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名寄 → 音威子府


  ■ 7月20日(月)

  いきなり現実時間に戻る。
  これを書いているのが2004年の5月である。

  北海道の話に限らず、ここの文章の更新ペースが落ちたのは、
  大雑把には2002年頃からで、即ち結婚した時期なのだが、
  要因はそれだけでなく、むしろ、
  ちょうどその頃から仕事が忙しくなった、という方が圧倒的に大きい。

  2002年の4月から、年度にして2年経ち、
  現在、3年度目に入って1ヶ月経った。

  それ以前は下っ端で、緩い管理をする上司だったので、
  仕事の合間に小さいウィンドウを開いて、
  なんてことをしている余裕があった。

  実際、会社で書いた量は結構な割合になるはずだ。

  それが、消えた。

     ミ☆

  プライベートの時間も削られていった。
  仕事のことを考えている時間が増えた。

  仕事の時間とプライベートの時間。
  なんとなく違和感の残る表現だがともかく。

  これをキッチリ分けよう、という意見をよく耳にする。
  が、職業にもよるだろうから、一概には言えまい。

  自分自身の場合、分けないことにしている。

  探すまでもなく湧き続けてくれる問題について考え、
  原因を調べ、解決方法を探し、改善の可能性を、等々。

  考えても考えても。

  いや、楽しいから続くのだ、うむ。

     ミ★

  というのは、言い訳。

     ミ☆

  上記の2年間では、
  2003年の12月から翌3月末までが、忙しさのピークだったといえる。

  で、一息ついて年度も替わっての4月。

  それまで貯めていた疲れと、恐らくは季節のせいだろう、
  2004年の4月という月は、やたらと睡眠時間が多かった。

  ような気がする。

  仮に具体的な数字が分かったとしても、大差ないのかもしれない。
  が、ずいぶん無造作に寝ていたな、という印象が強い。

  そういえば大学受験の片づいた後の春休みも、
  同じように無闇に寝ていたような気がする。

  それはそれとして。

  ちょっと興味深いことが起きたのだ。

     ミ★

  気付いたのは4月の半ば頃だったろうか。

  どうも、記憶が整理された、らしい。

  たとえばテレビを観ていて、
  あ、これ、誰だっけ?

  てなことが何度かあった。

  でも、ちょっと前までは確実に知っていたことは、分かる。

  優先順位の低い記憶がしまわれてしまった、のだろうか。
  それとも、若年性痴呆症か、その類いだろうか。

  脳ミソの、正しい機能が働いたのだろうか。
  それとも、そうでない動作なのだろうか。

  あんがい妙な蟲にでも食べられたのか。

  よくわからない。

  ので。

  少し前の記憶を探ってみよう。

  ということで、
  北海道のことを思い出してみることにした。

  うまく思い出せれば良し、
  そうでなければ、まぁ、状況次第。

  1998年の夏である、ちなみに。

     ミ☆

  二晩厄介になった友人宅を出発。

  眠そうな目に送られ、
  青い空、やけに爽やかな空気、
  まだ早い名寄(なよろ)の町を、のんびりと北上。

  国道40号はそれなりの交通量。

  都合の良さそうな迂回路があったので、そちらから。
  距離は大差ないが、傾斜はきつそうだ。

  ま、排気ガスにまみれるよりはよかろう、と。

     ミ★

  すぐに後悔。

  なんじゃこの勾配は。

  ぶつぶつぶつぶつ。

     ミ☆

  東雲峠という、風情のカケラを感じる峠で一休み。

  なんとなしに期待していたそのカケラは、残念ながら、サッパリ。
  なまっていた体をほぐし、そそくさと坂道を下る。

  しばらく、国道を避けて走る。
  まばらな農家に、北海道らしくなさを感じる、勝手に。

  いや、なんか、懐かしくて。

     ミ★

  美深町へ。

  市街地は特に何もなくすり抜ける。

  で、そのまま町自体を通り抜けようとしたら、
  いきなり、風が強くなった。

  向かい風である。

  むむむ、と唸りつつも、
  2日のブランク、重い足でペダルを回し続ける。

  ちょっと信じがたいくらいに強くなった。
  足元を見ると砂が風下へ転がって行っている。

  いま思うと、微妙に上り坂だったのかもしれない。

     ミ☆

  手頃なところで休憩。

  地図を引っ張り出すと、
  少し先に道の駅がある。

  隣接してキャンプ場、そして温泉。

  時計を見る。

  真っ昼間。

  さすがに、ね。

     ミ★

  道の駅びふか。

  ここに意外なイベントが待っていた。

  結構広い駐車場。
  観光バスも結構な数。

  と、行列を発見。

  よく見ると女性ばかり。
  こころなしか、おばさんが多い。

  もっとよく見てみると。

  ‥‥なんだ、トイレか。

     ミ☆

  対照的にスカスカな男子トイレで用を済ませ、
  店内を冷やかし、店外をぶらつき、出発。

  駐車場をつっきって出口へ。

  と、右足、フトモモに違和感。

  赤く、腫れている。

  あれれ?

  あ?、あ!、あああ!

  ちょっと、痛いよ、おぃ、ねぇ!

  どうも蜂に刺されたらしい。
  アブかもしれない。

  ちょっと様子見。

  道の駅へ戻って薬でも、とも思ったが、
  それほど大変なものでもなさそうだったので、騙し騙し。

  幸い大事には至らなかった。

     ミ★

  風は強いし足は重いし何かには刺されるし。
  まぁ、リハビリがてらってことで。

  言い訳でもって自分自身を納得させるという行為。
  場合によっては堕落経験値が増えるので、気を付けたいところ。

  美深町から音威子府村へ。
  おといねっぷ、と読む。

  地図を見ると、天塩川温泉。
  そしてリバーサイドパークキャンプ場。

  ふむ。

  ちょっと早いけど、手頃だし、と。

     ミ☆

  看板を見つけ、騒がしい国道から離れる。

  天塩川の水の音。風の音。
  点在する民家からの微かな生活音。

  穏やかな空気につつまれる、この幸せ。

  どこかに似ていると思ったら、
  実家から、ちょっと山の方へ上った辺りだ。

  落ち着く。

     ミ★

  キャンプ場はあまり広くなかったように記憶している。
  整地され、炊事場もあり、保養センターが隣接している。

  それなりの設備を用意し、
  恥をかきすてる無茶な連中を制御する、ってところだろうか。

  いや、考え過ぎか。

     ミ☆

  比較的早い時間帯にテントを設営してしまったので、
  手持ちぶさたに近所の散歩。ファミリー向け、かな。

  自転車で近所をぶらぶら。

  宗谷本線の天塩川温泉駅、は、無人駅。
  客もいなかったので、待合所でぼんやりしてみる。

  ふらふらしてたら隣の駅近くまで行ってしまった。
  地図で見ると3kmくらいなのでたいした距離ではない。

  途中、ライダーハウスを発見。

  後日、実はけっこう評判の良いところと聞いて、
  ちょっと悔しかったのだが、まぁ、仕方ない。

     ミ★

  温泉でのんびり。

  レストランという名の食堂で、いや、深い意味はないが、
  なにかを期待して山菜ソバを注文。

  普通。多分。

  さっさと寝てしまった。

     ミ☆

  というわけで。

  書いてしばらく放置して、違和感がないか様子を見てみた。
  記憶の方は大丈夫、な、気がする。

  根拠なし。

  まぁ、4ヶ月以上ほったらかしというのは、
  予定の10倍くらいなのだけれど。


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