私たちは昭和50年に結婚して千葉県松戸市の「常盤平団地」に新居を構えました。
妻とは同期入社で、入社してすぐに交際を始め、2年後に結婚しました。
いわゆる「職場結婚」です。
この団地は公団住宅の草分け的な存在で、出来た当初、入居者は「団地族」としてマスコミに紹介され、時代の最先端を行くものであったそうです。
かなり高倍率の抽選に運良く当たり、最初に入居したのが松戸市役所の常盤平支所が1階にある高層団地でした。
小さなキッチンと6畳の和室、それにトイレと浴室が仕切りなし、という狭い部屋でしたが当時の私たちにはそれで充分でした。
駅前にはオープンしたばかりの大きな西友があり買い物には不自由しませんでした。
その年の10月に長男(ハネムーン・ベビー)が生まれ私たち夫婦にとってはこの上もなく楽しい日々でした。
団地の正面を貫く欅並木は素晴らしいもので、休日には子供を自転車の前に乗せ八柱霊園や五香まで出かけたものです。
街は乳母車に赤ん坊を乗せた若い夫婦たちで溢れ、活気づいていました。
昭和52年に次男が生まれ、さすがに部屋も手狭になったので、すぐ近くの「牧の原団地」に引っ越しました。
新築の団地で2DK。家族4人が住むには十二分な広さでした。
電車の便があまり良くなく、新宿の勤務先までは1時間20分ほどかかりましたが妻や幼い子供たちには最高の街であったと思います。
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