私、ながお信秀は、現在、北海道議会において、水産林務常任委員会、北方領土対策特別委員会に所属し、北海道の抱える特有の課題について議論し、議会活動に専念してまいりました。定例会での一般質問や予算特別委員会での質問、更には2010年6月議会においては、代表格質問を行うなど、日頃から北斗市民・北海道民が持つ身近な課題を取り上げ、一次産業の振興、雇用をはじめとする経済対策、安心に暮らせるための保健福祉対策や北海道新幹線など高速交通体系の整備等々、その活動の基本を“生活密着”と位置づけし、それらの課題解決のため、微力ながら尽力できたものと自負しております。
「まじめに一直線」は、私の政治信条です。
北斗市の輝かしい未来に向け、主権者である道民の視点を忘れることなく、政策実現のため、
皆様と手を携え、頑張って参る決意でありますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。
 平成23年新年にあたり、ながお信秀は、政治活動の目標を、新たに5つに絞り、北海道の新しい幕開け、北斗市の輝かしい未来のために、更に力強い一歩を踏み出しています。
以下にその内容を掲載しますので、皆様の忌憚のないご意見を頂戴できればと思っています。


1,地方分権推進と北海道民が主役の行政改革を推進します。

    地方分権が進み、国からの権限移譲が推進する中で、地方が自立し、道民が自覚と責任を持って自主的にまちづくりを推進することを基本と考えています。

  地方自らの選択と責任により、地域の特色を生かした個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に努め、道民との合意形成や市町村との協議を前提に、財政再建を進めます。

    「痛み」を押しつけるだけの「改革」ではなく国・道・市町村と道民との役割分担を踏まえた協力・協働の関係を構築するため、情報の透明性を高めながら、行財政改革を進め、次世代に過重な財政負担  を残さない行政運営に取り組みます。

2,一次産業(農業・漁業・林業)の体質強化策の推進と北海道ブランドづくりを進めます。

 


○農業にあっては、中核となる農家・組織の育成、それを支援する組織の確立など農業構造の整備や
汎用型農業促進のための土地基盤の整備、更に又、異常気象に耐えうる農作物の品種改良技の向上を図るほか、生活環境の整備による快適な農村づくりをめざします。

 国によって異なる食品の安全性を確保するため、輸入食品の検査体制の強化に努めると共に、国内での遺伝子組換作物対策やクローン食肉、食品添加物、遺伝子組換食品、ポストハーベスト農薬作  物対策など、我が国の食料生産基地としての存在価値を高める施策を進めます。

   TPP(環太平洋緊急経済連携協定)など自由貿易化が議論されており、中・長期的な一次産業政策の強化を図り、安全で良質な食料の安定供給をめざします。

    地域特産品の北海道ブランドづくりを推し進めるとともに、自給率向上をめざすことで足腰と競争力をパワーアップするよう努めます。

    21世紀に向け持続的に発展できる体質を強化するとともに、6次産業化への取組を強化しながら、次世代育成策を推し進めます。

    漁業にあっては、地域ごとにホッキ貝など“育てる漁業”を推進し、漁場の耕転などの環境整備や種苗放流などによる資源回復の取組への助成等の他、トドなどの海獣対策をすすめると共に、“豊かな   海づくり”を進め、安定的な経営基盤の強化に努めます。

    国土保全、水源涵養、地球温暖化防止などの多面的機能を持つ森林の保全を図り、自然や山村の荒廃を防止し、地域の活性化を進め、森林所有者の不在・不明化の解消に努めます。また、林業就業 者の北海道の森林・林業を取り巻く状況は、非常に厳しく、 “北海道の森づくり”事業の推進など林業や林産業の活性化に努める他、森林管理や林業の作業技術の向上を図ります。

3,高速交通体系の整備と地域経済の活性化を図ります。



    北海道新幹線の札幌延伸の運動を強力に推進し、高速交通体系の早期整備を国や道に働きかけるとともに、地域経済への波及効果を高めるために建設事業での地元発注機会の拡大や地域雇用拡  大に努めます。

    並行在来線の経営分離に関わって、沿線自治体に対する国の財政支援を働きかけると共に、北海道に対しては、負担割合を早期に示すよう働きかけます。

    平成27年度末の北海道新幹線新駅開業効果を最大限活用出来るよう、北斗市の整備振興策の推進に努めます。

     北海道縦貫道や地域高規格道路、函館新外環状道路の早期完成により、北海道新幹線、函館空港やフェリーなど多様なアクセスネットワークを構築し、道南物流の要衝として、北斗市の位置的利点を  最大限に生かした地域経済の活性を図ります。

4,安心できる福祉社会・充実した子育て環境と豊かな教育環境の整備推進を図ります。








 
高齢社会の到来に呼応し、高齢者福祉、障がい者福祉、母子・寡婦・父子福祉の充実をめざすと共に、少子化の進行に対し、安心して生み育てられ、健やかに育つ環境づくりに努めます。

    高齢者医療制度の早期構築を国に働きかけ、北海道や各地方自治体の負担軽減を要望します。

     “健康を守り、命を守る”保健医療サービスの拡充に努める他、いつでも十分な医療を受けられるよう、一次・二次・三次の診療体制、及び救急医療体制情報システムの充実を図ります。

    子どもたちが、自分の将来に夢と希望を持ち、明るく生き生きと学べるよう、教育施設の整備に努める他、教育予算を確保し、保護者負担の軽減をめざします。

    学校教育は、児童生徒数の減少期を迎えた今日、量的拡大から質的充実への転換が求められており、一人ひとりの個性に応じた教育の充実を図ります。

5,北海道の魅力ある環境を活かし、観光振興を図ります。



    経済活性の裾野を広げることのできる21世紀の「北海道成長産業」として観光を位置づけ、一次産業から三次産業まで連携を図りながら業界の活性を促します。

    北海道は、豊かな自然環境、彩り豊かな四季折々の景観、心を癒す温泉、豊富で新鮮な食材など、国内外に誇れる優れた資源を有しているところから、これらの観光資源を最大限に生か す取組と多くの観光地のルート化を図るなど、観光振興を進めます。

    先人から受け継いだ北海道の貴重な財産である自然環境を損なうことなく周遊道路網の整備に努めるなど、環境と共生する観光振興を図ります。






ながお信秀は、日常の議会活動を、このホームページに掲載し、北海道の動きを皆様にお知らせしています。

平成22年第4回北海道議会定例会について
ながお信秀は、北海道新幹線の開業に伴う並行在来線問題について、質問致しました。

<並行在来線問題について>
北海道新幹線は、渡島平野の中に橋脚が造成されはじめ、工事も順調に進んでいる状況にあります。後5年で北海道に乗り入れられ、将来札幌まで延伸し、北海道経済に膨大な経済効果を生み出す事に大いに胸膨らむ思いであります。一方では、“陰”の部分と言われる並行在来線でありますが、h23年度までに経営方法を決定しなければならないにもかかわらず、だ、先行き不透明の状態にあります。困るのは沿線自治体、それを利用する地域住民であります。誠意ある答弁を求め、つかの点について質問致します。

質問
北海道新幹線の新函館(仮称)駅までが開業する平成27年度末に江差線(五稜郭・木古内間)が並行在来線として、北海道旅客鉄道株式会社から経営分離されることになっています。この区間は、高校生の通学やお年寄りの通院など北斗市をはじめとする地域沿線住民の生活に密接に関わっており、利用者の便を考えると、定時制・安定性の面から鉄路を存続することを前提として経営分離に合意した経緯は、道も承知の通りのことと理解しております。知事は、並行在来線問題解決のために、リーダーシップを持って取組むとしていますが、国の並行在来線に対する支援策の決定が、平成233月以降では、地域交通確保の決定に禍根を残すことは、目に見えているところであります。北斗市高谷市長は、「財源問題を先送りしていては、議論できない。厄介な問題こそ正面から向き合う必要性がある」と訴えている分けでありますが、時間的制約の中で、これら沿線自治体が議会と一丸となった要請活動を行っていることについて、道としてどのように向き合おうとしているのか、また並行在来線問題について今日まで取組んできた内容と今後の取り組み方針について伺います。
回答 並行在来線の取組でありますが、並行在来線問題に関しては、既に三セク鉄道を運行している先行県の例から見ても、極めて厳しい経営状況にあることから、現在国において支援策の検討等が行われているところ。道としては、平成17年7月に道と沿線自治体により構成する「道南地域並行在来線対策協議会」を立ちあげ、江差線の利用状況等の実態を踏まえ、現在、江差線における地域交通の確保方法について三セク鉄道あるいはバスにyる運行について検討協議しているところ。こうした中、10月に北斗市及び木古内町が議会と共に国に対して並行在来線対策に対する財政支援についての要請活動を行ったとの報告を受けたところであり、このような地域の声を切実に訴える活動は、国の支援策拡充に繋がるものと考える。今後、協議会において、国の支援策や三セク鉄道あるいはバスによる運行など、選択肢の実現にあたっての条件や課題等に調製を行いながら、平成23年度末をメドに、地域交通の確保方策の方向性を決定してまいりたい。
質問2 平成17年7月、北海道と函館市、北斗市、木古内町など江差線沿線自治体により【北海道道南地域並行在来線対策協議会】が設置され、地域公共交通を確保するとして、将来需要予測をもとに5つの事業形態の収支予測をし、その中から平成23年度末までに最終的ないわゆる“地域の足”の選択・決定をすることになっています。この5つの事業形態のうち、鉄道による4つの事業形態では、初期投資分を含む30年間の収支見込みが、いずれも100億円を超える赤字という試算結果になっており、全区間バス輸送方式の16億円の赤字額に比べると桁違いとなっています。しかしながら、鉄道による旅客輸送は、バス輸送に比べ定時制・安定性の運行面において格段に優れているほか、トイレが完備されていることなどから、利用する地域住民には生活に欠かすことのできない足となっており、その優位性は、冬季間を抱える北海道においては顕著であります。平成23年度では、協議会幹事会で整理された5つの選択肢の収支見込や課題の整理、国の支援策の動きに注視しつつ、最終的な選択肢を同年度末予定の協議会で確認し、一定の手続きをて、対策協議会としての方向性を決定する運びになることは、承知のことでありますが、同時に道と沿線治体の負担割合等の決定についても、23年度となっているわけです。そこで、道が考える負担割合について、他府県の県負担率を例示いただきながら、お考えをお示しいただきたい。
回答 道と沿線自治体の負担割合についてでありますが、先行県においては、鉄道の存続に際して、三セク会社を設立し、運営を行っており、その資本金の2分の1以上を県が負担しているものと承知している。具体的には「しなの鉄道」においては、資本金23億6千万円のうち、長野県が75%、市町村が15%,その他が10%、「IGR岩手銀河鉄道」においては、資本金18億5千万円のうち、岩手県が54%、市町村が38%、その他が8%「青い森鉄道」においては、資本金29億円のうち、青森県が69%、市町村が20%、その他が11%、「肥後おれんじ鉄道」においては、資本金15億6千万円のうち、熊本県・鹿児島県がそれぞれ40%、市町村が14%、その他が6%の負担割合になっている。これらの先行県においては、いずれも、現在では、旅客が需要予測を大きく下回り、その経営は極めて厳しい状況におかれている。また、国の予算編成の過程の中で協議される国の支援策が現在示されていない段階であり、道としても、地域交通の手段確保方策及びその負担割合の協議・検討については、これらのことも見極めながら検討していくことが必要と考える
質問3

並行在来線の経営に対する支援策については、これまで国により順次実施されてきた経緯はあるものの、並行在来線先行県における経営は、だに極めて厳しい状況に置かれています。全国の第三セクターによる運営は35経営体あり、ほとんどが赤字経営にいでいるといわれます。いかに、三セクでの経営が厳しいかを示す事例と思いますが、先行例として、並行在来線を引き継いだ岩手県の“IGRいわて銀河鉄道”や青森県の“青い森鉄道”も例外ではありません。具体的には、今年5月に青森市で行われた東北・北海道の19の沿線自治体首長が出席し、新幹線延伸を契機に観光、産業、まちづくりなどの取り組みを進めていこうと、初めて一堂に会し、意見を交換したものであります。意見交換会では新駅開業効果への期待の一方で、新幹線の影の部分とされる並行在来線を維持していくための厳しい声も出され、14年12月の東北新幹線八戸駅開業に伴い第三セクターで発足した「青い森鉄道」(目時−八戸間)では、乗降客数の伸び悩みなどで17年度から赤字が続き、約3億円の線路使用料を県が減免している状況にあると言う状況が報告されておりました。県並行在来線対策室によると、12月の−青森間の本格開業によって減免額はさらに、約16億円に膨らむという試算も示され、累積赤字を県が減免している状況、県がリーダーシップをとって運営している状況が明らかになったわけでありますが、北海道も腹をくくって対処しなければならない状況にあると思います。私は、北斗市選出議員として、総合的に北海道が指導力を発揮すべきと考えていますが、いわゆる上下分離方式により、鉄路を北海道が維持管理するという考え方を含め、今後の平行在来線に対する北海道知事としての姿勢を明言いただきたい。更に、知事は、北海道新幹線札幌までの全線に係る総予算(1兆800億円)に対する負担に耐えうるとして、誘致活動を進める以上、並行在来線にあっても、同様のスタンスで臨めると考えますが、今一度、考えをお聞かせ願いたい。

回答 並行在来線対策に関する諸課題についてでありますが、上下分離方式を採用している青い森鉄道の事例では、鉄道施設を保有する第三種鉄道事業者であるが線路使用料を減免することで、列車運行を行う第2種鉄道事業者である青い森鉄道の負担軽減を図る運行スキームがとられているが、青森県側の毎年度の線路管理コストが多額に上っており、この度の青森までの延長に伴い、更に県財政を圧迫するとして、国に強く支援策を求めておいるところ。又、上限分離の場合、同一の会社が線路施設の保有と列車の運行を行う上下一体方式と比べると、列車の運行を行う第二種鉄道事業者が負担する線路管理コストとは別に、その線路管理が適正に行われるかどうかを鉄道施設を保有する第三種鉄道事業者が監理(チェック)するためのコストが加わるため、第二種・第三種鉄道事業者トータルでのコストが増大し、更なる収支悪化を招くという課題もあるところ。道としては、現在協議会において5つの選択肢を設定し、収支の更なる精査を行っており、今後、他県や国の状況を見極めながら、地域交通の確保方策の方向性を決定し、地域住民の足の確保を図ってまいりたい。
質問4 国では「整備新幹線問題検討会議及び調整会議」の中で、並行在来線の維持に伴う地方負担の軽減について、現在も整備新幹線に合わせ検討しているとしていますが、拡充支援措置の内容及び時期については、まだ明らかになっておりません。並行在来線となる江差線は、地域住民の生活に欠かすことのできない地域公共交通であることは勿論のこと、わが国における物流の生命線として北海道経済全体に多大な便益を与える高度な幹線貨物鉄道機能を有している現状から、きわめて重要な役割を担っていることを深く理解するならば、並行在来線は、将来にって安定的な運営が維持できるよう、国の運輸政策の中で支援すべきものであると考える分けであります。並行在来線問題を語るとき、これまで国は、JR譲渡資産に係わる固定資産税等の減免措置や、JR貨物の路線使用料算定に係わる貨物調整金制度の創設など、鉄道経営に対する支援策が順次実施されてきた経緯はあるが、いまだその支援策の全容について、明確な態度を保留している状況にあります。h23年度末には沿線自治体は、相当の覚悟をして、第三セクターとしての運営を決定しなければならないわけですが、自治体にすればこの問題も当該年度内に決定すべく大きな課題であり、北海道として、国等に対し、どのような働き掛けをし、いつまでその決定をすべく方針を定めているのか考えを伺います。又、先行県では線路使用料の算定には、JR貨物の負担割合を見直す必要があることや、鉄道施設の保守管理、運行施設の整備などはどうなるか、並行在来線経営に直結するこれら諸課題への考えをお示し頂きたい。
回答 並行在来線に対する国の支援についてですが、先行県の例を見ても、既に三セク鉄道の運行は、先ほど申し上げましたが、極めて厳しい経営状況であり、今後鉄道運行の安定的な経営を維持・確保するためには国の支援制度の拡充は必要不可欠と認識している。道としては、国に対して同様の課題を抱える他府県と連携・協力し本年8月には青森県・岩手県とで構成する「北海道・東北新幹線建設促進三道県協議会」や「北海道東北知事会」更には10月には11道県で構成する「並行在来線関係道県協議会」として要請活動を行ったところ。具体tれきなようせいないようとしては、初期投資に係わる支援策として、●JRから譲渡される鉄道資産の無償譲渡、若しくは価格設定のルール化や、運行経費に係わる支援策として●JR貸付料の活用など地方負担等軽減のための仕組みの構築●線路使用実態にあった適正な貨物線路使用料制度の見直し等の要請を行ったところ。今後においても引き続き他府県と連携し・協力して様々な機会を捉え、国への要請活動を行うこととしている。
質問5 北斗市の高谷市長は、平行在来線の鉄道方式を前提とする理由に、恩恵と犠牲という観点から鉄道方式を基本に検討すべきと訴えています。即ち、「新幹線の誘致は、北海道に非常に大きな経済効果が生まれ、北海道全体に大きな恩恵をもたらすものであるが、一方では、それを原因として、並行する在来線が犠牲となるのはおかしい」のではないかということであります。知事は、平行在来線問題については、沿線地域の住民の方々の通勤、通学、通院などに係わる大変重要な問題と認識していると繰り返し述べていますが、問題・課題を真ん中において、その周辺をぐるぐる回っているだけで、未だ一歩踏み込んだ行動をとっていないという感想を持っています。沿線自治体は平成23年度末という期限の中で、限られた選択肢から道を決定せざるをえないわけであります。時間が差し迫っている中であります。知事は平行在来線にはリーダーシップを持って進むとしておりますから、道の方針をいつ頃、明示できるのか伺います。
回答 並行在来線に対する道の方針についてでありますが、道としては、地域交通の足の確保は極めて重要と考えており、国にける支援策の検討や他県の取組状況等を見極めながら、引き続き、函館市、北斗市、木古内町としかり協議を行い、平成23年度末を目途に、江差線に於ける地域交通の確保方策についての方向性を決定してまいりたい。
質問6

去る8月に、整備新幹線問題検討会議において「整備新幹線の未着工区間等の取扱い」が確認され、その中で、札幌延伸の三つの課題を提起されていますが、状況によっては、2011年度一校の着工も容易に見通せない状況とも報道されています。一つは新幹線と貨物列車がすれ違う青函トンネル部分の安全対策やダイヤ設定、二つ目は(JRから経営分離される)並行在来線の経営のあり方、三つ目は、最高設計速度の見直し等でありますが、これら解決のための今後のスケジュールについて伺います。

回答 札幌延伸に向けた課題についてでありますが、8月27日に開催された第3回整備新幹線問題検討会議において、「整備新幹線の未着工区間等の取扱い」の中で、医院からお話がありましたように、北海道新幹線については「青函共用走行区間に於ける運行形態のあり方」、「並行在来線の経営のあり方」及び「整備計画に於ける最高設計速度の見直し」の3項目が示されており、今後これらについて、更に検討を行い着工にあたっての基本的な条件が満たされていることを確認した上で着工するとされているところ。今後新たに示された課題については、国において、引き続き検討が進められていくものと承知しているが、その検討スケジュールは示されていないところ。
質問7 こうした中、知事は、函館−新函館の経営分離問題でJR北海道に対して同区間の分離方針を再考するよう要請したことが新聞報道されていました。経営分離に同意しない限り、札幌延伸工事の着工は実現しないと言う「着工条件」をクリアーすることが、必須条件となっている中で道の動きは理解できるところであります。この動きとは別に、前後して「道新幹線の札幌延伸 年度内着工は困難」との報道があり、北海道新幹線・新函館−札幌含む整備新幹線の未着工3区間について、平成22年度の新幹線建設に充当可能な留保財源90億円について、国交省が課題検討に時間を掛けて結論を出すような動きから、年度内の着工は厳しいとの見方を示したものですが、これら二つの動きに対して、知事は、次の一手をどう打つのかお考えをお聞かせ願いたい。
回答 札幌延伸の課題についての対応でありますが、並行在来線の経営分離に対する自治体の同意は、札幌延伸の実現に向けて、早期に解決しなければならない重要な課題であることから、道としては引き続き、沿線自治体及びJR北海道と鋭意協議を重ねるなどして、早期解決が図られるよう、全力で取り組んでまいる考え。また、整備新幹線問題検討会議において新たに示された課題に就いては、本年11月に実施した整備新幹線関係18都道府県による合同要請においても、国として諸課題の検討を早急に行うよう、働き掛けを行ったところであり、今後とも、道内自治体や経済界をはじめ、他県とも緊密に連携しながら、国において諸課題の検討が早急に行われ、認可・着工となるよう時機を失することなく、強く働きかけてまいる。
質問8 私は、平成22年第3回定例会、平成22年第2回定例会において北海道新幹線に関する札幌延伸、平行在来線、負担比率など諸問題について、知事に対し質問を繰り返してまいりました。又、その間も、同僚議員更には関係する沿線自治体関係議員諸氏からそれぞれの立場で議論を交わしてきたわけですが、確実なことは、平成27年度末に北海道新幹線は開業するまで5年と言う事実、また平成23年度末には、平行在来線問題の決着が求められており、1年余しかないという事実でありますが、道の態度は一様に主導的立場での行動が展開されていない状況にあります。関係する自治体には、時間が迫っているわけであります。北海道新幹線に対する部長の決意を伺って質問を終わります。
回答 北海道新幹線の建設促進についてでありますが、江差線に於ける並行在来線対策について、道としては、国の並行在来線への支援策を見極めながら、引き続き、函館市、北斗市、木古内町と論議を深める中で、地域の皆様のお考えをしっかり伺いながら、将来にわたって生活交通の維持・確保が図られるよう、平成23年度末までには地域交通の確保方策の方向性を決定してまいりたい。又、新幹線整備は、時間短縮や移動範囲を拡大を通して東北や北関東などとの間で新たな交流を生み出すと共に、広域観光の振興など、北海道の経済や産業の活性化に大きく寄与するものであり、その効果を広く波及させていくためには、札幌までの延伸が不可欠であると考えています。道としては、並行在来線に関わる国の支援策の拡充を強く求めると共に、地域の皆様のとの協議を重ね、又、「青函共用走行区間に於ける運行形態のあり方」などの課題に係わる国の検討状況も注視しつつ、今後更には、市町村や経済界の皆様と緊密な連携を図り、1日も早い札幌延伸の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。










