<BACK> <HOME>

リサイクル その7


  薄暗い地下鉄の通路から這い出ると、
  ビルの隙間、わずかではあったが、空が見えた。

  この季節特有の薄ぼんやりした光は、
  更に都市の淀んだ空気となじみ、
  なにもかもウヤムヤにしてしまうような、
  素っ気ない無責任さをまとっていた。

  おもむろに時計を眺めると、
  指定の時間まではあと6分あった。

     ミ☆

  うさんくささ満点の言い伝えによると、
  父方は、平家の末裔なんだそうだ。

  平家という単語しか残っていないのがミソである。
  平家ったって、色々あるのだから。

  母方はもう少しマシな言い伝えが残っている。
  数代さかのぼると、神田で道場をやっていたとか、
  榎本武揚なんて名前も出てきたり。

  モノは言い様だし、ね。

  とはいえ、
  想像の翼を広げれば、良い暇つぶしになる。

  特に後者は、場所が場所だけに、
  もしかしたら坂本龍馬や桂小五郎あたりと、
  道端ですれ違うくらいのことはあったかもしれない。

     ミ★

  何気にテレビを点けると春の選抜高校野球。
  いつの間に始まったのやらベスト8、準々決勝である。

  起きたのは昼頃で既に第3試合、
  作新学院(栃木)対東海大相模(神奈川)。

  って、おい、母校だよ。

  ほんでもって東海大相模ゆーたら、
  前の前に住んでた所から歩いて3分くらいの所やんか。

  更に、第1試合の国学院栃木(栃木)ってば、
  なんだよ、地元じゃねーのさ。

  うーむ、珍しいこともあるもんだ。

    # 作新は負け、国学院は準決勝で負け。

     ミ☆

  携帯電話を取り替えた。
  機種変更、略した機種変ってやつだ。

  って、漢字だと4文字が3文字になっただけ、
  数字としては2割5分引き、四捨五入で3割引。

  平仮名では「きしゅへんこう」から「きしゅへん」だから、
  2割9分ほど引かれることになる。四捨五入でこちらも3割引。

  いや、そんなことはどーでもいい。

     ミ★

  美人という言葉はどうにも俗っぽいので、佳人。

  単語自体がまだ手垢にまみれていないのが良いし、
  「か」という音の響きも美しい。

  「び」の、ドロドロを連想させる濁った音ではなく、
  飽くまで澄み切った、ちょうど今の季節の月夜のような。

  とにかく、
  有楽町線、距離にして約2m先に見出した静謐な絵に、
  しばらく魂を奪われた9月末のある日曜日の昼下がり。

     ミ☆

  教授と助教授の違いは?

  どこかで読んだのか、誰かに聞いたのか、
  残念ながら記憶にない。

  簡単なことを難しく教えるのが助教授、
  難しいことを易しく教えるのが教授。

  だそうだ。

     ミ★

  聞く所によると、忍者は窮地に追い込まれると、
  ワザと腕を切り落とされ、相手が怯んだ隙をみて逃げるのだという。

  本当かどうかは知らないが、
  斬った側もビビってしまうので、それを利用するのだそうだ。

  本能的な恐怖、だろうか。

     ミ☆

  先日、まな板の上で鶏肉を切っていて、
  ふと、人間の肉ってどんな味がするんだろう?
  なんて思った事があったが、
  そのまま腕をスライスして‥‥なんてことは、さすがに。

  地上13階のオフィスで下りのエレベータを待っている時に、
  窓から飛び降りたら早いだろうけど、
  まぁ、痛そうだから止めておこう、などと考えることもある。

  このくらいの高さなら生き残る可能性もないこともない。
  しばらく若しくは一生、病院とお友達になるだろうけど。

     ミ★

  どこで読んだのか聞いたのか全く記憶に無いし、
  Webの検索をざーっと当たってみたのだが要領を得ない。

  雷撃の恋。

  もしかしたら、間違って覚えているのかもしれないが、
  要は、一目惚れの強烈、いや、激烈なヤツのこと。

  その人の為なら、なんの見返りも求めず、
  何もかもを投げ打っても後悔しないような、
  そーゆー激しい状態を指すのだそうだ。

  それに出くわさない人も居るし、
  何回か打たれる人も居るだろうが、
  まぁ、普通は1回、そーゆーものでありたい。

    # スタンダールの「恋愛論」だそうです。

     ミ☆

  たまに。

  収益の一部は社会福祉なんかに使われてるんだから、
  などと言って賭け事を正当化しようとする阿呆がいる。

  それを通じて社会に貢献しているのだと言いたいらしい。

  なら、最初から寄付しちまえよ。
  スリルとか配当とかが目当てで馬券買ってんだろ?

     ミ★

  コメントの無いプログラムは困る。

  理由は簡単。

  知らない人、または忘れた人が眺めた場合、
  それが「読む」ではなくて「解読」になってしまうから。

  更に困るのは、
  敢えて難解にしてメシの種にしようとする類いが、
  未だに生き残っているという現実。

  墓穴なんだけどねぇ。

     ミ☆

  コメントの無いプログラムは困る。

  そのことは重々承知しているのだが、やはり面倒くさい。
  えらい面倒くさい、たまらなく面倒くさい、狂おしいほど面倒くさい。
  面倒くさいんだってば(しつこいって)

  それにしても、IME98の素敵さ加減には手も足も出ない。

     ミ★

  竹馬の友、というのは居ない。

  小学校に入学するまでは家族と、
  その他ほんの数人の顔しか知らなかった。
  幼稚園には行っていない。
  どーゆー理由かは知らないし、まぁ、イマサラ。

  このことに付いては嫌な思い出がある。

  どうして幼稚園へ行かないの?
  義務教育じゃないから。

  などと、4歳か5歳のガキが答えるわけだ。
  兄弟3人とも同じなので、たぶん兄のマネをしたのだろう。
  最初に吹き込んだのは父に違いない。

  とまれ、嫌なガキだと思われただろう。

     ミ☆

  久しぶりに夕立を浴びた。

  降られた、とは若干ニュアンスが異なる。
  うひゃ〜などと言いつつ屋根を探すのがこちら。

  冒頭のそれは、
  うひょーなどと言いつつそのまま雨粒を感じて楽しむこと。

  と、そんな用法があるのかどーかは知らない。
  この数行を書きながら勝手に決めただけ。


<BACK> <HOME>