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美幌 → 留辺蘂 ( るべしべ )


  ■ 7月16日(木)

  キャンプ場を独り占めかと思っていたら、
  遠く……というほどでもないか。物理的には。

  ちょい先のバンガローの灯に気付いたのは、
  夜中にトイレへ行った時のことである。

  夜中とはいっても22時頃だったように記憶している。
  活動時間イコール陽の出ている時間という生活では、
  そんな時間でも真夜中なのだ。

     ミ☆

  とかなんとか言いつつ、寝坊。

  というより、怠くて動く気が起きなかったので、
  テントの中でくすぶっていた。
  疲れが溜まっているらしい。

  そしたら、そのバンガローの方向から、
  まだ寝てんのかね? なんて声が聞こえて来た。

  時計を見ると9時を回っている。
  確かにそーゆー時間ではある。

  悔しいので、
  ちょっと間を置いてからテントから這い出す。

     ミ★

  シュラフやテントを乾かし、
  荷物の整理を始める。

  鼻水がでる。風邪、か。

  と、またもやバンガロー方向から声がかかる。
  中年と言うよりも壮年といった方が相応しいだろう、
  夫婦連れの片割れさんがこちらへ歩いてくる。

  おはよ〜。
  おはよーございます〜。

  一緒に朝ご飯食べない?
  は?

  沢山つくっちゃったのよ。
  頂きます♪

     ミ☆

  西へ。北見へ向かう。

  北見は町ではなく、市、北見市。
  それにふさわしく、確かにでっかい街だ。

  が、用らしい用はないので、
  コンビニで補給を済ませ、さっさと通過してしまった。

  更に西へ。

     ミ★

  留辺蘂 ( るべしべ ) の町を通り抜け、
  温根湯 ( おんねゆ ) へ。

  道の駅おんねゆ温泉。

  ここの目玉は高さ20mのハト時計。
  いかにもバブリーなアレである。
  世界一なんだってさ。

  キリの良い時間だったらしい。
  なにやらそれっぽい音楽が聞こえてきたので、
  わらわらと集まる観光客の流れにのってみる。

  前座の鼓笛隊らしきものが退場すると、
  ついに真ん中の扉が開き、ハトがするするすると前進。

  おぉ、あれが……!
  思わず息をのむ。

  ……と、ありゃ?

  そのまま止まってしまった。
  どうやら風が強くて動かなかったらしい。
  安全装置が働いたのだろうか?

  ま、いいけどね。

     ミ☆

  鼻水が止まらない。

  幸い、すぐ近くにキャンプ場がある。
  温泉地なので、共同浴場も期待できる。

  みやげ屋のおばさんを捕まえて道を尋ね、
  ついでにティッシュを2〜3枚もらう。

  そのくせ何も買わない。
  ひどいヤツだ。

     ミ★

  ところで因みに。

  自転車旅行者、通称チャリダーというのは、
  幸いにも地元の人から大事にして貰える傾向が強い。

  どちらかと言えば現金は落としていかないほうだが、
  そーゆー実利的なものではなく、
  純粋に、すごいね〜、えらいね〜、てな感じに。

  最近はどーだか知らないが、
  ライダーと呼ばれる人々は逆。

  10年くらい前はミツバチ族と呼ばれ、嫌われていた。
  エンジンをブンブン言わせながら走るからって連想。
  みんな、気持ちの良い人達ばっかなのだが。

  過去形かどーかは知らない。
  まぁ、中には変なのもいるけどね。

     ミ☆

  留辺蘂つつじ公園キャンプ場。

  良い感じのキャンプ場である。
  きれいな水場、トイレはイマイチ、無料。

  スズメバチには焦ったが、
  誰が管理しているのやら、清潔なテントサイト。

  テントを張る場所を探してウロウロしていると、
  こっちを見てニコニコしているにーちゃんが居る。

  逆光で顔はよく見えなかったのだが、
  はて、どこかで会ったのかと思って声をかけてみる。

  と、返ってきた答えは、英語。

  むむむむむむむむ。

     ミ★

  身振り手振りを交え、
  英単語会話を駆使して意思の疎通をはかる。

  英会話ではない、英単語会話だ。

  スイス人、大阪の学校に留学中だとかで、
  明日は北見の方へ行くとかなんとか。
  適当なところで打ち切って、手を振る。

  10年近くも英語の勉強してたのに、ね。
  悔しいものだ。


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