平成22年第2回定例会について

第二回定例道議会は、6月8日()に開会、22年度補正予算案、「口蹄疫など家畜の感染症に対する備えを万全にするよう求める意見書」などを可決し、6月25日()に閉会しました。代表格質問に私、長尾信秀(北斗市)が立ち、「北海道モデル」、地方分権課題、経済・雇用対策、地域交通対策、教育行政のあり方等について質疑を行いましたので、その概要についてお知らせします。

採択された意見書     ◎は政審発議、○は委員会発議、●は自民会派発議・民主会派発議
地方財政の充実・強化を求める意見書
B型肝炎問題の早期全面解決を求める意見書
外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書
一般国道の維持管理の充実を求める意見書
精神障がい者に公共交通機関の運賃割引制度適用を求める意見書
重症心身障がい児()への支援に関する意見書
口蹄疫など家畜の感染症に対する備えを万全にするよう求める意見書
森林・林業政策の早急かつ確実な推進に関する意見書
道路の整備に関する意見書
義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・拡充を求める意見書
小林千代美衆議院議員の議員辞職を求める決議
荒井聰衆議院議員の事務所経費疑惑に関する真相解明と説明責任をはたすよう求める決議

※「小林千代美衆議院議員の議員辞職を求める決議」、「荒井聰衆議院議員の事務所経費疑惑に関する真相解明と説明責任を果たすよう求める決議」の2件は、

自民会派が提出した。民主会派は、その内容、手続きが妥当性を欠き、党利党略を地方議会の場に持ち込むものであるとして反対した。

ながお信秀代表格質問の要旨  (○は質問者発言、●は答弁者発言)

「北海道モデル」について

任期が残り1年を切った中で突然に示された「モデル」と、知事公約に基づく「新生プラン」等との関係は。
「北海道モデル」は、「新生プラン」や「ほっかいどう未来創造プラン」の実現に向けて、北海道の優位性や特性を活かすことができる分野において、北海道の活性化や国全体の発展につなげようとするもの。
策定に際し、市町村や関係団体からの意見は、どのように聴取したのか。また、道民からの意見聴取、パブリックコメントの手続きを必要としないとした理由は。
総合計画や新生プランを踏まえた施策であり、パブリックコメント手続きはとらなかった。今後も北海道経済政策戦略会議や総合振興局、振興局を通じ意見集約していく。
国への「モデル」の提言はどう進めるのか。また、国の構造改革特区や道州制特区との関係はどう整理するのか。
国費予算要望等の機会を捉え働きかけていく。権限移譲や規制緩和については、それぞれの特区の仕組みを最大限活用し、実現を図っていく。
具体的な「モデル」の施策展開の手法は。
それぞれの「北海道モデル」ごとに関係機関が連携し、さらに地域や民間の人材、資源、アイデアを集め、展開を加速していく。

財政運営について

(1) 今後の国の地方財政運営について
国の23年度予算の編成に向けて、最優先で何を求めるのか。
「経済の活性化や雇用の確保・創出」、地域医療提供体制の確保等、「安全で活力ある地域づくり」、「環境と調和した社会の形成」に重点を置く。
(2) 一括交付金について
「一括交付金」が、23年度から段階的に制度化されようとしている。道への交付金の使途を庁内で、どう決定していこうとするのか。
配分に向け、客観的な指標、社会資本整備進捗率や財政力の強弱、地方実情への配慮等を、国に提言。庁内での決定方法は、国の動向を注視し情報収集に努めていく。
北海道の自治のすがたについて
(1) 支庁制度改革について
いまだに知事が地域に入ることが実現されない中で、地域には、道庁組織がわかりにくくなったとの声もある。現状認識と、積み残されている課題への対応は。
残された課題について理解が得られるよう、地域との信頼関係の構築に努めていく。
地域に大きな混乱をもたらしている出先機関の組織名称変更の影響への認識は。
新名称が浸透するよう、地域づくり連携会議を通じ、地域振興に取り組んでいく。

市町村との融和をどう図り、信頼回復をどのように図ろうとしているのか。

全道振興局長会議で、「信頼関係構築に向け努力するよう」指示するとともに、知事が地域を訪れた際に、同様趣旨を職員に訓示している。
(2) 市町村合併について
平成の市町村合併の総括は。
住民サービス向上、公共施設の広域的利用、行財政運営効率化や基盤強化に効果がある一方で、住民の一体感の醸成が図られない、重複施設の統廃合が進まない、廃止された住民サービスがある、といった課題が生じた。
当面する道政課題について
(1) 経済対策について
中長期的な方策を検証し、成長分野や支援策など、今後の経済政策のあり方が検討されているが、官民の役割分担、とりわけ道としての果たすべき姿が見えてこない。
新たな健康関連産業の育成や、省エネ・新エネ事業の推進等に取り組んでおり、戦略会議を通じ、中長期的な観点に立った取り組みについて議論を深めていく。
どのように本道の優位性を発揮し競争力を高めるのか、そのためには道内の中小企業果たす役割、雇用の創出を具体的に示すべきだが。
「健康」「環境」「国際」の3つの視点を重視しながら、相談指導体制の整備や資金供給の円滑化等により、中小企業の経営基盤の強化を図る。また、新規事業展開や新分野進出を促進することにより、雇用の維持・創出を図っていく。
信用保証協会の経営強化も含め、中小企業者の厳しい現状をどう打開するのか。
金融支援制度が効果的に活用されるよう、金融機関や信用保証協会に対し、積極的な取り扱いを要請。また、商工会議所・商工会等と連携を一層密にし、中小企業の経営支援に万全を期す。
(2) 雇用対策について
雇用創出基本計画で、22年度の目標数を2万8,500人とした考え方と、達成に向けた今年度の雇用戦略の考え方は。
雇用関連交付金の効果的な活用により目標を設定。3つの視点での産業振興の取り組みや、人手不足分野の解消に向けて全庁的な取り組みで重点的に展開する。
「ふるさと雇用再生特別対策事業」「緊急雇用創出事業」については、実効性をあげるために、市町村や受託事業者がより運用しやすくなるような制度改善や、基金の追加造成等の必要がある。
雇用就業機会を確保するため、切れ目のない対策、実効性がある取り組みが必要。国に交付金の追加交付、人件費割合等の事業要件の緩和について要望していく。
職業訓練の対象職種・業務のメニュー見直しに、どう取り組んでいるのか。また、一次産業への就労促進に向けた訓練メニューを強化すべきだ。
医療・福祉分野、一次産業における人材育成に向けた委託訓練を実施。一次産業就労に向けては、農業大学や漁業研修所、森林整備担い手支援センターにおいて実践的な研修に取り組んでいる。
季節労働者を取り巻く状況の変化をどう把握しているのか。

公共事業の縮減、景気の低迷により厳しい状況が続いている。

(3)

医療・福祉対策について

道立病院では、「北海道病院事業改革プラン」を策定したが、経営は改善せず、経営形態の見直しも全く進展していない。早急に計画を見直すべきだ。
道立紋別病院の地元移管に向け努力しており、他の道立病院の経営形態の見直しについても、指定管理者制度の導入の可能性を含め、条件の検討を進めている。
道立紋別病院の移管は難航しているが、何が課題で、今後どう解決していくのか。
財産譲与では病院に関わるものについて無償譲渡、財政支援策では5年程度の分割交付、職員支援では2年間の自治法派遣を基本的な考え方として整理している。
広域化・連携構想を促進するためにも、地域の中核的病院に対して、地方交付税による措置や道による積極的な財政支援を行い、その中核的病院から医師を派遣するシステムを構築するべきと考えるが。
地域医療再生基金を活用して、中核的な医療機関の医師確保を図るため、医育大学からの指導医派遣システムを構築するとともに、総合内科医の要請事業に取り組む。
高齢者施策の地域連携パスは、疾患の発生から診断、治療、リハビリ、在宅医療までを、複数の医療機関、施設にまたがって作成するケース計画が必要になっている。道が主体的に参画、市町村、医療機関の協力で早急に体制を作り上げるべきだ。
「地域包括支援センター」において、ケアマネジャーが医療職との連携を促すための機能強化に向けて検討を行うとともに、研修を通じてケアマネジャーや主治医に対し、医療と介護の連携の重要性の周知を図りながら、切れ目のない支援を図っていく。
北海道の高齢化率が、全国平均を上回る伸びで推移している中で、介護保険制度運用に係る見通しと講じるべき対策への所見は。
低所得者対策や介護職員の待遇改善の国への要望、ケア体制の中核的機関である地域包括支援センターの機能強化、介護予防の推進、認知症ケア体制の強化等、安心して暮らすことができる社会の構築に向けて積極的に取り組んでいく。
道が、介護予防に関する専門的スタッフを組織し、医師、保健師、社会福祉士等が支援する体制をつくり、市町村における専門性を高めていくことが必要だ。
保健師や栄養士、歯科衛生士等を構成員とする支援チームを設置、介護予防事業従事者の資質向上や、事業の企画立案に対する助言等、支援強化に努めている。
「北海道障がい者条例」が4月から本格施行されたが、道庁全体での取り組みを加速させ、条例に基づく取り組みについて道内外に発信、提案していくべきだ。
シンポジウムやタウンミーティングで、道民に広報・啓発してきた。体制整備では、「地域づくり委員会」設置や「地域づくりコーディネーター」配置、また入所施設事業を地域生活支援型事業に転換させる取り組みを、全国に先駆けてスタートさせた。
障がい者が権利や人権の擁護を求めたり、地域で自立して生活する場合において、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家の協力は不可欠だ。こうした団体に対し、どう要請し、どう協力体制を構築して障がい者の権利擁護に取り組んでいくのか。
弁護士会からは、「地域づくり委員会」の委員を推薦いただいた。必要に応じ、司法書士や行政書士等の専門家にも参加していただく。
(4)

一次産業振興について

戸別所得補償制度のモデル事業が動き出した。制度の評価、農業者意見の把握は。

モデル事業は、生産者の経営の安定を図る上では有効な手立ての一つ。自給力向上事業については、従来の制度に比べ、単価設定など地域の主体性が働きづらい。本格的な制度設計に向けて、水田農業の持続的な発展が図られるよう努める。

戸別所得補償制度の畑作への拡大について、今後国にどう意見を伝えるのか。

将来にわたり意欲と希望を持って営農に取り組める制度となることが重要。生産者の経営努力が適切に評価される制度設計に向けた考え方を、国に政策提案した。
補償政策の対象となっていない酪農、畜産、野菜、果樹の分野に対する、経営安定策、所得政策についての見通しと道の対応は。
将来にわたって所得が確保され、意欲を持って営農に取り組むことができる仕組みとなるよう、国に積極的に働きかけていく。
6次産業化に向けて、農産物を加工し、販売し、サービスを提供する等の事業展開についての課題をどう捉え、解決のための施策展開をどうするのか。
「食クラスター連携協議体」の活動を基本に、農産物の持つ機能性に着目した取り組みや、農商工連携ファンドを活用した事業化支援を積極的に推進していく。
6次産業化の実現のためには、食品加工、外食産業、流通業との連携は欠かせない。連携を支える人材の確保、育成にどう取り組むのか。
産業支援機関に配置しているインキュベーションマネージャーに、新たに産業間連携による販路拡大の機能を加える等して、人材の確保・育成に努める。
北海道が、東アジア地域への輸出拠点としての展望を開くためには、情報提供や輸出促進の取り組みに、道としてのリーダーシップが求められているが。
流通ルート開拓や、ネット販売事業者と連携したモデル事業実施に加え、「北海道国際ビジネスセンター」において、中小企業に対し、貿易に関する個別相談や海外取引に関するマッチング支援を行っている。
口蹄疫対策として、農家・農場の侵入防止対策への支援をどう進めているのか。夏の観光シーズンを迎えての、侵入防止対策の進め方は。
農場入り口における消毒の励行に努めるとともに、空港等における靴底の消毒実施、ポスターの掲示等により、水際対策に取り組んでいる。
(5) 交通確保対策について
HACの今後の経営案の策定に際して、日航の会社更生計画の推移によって、日航との関係そのものが成り立たない、あるいは、ごく短期の支援・協力にとどまる可能性を想定しているのか。
日航の会社更生計画にHACへの支援が盛り込まれるよう強く働きかけていく。
HACへの道の経営責任については、これまで以上の責任が発生する等の厳しい事態も想定して、事業プランを検討していかなければならないが。
事業プラン案の取りまとめにあたっては、HACが安定的に事業運営を継続できるよう、日航からの支援を強く求めるとともに、札幌市をはじめとする関係機関との連携・協力のあり方を検討する。
国や札幌市、就航先の空港がある函館市釧路市等の自治体をはじめとする各機関と、HACへの支援について、どう今後の協議を進め、理解を得ようとするのか。
関係機関からは、具体的な事業計画の説明を受けた上で対応を検討するといった対応が示されており、経営体制の基本的考え方や、事業収支試算を示しつつ調整していく。
丘珠空港の存続は、道内の経済活動や地域間交流に多大な影響がある。事業プラン策定にあたり、これらの影響をどう受け止め、どう対応しようとするのか。
第三者機関によるHACの試算査定においては、移転費用等の初期投資額が大きくなることから、交通アクセス確保の課題が指摘された。「新しいHAC経営体制の基本的な考え方」については関係機関と意見交換を行い、事業プラン案を取りまとめる。
道新幹線の、函館市での新駅と現駅との安定的アクセスは、同市のまちづくりの根幹にかかわり、札幌延伸に向けた重大な課題と考えるが、事態への認識は。
並行在来線の経営分離への沿線自治体同意は、整備新幹線の認可着工の基本条件とされており、このアクセス問題は早期に解決しなければならない課題だ。
地域意向が十分に配慮されるようJR北海道と積極的に協議、最大限に努力すべきだ。
並行在来線問題についてJR北海道や沿線自治体と意見交換・協議していく。
(6) 男女平等参画について
男女間の雇用における待遇の格差解消の成果についての検証状況は。
20年度末の道内の女性の平均賃金は、男性に比べ約7割で、依然として格差がある。
男女間の雇用待遇、賃金格差解消について、具体的な数値目標を立てるなど、第2次計画の実効性ある推進策が必要だ。
国で男女の均等な機会や待遇の確保についての検討が進められており、国の計画の内容を見極めながら、指摘の点も含め基本計画の見直しについて検討する。
教育課題について
(1) 教育行政のあり方について
教職員の服務規律等実態調査は、道教委自らが違法性を認めているようなものであり、調査・分析を即刻中止すべきである。
調査を通して、教職員の服務規律の状況や職員団体の活動による学校運営への影響について明らかにするとともに、正すべきことは正し、適切な学校運営を行うことができる環境を整えることが大切だ。
調査が、新年度の多忙な時期に強行され、現場からは、子どもたちと接する時間や本来業務の時間が削られたとの厳しい批判や不信の声が出ている。こうした事態を生じさせた責任についての所見は。
教育公務員として法令を遵守していくことが何よりも必要だ。調査を行うことが学校教育に対する道民の信頼の確保につながると考える。
情報提供制度、通報制度は、教育員同士の「密告」を固定化させるものだ。教職員間の不信や疑心暗鬼をあおり、教育の基盤である信頼を学校現場から失わせるような制度は取り止めるべきだ。
本制度は、情報提供の対象を法令違反行為に限定するとともに、情報提供者に対しては、原則として氏名・連絡先を明らかにし、客観的な事実に基づいて情報提供を行うこと、誹謗中傷を目的とした情報提供をしてはならないことを定めている。
本制度で、保護者や地域住民に何を求めようとするのかが、全く理解できない。単に教育や学校に対する疑心暗鬼や不信をあおるだけのものになると危惧する。
情報提供の対象は、学校運営及び教職員の服務に関し、法令や学習指導要領に違反する行為に限定している。
(2) 特別支援教育について
「特別支援学校の配置に関する考え方」の素案策定の前提として、「特別支援教育」への転換後、「障がいのある子ども」が急激に増加したのはなぜかという分析がない。また、「障がいのある子どもたち」を「特別支援教育」の枠組みだけで捉え、普通教育との連携という観点が考慮されていないが。
障がいの有無に関わらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し、共に支え合う社会の実現を目指すことは重要。小中学校の要請に応じ、特別支援学校から、パートナーティーチャー派遣事業や、小中学校の教育を対象とした各種研修に取り組んでいる。
素案には、「障がいのある児童生徒」や保護者の負担増が懸念される対応が盛り込まれている。「できるだけ身近な地域」ではなく、「身近な地域・通学区」での就学を実現すべきだ。
校舎の狭あい化への対応や高等部における受入体制の整備、児童生徒数の少ない視覚障がいや聴覚障がいの特別支援学校における集団性の確保が急務と考えている。
(3) フッ化物洗口について
インフォームドコンセントでは、危険性の情報提供も不可欠であり、保護者が子どもの最善の利益を判断して、承諾、または拒否する権利を保障しなければならない。
安全性に不安を持つ人もおり、洗口の安全性や適切な実施方法について、保護者に対して十分に説明した上で、希望した子どもに対して実施する。
再質問
「北海道モデル」について
任期最終年だ。知事が積み残した多くの課題から、優先的に実現すべき課題としてテーマ設定したわけではないのか。今年度の道の予算執行、施策展開で、6テーマをどう取り扱うのか。
地域の特色ある取り組みを、さらに磨き上げていくための先導的事業の実施等、モデル全体を牽引していくような取り組みに、予算を効果的に活用するとともに、率先して関係団体に働きかける。
実現への意欲に疑問が持たれる対応だ。各部局横断的に取り組むとしている6テーマを設定した際の庁内での協議の経過は。テーマは、今後も増やすのか。
関係部局で検討、政策会議で決定した。障がい者条例に基づく先導的な取り組みを踏まえ、「共生型事業」への総合的な支援等、福祉分野も新たに加える。北海道経済政策戦略会議や総合振興局、振興局を通じて道民の意見を聞き、モデルの充実に努める。

北海道の自治のすがたについて

(1) 支庁制度改革について
地方に混乱を持ち込んだにもかかわらず、成果は乏しいと言わざるを得ない。知事自らが地域に出向き、知事自身が信頼回復を図る努力をする姿が見えない。積み残し課題の解決と、信頼回復こそが最優先されるべきではないのか。
道庁が地域と一体となった取り組みを進め、自ら地域に出向くことにより、地域との実りある関係づくりに取り組んでいく。
(2) 市町村合併について
知事として、道としての総括が全くない。平成の大合併終了に際しての総括は。
合併効果が発揮されるよう助言や支援していく。今後は、自主的な合併や広域連携の取り組みについても助言や支援を行い、市町村の行財政基盤や機能強化に努める。

