昭和53年、会社の社宅に入居出来るというので、国立市にある集合社宅に入居しました。
国立市は一橋大学・桐朋学園・国立音大などがある文教都市。
ユニークな駅舎を出ると縦に大学通り、横にさくら通りが整然と並ぶ素晴らしい街です。
文教都市のため高い建物は制限されており、文化人も多数住んでいる芸術的な街です。
そういう環境に染まったのか、私も柄になくクラシック音楽に興味を示すようになりました。
この頃は残業も多く帰りが遅かったのですが、早く帰れた日などは駅近くのレコード店に立ち寄り、クラシックレコードを買いあさったものでした。
ビヴァルディの「四季」から始まったのですがバッハ、モーツァルトと進み最終的にはべートーヴェンに傾倒しました。
交響曲・ピアノ協奏曲・ヴァイオリン協奏曲・ピアノソナタ・・・何をとってもベートーヴェンが最高だと思いました。
芸術は科学と違って、ある段階に達すると、もうそれ以上は進化しないのではないかとさえ思いました。
国立には3年間いましたが長男・次男ともに元気な子供に育ちました。
長男が社宅のすぐそばにある「ママの森幼稚園」に入園することになったのですが、入園式当日は私までハラハラしました。
長男にとって初めての集団生活。
この子がはたして集団生活にうまく溶け込めるのかなあ・・・・・と思うと気が気ではありませんでした。
初めての子の時は誰でもそうなのでしょうが・・・・・・。
親の心配に反して長男は「ママの森幼稚園」がすっかり気に入ったようでした。
入社6年目・・・そろそろ重要な仕事を任されるようになり、サラリーマン生活の中でも、かなりきつい時期であったかもしれません。
徹夜での仕事が続き、可愛い子供達の寝顔見たさに夜中にタクシーを飛ばして帰ったこともありました。
そんな私を支えてくれたのが妻子の屈託のない笑顔とベートーヴェンの美しい音色でした。
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