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クリスマスの夜


  汗臭かったので、帰宅後すぐにシャワーを浴びた。
  遅すぎる夕食を机の上に運び、テレビを点ける。

  23時少し過ぎ。

  テレビ東京へ回したら、映画をやっていて、
  目的の番組はまだ始まっていない。

  仕方なしにチャネルを変えてみたら、
  ヒトラーの演説、聞き覚えのあるメロディ。

  NHKスペシャル・アンコール
  映像の世紀(4)ヒトラーの野望

     ミ☆

  番組自体の制作は1995〜96年。
  その昔に観たのはその再放送だったと思われる。

  たしか正月、こたつに潜りながら、
  いや、すぐに這い出して、
  じーっと、テレビの前で静かにしていた。

  映像。
  語り。

  そして音楽。

  加古隆の、あのテーマ曲。

  恐ろしく憂鬱になった。

     ミ★

  番組は、ヒトラーの台頭から第二次世界大戦の始まりあたり。
  次回のサブタイトルは「世界は地獄を見た」である。

  ひたすらに重いエンディングを引きずりながら、
  帰りに買ってきたアフタヌーンをぶらさげ、こたつへ潜る。

  1時過ぎ。

  適当に飛ばしながら読み進めること、1時間くらいか。

  「神戸在住」

  トビラの雰囲気が暗い。

  日和さんの話。

  って、‥‥。

     ミ☆

  作中、日和氏は故人である。
  そのことは既に語られている。

  その死の直前の数日と、訃報、主人公の自失。

  こたえた。

  フィクションかどうかなんて、どうでもよくて。

  脳ミソの片隅が、冷静に、多分冷静に、
  演出がどうのこうのと語ろうとしている。

  その為にはあと何回か読み直す必要があるだろうな、などと。

  だが残り大部分はそれを拒み、しかし、いても立ってもいられず、
  とりあえずPCを立ち上げ、ここまでキーを叩いた。

  2時半過ぎ。

  今日はもう眠れないかもしれない。


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