当面する道政課題について

(1) 中小企業経営支援について
中小企業の新規分野参入等を重視するならば、新規事業に対する補助率アップ、貸付金利の緩和等の支援策強化が検討されるべきだ。
中小企業応援ファンドによる製品開発や販路開拓事業の補助率引き上げ、中小記号総合振興資金による創業貸付の自己資金要件や事業確信貸付の対象要件の緩和により、支援の強化を行っている。
(2) 雇用対策について
雇用交付金事業の効果として期待されているのは、継続的な雇用創出。地域での取り組みが継続的な事業となっている実績と、継続的な事業促進のための支援策は。
「ふるさと雇用再生特別対策推進事業」では、244事業が22年度にも継続的に実施されている。地域会議や「常用雇用一時金」の活用を通じ、雇用の受け皿づくりに取り組む。
季節労働者の通年雇用促進への方針転換による通年雇用化の実績は。
各年度5千人程度を目標として、19年度は5,137人、20年度は5,466人の通年雇用化が図られた。
(3) 一次産業振興について
戸別所得補償の本格実施に際し、畑作農家が安心して経営を営むことができるために、道はどう取り組もうとしているのか。
交付金の支援水準の確保に向けて国に強く働きかけていく。
「食クラスター連携協議体」が成果をあげるために、解決すべき課題と対応は。
庁内横断的な体制や、地域ごとの連携体制を整備してきた。
(4) 北海道新幹線について
札幌延伸に伴う並行在来線の対応への考え方は。
経営分離区間については、地域の意向を十分に配慮する必要があり、今後もJR北海道とも率直な意見交換を行っていく。
教育課題について
(1) 教育行政のあり方について
服務規律等実態調査の意義は。
教職員が服務規律を遵守し、学習指導要領に基づいた指導が行われ、適切な学校運営が行われることが目的。
情報提供制度、通報制度は、極めて時代錯誤的な発想。この制度によって、教職員が互いに信頼しあい、適切な学校運営が本当に行えると考えるのか。また、地域、保護者との信頼感が醸成されると考えるのか。
信頼関係の大前提は、法令の遵守である。本制度の適切な運用により、信頼の確保に資するものと考える。
学校運営への不満、教師への不満を、こうした制度によって助長することは、地域、保護者、学校現場での相互不信を、いたずらにあおると懸念するが。
学校現場に無用の混乱を招かないよう、情報の内容を判別、適切に制度運用していく。
学校に関る課題は、学校の主体性によって解決されるのが基本。学校の頭越しの通報制度は、論理矛盾。中止を含め、制度を見直すべきだ。
情報提供の内容や信ぴょう性を精査した上で、当該市町村教育委員会と連携を図ることにより、学校運営の適正化につなげていこうとするものだ。
(2)

フッ化物洗口について

危険物の懸念も含めた情報提供が必要であり、学校現場の教職員の理解が、導入の大前提となるべきだ。
保護者への説明会に先立ち、効果や安全性、実施方法について教職員に説明を行うことにしている。


平成22年第1回定例会予算特別委員会での質疑の概要

第1回定例道議会は、2月23日(火)に開会し、道の22年度予算案、地方独立行政法人・道立総合研究機構の発足関連議案、副知事等の人事案件、「企業団体献金の禁止等を求める等を求める意見書」、「教育予算の大幅な拡充
及び高校教育の無償かを求める意見書」などを可決し、3月24日(水)閉会しました。一般会計の規模は2兆8181億円で、前年度当初予算より2%減。4年連続の直轄事業負担金を計上保留する実質赤字型の予算編成となった。
採択された意見書
企業団体献金の禁止を求める意見書
教育予算の大幅な拡充及び高等教育の無償化を求める意見書
雇用対策の拡充を求める求める意見書
若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める意見書
児童虐待を防止するための親権制限を求める意見書
学校耐震化促進を求める意見書
医療的ケアの必要な子供の就学に係わる地方自治体への支援を求める意見書
持続的な農業・水産業政策の確立を求める意見書
長尾信秀は、平成22年第1回定例会予算特別委員会において、質問を行い道の姿勢を正しました。
北海道農業の生産振興について
戸別所得補償制度について
質問

先に、戸別所得補償制度の概要がきまり、米から先行実施されることとなりました。一時期は「やっかいどう米」と揶揄された道産米ですが、1988年「きらら397」が鮮烈デビューして以来、今日の「ふっくりんこ」や「ゆめぴりか」のように、今や押しも押されぬ北海道米の地位を確保しつつあります。これらは、「まずい米の産地・北海道」から「日本一うまい米」への脱却を目指した、まさに北海道農政の勝利といっても過言ではなく、徹底的に品質にこだわった証であります。戸別所得補償制度の中での品質や生産コスト低減に向けた規模拡大、環境や国土保全に資する度合・貢献度など、制度上の生産調整目標を守る農家に対する定額補償に加算される措置について、「米チェン・北海道」として、国に対しどのように要請していくのか、具体的にお示しいただきたい。

回答 本道の稲作は、これまで優良品種の開発をはじめ、経営規模の拡大や栽培技術の向上、生産コストの低減などを通じて、良食味米の安定供給に努めてきたところ。また、麦・大豆・野菜といった転作作物についても、安全・安心を求める消費者ニーズに応じたクリーン農業や有機農業の取組をはじめ、地域が一体となって生産性や品質向上に取り組むとともに、出荷基準の統一などを通じて産地化を推進してきたところ。
こうした中、国においては、23年度からの本格実施に向けて、米に加え、新たな対象品目となる麦・大豆などの支援の水準や方法について検討するとともに、経営規模に応じた加算や環境保全の取組に対する加算などについて、併せて検討するとされている。
 このため、道としては、22年度のモデル対策の実施状況や地域からの意見等を踏まえ、大規模で生産性の高い経営が主体となって良食味米の生産や転作作物の産地化などに取り組んできた北海道の実情が反映される制度となるよう、農業団体と協議しながら道としての提案を取りまとめ、適切な時期に国に働きかけてまいる。 

水田農家の経営安定について

質問

米の生産調整の強化を受け入れてきた北海道では、転作奨励作物として、小麦・大豆・野菜や花卉など多品目への転作が進み今日に至ってます。今まで、産地づくりに汗してきた農家は、米以外の作物への助成が大きく目減りすることが懸念されており、国策として推進してきた転作奨励が、制度転換で全く梯子を外された思いです。そしてまた、普通畑に転換した土壌は、簡単に水田に戻せない現実の中では、転作率が高く、国の農業政策に協力してきた地域ほど、状況は深刻であることは、承知のとおりであり、従来の助成水準が維持されるなど、補償が手厚くされるべきものと考えますが、転作率の高い本道として、国にどのような姿勢で対応するのか所見を伺います。

回答 本道は、50パーセントを超える転作率を配分されてきたなかで、麦・大豆・野菜といった転作作物を積極的に導入し、地域が一体となって生産性や品質の向上などに努め、その産地化を図り、我が国の主要な食料地域として重要な役割をはたしているところ。
こうした中、この度の水田利活用自給力向上事業の実施に伴い、転作作物に対する助成体系の変更による影響が懸念されていたことから、国は、農業者等からの要望を踏まえ、22年度において激変緩和措置を講じたところ。
また、国は、23年度以降の戸別所得補償制度の本格実施に向けて、米はもとより、畑作物の制度設計を行うほか、野菜・果樹についても、別途支援策を検討するとしている。
このため、道としては、水田農業の持続的な発展を図るため、こうした制度等において、転作に積極的に取り組み、我が国の食料自給率の向上に大きく貢献してきた本道の農業が、適正に評価される仕組みとなるよう、農業団体と一体となって、国に働きかけてまいる。
米の配分について
質問

道産米の食味や品質は大きく向上し、今や全国的にも「美味しくて安い」と実需サイドから高い評価を受けています。現在の都道府県別の生産数量配分は、昔の「まずい道産米」時代を反映した要素が大きいと考えますが、近年の食味向上が著しい北海道米を再評価するためにも、国に対し県別配分の抜本的な見直しなどを要求すべきと思いますが、所見を伺います。

回答 米の都道府県別生産数量目標は、平成16年産以降、各都道府県において生産された 。米の販売実績を基本に配分されており、本道においては、生産者・関係機関・団体を挙げて「売れる米づくり」に取り組んできた結果、全国的に米の消費量が減少している中、北海道への配分シェアは18年産以降微増傾向にあるところ。
このようななか国は、平成23年産以降の都道府県別配分について、今後検討するとしていることから、道としては、近年さらに品質が向上し、今後一層のコスト低減の可能性を有する北海道米が、適切に評価される仕組みとなるよう、農業団体と連携し、国に働きかけてまいる。
定期助成について
質問

転作作物に対しては、産地づくり交付金に代わる助成金と、緑ゲタ・黄ゲタが昨年同様の水準で措置されたと承知していますが、全体の助成額の大部分は単収の多少にかかわらず定額助成となります。これでは担い手の増産意欲を削ぎかねないと考えますが見解を伺います。

回答 夏場の気象変動の影響を受けやすい本道の水田農家にとって、個別所得補償制度で措置される作付面積に対する定額助成は、経営安定を図る上で、有効な手立ての一つであり、セーフティネットとしての役割をもつものと考える。
一方、単収や品質の向上による所得の増加については、消費者の実需者ニーズに応える農家の努力を評価するものとして、一般的には市場において実現されるものであると考える。
地域の裁量について
質問 従来の産地づくり交付金では、地域の重点的な転作作物への自由な単価設定に加え、担い手の作業や農地集積など、地域農業構造改革を進めるための支援などが可能でありました。私は今年度の制度においても、こうした地域の自由な裁量を活かせる中身とすべきと考えますが、道の見解を伺います。
回答 国は、政策の展開に当たっては、生産者はもとより、納税者の理解を得る上で、シンプルでわかりやすい制度内容にしていくことが必要としているところ。
道としては、本道の水田経営の持続的な発展を図るためには、今後とも自然条件や営農実態に即して、地域が主体性を発揮できる、きめ細やかな農業施策の展開が必要と考えている。
このため、23年度からの本格実施に向けて、22年度のモデル対策の取組内容を十分に検証し、農業団体とも十分に連携を図りながら、地域の生産者の方々の意見を十分に踏まえ、地域の主体性や自主性が発揮できる制度となるよう、国に求めてまいる。

今後の農業構造と後継者対策について

質問 ●北海道における農業所得について、国は、おおよその数値を示していますが、北海道の中核的農家が自立できる規模はどの程度と試算しているのか伺うとともに、個別所得補償制度の目的に掲げられている食料自給率(10年後目標 50%)の向上は、最終的にはどの程度の中核農家戸数をもって、算定され、想定されているのか、あわせて伺います。又、農業の担い手は、減少の一途をたどっている一方、高齢化も進んでいる状況にありますが、目標10年後の農業従事者数や高齢化率をどのように据え、合わせて後継者対策をどのように進めていこうとしているのか伺います。
回答 国では、食料・農業・農村基本法に基づき、おおむね5年毎に、基本計画を変更することとしており、本年3月の策定に向けて、検討しているところ。
このような中で、3月12日の国の審議会の企画部会に提案された基本計画の素案には、平成23年度の食料自給率が50%と示されたが、これを担う全国の農家戸数など構造展望や北海道の農業所得、中核農家の規模などについては、現時点では示されていない状況。
また、道内の農業就業人口は、平成20年で118,000人と年々減少するとともに、65歳以上の占める割合は、35.6%と年々増加しており、今後ともこうした傾向は続くものと考えている。
道としましては、意欲ある専業的な農業者を中心に、法人や多様な担い手により経営が展開されるよう、農業後継者の育成・確保や、農外からの新規就農の促進、法人化の推進などについて、取り組んでいるとこるであり、今後とも担い手の一層の育成・確保を図ってまいりたい。

米価の下支え対策について

質問 JA全農の09年度米の契約数量は、1月末現在、前年比5割弱で、実際の販売数量も同64%と落ち込んでいる状況にあり、米の需給が緩和していることが分かりました。新制度のモデル事業は、交付対象を生産数量目標を達成した販売農家に限定した販売農家に限定し、並行して転作作物に誘導する水田利活用自給力向上事業など、それなりの生産調整メリットを用意し、需要引き締めの姿勢は見せておりますが、このままでは、10月の出来秋には、民間在庫が40万トン近くに達するとの見方もあります。懸念することは、「余剰米」となって、近年下がりつつある米の入荷価格に影響し、変動幅を穴埋めするために、さらに大幅な国庫予算が発生し、将来的に財源確保ができるのかということであります。米以外の作物も多い北海道にとっては、「米もダメ、他作物もダメ」とならないか、将来の北海道農業を憂慮しなくてもいいように、下支え対策を示していただきたい。
回答 国においては、戸別所得補償モデル対策の実施により、生産数量目標の達成農家に対する米の所得補償が需給調整への参加に対する強力なメリットとなること、また、転作作物の作付けを誘導する水田利活用自給力向上事業について、米の需給調整への取組を要件としないため、その参加者の増加が見込まれることなどから、米の需給の引き締め効果が期待できるとしている。
一方、米産地においては、生産者はもとより、地域関係者の中に米の価格の下落を懸念する声もあるものと承知している。
このため、道としては、23年度以降の本格実施に向けて、米の需給調整機能の面からも、22年度の状況を十分検証し、水田経営の安定に資する制度となるよう、農業団体と一体となって、国に提案してまいる。
米の販売代金の精算について
質問 生産者に対する米価精算は、3年にもまたがって支払われており、生産コストの算定など経営改善を進めようとする農家にとって極めて不満な状況です。道として、この課題をどのように認識し、どう改善されようとしているのか伺います。
回答 系統団体におけるうるち米の販売は、「全道共同計算」の方式で行っており、この方式は、当年産の入庫時に、おおむね9割に当たる概算金を農家に支払い、残りをJAから委託を受けた米の販売が確定した後の翌年12月に、精算金として支払う仕組みとなっている。
精算金の支払い時期については、系統団体では、生産者手取りの早期確保に努めているところであり、道としても、農家の営農に支障が生じぬよう、できる限りの早期の支払いについて働きかけてまいる。
交付金の控除面積等について
質問 戸別所得補償モデル事業の交付金を算定する上で、交付対象面積は、主食用米の作付面積から一律に自家消費米として10aを控除して算出することになります。今日では、農業者も平均的には、10aあたり7〜8俵の自家消費の想定は、北海道としては、多すぎるのではないか、このような措置で米の需給バランスに影響がでるのではないかと懸念されます。全道規模では、どの程度の控除面積及び数量となるのか伺うとともに、余剰米の対策もあわせて伺います。
回答 自家消費米として控除される対象面積は、本道の主食用米作付農家戸数が約17,000戸であることから、1,700ヘクタールとなり、その面積で生産される米の数量は、平成21年産の平年単収535キログラムで試算すると約9,000トンと見込まれる。
また、この自家消費分のお米については、国が示す生産数量目標に含まれており、需給バランスに影響はしないものと認識している。
10 制度の運営について
質問 今般の新制度の運営にあたり、総事業費5,538億円余りに比して必要な事務費が、76億円と非常に少ない予算額であります。交付金の申請手続き・交付金の支払いは、農政事務所などが農家の交付申請を直接受付け、所定の手続きを進めることとされていますが、作付状況の確認や改善計画書の作成指導、電算システムへの入力事務など、従来に増して煩雑な業務量が予想されます。現地における事務の執行体制について、市町村やJAなど連携が必要になってまいりますが、その点から言えば、交付に関る事務費が、非常に圧縮されているように思います。制度を運営していく上で、市町村との協調・協力は不可避なわけですが、市町村等への事務費配分方法も含め、フォローには万全を期していると思いますが、準備状況も含め伺います。
回答 国は、戸別所得補償モデル対策の実施に当たり、市町村段階において、農家の申請手続き支援、計画書の配布、回収、作付状況の現地確認、システムへのデータ入力等、業務の推進に必要な経費を助成することとしており、これまでの産地確立交付金の事務費と同程度の額が配分される見込み。
また、道内においては、市町村、農協、共済組合等からなる地域水田協議会が市町村段階の実施主体となり業務を推進することとし、現在、地域協議会に対し事務費の需給額調査を行っており、地域協議会が必要とする事務費を配分できるものと見込んでいる。
11 水田利活用自給力向上事業について
質問 水田自給率向上対策事業において、主要作物の麦や大豆その他制令で定めるものとして、甜菜、でんぷん原料用馬鈴薯、雑穀、菜種や飼料作物等への助成単価水準は、従来から軒並み減額となります。これらの影響は、農業経営に大きく影響します。北海道14支庁ごとの水田と畑作や標準的な他作物との組合せをした一定の経営規模をモデルとした一定の経営規模をモデルとした場合、支庁ごとに、新制度の影響をどのように試算、把握し、その援護策を考えているのか伺います。また、道南における水稲栽培農家の現状をみると、昭和55年〜20年間の農業粗生産額と農家一戸あたりの生産所得では、米や畑については、生産額が増加しており、生産額を増やし、所得をあげる効果には、野菜と花卉への依存度も高く、このたびの制度の影響を大きく受けるのは、必至ではないかと危惧しています。水田と畑作兼業農家の標準的なところを据えた時、このたびの制度での影響をどのように推し量っているのか、その弊害を克服するために市町村、JAに対してどのように指導しているのか伺います。
回答 22年度に実施が予定される水田利活用自給力向上事業の交付金と、19年度の産地づくり交付金を比較した試算結果によると、転作の規模や取組内容により大きく異なっており、水田面積の多い空知管内では約47億円、上川管内では30億円の減額となり、また、道南地域の渡島管内では約1億円、檜山管内では約7億円の減額などとなっている。
このような状況を踏まえ、国は、助成額の減少による影響を緩和するため、22年度において、激変緩和措置を講じたところ。
道としては、この激変緩和措置の実施に当たり、全道119地域に設立されている、地域水田協議会の主体的な取組に委ねるとともに、転作率の高い農家の、影響緩和に十分配慮するよう指導してきたところであり、現在、地域ごとに検討された具体的な緩和措置について、国との協議を進めているところ。
12

農業における「北海道価値」づくりについて

質問

高橋道政は、任期前一年のこの年、執行方針で「北海道価値」を更に輝かせるため、三つの視点を掲げ、取り組みに全力を尽くすとしているが、知事の唱える「困難の克服」、「未来への挑戦」、「知恵と力の結集」の視点から考えた場合、高い食糧供給力を持つ北海道農業での「北海道価値」づくりを、「日本国内での北海道価値」、「世界の中での北海道価値」をどのように高め、取り組もうとしていくのかを最後に伺う。

回答 本道農業は、厳しい自然条件の下、先人の多大なる尽力により、幾多の苦労を克服し、わずか140年程の間に、食糧自給率200%、生産高約1兆円を産出する我が国最大の食料供給地域としての地位を築いてきたところ。
私ども、農政に携わる者としては、こうした先人の高い志と進取の気概を礎に、生産者の皆さんが、将来にわたり意欲と誇りを持って取り組むことのできる農業と、活力と魅力のある農村を、しっかりと後世に引き継ぎ、これらが生み出す「安全・安心でおいしい食」や「うるおいや安らぎを与える農村環境」などの「北海道価値」を高めていくことが責務であると考えている。
このため、道としては、安定的な農業生産を可能とする生産基盤の整備や技術の開発普及をはじめ、環境と調和したクリーン農業や有機農業の普及・拡大など、我が国の食料自給率向上への貢献と「食」の北海道ブランドづくりに積極的に取り組むとともに、農業を核とした地域の各産業との連携強化や地域における多様な人材や資源を活かした農業ビジネスの創出など新たな取組をスタートしていくことにより、本道の農業・農村が持つ「価値」を一層高めてまいりたい。

