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森を見ず


  電車の話である。

  といっても私はいわゆる鉄道マニアではない。

     # てっちゃんとか言うらしい

  誤解されると困るのだが、
  別に彼らを軽蔑しているわけでもないし、
  むしろその存在には感謝すらしている。

  たとえば。

  ○○へ行きたいんだけどさ。
  どこに住んでるんだっけ?
  ん? いま和光、和光市。

   ( 若干の間 )

  てぇと、東武東上線か有楽町線だね。
  そだよ。

   ( 若干の間 )

  なら、有楽町線に乗って○○駅で○○線に乗換えて、
  ほんで○○駅で降りるのが一番良さげだね。
  出口は確か進行方向の一番前の方だったよ。

  そうそう、
  改札出て右の方の出口は変な所に出ちゃうから、
  左からが便利だね、あ、改札は1つっきゃないから。

  ああ、なんて便利なんだろう。

     ミ☆

  ところでマニアとオタクってどこが違うのだろうか?
  新興勢力がオタクなのだろうか?

  鉄道オタクってのはあまり聞いたことがない。
  言葉としてはやはり鉄道マニアのほうがしっくり来る。

  興味の対象が人様の役に立つのがマニアで、
  飽くまで個人の利益を追求するのがオタクなのか?

  それとも、気持ち悪いのをオタクと呼んじゃうのか?
  更には、ファンとはどう違うんだ?

  野球ファンなんてのには別段バイアスは感じられないが、
  アニメファンという言葉からは、
  そこはかとなく世間との隔たりのようなものを感じてしまうのだが、
  これは私の気のせいか?

     ミ★

  困った時には新明解である。HDD版である。
  以下は三省堂『 新明解国語辞典 第五版 』からの引用。
  ただし、レイアウトはかなり調整している。

  ■ マニア
    1-1. 趣味として何かを集めたり何かをしてみたりすることに熱中し
       ている人。

  ■ おたく
    1-1. 相手の家の敬称。
    1-2. ( 俗に )趣味などに病的に凝って、ひとり楽しんでいる若者。
       ( 同一の趣味を持っていても、親しい間柄ではないので、)
        相手に対して「 おたく 」と呼びかけるところから。
    2-1. あなた( の所 )。

  ■ ファン
    1-1. 扇風機。送風機。
    2-1. 換気のために回す道具。換気扇。
    3-1. 熱心な愛好者( 後援者 )。

  だそうだ。

     ミ☆

  この辞書によれば、
  どうやらファンの子要素としてオタクとファンが並行しているらしい。

  では、ここだけの話ということで、
  オタクとファンは相対する存在と仮定して考えてみる。

  まずどちらにも当てはまるのは、
  なにか特定の物事に対して特別の価値を見出している状態、
  ということ。

  これはそのままファンの定義としてもかまわないだろう。
  出発点は同じなのである。

     ミ★

  ところで、オタクにはコレクター的要素が不可欠だと思うのだが、
  如何なものだろうか?

  オタクと ( うしろ ) 指をさされる人の部屋というと、
  怪しげな……いや、これは偏見だろうが、その、
  オタクの称号(?)に恥じぬコレクションが所狭しと並んでいる、
  というイメージがある。

  これを踏まえてもう一度引用を眺めてみると、
  なんのことはない、
  引き算して残る要素は「 病的に 」と「 若者 」の2つである。

  前者の解釈は簡単だ。
  要は熱心にその対象に打ち込む度合をもって、
  マニアかオタクか区別されるということだ。

  つまり、オタクはマニアが進化 ( 退化? ) した姿と考えれば良い。

  もっとも、どのような過程を経てオタクと化すかは、
  また別に考察すべき問題であろう。

     ミ☆

  気になるのは後者である。
  なぜゆえ「 若者 」なのか。

  これには2つの理由が考えられる ( つーか、思いついた )

  1つ目は、単にオタクという言葉が生まれた時に、
  その殆どが若者という言葉で引っ括められる年代だった為。

  更には、
  若者と呼ばれなくなる頃には「 卒業 」してしまうことが多い為。

  2つ目は、辞書の編者の自衛本能が反映された為。

  つまり、編者もなにかのコレクターなのだが、
  いい歳してオタク呼ばわりされてはたまらないので、
  あえて年齢という垣根を作って自らをマニアと規定しようとした為。

     # 怒られそうだな(汗)

     ミ★

  ちょっと舞台裏の話になるが、これまでは全くの余談であるゆえに、
  思いついたまま書きつないで、書きながら考えをまとめている。

  変な部分が有るかもしれないが、
  そーゆー訳なので勘弁して頂きたい。

     # たまには良いでしょ? って、いつも似たような感じじゃん。
       いや、書かなきゃバレないのか(笑)

  で、とりあえずそれらしいまとめが浮かんだので、
  それを記して本題に入りたいと思う。

  さて。

  これまでの材料から勝手に解釈するに、
  オタクとはマニアと並列する存在というよりも、

    異常に加熱した状態のマニアをオタクと呼ぶ

  といった辺りが無難なように思える。
  オタクはマニアの延長線上に存在するというわけだ。

  そこまでやるのか? と、
  マニア仲間から白眼視されて孤立して開き直った状態、
  なんて表現も出来るかもしれない。

     ミ☆

  そんなわけで、今回のお題は鉄道。
  ……だったのだが、紙面(?)も残り少ないので、ヤメ。

     # つーか、なに書こうとしてたか忘れた

  折角だから話ついでに。

  レアな車両を見つけた場合、
  あれは○○系つって、珍しい車両なんだ、と、
  隣の友人知人に説明し始めるのがマニア。

  レアな車両を見つけた場合、
  通りすがりの人にカメラを渡して記念撮影するようだと、オタク。

  レアな車両を見つけた場合、
  思わず近寄って頬ずりし始めるようだと、変態。

  全て実話。


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