<BACK> <HOME>

共感


  自転車レース、チームタイムトライアル。

  十分に訓練されたプロのレーサー達が、
  同じジャージ、遠目には同じ、
  しかし微妙に個性を主張しながらマシンを駆り、
  くるくると先頭交代を繰り返しながら疾走する姿は、
  ああ、涙が出るほど美しい。

  ……なんて言っても伝わりゃしないだろう。

  それを目的として書いてもいないし、
  実物を目にしたとしても、
  そう感じるのは少数派であろうとも思う。

  言葉を連ねて説明されようとも、
  されれば されるほど白けようと言うものだ。

  美しさなんてものは、
  結局は己の内側でしか通用しないのだ。

  先日、正岡子規が同じことを言っているのを見つけて、
  なんとも、変に嬉しくなってしまった。

     # あろうことか出展忘却

  たかだかそれだけのことで、
  あの高名な変人……もとい詩人を身近に感じ、
  親しみが一気に増してしまうのだから面白い。

  そして次の瞬間、こうも考えた。
  宗教にはこーゆーキッカケでのめり込むに違いない、と。

     ミ☆

  誰も分かっちゃくれない。
  なんて言葉を耳にすることがある。

  そうだ、その通りだ、分かってるじゃないか。
  おまえは誰かのことを分かっているのか?
  分かろうとしているのか?

  神様なんて都合の良いものがいると思うのか?
  あんなものは他人、もしくは自分を騙す時に使う言葉だ。

  そりゃぁ人間社会には嘘は必要だ。
  場合によっては人を騙すことも許されるし、
  いまさらそれを否定するつもりはない。

  傷ついた人には誰かが、何かが必要なのだろう。

  それが宗教と言うのなら、それもまた良いだろうし、
  そーゆー位置に存在する人が宗教家であることは多い。

  けど。

  それにつけ込むのはやめろよ、宗教屋、宗教業社。

     ミ★

  デュナンとドリスの会話を思い出す。

  騙すより騙される大人になれって言われなかった?
  親父、いつも言ってたっけ、『 騙すな、騙されるな 』

     # アップルシード4巻より( 士朗正宗、青心社 )

  ぬるま湯にたゆたうか、荒野をさまようか。
  けど、自分で歩こうとしないヤツには用はないんだ。

  運命なんてインチキ臭いもので逃げるなよ。


<BACK> <HOME>