北海道経済・産業の活性化について
道経済の成長見通しについて
質問 民間のシンクタンクは、2010年度の北海道の経済見通しを立てています。日銀札幌支店金融経済レポートと比較しても、道内総支出からみた経済成長力は、前者−0.2%後者では−0.5%〜−1.3%と、やや幅があるものの、いずれも低い成長率を予測しており、ここ3年、連続してマイナス見通しとなるものであります。『多くの企業が厳しい経営を強いられている中で、「経済の安心」を最重要課題として、逆風に耐えうる、足腰の強い経済の確立にしっかりと取り組む。』としていましたが、経済対策を打ち出してきたにも関わらず、経済成長見通しが、連続、マイナス成長であることについて、要因も含め、所見を伺います。
回答 道では、これまで、厳しい経済・雇用状況へ対応するため、数次にわたる経済・雇用対策に切れ目なく取り組んでまいりましたが、日銀札幌支店や民間シンクタンクによる、平成22年度の本道経済見通しによれば、民間最終消費や住宅投資、移輸出が持ち直すものの、公的需要への依存度が高い経済構造の下で、公共投資や民間設備投資などが減少する見通しであることから、本道の経済成長率が3年連続のマイナスとなるとの厳しい見通しが示されたものと承知。
こうしたことから、道としては、現下の厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、雇用対策・中小企業対策はもとより、本道経済の成長発展に資する施策の推進に努めるなど、民間主導の厚みと広がりのある経済構造の構築や地域経済の活性化に全力で取り組んでまいる考え。
中小企業セーフティネット対策について
質問 北海道経済は、民間消費は、やや上向くものの、企業の業績悪化は、設備投資の投資活性化も低迷するなど、さらに進行するとの予測がある。中小企業対策として、融資制度の充実、再生支援策を打ち出しているが、平成21年度の利用実績見込みと平成22年度中小企業救済への取り組みについて伺う。
回答 企業を取り巻く経営環境が厳しさを増している中で、企業の経営安定と雇用の確保を図っていくためには、倒産防止などのセーフティネット対策が重要と認識。
このため、今年度においては、道のセーフティネット貸付の新規融資枠を大幅に増額し、円滑な資金供給を図っているほか、道内6地域の産業支援機関に再生支援マネージャーを配置し、きめ細やかな経営相談など再生支援に向けた取組を行ってきているところであり、平成21年度の実績については、本年1月末時点でセーフティネット貸付では、前年同期を5割ほど上回る1,162億円の新規融資額となっているほか、再生支援マネージャーによる相談対応は264件となっているところ。
道といたしましては、中小企業者に対する資金供給の一層の円滑化を図るため、来年 度に向けてセーフティネット貸付の新規融資枠を本年度と同額の1,450億円とするほか、幹部職員が金融機関を直接訪問し、円滑な融資について要請するとともに、新たに巡回による経営相談などを実施することにより、早期の経営改善が図られ、中小企業の経営安定や体質強化に繋がるよう取り組んでまいる考え。
国の成長戦略への対応について
質問 知事は内閣府が、2009年11月に公表した地域経済動向の中で、北海道の業況判断が、2009年8月調査の「下げ止まっている」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正されたものの、平年の水準まで回復するには時間を要する状況にあります。また、2007年9月以降、拡大傾向が続いていた全産業にみる北海道の業況判断は、2009年3月には、マイナス36まで低下し、下げ止まりの兆しが見られるものの全国と同じ傾向でマイナス幅の大きい状態が続き、北海道経済に暗雲が立ちこめた状態にあります。そんな中鳩山政権は、昨年末に新成長戦略として「環境・観光・健康」を成長のポイントとして掲げましたが、この3Kは、いずれも地域ごとに異なる特色を持ち、地域の得意分野と考えるところですが、全産業が閉塞感に覆われている今日、起死回生の新長期戦略とどのように向き合い、取り組んでいくのか伺う。
回答 昨年12月の基本方針によれば国は、需要面から成長を図る新たな成長戦略を本年6月を目途に策定することとし、需要創出を図る成長分野としては、環境・エネルギー・健康・アジア経済・観光立国・地域活性化などの6分野としたところ。
この成長戦略は、少子高齢化の進展や、環境・エネルギー制約の高まりなどの、社会的課題への対応を通じて、新たな成長市場を創出していこうとするなど、昨年11月の経済政策戦略会議の提言を踏まえて、道が来年度から実施しようとしている成長力強化の取組みと共通する考え方に立つものも多いと受け止めているところ。
こうしたことから、道としては、国の動向を注視するとともに、そうした戦略に即した施策が、本道経済の成長に結びつくものとなるよう、道内での事業展開などについて、国に対し積極的に働きかけてまいる考え。
体制づくりについて
質問 最近、医学的根拠に基づく健康増進を目的とする観光事業に「ヘルスツーリズム」の適地として、大自然に恵まれた環境や温泉、スポーツ施設の多い北海道が注目されております。潜在需要、市場規模は、4兆円とも言われ、北海道経済再生の柱として据えるに十分なインパクトを持っている3K戦略について、経済立て直し、地域活性、雇用拡大の面から取組み姿勢を伺うとともに、これらの進展のため、従来の産・学・官連携活動に財界や金融機関などのセクターを加え、早急な体制づくりを進言したいわけですが、所見を伺います。
回答 道は、昨年7月から経済団体や生産者団体、労働団体、地方団体などからなる経済政策戦略会議を開催し、本道経済の成長力強化に向けて、重点的に取り組むべき課題や、道の経済政策のあり方について意見交換してきたところであり、昨年11月には、本道の成長力強化に向けた取組に関する提言をいただき、その提言を踏まえた「健康」「環境」や「国際」の視点による取組を22年度から展開していくこととしているところ。
道としては、今後とも、経済政策戦略会議などのご意見を伺いながら、例えば、健康意識の高まりや本道の優れた自然環境を活かした、環境分野での新たな事業展開を含め、長期的な観点に立った取組みなどについて議論を深め、関係者との一層緊密な連携を図りながら、本道経済の成長力強化に向けてオール北海道体制での取組を進めてまいる考え。
移輸出の増加予測について
質問 民間シンクタンクの計測ですが、2010年道内総生産を算定する上で、かろうじてプラス要因と捉えられているものの中に、移輸出+1.1%があります。北海道経済成長率は、実質で−0.2%、名目では−0.5%となる見込みですが、それは、政府の追加経済対策の効果によって、道外に於ける民間需要の回復等から、道外向けの食料品などの移出が上向くことが見込まれるとの観測によるものです。一次産業を経済の柱としているわが北海道において、この移輸出のプラス観測をどのように据えているのか、その促進策も含め所見を伺います。
回答 来年度の経済見通しによれば、本道が強みを有する食料品などの移輸出が、前年度と比較してプラスと見込まれていることは、道内経済にとって明るい材料であり、本道の優位性を活かした産業振興施策を展開していくことにより、成長発展を促していくことが必要。
このため、「食クラスター」活動の本格展開による技術開発や付加価値向上、農商連携などによる食関連産業の振興、新たな食材、商品の発掘磨き上げや販路拡大のための商談会の開催支援など、本道経済の成長力強化に向けた取組を積極的に推進してまいる考え。
景気対応緊急保証制度の普及について
質問

景気対応緊急保証には、道内の基礎素材型、加工組立型、生活関連型の主要な各産業を含む業種も保証対象業種に含まれていることから、主要鉱工業生産指数を下支えすることが期待される。北海道としてこの対策を普及促進するため、北海道経済産業局など関係機関とどのように連携するのか伺う。

回答 本年2月から取扱いが開始された景気対応緊急保証制度は、一昨年創設された緊急保証制度よりも対象が大幅に拡大されており、その中には、ボイラ製造業やパルプ・製紙機械製造業などが新たに追加されていることから、これらの業種の中小企業への融資の円滑化により、経営の安定が図られることが期待されるところ。
道といたしましては、これまでも景気対応緊急保証制度の活用による金融の円滑化を図るため、北海道経済産業局と連携して制度の説明会の開催やパンフレットの配布などにより周知に努めるとともに、北海道信用保証協会や日本政策金融公庫などの協力も得て、ワンストップ形式の個別相談に対応してきたところ。
いずれにいたしましても、自立型の力強い産業構造への転換による本道経済の再建のためには、ものづくり産業の振興・発展が重要であることから、今後とも地場産業の技術力向上や、品質・コスト・納期への対応力強化などの施策を推進するとともに、道内中小企業の資金調達を支援するため、国や関係機関との連携を一層密にして、景気対応緊急保証制度のさらなる利用促進に努めてまいる考え。
本道の優位性を活かした経済発展について
質問

道は、他府県に優位性をもつ観光や健康のための地域資源、バイオマスや自然エネルギー、さらには食の分野で付加価値を一層高め、新規需要創出につなげていくことが必要と考えますが、これからの北海道経済の発展基盤形成という点から所見を伺います。

回答 道では、これまでも北海道経済活性化戦略ビジョンに沿って、食や観光といった本道の強みを活かし、中小企業の新分野進出やIT・バイオ産業といった新たな産業の振興を図るとともに、ものづくり産業の育成集積を促進するなど、活力ある地域経済の実現等に向け、各般の取組を進めてきたところ。
民間が主体となって発展する厚みと広がりのある産業・経済構造の実現と、地域経済の活性化を図るため、今後は少子高齢化や環境エネルギー制約といった経済社会環境の変化を踏まえて、農商工連携などによる食の高付加価値化の推進や、健康関連産業の振興はもとより、雪氷などの自然エネルギーやバイオマスを利用した省エネ・新エネに関する新たな産業の育成、さらには次世代自動車や食品加工機械といったものづくり産業の育成集積など、本道の強みや特性を最大限、活かせるよう取組を進めてまいる考え。
商店街の活性化について
質問

中心市街地の老舗商業施設・商店街の衰退が進行しているが、商店街の活性化対策の充実・強化に取り組むことが、地域経済ひいては北海道経済の再生になると考えるが、所見を伺う。

回答 小売商業は、従業者数、事業者数など経済活動面から見ても、地域の主要な産業であり、商店街は日々の消費活動を直接支える存在であるとともに、「地域コミュニティの担い手」として重要な役割を担っており、その活性化を推進することは、地域経済の再生を図る上からも、大変大切であると考えているところ。
●このため、道といたしましては、北海道小売商業振興方策に基づき、環境の変化に対
応した魅力ある商店街づくりを促進することとしており、国はもとより、市町村や経済団体など関係機関とも連携を密にしながら、昨年8月に施行された「地域商店街活性化法」も活用し、商店街の同法に基づく計画づくりや、人材の育成・確保を支援すなど商店街の活性化に努めてまいりたい。
社会経済環境の変化に追い風とする経済活性化の取組について
質問

北海道の潜在力の高さを今一度再確認し、北海道周辺の日本より高い成長率を誇る中国、台湾、韓国、東南アジア、ロシアなどのマーケットをうまく利用していくべきであります。北海道の潜在力とは、第一次産業であります。農業においては、おいしいものを作る力であり、耕地面積の広大さから生産性の優位性であります。又、漁業・水産業にあっては、さけ・ます・すけとう・にしん・ほっけ・ほたて・こんぶは、国内シェア8〜9割、養殖関係や食用加工品も非常に強いのであります。近年、漁業生産額も唯一北海道は伸張しており、アジア向け輸出も堅調であります。さらに観光は年間を通して楽しめる北海道であります。広大な自然に恵まれた北海道を観光業界として、いかに宣伝するかにかかっているといえます。さらには、「北海道志向の強さ」という潜在力があります。北海道には食の安全・安心を求める声の強まり、環境・エネルギー制約の高まり、グローバル化の進展といった、今までになく強いフォローの風がいろいろ吹いています。この風をいかに掴むかが、北海道経済数十年後の姿を決めていくように思うが、所見を伺います。

回答 我が国は、当面する厳しい経済環境はもとより、人口減少や少子高齢化、環境・エネルギー制約、グローバル化、ボータレス化の進展といった経済・社会情勢の大きな変化に直面しているところ。
道としては、このような変化を成長需要の好機を捉え、本道の特性や強みを最大限活かし、例えば、食クラスター関連のものづくり産業や、バイオマス・雪氷エネルギーを利用する環境関連産業の育成・集積を進めるとともに、本道の魅力を広く国内外に発信し、来道観光客の誘致を進めるなど、経済社会環境の変化の積極的に対応しながら各般の取組を進めてまいる考え。
10 経済部長の決意について
質問

北海道の経済成長率をここ十数年間で見てみますと、1997年の−2.7%から始まって、2000年に持ち直して+1.3%に改善したものの、この年をピークに下降し始め、全国ほど変動幅は大きくないものの、2005年から今年までの予測を含めると7年間は、マイナス成長という状況になります。2010年度は、知事にとって、就任2期目最後の一年となります。執行方針の中で「北海道の将来に向けた成長の道筋を付け、厳しい経済、雇用など『困難の克服』の年」として位置づけておりますが、改めて北海道という地域性を活かした経済活性の手法について決意を伺いまして、質問を終わります。

回答 道としては、依然として厳しい本道をめぐる厳しい経済情勢の中、道内経済の活性化を図り、安定的な雇用の場を創出していくため、今後とも本道が比較優位性をもつ、食や観光などといった地域産業の振興や、IT・バイオなどの新産業やものづくり産業の育成、集積促進に積極的に取り組んでまいる考え。
その取組に当たっては、少子高齢化の進行、環境・エネルギー制約などといった国内外の経済社会環境の変化に対応した取組が特に重要と考えており、本道の持つ強みや地域ごとの特性に十分配慮しつつ、経済政策戦略会議での提言なども踏まえ、「健康」、環境」や「国際」といった視点に重点をおき幅広い関係者と連携しながら、民間需要が主導する厚みと広がりのあるバランスの取れた経済・産業構造の実現や、地域経済の活性化に向けた取組を積極的に推進してまいる考え。



平成21年第4回定例会一般質問の概要(抜粋)

第4回定例道議会は、11月26日(木)に開会、道補正予算案、「経済・金融不安から国民生活を守り、社会的セーフティネットの拡充を求める意見書」、「保育所・児童入所施設の環境改善を求める意見書」などを採択し、12月10日(木)に閉会した。今回提案可決された補正予算総額は、一般会計で109億2千5百736千円。主なものは、新型インフルエンザワクチン接種費用負担軽減事業補助37億3千3百万円、緊急雇用創出事業臨時特例対策推進費5億円、中小企業総合振興資金貸付金35億7千2百万円、冷湿害対策関連2千9百万円(他に債務負担行為9千545千円)、漁業経営健全化促進資金利子補給金(債務負担行為125,459千円)など。
1 採択された意見書
経済・金融不安から国民生活を守り、社会的セーフティネットの拡充を求める意見書
保育所・児童入所施設の環境改善を求める意見書
「新過疎法」の制定促進を求める意見書
エコポイント制度並びにエコカー補助金の継続実施を求める意見書
農山漁村の多面的機能を維持する施策の推進を求める意見書
保険でよりよい歯科医療の実現を求める意見書
私立専修学校に対する財源措置に関する意見書
戦没者の遺骨収集の完遂を求める意見書
食料自給率の向上と食の安全安心の確保に向けた食品表示制度の見直しに関する意見書
北海道農業の持続的な発展に資する戸別所得補償制度に関する意見書
「コケイン症候群」の難治性疾患克服研究事業調査研究対象疾患及び小児慢性特定疾患の難病指定を求める意見書
電源立地地域対策交付金制度の交付期間延長等を求める意見書
「事業仕分け」による廃止等事業の見直しを求める意見書
国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書
自衛隊の体制維持を求める意見書
社会保険庁処分者の日本年金機構への再雇用を認めないよう求める意見書
鳩山総理の親族からの資金供与について説明責任を果たすよう求める決議
「『事業仕分け』による廃止等事業の見直しを求める意見書」以下の5本は、自民党が、政権批判のために、地方議会に大量の意見書等の提出を求めた動きに沿ったもの。会派は、政権公約実現、新年度予算編成に向け、従来政策の点検作業や見直し議論等が行われる中での意見書提出は拙速であるなどとして反対した。
長尾信秀は、第4回定例会において、3点について一般質問を行い、知事の姿勢を正しました。
民間活力の活用について
PFIの取組について
質問
(1)
本格的な少子高齢社会が到来する中で、道民が真に豊かさを実感できる社会を実現するためには、効率的に社会資本を整備し、質の高い公共サービスを提供することが、
公共施設等を管理する道に課せられた重要な政策課題であります。公共施設の整備は、長らく国や道といった行政が整備・維持管理を行ってきたが、平成11年に「民間
資金等による公共施設等の整備等の促進に関する法律」、いわゆるPFI法が施行され、民間民間資金や経営感覚を活用した効率的な行政サービスを提供する手法として、
自治体のみならず、民間企業においても大いに注目されていたものと認識しておりますが、道では、モデル事業として位置づけた道立八雲広域公園の一カ所しか取り組ま
れていない状況にあり、その取組は一向に進んでいないと言わざるを得ません。そこで伺います。道において、PFIの取組が具体的に進まないのはいかなる理由によるも
のなのか。又、道として今後どのように取り組まれるのか伺います。
回答 PFIは、民間資金とノウハウを活用し、公共施設の整備及び運営を行う手法であり、道としては、平成12年度にPFI導入指針を策定し、道立八雲広域公園をモデル事業と
して実施したところであります。
その後、平成17年度には、新たな建設を伴わない管理運営のみの事業も対象とするなどの法改正が行われたが、PFI事業に伴う事務手続きの煩雑さや厳しい財政状況
の下、施設整備も抑制基調にあることから、なかなか導入が進まないところ。新政権においては、これまでのPFI制度の課題・問題点を検討し、その導入に向けた制度改正
等が進められると承知しており、道としては、これまで以上に効率的・効果的な行財政運営が求められる中で、さらなるPFI導入の可能性について、政府の動向も注視しな
柄、他府県の事例など幅広く検討し、積極的に対応して参りたい。
質問
(2)
道政の民間開放に関する取組について
1,指定管理者導入に関わる評価について
道において、現在。指定管理者制度を導入している施設数と、この制度を導入することによりもたらされた行政上の効果、又、今後の制度運営にあたっての課題と対応につ
いてお伺いします。
回答 指定管理者制度導入の効果などについてでありますが、道においては平成18年度に管理運営を委託している公の施設に指定管理者制度を導入し、平氏会19年度には直
営の施設に拡大することにより、合わせて46施設にこの制度を導入しているところであります。この制度導入に伴い、新たに夜間の会館や休刊の営業、インターネット案内や
ブログの開設、年間パスポートや回数券・定期券などの各種割引制度の導入といった事業者の創意工夫による取組が行われ、施設利用者へのサービス向上や施設の利用
促進につながっているものと考えている。また、この制度を導入した46施設の管理運営に関わる道の負担額を制度導入前の予算額と比較すると、年間で約17億3千万円の
削減につながっており、経費削減の面でも効果があったものと考えている。一方では、一部の施設において、指定管理者の選定過程において、透明性や公平性の疑義や民
間企業の参入が少ないといった指摘もあったことから、来年度からの指定管理者の更新にあたって、公募要領等の見直しを行ったところであり、今後とも利用者の利便性向上
と効果的な指定管理者制度の運用が図られるよう努めて参る考え方にあります。
質問
(3)
2,北海道市場化テスト導入に関わる評価について
今まで北海道市場化テストによって民間委託された業務の実績と、それにより、どういった行政上の効果と雇用面での効果があったのか、又、さらなる民間活力の活用に向け
、今後どのように市場化テストの推進に取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。
回答 北海道市場化テストについてでありますが、道においては、平成19年度にモデル事業を実施し、平成20年度から市場化テストを本格導入したところであり、平成21年度まで
に「庁舎の受付案内業務」「旅券の発給申請受付業務」「道路等パトロール業務」「中小企業高度化資金等貸付金回収業務」などの8業務について民間委託したところである。
これらの業務委託に伴う効果として職員数では268人の削減効果につながっており、道職員の人件費と委託費とで比較した場合10億3千万円程度の財政面での効果がある
とみこまれたところ。又、これらの業務を民間解放することにより、民間部門において、新たな雇用機会の拡大につながっていると考えている。今後は、本年3月に策定した「北
海道市場化テスト実施方針」に盛り込んだ残り12業務について、順次、実施に向けた取組を進めて参りたい。
地球温暖化対策について
質問
(1)
わが北海道の温室効果ガス排出量の実態は、全国でも、かなり高い方に位置しております。これは、北海道特有の冬期間の化石燃料の燃焼によるもののが大きいと思います
が、CO2削減のため、道民にどのような努力を求めようとしているのか、シュミレーションによる削減目標と効果をどの程度期待しているのか伺います。
回答 温室効果ガスの排出抑制に向けた道民の取組についてでありますが、道では、これまで、国や市町村をはじめ、民間団体・事業者などで構成する環境道民会議や、地球温暖化
防止活動推進センターなどと連携を図りながら、道民の日常的な取組の指針となる北海道環境行動計画の周知や暖房に頼りすぎ無い冬の暮らしを呼びかける「ウオームビズプ
ロジェクト」の展開など、様々な取組を進めてきたところ。地球温暖化防止の取組は私たちの日常生活に密接に関連したものであることから、道としては、今後、地球温暖化防止
対策条例に基づき、下記や冬季に於ける実践行動の呼びかけや、「北海道クールアースデイ」を中心とした啓発活動の普及、輸送によす温室効果ガスを抑制するための地産地
消の推進など、幅広く取組を進めて参る考えである。また、道民の皆様の取組による排出削減に関するシュミレーションや目標などについては、現在、条例に基づき策定作業を
進めている状況にある。地球温暖化対策推進計画の中でお示しする予定でありますが、私としては、道民や事業者など全ての主体が、環境に配慮したライフスタイルの定着に取
り組み、それぞれの役割を一層積極的に果たして頂くことが重要であると認識している。
質問
(2)
北海道の2006年度の温室効果ガス排出総量は7,156万tで、基準年1990年比で、11.8%増加しており、森林吸収量を除いた差し引き排出量は、6,292万tであります。2010年度ま
での削減目標値5,810万tとして、9.2%さくげんしようとしておりますことから、現時点では、なおも7.5%乖離しております。全国をあげて、地球環境の保全を掲げ、取り組んでおりますが
、北海道として、どのような協調体制をとろうとしているのか伺います。
回答 産業部門における温暖化対策につきましては、これまで、省エネ法や温暖化対策推進法に基づく国の施策、日本経済団体連合会が定めた環境自主行動計画に基づき、幅広い業種
が削減に向けた取組を進めており、又、道としても、事業者の省エネルギー設備や新エネルギーの導入促進をはじめ、環境マネージメントシステムの認証取得の促進など、事業活動
による排出抑制対策を進めてきたところ。道としては、企業の環境への貢献を評価する北海道グリーンビズ認定制度の普及や地球温暖化防止対策条例に基づいて報告される計画
書を有功に活用するなどして、今後とも、経済界をはじめとする各団体や関係機関と連携を一層強めながら、企業の温暖対策の推進に積極的に取り組んで参る考え。
回答 企業との協調体制についてでありますが、産業部門に於ける温暖化防止対策については、これまで、省エネ法や温暖化対策推進法に基づく国の施策、日本経済団体連合会が定め
た環境自主行動計画に基づき幅広い業種が削減に向けた取組を進めており、又、道としても、事業者の省エネルギィー設備や新エネルギィーの導入促進をはじめ、環境マネージメン
トシステムの認証取得の促進など、事業活動による排出抑制対策を進めてきたところ。道としては、企業の環境への貢献を評価する北海道グリーンビズ認定制度の普及や地球温暖
化防止対策条例に基づいて報告される計画書を有効に活用するなどして、今後とも、経済界をはじめとする各団体や関係機関と連携を一層強めながら、企業の温暖化対策の推進に
積極的に取り組んで参る考えにあります。
ガン対策について
質問
(1)
ガン死亡率について
北海道は、全ガンの都道府県別75歳未満・年齢調整死亡率ha,2008年統計ですが、対人口10万人当たり92人以上となっており、全国で上位に位置している事について所見を伺い
ます。
回答 ガン死亡率についてですが、年齢構成の異なる地域間での死亡状況を比較する年齢調整死亡率によると、本道に於ける75歳未満の方のガンによる死亡率は、平成20年度では
人口10万人あたり92.3人で、全国平均の87.2人を上回る状況になっており、ガン対策のより一層の推進が重要と考えているところ。ガン発症には喫煙や食生活といった生活習慣
が大きく影響すると言われる中で、本道においては、喫煙率や脂肪の摂取割合などが、全国平均を上回っていることから、予防に向けた生活習慣の改善に関する普及啓発や早期発
見・早期治療のための検診の受診率向上などに努める事が必要である。
道としては、平成20年3月に「北海道ガン対策推進計画」を策定し、市町村や北海道対岸協会などの関係機関・団体と連携のもとにガン対策の取組を進めているところ。
質問 ガン対策について
我が国のガン撲滅対策は、昭和59年から「対がん10カ年総合戦略」が開始、さらに平成6年には「ガン克服新10カ年総合戦略」、平成16年には「第3次対ガン総合戦略」が今日に
至っておりますが、北海道としてこれまでのガン撲滅対策について、検証も含め、見解を伺います。
回答 ガン対策についてでありますが、国では、昭和59年からガンの病体改名や早期発見などを目指す「対ガン10カ年総合戦略」を平成6年力は、「ガン克服新10カ年戦略」を実施しており
これにより、ガン診断や治療技術がめざましい進歩を遂げたところであるが、さらに平成16年からはガンの予防やガン医療の均てん化などを目指す「第三次対ガン10ヶ年総合戦略」が
推進されている。道においては、これまでこうした国の方針に基づき、ガン予防のための啓蒙普及野菜町村が実施するガン検診への助成、岩頭禄によるガン患者の実態把握などに努
て来たところである。こうした取組により、本道に於ける75歳未満のガン年齢調整死亡率は、平成7年から20年までの14年間に人口10万人当たり110.9にんから92.3人へと約17」
%減少してきている。しかしながら、依然として全国平均を上回っているところから、引き続き、ガン対策を積極的に推進し、道民の方々の健康保持に努めて参りたい。
以後は、恐縮ですが、道議会ホームページをご覧下さい。











