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ちょっと汚い話


  いわゆる、ケツの穴の小さい話、かもしれない。

  会社のトイレにはペーパータオルが常備されている。
  自社ビルではなく、よその会社のビルのトイレである、因みに。

  25cm四方ほどの正方形の紙。

  軽く洗うくらいなら1枚でことは足りる。
  石鹸を付けてしっかり洗っても、2枚もあれば十分である。

  ケチ臭い話と思われるだろうか。

  もう1年くらい観察を続けている。
  直接そちらを見なくても、引っ張り出した時の音でその枚数、
  そして、その後の動作も、だいたいの想像はつく。
  単に手を拭いているだけなのだし。

  1枚で済ませる人の、なんと少ないことよ。

  引っ張り出して、丸めて、ぽい。
  引っ張り出して、丸めて、ぽい。
  引っ張り出して、丸めて、ぽい。

  2〜3回で気が済むらしい。

  中には信じがたい勢いでその行為に及ぶ人もいる。
  4枚使うのに所要時間は2秒にも満たなかった。
  なにか恨みでもあるのだろうか。

  ペーパータオルの単価は知らない。
  直接に自分のフトコロが痛むわけではない。

  けど、さ。

  もう少し大切に使ってもバチはあたるめーよ。

  因みに、自前のハンカチなりタオルなりを使う人も、
  ごくごく少数だが存在する。

  言うまでもなく、これが正解。

     ミ☆

  痰の吐き方といえば、やはり、

  かーーっ、ぺっ!、てゃんでぃ、ばろーめ。

  であろう。
  後半はあまり関係はないが、つまり、勢い。

  まぁ、一昔前ならともかく、
  最近では道ばたに痰を吐くのはよろしくないとされている。
  人の歩きそうにないような所なら構わないとも思うけれど。

  駅のホームに張り紙があった。
  痰を吐くんじゃないよ、と。

  線路ではなく、ホームにも、とある。

  ホームに?、とは思ったのだが、
  それを見かけた数日後、仕事の帰り道。
  いた、確かに。

  半蔵門線のホームの中程で。

  帰宅途中とおぼしきサラリーマン風。
  年の頃は50前後ってところだろう。
  スーツもコートも、パリッとしていた。
  マフラーも、ぶら下げた鞄も、高価そうだった。

  躊躇らしい躊躇もせず、ぺっ。

  子供は大人を見て育つとはいうが。
  子の顔を見てみたいもんだ。

     ミ★

  痰、というより唾、唾液。

  口の中でぐちょちょ。

  上体を伸ばすように前傾にし、
  そのまま自由落下させる感じで。

  ぅぇぺっ、、、(妙な間)、、、びぇちゃ。

  たまに見かける唾の吐き方である。
  やるのはいわゆる今時の若いもん。

  道ばたに唾を吐くという行為の善し悪し以前に、
  その緩慢でやる気のなさそうな(?)動きに腹が立つ。

  どうせなら、ぺっ、びちゃ!!、くらいの勢いでやらんかい。

     ミ☆

  オヤジというややこしい言葉がある。

  良い意味で使われることもあればその逆もある。
  後者の場合は臭い、汚いなどの形容が伴うが、
  でもオヤジが日本を支えているんだよ、でまとめられることが多い。

  確かに世のおっさん連中が日本の労働者のそれなりを占めてはいるが、
  若僧やOL(死語か?)が彼らや日本を支えているのもまた事実である。

  彼らの、一生懸命働いて働いて働いているから、
  そちらを優先させるあまり他のことに気が回らないのだ、
  という主張も分からないでもない。

  だからといって、酔っぱらって電車の中で放談しても良いかとゆーと、
  もちろん、そんなことはない。
  汗臭い、酒臭い、脂臭い、たばこ臭い、うるさい、邪魔だよ、あっちいけ。

  じゃあ若い連中がそーゆーことをしていないかと言うと、さにあらず。
  酒臭くないことが多いのがせめてもの救いかもしれないが、
  それはつまり素面でやっているとゆーことで、それはそれで逆に怖い。

  他人への迷惑は、かけた者の勝ち、なのだろうか。

     ミ★

  天気が良かったので、たまには、と、昼休みの愛宕山。
  仕事が忙しくなると散歩をする余裕すらどこかへ行ってしまう。

  面倒だったのでコートは羽織らず、
  Yシャツのまま、袖もまくったまま外へ。

  さすがに肌寒い。

  そりゃそうだ、真夏と真冬で全く同じ格好をしているのだから。
  パンツは1年中夏生地だし、足下はウォーキングサンダルのまま。

  こりゃぁ、風邪ひくなぁ。
  枯れた山肌を横目にひとりごつ。

  少し前に改装された山頂の風景。
  駐車場をつっきり、真新しいベンチへ。

  幸い風は弱く、日当たりは良く、
  近くでタバコをふかす馬鹿たれもいない。

  ひなたぼっこ。

  ぼ〜〜〜。

  と、不意に、左肩に軽く、ぽん☆、てな衝撃。

  肩を叩かれたのかと思い、
  屈んでいた上体を起こす。

  と、視界には誰もおらず、
  左手、数メートル先でバサバサ、
  茶色っぽい野鳥がどこかへ飛んで消えた。

  はて?

  首を回して左肩。

  びちゃ。

  げ。

  草の匂いがした。


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