べたべた
「 サウンドカード増設したる 」
遊んでいるPCから半ば強引に基盤を引っこ抜いてきた木村 (仮名) は、
机の下に潜ると慣れた手つきでケーブルを外し始めた。
ふと、木村の動きが止まる。
ゆっくりと上半身をひねり、隣に座る西崎 (仮名) の横顔を眺めた。
さすがに視線に気付き、なに? という感じの視線を返す西崎。
「 西やん、ドライバーある? 」
若干の、間。
だか、2人にはそれで十分だった。
「 お客さん、池越え狙いですか? 」
「 ったりめーよ、前に来た時はあと5ヤードってところでよぅ 」
「 でも、アゲてますし、無難に刻んだほうが…… 」
「 いいから、ほら、ドライバー頂戴! 」
と、ヒキダシを開けて西崎が引っ張り出したのは、
オレンジ色のカクテルバーだった。
「 なんで……ぅんなの持ってんの?」
ミ☆
第2幕は一瞬であった。
「 このサウンドカードのドライバ、どこ? 」
「 サントリーのドライバなら…… 」
「 しつこい 」
ほぼ実話。
# アゲている: 向かい風が吹いているの意味。
against に因むと思われる。ゴルフ用語(?)