平成21年・第3回定例会概要報告・・詳細は民主党北海道道民連合のホームページをご覧下さい。

平成21年第3回道議会定例会は、9月15日に開会し、「ホタテ貝養殖の府付着物被害対策を求める意見書」などを採択し、10月9日に閉会しました。
第3回定例会は、8月30日衆議院議員総選挙で、政権交代し、定例会開催の翌日16日には、鳩山政権が誕生、民主党が選挙で示した政権公約マニュフェストに基づく政策の実現が動き出しました。
会派は、新政権が取り組もうとしている政権転換に向けた知事の対応、自民党や中央省庁に依存して道政運営や選挙対応にあたってきた知事の政治姿勢等を論議しました。
3回定例会での補正予算は、一般会計で139億円、特別会計で3400万円。これで21年度の予算規模は、一般会計3兆771億円、特別会計7069億円、合計3兆7840億円となりました。
補正予算の内容ですが、国の経済対策に呼応して積み上げた第三次緊急総合対策分は、123億円。これにより、第3次緊急総合対策の規模は、2003億円になり、2千億円規模となったとされるが、内半分は、
国からの資金を積み上げた13基金の造成によるもの。

採択された意見書
直轄事業負担金廃止に伴う財政措置等を求める意見書
道州制特区に関する意見書
警察官の増員を求める意見書
北海道の自衛隊体制維持を求める意見書
改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書
重大犯罪の公訴時効廃止を求める意見書
ヒブワクチンおよび肺炎球菌(七価)ワクチンの定期接種化の早期実現を求める意見書
「児童売春、児童ポルノに係わる行為等の処罰および自働の保護等に関する法律」の改正を求める意見書
北方領土問題の解決促進等に関する意見書
総合交通体系の確立を求める意見書
北海道新幹線の建設促進を求める意見書
私学助成制度に係わる財政措置の充実強化に関する意見書
ホタテ貝の養殖の付着物被害対策を求める意見書
●地方財政に配慮した国の予算執行及び予算編成を求める意見書
●温室効果ガス削減の国民的合意を求める意見書
●国の出先機関に関する意見書
●日米FTA交渉に反対する意見書
●道路整備に必要な財源の確保を求める意見書
●高規格幹線道路ネットワーク整備の推進を求める意見書
●ダム事業の推進を求める意見書
●全国学力テストの継続とさらなる充実を求める意見書
                                                 ※●は、自民党会派等発議による意見書です。


 平成21年・第1回定例会概要報告(抜粋)

平成21年第1回定例道議会は、3月3日招集され、支庁再編問題で、会期の延長を余儀なくされ、3月31日閉会しました。
ながお信秀は、試験研究機関の独立行政法人化問題と新型インフルエンザ対策について、一般質問を行い、知事の姿勢を正しました。

試験研究機関の独立行政法人化について

(1) 地域との信頼関係について
質問 農家の期待は、なんと言っても農業試験場が開発する「新しい品種」と「安定生産技術」、またこれらに基づいた地域支援が的確に得られることであり、これこそ農業試験場の存在価値そのものであるわけですが、独法化が、試験場と農業者との距離を遠くし、これまでの農業者の試験場への期待感・信頼関係は、担保されるのか伺います。
回答 ○法人化にあたっては、地域のニーズへの迅速且つ的確な対応な対応や効果的な試験研究の推進と、その成果を踏まえた技術支援や普及を進めていくこと重要である。
○このため、これまで担ってきた役割や機能を維持すると共に研究機能や連係機能を強化する観点にたって、具体的な制度設計を行い、これまで以上に地域の期待に応える試験研究機関として参る考えにある。
(2) 基礎的な研究や技術支援について
質問

北海道農業・農村ビジョン21では、「安全・良質低コストなど競争力を高める技術の開発と普及」を謳っております。水稲栽培においてそれを達成するためには、直播用 高品質 良食味 品種を開発することは、道において重点的に取り組む必要があるとしていますが、独法化となることは、予算の状況によっては、新たな開発の基礎研究や新しい技術を地域に定着させるための技術支援等が、合理性や効率化、採算性といった点からおろそかになり、北海道農業発展の障害となると危惧するが所見を伺います。

回答 法人化後においても、新たな知見や技術の蓄積を行う基礎的・先導的な研究を実施するとともに、地域のニーズに応じた技術支援、普及に取り組むことが重要であると考えており、これらについては、道が定める中期目標に明確に位置づけた上で、法人に置いて確実に実施して参る考えにある。
(3) 長期的な視点に立った研究について
質問

北斗市には、道南農業試験場があり、渡島檜山農業発展の試験研究機関として、道南農業発展に貢献してきております。渡島檜山農業の試験研究成果は、「ふっくりんこ」や直播「ななつぼし」など函館育ちブランドで広く消費者に歓迎されていることは承知の通りであります。地域農業振興策として試験研究機関は、専門家集団による組織性、長期性、広域性、政策性に特徴があり、存在意義が広く認められており、まさに地域の知恵袋として品種改良および安定栽培技術を開発・普及に日夜邁進し、北海道農業戦略には不可欠な存在となっております。その基礎研究が、今日の北海道農業の発展を維持し、腰を据えた研究成果であり、それを支える最大の要素は経常研究費です。しかし、独法では、その保障がありません。経済効率優先型の独法では、短期間に成果を上げることが要求されることになります。また、研究面では、プロジェクト研究など使用目的を限定した委託費の支出や天下り人事等を通じ、主務官庁のコントロールが現状よりさらに強まることから、上下関係の中に研究機関が置かれたり、短期的視点に立った政策で研究活動が左右されることとなり、長期的視点に立った研究が困難になることをどのように考えるのか伺います。

回答 ○法人に置いては、自主的・自律的な運営を行うという法の趣旨を基本に、道の政策の方向性などを、研究に取り組むことが重要であることから、それぞれの分野の特性や地域のニーズを踏まえ、実用化につながる研究を行うと共に、継続的な調査や、北海道の将来的な課題を見据えた研究についても着実に取り組んで参る考え。
(4) 法人の機能について
質問

先に知事に対し、道内7国立大学法人学長名で予算確保の要望がありました。従来、国立大学だったものが、独立行政法人法の下に、法人化されて間もないことから、独法化制度の破綻を示す現象と考える訳であります。道の試験研究機関が、一本化され、道からの交付金で運営されるというが、中期目標期間やその期間以降について、運営費用はどのように担保されるのか。単に、「人減らし対策」制度ではないかと改めて思います。実際、道財政が厳しい今日、試験場の現場では、人員削減計画を更に促進するよう求められている状況にあります。また、独法化されたなら、法人への運営費交付金削減も想像に難くない訳であります。そうなると中期目標は形骸化し、これまで各試験研究機関が実施してきた不採算部門、特に基礎研究が切り捨てられ、北海道農業の未来の研究財産の蓄積が見込めなくなると危惧されるが、所見を伺います。

回答 ○新たな法人は、公共上の見地から行う事務事業の確実な実施を図るといった法の目的を踏まえて設立するものであり、基礎的な調査研究や地域課題への対応など道の試験研究機関がこれまで果たしてきた役割を引き続き、担っていかなければならないと考えているところ。
(5) 普及事業との連携などについて
質問

道南農業試験場では、普及職員と研究職員で構成される技術普及部があり、ここでは地域の課題を研究チームと普及センターとが一体となって、迅速なる課題解決に取り組んでおり、私たち農業者の身近な指導機関となっております。独法化後にも法人職員と普及事業に基づく道職員からなる技術普及部のようなシステムが構築できるのだろうか、ようやく地に足がついた活動が、定着し成果が出てきている訳であるが、技術普及する段階で、各種の相談や緊急対応などのサービスの低下・さらには「サービスの有償化」が懸念されることから、生産現場への混乱を招き、農業者やJAなどへの営農技術継承が進まない可能性があると考えますが、所見を伺います。

回答 ○道立の試験研究機関として、研究成果を道民に迅速且つ的確に還元することが重要な役割の一つであると考えており、一次産業分野における道の普及組織との連携や巾広い観点からの技術的な相談・指導の実施、地域の要望に応じたサービスの提供などを中期目標に明確に位置づけ、取り組んで参る考え。
(6) 地域理解等について
質問

独法化は、実質、公務員の削減方策であると共に、運営全体でも「効率化」をはかるため、研究の進展に逆行するスリム化が強く求められることは明らかであります。国の科学技術創造立国路線を重視するというこれまでの政策と明らかに矛盾することになります。 また、効率化が利潤追求に置き換えられ、研究成果が企業秘密化することや、経済効率が優先されるばかりに、岩見沢試験地のような小規模研究拠点は撤退の恐れも考えられ、地方自治体からも存続の声が上がっているが、どのように理解と協力を求めるのか伺います。

回答 ○法人化にあたり、試験研究機関がこれまで果たしてきた役割や機能を踏まえると共に、基礎的な調査研究や地域課題への対応など地域に於ける機能の維持、向上が重要であると言った市町村や関係団体のご意見なども考慮し、試験研究機関の拠点については、現行のまま法人へ移行することとしているところ。
○また、法人運営にあたっても、地域の理解を頂きながら進めていくことが重要であると考えており、市町村や関係団体のご意見を反映できるような仕組みについて検討して参る。
(7) 法人の運営について
質問

当面は、道が独法の運営費を負担するとしても、この制度には当初から『独立採算が可能なものは民営化へ、効率化が進まないものは廃止へ』という時限装置が組み込まれていると私は考えております。改廃のシナリオが組み込まれ、財政的基盤を保障しない独法化は、自主性・自律性を高める提案として受け止めることはできません。如何お考えか伺います。

回答 ○法人においては、議会の議決を経て定める中期目標に基づき、法人自らが策定した中期計画に沿って運営され、法人評価委員会の評価を受けるなど、道や道議会の関与の下で業務運営の改善などに取り組むこととなるところ。
○又、法人化後における中期目標については、法人の運営状況を踏まえ、パブリックコメントの実施や市町村、関係団体からのご意見を伺った上で、道議会の議決を経て決定することになっており、関係者の声を十分反映で着るものと考えているところ。
○法人の事業については、中期目標に基づき法人制度の特徴である自主的・自律的な運営のもとで実施されることにより、これまで以上に柔軟且つ機動的な研究の展開や成果の着実な還元、道内産業の支援が可能になるものと考えているところ。
新型インフルエンザ、鳥インフルエンザの危機管理体制について
(1) 道独自の取組について
質問 道においては、国の行動計画の改訂を受け、道の行動計画の改訂素案を取り纏め、現在、道民の意見(パブリックコメント)を募集すると共に、意見を計画に反映させるべく、今年5月下旬には、決定・公表へとスケジュールを進めています。道の改訂素案は、国の計画に準拠したものと承知しておりますが、北海道の地域特性に配慮した、北海道独自の取組の考え方があるのか伺います。
回答 ○新型インフルエンザは、ひとたび国内で発生すれば、感染拡大による健康被害は甚大となり、社会・経済に深刻な影響を及ぼすことから、国家的な危機管理の観点のもとに、全国一律の対策が必要であり、道の行動計画についても、基本的に国の行動計画に準拠して作成しているところ。
○こうした中、道としては、本道の地理的条件等から、万延期においても、道内に存在する組織・機関・人員により対応すると言ったことを「取組の視点」として掲げ、具体的には、入院病床の確保における第二次医療圏域ごとの数値目標を明記すると共に、新型インフルエンザの症状を呈する患者を専門的に診察する発熱外来については、市町村に最低一カ所、都市部には必要に応じて複数箇所を設置する考え方などを盛り込んでいるところ。
(2) 新型インフルエンザ発生段階の判断について
質問 世界の発生区域を地図上で見ると、我が国を含めた帯状の緯度の範囲の中に発症事例が集中しており、‘03から‘092月24現在、WHOに報告された人の鳥インフルエンザ確定症例数を見ると、症例数408人、内255人が死亡しており、その発生の大部分が、中国も含めたアジア地域であります。新型インフルエンザについて、最初の患者発生かは日本が位置するアジア地域の国であることが強く危惧されるものであり、このことからも、国が情報を一元管理し、国家的危機管理体制の重要課題として対策を進めるものであるべきと考えます。国の行動計画においては、新型インフルエンザの発生段階の分類をWHOが定めた12段階から、日本独自の5段階に改め、特に、第三段階の感染拡大期、万延期、回復期については、国と協議の上で都道府県が判断するとされ、道の行動計画改定素案においてもこれに準拠することとしているところですが、何故、第三段階を都道府県の判断としたのか、道において、発生段階を的確に判断する体制をどのように整えようとしているのか、所見を伺います。
回答 ○改訂前の国の行動計画においては、国が一部地域の患者の発生状況を持って、全国一律に発生段階を決定し、同一の対応を講じることとしていたが、地域よっては、発生状況が異なるため、適切に対応できないことが予想されたところ。
○このため、国の行動計画では、感染のピークとなる第三段階における感染拡大期から万延期、万延期から回復期への移行については、都道府県が患者の発生状況や医療機関の実情等を踏まえ判断し、それぞれの状況に適した対策を講じることが出来るよう改めたものであると承知している。
○道としては、こうした国の考え方のもと、北海道感染症危機管理対策協議会などの有識者の意見を伺いながら、総合的に判断することとしており、今後、同様な事態を想定した訓練を実施することなどを通じ、国とも緊密に連携しながら、発生段階を的確に判断し、迅速な対策がとれるよう即応能力の一層の向上に努めて参りたい。
(3) プレパンデミックワクチンの接種について
質問 新型インフルエンザが発生した場合の感染予防策として、ワクチン接種が極めて重要であり、国においては、鳥インフルエンザ(H5N1)のウイルスを用い製造したプレパンデミックワクチンについて、これまで2,000万人分を備蓄すると共に、2008年度第一次補正予算において、さらに1,000万人の追加備蓄に係わる費用を計上したところです。このプレパンデミックワクチンについては、国の行動計画において、海外で新型インフルエンザが発生した場合以降、社会機能維持者を中心として、接種を開始することになっておりますが、その対象者に高齢者や乳幼児など、感染した場合に重症化が危惧されるハイリスク層が含まれておりません。道の行動計画改定素案においても同様です。高齢者や乳幼児などハイリスク層を、独自に対象者とする考えはないか所見を伺います。
回答 ○国において、昨年9月、感染拡大を可能な限り阻止すると共に、社会経済機能を維持するという観点に立って、医療従事者やライフライン事業者等に対して、プレパンデミックワクチンを先行接種するという考え方を公表し、パブリックコメントを実施したところであるが、現在の処、結論は出ていない状況にある。
○このプレパンデミックワクチンは、国が製造し、直轄で管理しており、都道府県は、国から供給されたワクチンを国が定めた業種等のリストに基づいて接種するとされており、裁量の余地は極めて乏しいところ。
○なお、新型インフルエンザ発生後、国においては、実際のウイルスを下にパンデミックワクチンを製造し、市町村において全ての住民に接種することになっているが、道としては、この接種が円滑且つ万全に行われるよう市町村等の支援に努めて参る考え。
(4) 抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について
質問 国の行動計画においては、新型インフルエンザの発生に備え、国と都道府県とが共同して国民の23%相当分まで備蓄してきた抗インフルエンザウイルス厄を45%相当分まで引き上げることとしており、道の行動計画改定素案においてもこれに対応し、備蓄量を引き上げることとしております。備蓄薬はその大半が「タミフル」ということであり、今シーズン流行した季節性のインフルエンザウイルスの内、Aソ連型のほとんどがタミフル耐性種であることから、備蓄薬が、新型インフルエンザウイルスに果たして効果があるのか、無用の長物となることはないのか危惧するところです。所見を伺います。
回答 ○国立感染症研究所によると、今シーズンの季節性のインフルエンザウイルスは、約6割をAソ連型が占め、遺伝子解析による検査を行ったかぎりでは、そのほとんどがタミフル耐性があるとされています。
○このことについて、国は、本年一月「毎年ヒトの間で冬に流行するインフルエンザの薬剤耐性の状況と新型インフルエンザウイルスは、通常関連しないと考えられている。」との見解を公表したところ。
○なお、季節性インフルエンザに対するタミフルの使用について、臨床データを基に、耐性ウイルスに対しする治療効果の研究に取り組んでいるものと承知している。
(5) ライフライン確保のための働きかけについて
質問 新型インフルエンザが発生した場合、全人口の25%が罹患し、流行が約8週間ほど続くと予想されております。また、本人や家族の罹患等により、従業員の最大40%が欠勤することが想定されるため、社会・経済活動の大幅な縮小と停滞を招くと共に、公共サービスの中断や物資の不足により最低限の国民生活を維持することも難しくなる恐れもあります。このため、電気・水道・ガス・輸送等のライフラインの確保を担う事業者が、新型インフルエンザ発生時においてもその機能を維持できるような取組を行うことについて、道としても積極的に働きかけを行うことが必要と考えますが、所見を伺います。
回答 ○新型インフルエンザ発生時におけるライフラインの確保など、社会・経済機能の維持は極めて重要であり、こうした機能に係わる事業の継続を図るため、国のインフルエンザ対策行動計画においては、関係する事業者は、最大4割程度の従業員の欠勤を前提とした「業務継続計画」を策定することとされたところ。
○道としては、危機管理の観点から、関係部の緊密な連携のもと、今後、出来るだけ早期に社会・経済機能の維持に関わる事業者の方々に対する説明会や意見交換の場を設け、それぞれの事業者における業務継続計画の策定に向けた支援を行い、民間事業者との連携により、社会・経済機能の維持が図られるよう取り組んで参りたい。
(6) 市町村なら微志道民への働きかけについて
質問 2005年12月に策定した現行の道行動計画は、残念ながら市町村に浸透していなかった。これは、道の取組が不十分であったことと、市町村自体も新型インフルエンザに対する認識が不足していたことによると思われる。道の行動計画改定素案においては、市町村の役割も明記され、新型インフルエンザ対策のための計画の策定も必要となっており、まずは、道の計画の普及が必要と考えるが、道内180市町村に具体的にどのように働きかけを行うのか伺います。また、道が計画を発表するにあたり、全道民に具体的に、何を訴えようとしているのか、併せて伺います。
回答 ○道としては、改訂行動計画の改定後、各保健所において、市町村や警察署などによる対策連絡会を設置することとしており、この場を通じ手、道の計画への理解を深めると共に、市町村における業務継続計画の策定等の取組に対し、必要な情報提供や助言を行うなうなどして、積極的に支援して参る考え。
○又、道民の皆様に対しては正しい知識を得て、行動することの大切さを周知すると共に、計画の内容、特に、新型インフルエンザ発生時に個人の対応として必要となる「外出の自粛」や「咳エチケット」・「食料品の備蓄」などについて、道のホームページや広報誌等を活用し、積極的に広報してまいる。
○いずれにしても、道としては、道民をはじめ、市町村や企業の皆様とともに、新型インフルエンザという脅威に立ち向かい、その影響を最小限にくい止めるため、対策に万全を期して参りたい。
(7) 鳥インフルエンザ対策について
質問 先般、愛知県内で飼育中のウズラから、弱毒性と言われるH7亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されました。強毒性に変異する可能性が高かったと報道されていますが、昨年4月〜5月秋田県十和田湖畔や根室管内野付半島及び網走管内サロマ湖でのオオハクチョウから相次いで、鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型強毒タイプ)が検出されています。渡り鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルスの保有状況に関する調査や家禽における監視体制、あるいは異常な家禽等と早期発見などの防疫体制さらには道民に対する普及啓発活動について伺います。
回答 ○渡り鳥の調査については、昨年秋に策定した対応マニュアルに基づき、全道的な生息調査やウトナイ湖など4つの湖沼における、定期的なウイルスの検査などを実施しているところ。
○また、鶏などへの感染を防止するため、養鶏場への立ち入り調査や蠕動レベルでの防疫演習、防疫対応マニュアルなど、監視体制と予防対策の強化を図ってきたところであり、さらに、三月中には、定点モニタリング調査の対象農場を拡大することとしている。
○こうした取組など、鳥インフルエンザ対策に関する情報については、道のホームページや啓発用チラシなどを通じ、その周知に努めているところであり、今後、渡り鳥の平ーシーズンを迎えることから、引き続き、全庁挙げてしっかりと対応して参りたい。




