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実家付近


  年に2回、盆と正月に実家に帰るのが、
  清く正しい日本人とゆーものらしい。

  そのどちらでも無いのには自信がある。
  例えば今年の盆休みは前に書いた通り。
  あ、国籍は紛れもない日本人、念のため。

  血の繋がりというそれよりも、
  自分自身で開拓した縁を大切にしたいから、ね。

  とかなんとか、電話口で母に伝えて、逃げた。
  親類縁者相手の、どろどろの政治を、さ。

  一石二鳥、予定ではもう一羽増える予定だったが、
  どうやらこちらは失敗に終わったようだ。
  韜晦を決め込んでいる人間を舞台に上げるのは難しい。

  ま、もっとも、別方面で一羽、
  あちらよりも1T倍も価値のある成果を得た。

  1Tは1Gの1000倍。
  SIの補助単位である。

  Tの1000倍はP、
  Pの1000倍はE、
  Eの1000倍はZ、
  Zの1000倍はY。

  順にギガ、テラ、ペタ、エクサ、ゼタ、ヨタ。

  1Yは1Gの1000000000000000倍である。
  ここまで来ると与太話だ、ってのはお約束のネタ♪

  ま、そゆこと。
  なんの話だかは、そのうち、機会があったら。

     ミ☆

  9月15〜17日。
  敬老の日が金曜だったので3連休。
  盆からちょうど1ヶ月、雑用で実家へ。

  前々日に連絡しただけだったので、
  幸か不幸か、親類縁者の皆様には遭遇せずに済んだ。

  さすがに実家で働いている次兄とは顔を合わせたが、
  ただいま、おぅ、で終わり。
  この人は中立なので問題なし。

  うちの兄弟は信じ難いほどに会話が少ないので、
  この程度が普通だったりする。それはそれ。

     ミ★

  雑用とゆーのは、メンテナンスである。
  2000年問題の続きみたいなもんだ。

  実家は商売をしているので、
  請求書くらいは作らなきゃならない。

  で、10年くらい業社が作ったシステムを使っていたのだが、
  ま〜、なんつーか、足元見やがって、こんにゃろー。

  ってんで、
  去年の末に慌てて秋葉と実家を駆けずり回り、
  集めてきたカタログとにらめっこして、
  業務内容と客先 ( 親だよ ) の要求を確認して、
  市販の請求書用紙は高いから Excel で作って、などと、
  色々やった一環としてのメンテナンス帰郷。

  あまりハードな使い方はしないハズなので、
  たま〜に問い合わせの電話が飛んで来るとか、
  ま、そんな感じのお気楽なシステム。

  今回はデータベースの掃除、
  それとプリンタのインクの補充だけで済んだ。

     ミ☆

  15日、朝。

  二度寝の末、10時頃に起き出す。
  洗濯、掲示板のレス、不在配達郵便の受取などなど、
  雑用を済ませて駅へ向かったのは12時過ぎだった。

  インクをどこで買うか迷ったが、
  たまには、ってことで上野のヨドバシへ行くことにした。

  ちょうど有楽町線の始発が来たので、
  定期もあることだし、有楽町経由で山の手線。

  秋葉の、お馴染みの看板の群れを窓から見下ろし、
  沿線の殺風景を眺めつつ、上野駅に到着。

  人ごみを掻き分けてヨドバシカメラ、
  消耗品売り場に直行、インクを2つ掴んでUターン、
  領収書を書いてもらってサクッと駅へ戻る。

     ミ★

  宇都宮線というのは愛称、やはり東北本線。

  コンビニで食料を調達、足早に階段を下ると、
  ちょうど各駅停車宇都宮行きがホームにいた。

  ちょうど空いている時間帯なのか、スカスカ。

  快速はしばらく来ないのは確認済み。
  乗り込む。

  文庫本のページをめくりつつ、
  窓の外をぼーっと眺めつつ、
  サンドイッチを齧りつつ、
  午後の紅茶を啜りつつ、
  メールで会話しつつ、
  約1時間半。

  小山駅で両毛線に乗り換え。
  20分待ち。

     ミ☆

  揺られること12分。
  JR栃木駅。

  東武日光線もくっついているが、
  なにやら分離が進んでいるらしい。
  面倒だったので未確認。

  こちらでは20分待ち。
  今度はバス。

  もとから本数は少ないとはいえ、
  信じ難いほど連絡が悪いので、
  この程度で収まったのはかなり運が良い。

  暑かったので待合所の日陰へ。
  文庫本を引っ張り出す。
  傍らには荷物と缶コーヒー。
  さすがにジョージア・マックスには手は出さなかった。

     ミ★

  揺られること35分。

  それなりに開発が進んでいるので、
  半年に1回程度だと風景がほいほい変わって、
  なんとも複雑な気分になる。

  が、ヨソ者の感傷というよりはエゴに近い。
  田舎だって変わって行かざるを得ないのだ。

  それにしても……。
  町づくりのセンスが悪いのは素人目にも明らか。

  ため息。

     ミ☆

  バスを降りる。

  と、強烈な湿気。
  山懐、雨上がりでもある。

  乾いた空気に慣れきっているので、閉口、
  ぶつくさ言いながらも、
  脳ミソに焼きついた風景に溶け込む。

  道端。

  竹薮、田んぼ、畑、川岸、庭先。

  よくよく見てみると、記憶にないような、いや、
  覚えていないだけか、それとも認識の外だったのか、
  ともかく、初めて見るような、
  雑草の一言で片付けていたらしい植物が、わんさと。

  遠くからは車の通る音も聞こえて来るが、それは、
  飽くまで自然が、山が、木が、川が、草が、風が、
  その他諸々が作ったザワメキの、そのまた上の片隅で、
  ひそひそと這い回っているだけ。

  そんな感じがした。

  そして「 となりのトトロ 」を観た時の、
  あの妙な懐かしさを思い出した。

  順番は逆だけど。


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