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続 ・ 皿洗い


  あっという間に終わってしまい、
  ろくに見直しもせずに寝ていたのか。

  或いは、時間ギリギリでその余裕もなかったのか。

  高校の時の地理のテストである。

  何かを説明した文章を読み、
  それに関係のある場所を、地図上に振られた数字から選び、
  更にその地名を答える、とゆー問題があった。

  たとえば、

  トールハンマーを備える球状の宇宙要塞。

  とあれば、星図上から回廊っぽい所を探し、
  そこに振られた丸付き数字を解答欄1へ、
  解答欄2へは「イゼルローン」とでも書けばよい。

  って、どこの地理だ、これは。

  確か8問くらいあったと思う。
  解答欄が8×2で16個、横長の表になって。

  で、後日、テストの帰ってくる日。
  それなりに緊張した空気のもと、名前が出席番号順に。

  因みにうちの高校は女、男の順で、
  本名が「い」から始まる私は9番だった。
  理系のクラスなので男女比が極端なのだ。

  小中学校ではいつも先頭付近だったので、妙に新鮮な経験だった。
  もっとも、大学では更に下がって19番になったが。閑話休題。

  つぎ〜、9番〜。

  物静かな年配の女性教師の声。
  狭苦しい机の隙間を縫って教壇の前へ。

  すると、私の顔を見るなりクツクツと笑い、おまえは〜、と。

  なになになに?

  ってな感じだ。
  他に反応のしようがない。

  これ見てみなさい。

  と、答案の、例の8×2の表を指差した。
  見ると、前半には○が、後半には△が4つずつ、きれいに並んでいる。

  ん?

  違和感。

  んんんんん?、お!

  思わず見上げる先生の顔。
  にこやか〜。

  解答欄1、1〜4番には数字、5〜8番には地名。
  解答欄2、1〜4番には地名、5〜8番には数字。

  なにをどうトチ狂ったのか。
  笑ってごまかした。ごまかすしかなかった。

  なんてことを、皿を洗いながら、ふと、思い出した。


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