平成20年第4回定例道議会は、11月27日(木)に開会、道補正予算案、「WTO農業交渉に関する意見書」などを採択して、12月11日(木)に閉会しました。
私たちは、当面する道政課題、地域課題について道の姿勢に議論を求めました。

平成20年・第4回定例会概要報告(抜粋)

<主な審議経過>
第2回定例会では支庁制度の見直し条例の提案・採決を強行し、公選法改正の目処が立たないにもかかわらず、組織再編や人員削減が先行している状況にある。自民党中央からも地域合意を丁寧に行うよう指摘される中、私たちは、知事の見通しの甘さを指摘、見通しの立たない条例を取り下げ、地域との協議を再度すすめるよう求めたが、知事答弁は、今後とも地域説明を続けるとの説明に終止した。また、道立病院や試験研究機関を含め、道の地域機能撤退の動きが続いている。道民、地域に立脚しての道政運営が求められている。景気経済対策では、国や道は原油・諸物価高騰対策のwかうぐみでくまれた施策でしかなく、世界的な金融危機の影響が実体経済に及ぶことや、企業経営上の資金繰り、大量解雇や内定取り消し等が生じている雇用に対応し切れていない。
経済に強い知事を売り物にしてきた知事の産業戦略の重点としてきた自動車関連、観光、食品加工と言った産業が総崩れなのに、誠意ある回答がない状態。
道民生活の地域が大変な危機に直面しているとの認識にたって、対策を急ぐ必要がある。
<採択された意見書>                   ◎政審発議、○委員会発議
第2期地方分権改革に係わる第二次勧告に対する意見書
「食の安全確保」及び「消費者安全の確保」への取組強化を求める意見書
野臼別演習場における沖縄県道104号線越え実弾射撃県連の分散・実施に関する意見書
公共職業安定所の体制見直しに関する意見書
独立行政法人雇用能力開発機構が設置する公共職業能力開発施設の存続に関する意見書
私立専修学校に対する財源措置に関する意見書
レセプトオンライン請求の義務化に関する意見書
北海道の自衛隊体制維持を求める意見書
国籍法改正に関する意見書
WTO農業交渉に関する意見書
電源立地地域交付金電力移出県等交付金相当分の本道に於ける制度運用を求める意見書

次に、代表質問の要旨について掲載します。

○は質問者発言主旨 ●は答弁者発言主旨

知事の政治姿勢
(1) ○定額給付について、支給対象への所得制限や地方分権への対処など、首相の発言や給付金のあり方、そして、市町村への丸投げ手法などによって自治体が混乱している現状への所見は。
●消費への刺激などに一定の効果が発揮されることを期待。実施にあたっては、市町村の事務費の手当など、しっかりした制度設計を行うべき。
財政運営・行財政改革について
(1) ○平成19年度に続いて、見積もりを大きく下回る道税減収等による歳入減、加えての紙上金利の不安定化による道債償還費の増加等によって、収支不足の拡大が想定される。「新たな行財政改革の取組」の改訂初年度から、一層厳しい財政運営が見込まれるが、計画遂行の所見は。
●改訂では、平成26年度までの収支見通しや道債残高の見込額を示した。本年度の収支見通しは、普通交付税は予算を上回り、道税収入は法人二税等を中心に前年度を下回る。今後は「新たな収支対策」を基本に、税制改革の動向や地方財政対策を踏まえ、持続可能な行財政構造の確立の向けて取り組む。
○直轄負担金の廃止と縮減を長年求めながら解決されない状況にあって、道は道州制特区提案で、国道、河川、都市公園の維持修繕等関わる直轄負担金廃止を国に提案したが、提案の取扱と今後の見通しは。
●国と地方の役割分担の明確化という趣旨で提案したが、内閣府が中心となって関係省庁において検討されていく。今後も提案の重要性・必要性を訴えていく。
(2) 新年度予算編成について
○予算編成にあたって「選択と集中」と「枠配分」のどちらを優先するのか。又整合性は。
●施策検討にあたっては「選択と集中」の視点に立ち優先度を決定し、予算編成の裁量拡大と責任の明確化を図ると共に、業務内容や既存事業の抜本的な見直し、緊急性や優先度の高い施策に重点的・効率的に配分する。
○道の行財政改革により道民生活への不安拡大や地方切り捨てが加速され、道民が求める多様なニーズに的確に応える施策と、益々かけ離れると危惧する。社会的弱者や条件不利地への配慮などをどう保っていくのか。
●歳出の徹底した見直しにより、道民生活や経済活動に与える影響が懸念される。極めて厳しい財政状況下、限られた財源の重点的・効率的な配分に努め、道民のニーズに応え得る予算編成を行っていく。
(3) 試験研究機関の独立法人化について
○施設や機能の維持に努め、他府県とは比較にならない広範、多様な試験研究機関のネットワーク維持が求める地域の声を知事はどう認識しているか。
●試験研究機関がこれまで果たしてきた役割や、機能の維持、向上が必要との意見に留意しながら検討を進め、各拠点については現行のままでの法人移行を基本とした。
○先に法人化された国立大学では、道内7大学の学長が予算獲得について、運営交付金の毎年1%削減撤廃、付属病院の経費節減の見直し、科学研究費補助金の拡充を要望している。地域に於ける役割を果たせないとの悲痛な訴えであり、教育現場に採算一辺倒の方向性が持ち込まれたことの結果ではないか。
●地域の於ける機能、役割を持続的に果たせるように、運営交付金の措置が行われることが必要。道としても国に対して必要な予算措置を要望する。
○独法化方針は、目的が不意明確なまま推移してきており、職員の定数外化、見せかけの職員数削減のみが目的にしか見えない。独法化ありきではなく、試験研究の役割検証から、議論の組み立て直すべきだ。
●答申や市町村、関係団体の意見を踏まえ、質の高い研究開発や、効果的・効率的な業務運営が可能となることから、独法化制度を導入する。法人制度の効果を最大限に発揮し、試験研究機関の役割や機能維持、向上が図られるよう取り組む。
地方分権課題について
(1) 支庁制度見直しについて
○条例の可決後、一体何をしてきたのか。知事は地域で陳謝し、自民党中央からは、たしなめられる有様。正に道の都合を一方的に押しつけてきたことが、この現状を招いている。施行の見通しが立たなくなった条例は破棄すべきではないか。
●地域意見交換会を通じて、今後の地域振興について意見を伺う等、町村会をはじめ地方4団体とも率直に話し合う機会をつくり理解を求めていく。
○条例施行後の目処が立たないにもかかわらず、組織機構や人事配置の検討が進められ、地域や道庁内が困惑している。新年度に向けた対応をどうするのか。
●地域振興条例素案で策定方針が示されている「地域計画」と、道長計の地域計画である「政策展開方針」や「地域経済活性化ビジョン」などの特定分野別計画との関係は、どうなるのか。又、素案で示された「特定地域」の設定、財政支援措置の手法野規模は。
○「政策展開方針」を条例で言う「地域計画」と位置づける。「特定地域」については、支庁制度改革による人口減少の影響が懸念される振興局地域を想定している。支援の枠組みとしては、地域に5年程度の事業計画を策定してもらい、合計数億円規模の支援を行う。
当面する道政課題について
(1) 地域医療確保について
○「道の自治体病院等広域化・連携構想」は、各自治体が、国の「公立病院改革ガイドライン」、それに伴うプランの対応に追われ、取組の遅れが懸念されているが、各圏域で設置された検討会議の進捗状況は。
●地域医療の現状についての共通認識や、連携の必要性の合意に止まっている地域がある。一方、病床の見直し、介護施設への転換計画など、中核病院における救急医療体制の維持に向け、費用負担の協議を行っている地域もあるが、いずれにしても具体的な連携方策の取りまとめには至っていない。
○地域医療機関再編は、地域の意向や特性をどう踏まえて対処していくことが前提だが、検討会議では連携に際して解決すべき問題点を、どう把握しているか。
●広域化した場合の通院手段の確保、中核病院や縮小する病院での医師確保の見通し、救急医療に於ける初期と二次の役割分担などの課題が出ている。
○広域化・連携構想にあたって、医師や医療スタッフの確保、財政面等地域が抱える問題解決には、道が、責任を持って連携をリードしていくことが極めて重要だ。
●地域検討会議に事務局として参画、地域事情を把握した上で助言するなどの役割を果たす。3医育大の協力を得ての医師や看護師の確保支援、国庫補助制度を活用しての施設・設備の整備など、広域化・連携の実現に向け努力する。
○後期高齢者医療制度について、小手先での制度見直しの繰り返しで、お年寄りや市町村窓口の混乱が加速している。実施半年の現状認識は。
●最近は、制度開始当初のような大きな混乱は生じていない。制度理解に向け、市町村や広域連合に対して、相談体制強化や住民説明会開催について、助言していく。
○制度はいったん廃止し、高齢者の過度の負担を求めることなく、高齢者が安心して医療を受けることが出来医療制度を構築するべきだ。
●地方公共団体や加入者等に過度の負担が生じることのないよう、制度の設計維持に責任を負う国において、十分な財政措置を講ずることなどを要望してきた。
(2) 経済・雇用対策について
○建設業、関連産業のみならず、食品製造業でも倒産や事業所撤退の動きが出ている。自動車製造業でも設備投資意欲は急減、観光客も減少している中で、道の産業戦略の再構築への所見は。
●世界的な景気後退や円高などに対しては、中小企業向けの金融円滑化などの緊急対策を実施。民間主導の力強い産業構造実現のため、加工組立型企業の誘致を進める。
○金融機関の急激な収益悪化や赤字転落などにより、年末、年度末を控え中小企業の資金繰りは益々困難化している。制度融資の実施状況や今後の対応について。
●円滑な資金供給を図るため、特別資金制度創設など国の緊急保障制度の普及に努めてきた。金融機関や信用保証協会と連携して中小企業者にきめ細かく対応する。
○新規学卒者の求人状況について、経済状況の悪化による影響をどう把握しているのか。また、若年者の雇用確保の状況の一段の悪化にどう対応するのか。
●ジョブカフェ北海道に置いて就職支援サービスの提供を行い、道労働局と連携して新規学校卒業者就職面接会を開催するなど、若年層の雇用対策に積極的に取り組む。
○「ジョブカフェー制度」の活用状況と今後の進め方、長年フリーターを対象としたジョブミーティングなどの就労支援対策に、どう対応しているのか。
●ジョブカフェ北海道で、座学と企業実習を組み合わせた職業訓練の実施、来庁者に対する制度周知、ジョブカード作成の奨励に取り組んでいる。
○パートタイム労働者の均等待遇確保の事業主支援、偽装請負など違法な労働派遣の防止・解消の指導監督など、雇用セーフティーネット再構築の支援策をどう講じるか。
●改正パートタイム労働法の説明会を開催するなど、各種支援制度の普及啓発に努めてきた。正社員求人の確保、非正規労働者の均衡ある処遇や正社員化への促進、フリーター等の応募機会の拡大などを、道労働局や経済団体に要請している。
○「通年雇用促進支援事業」は十分な効果が上がらず、季節労働者が置き去りにされている。国の委託費の使用条件を緩和して、地域協議会が主体となる事業計画の直接事業費として使えるよう国に求めるべきだ。
●季節労働者の通年雇用化を目的とした同事業に、地域が行う短期就労事業を事業計画に盛り込むことは難しい。
○季節労働者対策について、冬季事業の拡充と計画的短期就労事業に対して道単独の助成策を講じて推進すべきとの地域からの要望がある。
●通年雇用促進支援事業を推進すると共に、冬季増蒿経費措置事業実施などにより、冬季雇用確保、資格取得への支援や機動職業訓練を実施して就労支援に努める。
(3) 石油・諸物価高騰対策について
○石油価格が落ち着いた現在、原油高騰を引き金に値上がりした様々な物価について、適正な価格になっているかの調査を行うべき。
●生鮮食料品を除く36品目中31品目で前年同時期に比べて高い水準。灯油・ガソリンは価格低迷しているが、穀物価格の影響を受ける食品価格は、高値で推移。今後とも価格の動向監視を強化し、消費生活の安定と向上に努める。
○北電は、来年一月から電気料金の引き上げを予定しているが、道民生活、企業経営の厳しさを考えれば、厳冬期の引き上げへの配慮を要請すべきだ。
●北電は経産省の激変緩和要請を受け、当該期間の燃料費単価額の50%を低減するとし、急激な電気料金引き上げは、回避される。引き続き、料金動向を注視ていく。
○福祉灯油事業について、多くの市町村は生活保護世帯も対象にしており、どうの福祉灯油事業も生活保護世帯も支給対象にすべき。
●生活保護制度には、冬季加算の制度があるため補助制度の対象にしていない。生活保護世帯への影響を考慮し、国に対し冬季加算の増額を要望している。
(4) 一次産業対策について
○WTO農業交渉にあたっては、食料安全保障確保や農業の多面的機能への配慮など、多様な農業が共存しうる貿易秩序確立を図るとして取り組んできたが、日本が主張する重要品目8%確保などの条件は厳しい状況に直面している。今後の見通しは。
●交渉の行方は余談を許さず、高関税品目を多く抱える本道農業はもとより、地域経済・社会に甚大な影響及ぼすと危惧される。米や畑作物、乳製品等の生産が持続的に行えるよう、確固姿勢で交渉に臨むよう、国に強く働きかける。
○価格が高騰したままの肥料を使用する畑作品目、飼料価格が高値張り付きのままの酪農では、年末・年度末に離農者の増加、特に大規模経営の離脱が心配されるが。
●農家負担の軽減にむけ、臨時議会で肥料・燃油価格高騰緊急対策を講じた。これに加え、土壌診断に基づく施肥の合理化などによるコスト低減の取組を支援する。
○新規収納者に対する就農支援資金の枠が年々減らされていることへの不安の声が農業者から出ている。今後の新規就農者の対する支援は。
●北海道農業担い手育成センターを通じ、農外からの新規就農者が営農をはじめる際の機械・施設の取得に対して無利子資金の融通をしている。また、農家後継者に対しても、道立農業大学校において実践的な研修を行っている。
(5) プルサーマル計画について
○計画に関して4町村の住民の安全性・必要性・経済性について理解は得られているのか。又、地域住民のみならず、道民に対し十分な説明となっているのか。
●意見を伺う会や有識者検討会議を通じ、安全性に関する論点を明らかにし、開かれたわかりやすい議論を重ねてきた。今後は有識者検討会議の最終報告やい検討を勘案し、総合的な観点から適切に判断する。
教育課題について
(1) 小学校現場の多忙化解消について
○小泉政権下での教育への市場競争原理持ち込みにより、学校現場は競争と学力主義に追い込まれている。教職員の超過勤務解消について、第2回定例道議会で「実効ある方途をとる」との意見が付されたが、その後どのように対応されたのか。
●時間外勤務縮減に向けては、校内業務の見直しや簡素・効率化を促進し、又、「時間外勤務等縮減推進委員会」を設置し、教職員の勤務実態を調査している。
(2) 少人数学級について
○30人以下学級の早期実現等「道独自の少人数学級」拡大について主体的に取り組むべき
●国の新たな教職員定数改善計画が策定されていないことや、どうの財政状況が厳しいことから難しい。
(3) 学力テストについて
○全国学力調査の結果を受け「北海道学校改善支援プラン」の実施を学校に求めているが、これは「学力点数向上」を目指す試験テクニックばかりのものとなりかねず、子ども自ら考え学ぶ姿勢から益々遠ざける結果となることが危惧される。地域や一人ひとりの子どもの実態に即した教育が進められる方策が示されるべき。
●具体的な方策や優れた先例・事例を示し、各学校等の主体的な取組を促している。報告書活用によって、各学校が子ども一人ひとりの学力に係わる状況を踏まえ、実効性のある取組を早急に進めてもらいたい。
(4) 高校での学力調査について
○来年度から道立高校全校で学力調査を行うとされているが、道単独で行うねらいは。
●教科指導力向上や、定期テストの質の向上に役立てることを目的として実施。現在7割が参加、来年度からは全ての全日制の道立高校に参加を働きかけている。
○高校学力調査も、学校のランク付や順位を競うことを目的にはしていないと承知するが、調査結果の扱いや公表方法についての所見は。
●授業改善や教師の指導力の向上に役立てることを目的にしている。結果は該当校に送付しているほか、全道の状況はホームページ上でも公表してきた。


平成20年・第3回定例会概要報告(抜粋)
                                    <要望書の概要について>
北海道知事高橋はるみ様

原油・資材高騰対策に関わる要望

昨冬からの原油価格の急激な高騰は、食料・原材料等価格高騰と併せて、道民生活を直撃すると共に、道内産業活動にも深刻な影響を与えている。
積雪寒冷地である北海道、道民生活の必需品である灯油の価格が高値で推移することは、道民にとって大きな負担増となり、年金生活者をはじめとする社会的に弱い立場の方々は、正に冬を越すことが大変厳しい状況になるとの懸念が生じている。
また、農業や漁業などの道内基幹産業や運送業については、事業者にとっても大変厳しい状況が続き、これが消費者にも大きな影響を及ぼしている。
道民の不安感の払拭を図り、産業活動への影響を少しでも緩和するため、早急な対策を要望する。

1 道民生活の確保について
 (1)福祉灯油について

  福祉灯油について、道は前年の3倍の規模の3億円の予算を組んだが、生活保護世帯を場外にするなど、対象が極めて限定された、一世帯5千円弱の支援措置は、灯油価格しているの高騰の中で、決して十分なものではない。
対象や支給額の拡大を行うとともに、当面、対象世帯にもれなく確実に支給されるよう対処すること。

 (2)福祉施設等への支援について
  福祉施設等では、燃料高騰等の急騰によって、冬季の暖房費の急増等の施設運営に苦悩している。措置費や介護報酬等の適切な増額、投機加算の新設王を国に求めるとともに、道として独自の支援措置を検討すること。
 
 (3)地域交通機関の維持について
  離島航路、地域生活路線バス等は、燃料費高騰で大きな打撃を受けている。しかし、その性格上、この高騰分を運賃に容易に転ずることができない状況でもある。地域での通学、通院等の住民生活に欠かせない地域交通機関維持、運賃維持への支援策を講じること。
また、道路除排泄の確保への対応を検討すること。

