、夕刻は人が増えている  いい風景でしょ

 

蓮畑にて

 

(文と写真 さのはるひと)