メールをすれば返事をくれる。電話は鳴らない。私も鳴らさない。
「○○へ行く?」と誘うと「行っていいなら行きたい。」と言う。 片道1.5hかけて逢って遊んでくれることは素直に嬉しいと思う。。 「手をつないでいい?」と言うと、眉一つ動かすことなく「いいよ。」と言う。 つないだその手の体温は、温かすぎず、冷たすぎない。 「キスしてもいい?」と言うと、ニッと笑いながら「いいよ。」と言う。 私から求めたその口唇は、さらっとしている。 「Hugして?」と両手広げてねだると、微かに口角を上げて無言で抱きかえす。 耳から聞こえるそのひとの鼓動は、速すぎず、遅すぎない。 話しかけるのはいつも自分。 そのひとと「○○したい」と思うことが尽きない自分。 私の内面に興味を示さないひとを好きになった自分。 湿度の高い恋にならないようにと、ドライに振舞う自分がいる。 私のことどう思ってる?とか、相手の重荷になりえるようなキーワードさえ口にしなければ、 つかずはなれずで続けられそうな気がしてるから。 腫れモノを触るように、言葉を選んでる自分がいる。 もう二度と逢えなくなったら、とか、接点がなくなってしまったら、とか 現時点で考えつくリスクをものすごく怖れている気持ちがより強いから。 そのひとが自分をどう思っているか知りたいという気持ちを抑えて 少しずつ逢瀬を重ねる機会を増やしても、所詮平行線のままでしかない。 いつまでたっても私の中で貴方がリアルにならない。 そんなことをぼんやり考えながら少し離れて目を閉じていると、 そのひとは無邪気な顔して、ぞくっとするくらい悪甘いちょっかいを出してくる。 まるでそれがいつもの合図であるかのように抱き合うけれど 見つめあうことはほとんどなくて、 つながっているのに、どこかちぐはぐで。 癒されているはずなのに、どこか心細くて。 言いたい言葉が伝わらないのが悲しいくせに、抱かれることが嬉しくて 言おうとした言葉は封じられたまま。 今いちばんほしいのは、これからの時間を一緒に過ごす権利。 どんな人になっていくかを、ただそばで見続けることの赦し。 確かな手応え、リアルな感覚。 一方で、相手からも同じように思われたい、求められたい、 選んでほしい、と願う自分がいる。 それでも待つから、急がず待ってるから教えて。 ねぇ。 貴方はどうしたい?
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