2 産業活動の支援について
 (1)農業について

  道農政部の推計では、19haの水田経営で昨年比、肥料費で122万円、約80%、高熱動力費で16万円、約18%増の合計約149万円、33ha規模の畑作の場合、342万円、11.8%増、80頭規模の酪農で207万円、3.5%増の影響が生じるとされる。
 燃料、肥料、飼料、資材や農機具、さらには輸送費と農業生産にかかわる経費が全面的に上昇し、その上昇分が産品価格に転嫁できない状況は、収益減、赤字経営、さらには、営農意欲の減退につながる。
国や道の対策は、施肥量の減少や燃油の減少などの、省エネ型への助成や補助が中心で、確かに必要な対策だが、即効性に欠ける。肥料使用量の多い、てん菜、燃料や資材費の大きい施設園芸には、極めて大きな打撃が生じており、こうした作目ごと、地域ごとの状況を見極めた対策を早急に講じること。

 (2)漁業について
  漁業の経費は、燃料費が占める割合が極めて高いが、この分野でも、国や道の対策は、省エネ型への助成や補助が中心で、速効性、実効性に欠けている。
出漁すれば赤字、やむなく休漁を強いられていると言う現場の実態を踏まえれば、実効性ある緊急対策が求められる。
資源減少、漁価低迷の中だからこそ、漁業者は、これまでも、省エネ努力を重ねて来ているのであり、対策を弾力的に運用するとともに、実態に応じた対策を講じること。

3 市町村への支援について
 市町村は、国の財政支援措置が一向に明確にならないために悩んでいる。
 先に閣議決定された、国の補正予算案に伴う、総務省財政課長の通知でも、自治体の取組に対して特別交付税措置を講じるとの従来同様の記述があるだけだ。昨年度の緊急対策の際の特別交付税措置の際の国と自治体の負担割合は1対1の算定だったが、この負担の拡大、対象事業の拡充を求めること。

4 道の対応について
 道の独自措置を早急に打っていくことで、積雪慣例の、厳しい冬に対処する道民の状況を知らせ、国の政策を動かし、市町村の対策実施を導いていくべきだ。
 早急に追加対策を固め、必要に応じて、臨時道議会を開催してでも、迫る冬、切迫する産業への追加対策、予算の補正措置を行うこと。
                                                                                               

1,主な審議経過

今定例会は、昨年の第三回定例会と全く同様に、二代続けての首相の政権放り出しの中での開会となりました。経済・雇用対策・原油・諸資材高騰対策を急がねばならないにもかかわらず、その対策を無責任に放棄した責任は重大であると思います。会派は代表質問、一般質問、予算特別委員会を通じて、迫る冬を前にした道民生活、急迫する産業への原油・諸資材高騰の対策実施を求めました。積雪寒冷、厳冬の条件を踏まえれば、道が率先して対策を打ち、国の対策を促し、市町村の対策をリードすべきと主張しましたが、知事は、「国の動向見極め」、「国に要望」と、主体性に欠けた答弁に終始しました。提案された補正予算での対策は、中小企業向け制度融資、福祉灯油支援の見直し、木質ペレット暖房機の補充が三本柱で、不十分な内容と言わざるを得ず、国、地方が連携しての速やかな対策拡充が急がれます。第二回定例会では、地域の反対を無視して提案、与党が強行採決した市長制度見直しに伴い、急遽策定されることとなった地域振興条例についての論議も行われましたが、策定に向けた方向性、財政的支援の根拠などは、明確にならないままでした。その一方で市町村合併を促す知事書簡の市町村への送付や、財政要素一辺倒での地域公的医療機関の再編構想など、苦しむ地域や道民に冷たい対応が続いています。又、当別ダムの工事入札をめぐって、知事が指名停止処分の要領の特例を適用、指名停止処分対象の業者を含めての入札が実施されたことが、処分の形骸化を招くなどとして論議となりました。道は、要領の見直しに取り組むとしましたが、透明性や公平性の確保や、社会資本整備の適切な取捨選択などの点で、実効性のある見直しとなるよう今後も論議を深めてまいります。可決された補正予算は、一般会計42億4千万円、特別会計7500万円の合計43億1500万円。原油高騰対策では、新設制度融資原資15億2800万円、福祉灯油対策費増加2億円、ペレット暖房機器補助金21万円などです。なお、第2回定例会に私たちが提案した北海道地球温暖化防止対策条例の取扱は、最大会派の自民党会派内の調整が進まず、さらに継続審議となりました。

2、採択された主な意見書

@ 生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書
A 「安心実現のための緊急経済対策」に関する意見書
B 学校耐震化に関する意見書
C 消防の広域化と消防無線のデジタル化に関する意見書
D 新たな過疎対策法の制定に関する意見書
E 第二期地方分権改革に伴う道路、河川の権限移譲に関する意見書
F 事故米の不正流通及び中国産加工食品へのメラミン混入事案に関する意見書
G 独立行政法人雇用能力開発機構が設置する公共職業能力開発施設の存続に関する意見書
H 太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書
I 公共交通機関の路線の維持・確保に関する意見書
J 私学助成制度に係わる財源措置の充実強化に関する意見書
K 農業生産資材の高騰対策及び米の集荷円滑化対策に関する意見書

道の財政状況(○・・質問,●・・道の答弁)
(1) 平成19年度決算の状況について
○平成19年度一般会計決算は約3億円の黒字だ。17年度に赤字転落、18年度には黒字転換したが、黒字幅は縮小。実質公債比率は21.7%と前年度より悪化。はじめて算定された将来負担比率は335.6%。地方公共団体財政健全化法の早期健全化基準の設定は実質公債費比率25.0%、将来負担比率が400%。道の指標は都道府県で最も悪い。財政運営への所見は。
●道債残高やその償還費が、これらの比率を押し上げる要因となっていることから、厳しい財政状況を踏まえ改訂した「新たな行財政改革の取組」に沿って、道債発行の抑制など、中長期的な公債費負担の適正化に取り組む。
(2) 道税について
○19年度の道税収入は予算を割り込んだ。原油・各種資材価格高騰などによる業界、消費者への影響、これに、これによる景気減退等を踏まえると、道税を取り巻く状況はなおも悪化している。20年度の道税見込みと確保のための対処は。
●原油・原材料価格の高騰などが、道民生活や経済産業活動に深刻な影響を及ぼしており、予算計上額の確保は厳しい。収入未済額が大幅に増加した個人道民税について、賦課徴収を行っている市町村との連携強化や、自動車税の未収金対策の実施など、最大限の努力をする。
(3) 地方交付税について
○交付税については、基礎的な行政サービスを確保するための地方の固有財源で有りながら、国のさじ加減で終始している。今年度の普通交付税算定への所見、今後の地方財政の抜本的改善に向けて、国にどう主張するのか。
●「地方再生対策費」創設により、道分は、普通交付税と臨時財政対策債合計で4年ぶりに前年度実績を上回る見込み。安定的財政運営のためには、地域偏在性の少ない税体系の構築による税収格差是正や、地方交付税総額増額により、個別団体ごとの実態を踏まえた一般財源総額の確保が重要と考える。

当面する道政課題について
(1) 地域医療確保について
○国の医師養成増員計画での、道内医育大学の定員増をどのように展望しているのか。また、将来的な医師要請増が、地域医療資源確保に結びつくわけではなく、地域偏在、診療科偏在の解決の施策、仕組み作りを提案していくべきだ。
●医育大学のさらなる定員増について要望すると共に、道州制特区で札医大の入学定員のあり方を検討する。過疎地域や特定診療科の医師不足解消については、病院・診療所の管理者要件に、地域での診療経験を賦課することや、特定診療科に対する診療報酬充実を国に要望。今年度からは、一定期間の地域勤務を要件に奨学金制度や都市部医療機関からの医師派遣などに取り組んでいる。
○地域医療充実に向けて、臨床研修制度の研修課程、あるいは研修終了後の、僻地勤務の義務化など、法整備も含め国に提案すべき。また、医育大学と協力して在学中の僻地、離島などでの実習を検討すべき。
●過疎地域の医療確保のため、卒後臨床研修制度の見直しや病院等の管理者要件に、地域の於ける一定期間の診療経験を付加することなどを国に要望してきた。また、医育大学では、離島などの医療機関に於ける学生の実習を実施している。道としては、離島の道立診療所、道立病院を学習施設として提供、さらには体験実習の際の交通費助成など、医学部学生の学生の地域体験を支援している。
○後期高齢者医療制度hじぇの不安・不満の声はやんでいない。制度を廃止した上での抜本的な見直しを行うべきである。
●地方公共団体や加入者等への過度の負担が生じないよう、制度の設計維持に責任を負う国において、十分な財源措置を講じることなど、種々の要望を行ってきた。
○65歳から74歳までの重度心身障害者を、強制的に後期高齢者医療制度に誘導した問題で、厚生労働省の見直し通知に道はどう対応しているのか。
●対象者の多くが後期高齢者医療制度に加入し、道の重度心身障害者医療費助成を受けている状況。国において、後期高齢者医療制度の低所得者の保険料の軽減が図られ、さらに70歳から74歳までのかたの窓口負担の軽減継続が検討されていることから、重度心身障害者医療給付事業については、現行制度の維持に努力する。
(2) 石油高騰対策について
○本格的な冬を迎える前に、道自らが積極的な支援策を講じ、具体的な提案をして、国の施策をリードしていかねば、道民生活や各業界は苦境を乗り越えられない。
●原油・原材料等価格高騰対策本部を設置、緊急実施対策をまとめた。低所得の高齢者世帯等に服し灯油事業支援制度拡充、中小企業者を対象にした原油・原材料高騰対策特別資金や木質ペレット燃料機器の導入支援創設などを本定例会に提案。さらには省エネや石油代替エネルギーの取組など支援に努力する。
○福祉灯油対策は、実施市町村に対する補助制度で、市町村が事業化しないと、住民は恩恵を受けない。緊急対策として、道からの直接給付型の事業とすべきである。
●市町村意向を踏まえ、緊急臨時的な措置として人口規模による補助基準額を撤廃した。市町村が主体的に実施する事業に支援してきたもので、市町村には地域事情に応じながら、制度を積極的に活用するように働きかけていく。
(3) 雇用対策について
○非正規雇用者の割合は、全国平均より高く増加傾向にある。安定した雇用や安心して働ける環境整備の充実を図ることが重要だが。
●新規学卒者の求人要請の際に、経済団体に対し、正社員としての雇用の働きかけを行い、改正パートタイマー労働法の説明会を、北海道労働局と共済で開催してきた。非正規労働者の働き方に見合った均衡ある処遇の確保や、正社員への転換を促進し、受け皿づくりと就業の促進を二本柱として取り組む。
○改正最低賃金法によって、生活保護水準と最低賃金の逆転現象の解消が求められているが、道内では逆転幅が大きく、雇用条件では、最低賃金すれすれの雇用者が多い実態がある。今年度の改訂への所見と逆転解消への見解は。
●20年度改訂額は、13円、生活保護費との乖離の5年以内での解消が答申された。賃金や経済状況の実態を考慮し、改正最低賃金法の趣旨を踏まえ、さらに原油高による北海道経済への影響などを精査して結論を得たと承知する。
○季節労働者の通年雇用促進支援事業は、予算が十分に活用されないなど、地域ごとの取組に大きな差がある。事業期間3年間で1万5千人の通年雇用化をは刈る計画が示されているが、取組の状況、実績、今後の展望は。
●目標達成に向けて、産業政策床養成策を両輪に、雇用の受け皿の拡大を図るなど、通年雇用化の促進に努める。
○資格取得支援、機動職業訓練の実施、通年雇用促進支援事業の進捗状況や運営の取組について、道としても地域における役割の強化が求められているが。
●通年雇用促進支援事業の実効が上がるよう、積極的に取り組むと共に、資格取得に対する支援や機動職業訓練の実施など、きめ細かな就労支援を務める。
(4) 一次産業について
○食料生産を優位性として掲げる北海道の知事として、国の緊急経済対策で示された自給率50%を目指した工程表作成に、どう意見表明するか。
●効率的な農地利用、経営感覚に優れた担い手への支援拡充など、専業的で生産性の高い本道農業の優位性が一層発揮できるよう国に求めていく。
○原油・資材高騰対策として、ハウスの省エネルギィー化や、肥料コスト低減などに取り組むとするが、環境保全型農業にも重要とされながら、なかなか進んでこなかった経緯がある。緊急対策に止まらず、来年度以降の目標設定して展開すべき。
●土壌診断の加速的推進、農産加工残渣など、未利用資源有効活用、ハウスの二重構造による省エネルギィー化など、生産資源節減につながる取組を推進する。又、クリーン農業に取り組む生産集団数拡大など、環境保全型農業推進に向け設定している目標達成に向け、農業団体とも連携し、取り組む。
○森林環境税導入に向けた検討状況は?
●新税の導入は、道民に新たな負担を求めるものであり、原油・原材料の高騰が道民生活や産業活動に深刻な影響を及ぼしていることから、十分な理解が得られるよう務めると共に、道民自らに森林づくりへの気運が醸成されるよう努力する。
(5) サミット後について
○国は、北海道での国際会議の優先開催を約束しているが、沖縄サミットと比べ施設設備が少ない。国際会議を向かい入れるための条件整備の所見は。
●会議場や宿泊施設などハード面は、沖縄の水準を上回っている現状。関連情報収集、世界への情報発信、受け入れ体制充実などソフト面での対応が重要。
「道国際会議等誘致推進会議」を核に受け入れ環境整備を進める。
○環境保全意識の気運を今後今後どのように定着させ政策化していくか。又、サミット開催を契機として今後の施策展開の考え方は。
●環境に優しい行動の指針になる計画を策定し、四季を通じた観光行動キャンペーンの展開や、日常生活に於ける二酸化炭素の削減方法を示す診断システム構築に取り組む。また、食や観光、北方領土問題、アイヌ文化等の情報発信、国際的な知名度が向上、自然環境や食材の魅力、優位性も一定の評価が得られた。今後「新たな道民会議」を立ちあげ、国際的・環境・産業力の視点からポスト・サミットの取組を推進、北海道全体の活性化につなげたい。
(6) 公共事業のあり方について
○財政事情が厳しい中で、今後は無駄な公共事業は整理し、本当に必要な社会資本整備を進めなければならないが。
●限られた財源を中期的な視点で、必要性、優位性の高い事業に振り向けるという「選択と集中」の観点から、社会資本の戦略的、効果的な整備をすすめる。
○道路特定財源は21年度に一般財源化されるが、環境問題の国際的な取組、地方道路の必要性、厳しい財政状況を踏まえ、暫定税率分を含めた税率が検討されているが、どのような制度が適当と考えるか。
●一般財源化されても、道路の整備や維持管理に必要な財源に充てるべきと考える。
○一般財源化を契機に、今後の道路整備のあり方について、環境への配慮も含め、新たな整備計画について、一から構築し直すべきだ。
●新たな中期計画策定にあたり、今後の道路整備の進め方について、地域ニーズを把握し、北海道としての考え方が反映されるよう国に働きかける。
(7) プルサーマル発電について
○函館市は、建設予定の青森県・大間原発から、最短でわずか18kmしか離れていないことから、住民の安全を最優先にした対応が求められている。知事は函館市の意向を国や事業者、青森県にどう伝え、安全対策を求めるのか。
●青森県などから情報収集に努め、異常時に於ける連絡体制など具体的な対応について、函館市の意向を把握しながら、国等に必要な措置を働きかけていく。

教育課題について
(1) 公立高校配置計画について
○21年度から3年間の公立高校適正配置計画を決定したが、中卒者の減少を理由とした財政論ありきの機械的削減計画に終止。遠距離通学や不本意入学などの問題も指摘され、教育環境の崩壊や地域の疲弊の加速化が懸念される。教育環境の維持、学習権についての所見は。
●中卒者減少の中で、教育力を維持向上し、充実した教育を提供するためには、再編は避けて通れない。ただ一律に行うのではなく、地域キャンパス校や通学費等助成制度創設などで修学機会の確保に努めている。
○小規模校削減により、遠距離通学を嫌った家族ぐるみの都市部への移住、経済的負担増加などが現実化している。実態を調査し、通学支援拡充などを検討すべきだ。
●通学費等補助制度を創設し、保護者の経済的負担軽減を図ると共に、奨学金の貸付限度額引き上げを行い、修学機会の確保に務めている。
(2) 新しい職について
○道立学校での副校長、市町村学校での主幹教諭など新たな職の設置理由は如何に。又「創意工夫ある教育活動」や「自由闊達な論議」の保障についての認識は。
●様々な課題を抱える学校において、組織として迅速且つ的確に対応するためには、組織運営体制及び指導体制充実が重要。また、新たな職の設置で学校経営体制が整備され、教職員協働による創意工夫を生かした教育活動の推進を期待している。
○副校長と教頭の職制上の違い、副校長や主幹教諭の任用、東洋の条件は。
●副校長は、公務の一部を自らの権限で処理できる職。教頭は、校長や副校長の指示命令の下、校務を整理し、必要に応じ児童生徒の教育を担う職。資格要件や選考方法は検討中。
(3) 学力テストについて
○全員対象のテストを毎年度実施する意義は。
●調査結果は、北海道の義務教育水準や児童生徒の理解度、定着度を客観的に把握し、どのような対策が必要なのかを考える上で有意義なもの。
○毎年60億円ものテスト費用は、教職員増員、臨時採用者の本採用、教育条件整備や教育環境整備等に当てるべきであ、子どもたちの実態に即した教育実践こそが、本来求められる学力向上策だ。
●児童生徒の学力向上に向け、北海道ステップアッププロジェクト事業の取組を進めてきた。今回の厳しい結果を踏まえ、各学校や市町村教育委員会は、児童生徒の実態に即し、学力向上に結びつく実効性ある取組を早急に進めてほしい。
(4) 免許の更新制について
○21年度から導入を予定されている教員免許更新は、膨大な講習費用、講習体制の構築や内容、修了認定基準設定、免除対象者の具体像など多くの課題が未解決だが。
●制度本格実施には、受講者の費用負担軽減や各大学での積極的な講習開設などについて、国に要望してきた。制度の円滑な実施に向けて検討していく。
○長時間の講習制度導入は、学校現場にさらなる多忙化をもたらし、教育条件の低下につながりかねないが、どのように対処するのか。また、10年研修などの現職研修と更新講習の連携や互換性の結論を早急に出すべきだ。
●更新講習は、長期休業期間や土・日曜日に開設することとしており、通信教育やインターネットの活用など、教員の実情に併せ、多様な形態の講習の提供に努める。更新講習と10年経験者研修の関係は、早期解決を国に要請している。

お陰様で、ようやく第3回定例会報告の抜粋を皆様にお届けすることができました。遅くなりましたことお詫び申し上げます。詳細は、道議会議事録をご参照下さい。


 平成20年第2回定例道議会は、6月10日(火)に開会、道補正予算案、「北海道総合振興局設置条例」、「アイヌ民族を先住民と位置づけるための措置に関する決議」、「地方財政の充実・強化を求める意見書」などを採択し、28日(土)に閉会しました。
 まず、当面する課題と私たちの、それらに対する姿勢についてお知らせします。













1,支庁制度見直しについて

 第2回定例道議会の焦点は、支庁制度見直し。洞爺湖サミット7月7日開催を控え、日程を大幅に前倒しした定例会に知事は「北海道支庁設置条例」を全面改正し、現行の14支庁を、9総合振興局(支庁)と5振興局(支庁出張所)に再編する、「北海道総合振興局設置条例案」を定案しました。
 しかし、数々の問題点が未解決なままでの提案でした。
 私たち会派は、この審議に先立ち、5月13日付けで「支庁制度改革に関する会派から知事への提言の要旨」(※・・参考・・下記に概要記載)を提出し、問題点を議論、解決することが支庁制度論議の前提であることを提言したものの自民、公明会派が押し切る形で、強行採決されたことは誠に残念です。
 北海道町村会などの道内地方4団体が、条例提案は、地域との協議抜き出行われており、拙速で地域切り捨てとの強い反発姿勢を示しております。
地域の協議抜きで行われることに対し、各市町村での議会決議、大規模集会や各種要請、議会傍聴などの地域あげての抗議行動が続く中、異例の論議となりました。
 私達は、地域や住民の合意を得る取組をしていないこと、地域の声を無視していることは、今後の道政運営、地域行政に深刻な亀裂を残すことが懸念されることから、条例案が付託された道州制・地方分権改革等推進特別委員会では継続審議を求める動議を提出しましたが、自民・公明会派の反対により否決。
こうした、地域住民の意思を全く無視し、地域における道行政の拠点拠点である支庁の見直しが強行されることに、退席して抗議の意思を表明した。
 また、本会議で条例案採決の際も、会派議員が退席して、強い抗議姿勢を示しました。


※・・参考・・
「支庁制度改革に関する会派から知事への提言の要旨」の概要     
                                               平成20年5月13日
1 支庁制度改革への視点について
(1)地方分権(地域主義)の姿、道州制のあり方の明示について
(2)道と市町村の役割分担の明確化について

