雨の子たちは公園のブランコにしょんぼり腰をおろしました。
すべり台もジャングルジムもなんだかさびしそうに見えます。
「おいおい、ふたりともどうした。元気がないなあ。」声をかけてくれたのはとなりのザーザー兄さんです。ふたりがわけを話すと、
「ぼくも時々思っていたんだ。長いこと晴れた日が続くとおとなたちはぼくらがおりてくるのを喜んでくれるし、待っていてもくれるんだ。でも、こどもたちにはぜんぜん人気がないのさ。さよちゃんだって、雨ふりは寒いから外へ出るのはまたこのつぎにしましょうね。なんて言われてつまんなそうに窓からぼくを見ていたよ。ぼくが手をふったらサーッとカーテンを引いてしまってね。ぼくも悲しかったよ。」
 
「何かこどもたちを喜ばすことはないかなー。」
「おりてこなければいい。」パラリンは言いました。
「あら、それはだめよ。わたしたちを待っている人たちは、おおぜいいるのよ。」

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