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リサイクル その4


  すぐ近くの席のにーちゃんが言っていた。

  赤ん坊が泣いているのを放っておける様なヤツは、
  とりあえず、会社、クビにしろ、と。

  遅刻の常習犯として有名な彼ではあるが、
  なんとなく納得してしまったある秋の日。

     ミ☆

  先日、上りの東北線に乗った時のこと。

  Yシャツ、ネクタイ、濃いグレイのスーツ。
  7・3の分けた髪の毛、黒縁の眼鏡。

  反対側の座席に座っていたので、
  パッと見には気づかなかった。

  違和感。

  外の様子でも眺める風に顔を上げる。
  と、下半身、ジャージ、しかもピンク。

  足下は黒の革靴である。
  独特の光沢が美しい。

  彼は大宮で降りていった。

     ミ★

  自分にとっては当たり前でも、
  他人にはそうでないことは珍しくない。

  自分には容易に実現できることが、
  他人にとっては非常に困難なこともまた同様。

  逆もまた然り。

     ミ☆

  ぶ厚い文庫本は読みづらくて困る。

  ジーンズの尻ポケットに収まらない、というのも嫌だが、
  片手で読んでいると中指あたりの筋が痛くなるのは、
  もはやPL法に抵触するんじゃないのか?、などと。

  2冊に分けりゃいいじゃないか。
  と、単純に思う。

  ま、色々と理由はあるのだろう。

  そんなわけで、お借りした「月は無慈悲な夜の女王」、
  内容には関係のない理由で遅れています。

  もう少し貸しておいて下さい。

    # ロバート・A・ハインライン著、ヒューゴー賞受賞。
    # これは約1年前の雑文。さすがに読み終わってます。

     ミ★

  WindowsXPからユーザインタフェースが変わった。
  ご存知ルナである。

  が、インストール完了10分後には既にクラシック。
  XP以前のお馴染みのインタフェースが現在進行形。
  なんつったって、重い、うざい、使いにくい。

  とはいえ。

  現在、電気屋に並んでいるPCは皆XPである。
  往事に比べればイマイチ伸び悩んでいるらしいPC市場であるが、
  今年2002年はともかく、
  来年にもなればXPだらけになっている可能性はかなり高い。

  XPが標準になるのには依存はない。
  が、それは、ルナが標準になるのと、ほぼイコールなのだ。

  ふぅ。

  とはいえ、とはいえ。

  どんなに溜息混じりの先行きといえども、
  変化には、乗らずとも、背を向けるわけには行かない。
  その時点で、大袈裟にいえば戦線離脱なのだ。

  特に私はコンピュータを生業としている。
  この潮流、無視するわけには、残念だが、いきそうにない。

  でもなぁ……(汗)

    # 2002年の1月頃の雑文。
    # 年明けを待たず、すっかりXPだらけになりました。

     ミ☆

  めっきり酒を飲む機会が少なくなった。

  仕事帰りにちょっと一杯なんてのは、年に1回か2回くらい。
  人事異動に伴う宴会には顔を出すが、二次会には絶対に行かない。

  前者は、誘われない、とゆーわけではない。
  それっぽい理由で断るのだ、やんわりと。
  こーゆー時に慢性残業業界は便利である。

  酒は、嫌いではない。
  けど。

  うるさいのが、嫌い。
  空気が汚いのが、嫌い。
  食料をおざなりに扱うの、嫌い。
  酔った勢いがまかり通るのが、嫌い。
  プライバシーに土足で踏み込まれるのが、嫌い。

  それが酒場とゆーものだ、と言うのは正しかろう。
  しかし、これが酒の飲み方だ、と言うのは正しくない。

  目的が違う、のだろう。

  私は、馬鹿騒ぎが、嫌い。
  彼らは、馬鹿騒ぎをしたい。

  馬鹿騒ぎの手段として、酒がある。
  私は、酒を、静かに、味わいたいのだ。

     ミ★

  夕方、暇そうにしている。

  定時の、10分くらい前だろうか。
  あの作業、終わりましたけれど、帰って良いですか?

  馬鹿か貴様は。

  内心毒づくが、
  あ、そう、ごくろーさま。

  平板な声で、結果を受け取る。
  NGがあったらどーするつもりなのか。

     ミ☆

  金曜日の残業は虚しさとやるせなさが2倍になる。

  この曜日特有の変に浮かれた気分を削がれるから。
  などではなくて、原因は帰りの電車にある。

  酔っぱらいが、多い。

  しかも、遅ければ遅いほど、たちが悪くなる。
  大概は翌日は休みなので、勢い、酒量も増えるのだろう。

  居酒屋の喧噪をそのまま引きずったような大声、
  酒と、食べ物(消化中も含む)の臭い、アブラジジイの臭い、その他。

  選曲にも工夫がいる。
  静かな曲では耳栓にならない。
  音の密度が高い方が良い。

  てなわけで、その日はブリトラを聴いてやり過ごした。
  ブリーフ&トランクス。

     ミ★

  金曜日、有楽町線。

  騒音の中、やけに静かな、直径60cm位の一角。
  30歳前後ってところだろうか。

  180cmか、それ以上の、やけにタッパのある男が、
  170cm位の、比較的大振りの女性を、抱きしめていた。

  抱擁、以外の何者でもなかろう。

  女性の方は、とろん、てな表情で、あちらの世界。
  ちらちらと、2、3回、眺めてみた。

  まぁ、その行為を非難しようというのではない。
  それほど野暮じゃない。

  のだ、が。

  男の肩にぶら下がった大きなカバンが、
  混雑した電車の中で、ヒト1人分以上の空間を占め、
  且つ、その角が何度か私の肩にぶつかった。

  ずいぶん重い物が入っていたらしい。
  痛かった。

  そのカバンを押してみたが、
  やはり2人ともあちらの世界だったようだ。

  ま、いいけどね。

     ミ☆

  4月からちょっと立場が重くなった。

  それまで曖昧にナナメのままになっていたものに、
  きちっとタテの関係が定義付けられた。

  忙しくなった。

  指示を待つ側の、
  なんとお気楽なことか。

     ミ★

  雨が降っていた。

  ぽつりぽつりと、緩やかな、
  しかし、雨粒の大きい、主張する雨。

  雨音は嫌いじゃない。
  いや、むしろ、好きだ。

  傘を叩くリズムと、ピアノ。
  こうも美しい響き合うものか。

  見上げると、大樹のシルエット。
  森とまではいかないが、ちょっとした林。

  静まり、微風に揺れる、夜空。

  気分はすっかりとなりのトトロ。


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