2 支庁制度見直しの課題について
(1)地域との連携について
(2)道庁の機構改革について
(3)検討作業のあり方について


2,北海道地球温暖化防止対策条例について
 会派は、昨年6月に設置した地球温暖化対策プロジェクト(星野高志会長)で、策定作業にあたってきており、「北海道地球温暖化防止対策条例案」を6月18日に提案しました。
 折しも、北海道洞爺湖サミットで大きなテーマとなる地球環境保全、とりわけ地球温暖化防止の問題に対して、開催地・北海道からの発信をしようとの趣旨。
 道民を対象としたアンケートの実施結果などを参考に検討を重ね策定してきたものです。
条例案は、@道(地球温暖化対策の策定と実施、対策の率先実行)、A事業者(事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制)の4つの主体の取組や温暖化防止への道民の事業者の積極的な取組が社会的に評価される仕組み作り等で組み立てられている。
 19日には、環境生活常任委員会で集中審議が行われ、各会派からの質問や提案を受けましたが、、今定例会での取扱は、継続審議となり、9月の第3回定例会での成立を目指すことになりました。

私たちの代表格質問に福原賢孝(檜山支庁)議員が立ち、支庁制度見直し、地方分権改革推進委員会勧告、地域医療確保などについて質疑を行いました。又、一般質問には、小林郁子(札幌市中央区)、中山智康(伊達市)、広田まゆみ(札幌市白石区)、須田靖子(札幌市手稲区)、斉藤博(函館市)、平出陽子(函館市)の6議員が立ち、当面する道政課題、地域課題についての道の取組について質問しました。
以下に、代表格質問の福原賢孝議員の質疑内容について、お知らせします。(○・・質問、●・・道の回答)

1 支庁制度改革、地域行政に臨む知事の基本姿勢について
○支庁制度改革について、地方自治の根幹である市町村、地域との対等の基本を忘れ、一方的に地域への痛みの転嫁を推し進めようとしている。地域の意向に背を向ける提案に踏み切ったことことを反省すべきである。
●道民、市町村、各種団体と意見交換を重ねてきた。厳しい意見に対して素直に反省すべき点もある。今後も話し合いを重ね、理解と協力を得られるよう努める。

2 支庁設置条例改正案について

(1)地方分権について
○支庁制度改革は、道州制、基礎自治体強化、地方分権改革推進委員会での協議などとの整合性がない。
●新しい支庁が、市町村や地域住民と一体となって、地域の課題に即応した政策を推進する体制を整えることを最も重要な視点としている。
○支庁は、基礎自治体強化までの過渡的機構としての位置づけをされてきたが、依然として、道から市町村への事務権限委譲は遅々として進まない実態にある。
●道州制特区の活用による委譲推進のための制度改革、重点的に推進する事務権限の選定、ノウハウを有する道職員の派遣、市町村職員の受け入れ等で推進を図る。

(2)地域振興について
○今後の分権改革想定される、道と市町村の間での水平補完、垂直補完への支庁機能の位置づけの明示が必要。
●支庁が担っている市町村を補完する機能は、市町村合併の推進や事務権限の市町村への委譲の進展に伴い、徐々に縮小していくが、市町村体制が充実強化される迄はサポートしていく。
○新総合計画では、具体的な地域振興策が提示されておらず、策定作業が続く中での支庁縮減は納得しがたい。
●地域振興策を効果的に展開していくためにも、支援制度の見直し、新たな財政支援制度など、推進体制として支庁の組織体制を整備したい。
○地域特性に配慮しない横並びでの支庁機能の縮小は理屈に合わない。地域特性に合わせた再編成が優先課題ではないか。
●産業振興に実現にあたっては、総合振興局長と振興局長と協議し、市町村の意見を受け止め、地域課題に的確に対応できるよう検討する。
○地域課題に即して、重点的な特化を図るべき。
●支庁の組織体制は、地域課題を踏まえた組織体制とすることが大切。本庁との役割分担も含め、効果的・効率的な組織体制を検討。

(3)改革の手法について
○支庁制度改革について、なぜ今なのか。
●厳しい道財政の下、支庁は簡素で効率的組織への改革が求められている。新総合計画に沿って、広域的観点から効率的な地域政策展開のためにも、早期に改革の第一歩を踏み出す必要がある。
○市町村こぞって反対は極めて異例の事態。地域との協議の状況を、知事はどう認識しているか。
●道と市町村が、信頼関係の下で連携協力して効果的施策を推進していくことが重要。道内地方4団体、市町村と意見交換を行い、改革への理解を求める。
○庁内での議論経過が見えない。庁内体制も未整備な状況。庁内議論の整合性を図り、地域との協議をやり直すべき。
●「仮称・支庁制度改革推進本部」を立ち上げ、全庁一体となった取組を進める。
○市町村との関係に亀裂が入ったままでは道行政は進めない。地域や道民との協議のルール、日程、具体的内容・制度設計を再構築しながら進め直すべき。
●自治のあり方、地域振興方策等について率直に話し合う場を設け、十分協議していく。

3 道財政について
(1)道財政について
○道民税や法人事業税等、道税収入の確保対策はどうするか。
●平成17年度以降、「道税確保特別対策本部」を設置。平成20年度以降も対策本部を設置し、道税収入の確保を図る。
○地方消費税、軽油取引税は、石油高騰による影響で減収の危惧があるが、その見込みと対応は。
●道税収の当初予算額は、6080億円を計上。石油価格高騰による影響も否めないが、予算額の確保に向けて徴収強化に努める。

(2)道路特定財源・暫定税率について
○暫定税率の再議決は、価格高騰の影響緩和のチャンスを逃がしたとは考えないか。
●暫定税率の失効は、国や地方公共団体の行財政運営に支障が生じ、道民生活や地域経済にも多大な影響が懸念された。暫定税率の復活はやむを得ない。
○道路特定財源の一般財源化については、お年寄りや子ども、障がいを持った社会的弱者に振り向けるべきだ。
●道路は、道民生活や産業を支える社会基盤であることから、整備や維持管理は重要な課題。一般財源化は、使途が自由になる反面、地方財政への影響が懸念される。
○10年間の「道路整備の中期計画」は、5年間に短縮されたが、現計画にあげたものは、すべて建設していく考えなのか。
●必要な道路整備が嘉納となる施策が盛り込まれるよう、国に働きかけていく。

(3)地方分権改革推進委員会勧告について
○地方分権改革推進委員会の第1勧告で、国道、河川の整備・管理権限は、都道府県内完結との基準が採用された。道への委譲対象の見通し、対処は。
●財源の委譲とセットで議論されることはもとより、北海道開発の経緯をふまえ、本道の事情が十分反映されるよう国と協議していく。
○二重行政解消への知事の見解は。
●道州制に向けて、国からの権限委譲を進めるにあたっては、業務の二重性の解消は重要な視点。地方主権型社会にふさわしい効果的・効率的行政運用に取り組む。

(4)道立試験研究機関について
○道立試験研究機関の見直しは、「研究が着実に成果を上げ、道民の財産になっていくとの観点で取り組むべき。」との道議会付帯意見が基本に置かれるべき。今後の検討についての所見は。
●複雑化・多様化する道民ニーズに、迅速・的確に対応した研究の展開、成果の着実な還元、道内産業への技術支援の充実などを図ることができるよう、具体的な仕組みづくりを行っていく。

 当面する道政課題について
(1)地域医療の確保について
○公的病院の再編については、自治体財政健全化法をにらんで、市町村は病院経営の見直しを迫られているが、道は地元任せとしている。国のガイドラインと道の再編構想の整合性についての認識は。
●地域の検討会議等において、道の構想と国のガイドラインを踏まえ、その整合性を図りながら、十分協議されることが必要。道としては地域医療のあり方等に関して助言するなど、積極的に取り組んでいく。
○公的病院再編は、地域合意が前提である。医療確保への地域との協働の対処策への所見は。
●医療提供体制確保のため、施設整備や医療機器などへの支援、医師派遣、研修会への経費助成など、補助制度の活用に加え3医育大学への協力を得て、地域医療、医師確保対策に取り組む。
○後期高齢者医療制度は、お年寄りに与えた不信・不安、市町村現場での混乱などから、制度廃止、抜本的改正に取り組むべきと考えるが。
●高齢者が安心して医療を受けられるよう、医療制度が将来に亘って、安定して運営されることが大切。新たな措置による財政負担が、地方に転嫁されることがないよう、必要に応じて国に要望していく。

(2)サミットに向けた課題について
○グローバリズム(※注)展開による、北海道、道民の未来に及ぼす影響についての認識は。(※注・・国家を超えて、地球全体を一つの共同体とみる考え方。)
●グローバル化は、WTO農業交渉、EPA交渉に大きな懸念材料になる一方、食や観光などのビジネス展開、経済交流、外国人との交流機会の拡大が期待される。サミットを契機に、北海道の魅力を内外に発信し、活性化に努める。
○NGOサミットへの対応について
●対話を継続し、関係し町村及び関係機関と連携を図り対応していく。
○食糧自給率が低下する一方、多くの休耕地を抱え、大量の食料を輸入している状況は、フードマイレージの観点からも問題。米の減反政策、生産調整政策の見直し議論への所見は。
●米価格の安定や水田農業経営の持続的な発展を図るためには、米の生産調整が実効性あるものとして機能し、適正な需給環境が形成されることが重要。その上で、水田を有効に活用しながら、我が国の食料自給率の向上に寄与していく必要がある。
○バイオエタノールについての見解は。
●北海道が我が国の食糧自給率向上に寄与することを基本に、様々な可能性を有するバイオエタノール生産に向けた取組を進める。
○先に公表した「北海道環境宣言」の一人30本植樹など内容の実効性を、どう担保していくのか、道民や企業の参加意欲をどう導き出そうとしているのか。
●市町村、経済団体、NPO、植樹イベント関係者ニ、パンフレット配布や説明等で周知。小中学生対象の環境教育事業での普及や、環境行動診断システムの活用、クールビズ、ウオームビズ等のキャンペーン実施に取組、宣言の実行性を高める。

(3)アイヌ民族を先住民とする国会決議について
○「新たな法制化」を国に求めることへの知事の決意は。又審議機関へのアイヌ民族の参加を求めるべきだ。
●アイヌの人たちの社会的・経済的向上と民族の誇りが尊重される社会の実現に向け、国に働きかけていく。
○国会決議を踏まえ「新たな法制化」、「新たな施策」を国に求めていくべき。
●北海道ウタリ協会等とも連携して、要望が実現されるよう、機会を捉え積極的に働きかけていく。

(4)雇用について
○道内雇用者の4割が非正規労働者であることの認識は。
●基本的には安定した雇用形態が望ましく、非正規労働者にあっても、働き方に見合った均衡ある処遇がなされることが必要。
○非正規・不安定雇用を減らしていくためにはどのような対応をするのか。
●経済団体への新規学卒者求人要請の際に、正社員としての雇用を働きかけている。また、「改正パートタイム労働法」施行に伴い、事業者対象に説明会を開催している。
○労働者派遣法の改正に際し、雇用劣化の要因にもなっている、短期間派遣契約及び日雇い派遣禁止が求められていると考えられるが。
●派遣労働者の雇用安定や、安心して働ける環境整備が図られることが重要であり、今後の国の議論を注視していく。
○最低賃金は、全国平均で時給1000円程度を目指すべきと考えられるが、20年度改訂に向けた所見は。
●経済的に困難な状況にある勤労者の底上げを図るべく、最低賃金制度がセーフティーネットとして機能を果たすべきと考える。中央最低賃金審議会や北海道最低賃金審議会の審議状況を注視していく。
○地域別の格差を解消するためには、「全国一律最低賃金」制度の確立が必要だ。
●改訂最低賃金法は、地域に於ける労働者の生計費及び賃金や企業の支払い能力を考慮して決定されたものだ。
○季節労働者対策について、地域協議会の取組の現状把握と課題、未実施地域での協議会立ち上げと組織体制の再構築、今後の機能強化についての所見は。
●19年度に於ける取組事例などに関する情報の共有化、協議会に於ける季節労働者の参加を促すための普及啓発活動の強化、事業に参加していない市町村への働きかけの継続などで、実行が上がるよう努める。
○20年度事業の取組について、実効性のある通年雇用化の促進、公共事業冬季施工拡大に関する国への対応、道としての対応は。
●国の予算が十分に活用されていないことを踏まえ、各協議会に対し、事業拡大を促しながら、事業の実効が上がるよう努める。雇用確保策として、冬季増蒿経費措置事業を実施し、工事の平準化対策の促進についても国に要望する。
○林野庁による、森林組合の経費借入利息の全額負担、市町村への新たな公的制度の設置は、森林関連分野の雇用拡大につながると考えるが。
●森林整備事業は、雇用対策としても有効であり、国の新たな対策の活用を図り、森林整備の事業量の確保、新規参入に必要な技能講習の周知、就業希望者に対する実地研修などに取組、雇用拡大に努める。

(5)医療福祉をめぐる不祥事について
○聴覚障害偽装等、事案の続発を受けて認定・審査に関わるシステムの見直しについて、どうして取り組んでいくのか。
●身体障害者手帳事務取扱要領を改正し、文書化や情報の共有化など対策を講じた。また、政令市や中核市との連携強化を目的に連絡会議を設置。制度の信頼を維持するために、不正な事案には厳正に対処し、再発防止に万全を期す。

(6)プルサーマル発電について
○安全性の担保、根拠を何に求めるのか、疑問がある中で地元会説明が進んでいる。廃棄物処理や安全性担保の説明が不十分。知事の基本認識は。
●北電と締結している安全協定の趣旨に沿って、総合的観点から適切に判断する。
○安全・安心、環境への影響などは住民、道民の大きな関心事であり、合意を得るための今後の検討の進め方は。
●安全性確保の最優先として、有識者会議での中間的な取り纏めを行った後は、公開シンポジュームなどを開催し、積極的に情報公開を行い透明性の確保に努める。
○大間原発の地理的特性、道原発でのフルMOX発電への認識は。
●フルMOX発電は、経済性についても実用炉として十分な見通しを有すると評価されている。大間原発について、函館市は防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲にふくめる必要はないと承知している。

 教育課題について
(1)高校適正配置について
○機械的な公立高高学級削減案は、地方小規模校にとっては、今後の統廃合加速を懸念させる厳しい内容。「高校適正配置」への教育長の基本的認識は。
●教育水準の維持向上と教育の機会均等を図る観点から、地域の実情を考慮しながら、新しいタイプの高校づくりや再編整備など、適正な高校配置を進めていく。
○高校の配置は、生徒の学習権が保障される観点から検討されるべきである。
●本年度から、遠距離通学等となった生徒のため、新たに通学費等の補助制度を創設、貸付限度額の引き上げ等の奨学金制度充実を図り、修学機会の確保に努める。
○一度に大きな学級の削減は、高校への存廃の危機、地域や進路指導の混乱を招く。激変緩和措置的な手法を取り入れ、影響を極力抑えるべき。
●常に三年先の配置計画を策定し、早い段階から進路選択に資するよう努めてきた。今回の計画案では、こうした考え方に基づき、平成21年度から23年度までの新しいタイプの高校の配置、定員調整、高校再編案を示した。
○石狩1学区制など、学区の広域化は、都市部への生徒の集中、特定高校への集中化、受験競争激化を招き、高校の序列化、教育の地域格差を招く要因となると考えるが。
●学力単一という尺度ではなく、生徒自らの興味・関心・進路希望に応じ、多様な学校選択が可能になるよう、特色ある学校づくりを進めてきたほか、推薦入学制度の改善など、学校裁量を拡大してきた。
○高校の存廃は、地域の存亡、地域格差問題とも深く関わる。道の財政都合だけで判断するのではなく、地域の生徒を対象に地域の意見を十分斟酌し検討されるべきだ。
●地域の意見を参考に、地域実情などにも配慮し高校配置計画案を示したが、さらに意見・要望を聞き、成案を得ていく。
○高校の無くなる地域の生徒を対象に、通学費や下宿代の補助を制度化したが、利用時の所得制限等の条件が厳しいなどの声がある。条件見直しをも含めた検討をすべき。
●はじめて導入した制度であることから、新たな課題が生じることも想定される。事業の実施状況や制度内容について検証し、必要な検討を行っていく。

(2)学校教職員の勤務実態について
○教職員の長欠、休職状況を見ると、精神疾患の割合も増加している。こうした状況に対する認識は。
●精神性疾患は、年々増加しており、教職員の心の健康を保持する観点から、大変憂慮すべき状態。精神科医による心の健康相談の機会拡充を図るなど取り組んでいる。
○学校という職場の特質から、時間外勤務の実態は、道教委の調査以上の実態にある。時間外勤務を減らすために、どのように取組を行ってきたのか。
●「時間外勤務・業務の縮減等に向けての指針」に基づき「時間外縮減推進委員会」を設置する。本年4月には、時間外勤務の縮減に向けた取組状況について、情報提供するとともに、「時間外勤務等縮減強化週間」及び定時退勤日の設定を通知するなど、時間外勤務の縮減に向けた取組を行っている。
○時間外勤務の拡大に歯止めを掛けてきたのは職員組合との協定ではないか。協定を破棄した場合、今後の教職員の時間外勤務について、どう取り扱うのか。
●時間外勤務については、給与等に関する特別措置法や、道条例、関係通達に基づき、適切に億対応していく。

本稿では、再質問、再々質問は省略させて頂きますが、道議会ホームページをご覧下さい。
 

道議会は、議会基本条例を制定し、議員の責務明確化を目指します。(h21年4月施行)

6/17、道議会の各会派で構成する議会改革等検討協議会(座長・鰹谷忠副議長)は、議会の役割や議員の責務を明確化する道議会基本条例を本年度中に制定し、来年4月施行を目指すことで合意しました。さらに道議が議会に出席する際に「日当」や「交通費」として支給する費用弁償を、札幌市など道央圏の道議を対象に減額する方針を決め、いずれも18日の道議会各会派会長会議で正式に決定する見通しとなりました。

 議会基本条例は地方議会の最高規範と位置付けられるもので、06年5月、空知管内栗山町議会が全国に先駆けて制定。都道府県では、三重県議会が制定しています。

 道議会は、条例で情報公開や政策立案・提言のあり方を定めて、より「開かれた議会」を目指すことになります。

 具体的には、本会議などで道側が道議に逆質問できる「反問権」や各派代表者による公開討論会開催の是非などについて検討し、09年2月開会予定の定例道議会で議員提案を行う考えです。

 費用弁償は、現在は議会と居住地との往復距離に応じて@50キロ未満(1日当たり13、000円)A100キロ未満(同14、000円)B100キロ以上(同20,000円)の3区分となっています。これを、@とAは一律3,300プラス交通費実費支給、Bは18,200円としたい考え。

 札幌市内のほか、江別や小樽、岩見沢市など選出の38議員(定数106)が削減対象となります。

 開会中の定例道議会に関連条例案を提出し、今年8月からの施行を目指します。

 道議会は、昨年から「費用弁償」について議論を進めてきたもの。
道議会の費用弁償は06年度で総額2億1200万円でしたが、これにより年4600万円の歳出削減が実現することになります。
なお、政務調査費は来年度の改定を目指し、9月をめどに方針をまとめるとなりました。

ながお 信秀は、道南北斗市出身議員として、次の政策を基本に進めます。
北海道民・北斗市民が主役の行政改革を推進します。
道民との合意形成や市町村との協議を前提に、事業の優先順位など、財政再建を進めます。
私たちに「痛み」を押しつけるだけの「改革」ではなく国・道・市町村と道民との役割分担を踏まえた
協力・協働の関係を目指し、情報の透明性を高めながら、行財政改革を進めます。

農業・漁業の一次産業振興と北海道ブランドづくりを進めます。

安全で良質な食料の安定供給のための農業基盤整備と、環境と調和した農業のあり方を推進します。
また、防疫対策や遺伝子組み換え作物対策について、確固たる対応を求めるとともに、道としての規制
強化を進めます。
 磯焼け対策の抜本的解決など、豊かな海の環境づくりを進めます。
消費者に信頼される「食」の北海道ブランドの構築に努めます。
高速交通体系の整備と地域経済の活性化を図ります。
北海道新幹線建設事業での地元発注機会の拡大に努めます。北海道縦貫道や地域高規格道路、函館
新外環状道路の早期完成で災害に強い交通体系や函館空港との迅速なアクセスを図ります。
安心・安全な子育て環境の推進を図ります。
少子化の進行に対し、安心して生み育てられる環境づくりと健やかに育つ環境づくりを推進します。
いじめ、不登校等の問題解決のため、教育現場と地域社会の連携強化に努めます。
介護保険制度の広域運用やサービス提供基盤の整備など、高齢者の自立と生きがいづくりに努めます。
 子どもたちが、自分の将来に夢と希望を持ち、明るい生き生きと学べるよう、教育予算を確保し、保護者
負担の軽減をめざします。

        


トップページに戻る