「ちぇっ、また雨か。つまんないなあー。雨ふりだと外で遊べないや。
野球も鉄棒も何にもできないや。おもしろくない。」
「わぁ雨だ!このあいだおかあさんに赤い長ぐつ買ってもらったの。」
「花もようのかさもよ。来年はようちえんに行くからって---。 あたし外で遊んでくる。」
3年生の直くんとさよちゃんは雨を見ながらこんなおしゃべりをしてました。
「ねえ、ぼくたちを見ているよ。声をかけてみようか。」
「さよちゃんはとてもうれしそうね。わたしたちのこと好きなのかしら。」
「直くんは何だかおこっているみたいだね。」
 
「直くん、直くん。」「だれ、ぼくの名前を呼んだのは。なんだ、雨の子か、 おまえたちがおりてくると、遊びに行けないじゃあないか。」
「わたし、雨好きよ。おかあさんが赤い長ぐつとかさを買ってくれたの。 いま外に行くからまっててね。」
はりきっておりてきたパラリンとしずくちゃんは、 直くんのことばを聞いて急に元気がなくなってしまいました。

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