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結婚式 巡回編


  ■ 7月17日(土)

  残留アルコール濃度がちょっと不安だったのだが、
  みな無事に起床、三者三様の起き様で早朝の空気を泳ぐ。

  当初はBのインテグラ ( それ以上聞くな ) で空港へ行く予定であった。
  が、いつの間にやらBの親父さんの国産車で、とゆーことになった。
  異存はないので、御厚意をありがたくお受けする。

  飛行機にはサッパリ縁がないので、
  未だに羽田と成田の区別が曖昧だったりする。

  因みに空を飛ぶのは今度で2度目である。
  最初のそれは、高校の修学旅行で中国に行った時の復路であった。
  往路は新幹線である。つまり広島・山口。

     ミ☆

  思ったより道が混んでいたので、
  空港で適当にと思っていた朝食の時間が確保できない。

  喫茶店まがいの小さな店で、モーニングセット880円也。
  注文して2分で食べられたのだが、なかなか良い値段である。
  実は密かに吉野家を探していたというのは余談。

  手続きを済ませて機内へ。

  外を眺めると、おお、あれが噂のポケモンジェットであるか。
  ピカチュウその他 ( 知らん ) が芸もなく並んだデザイン。
  55点てところか。

  ま、いいや。

     ミ★

  Aが大嫌いだという離陸時の加速。

  前回のは身体が忘れきっているので、
  実質上の初体験と言える。

  が、あっさり終わってしまった。

  こんなもんかいな?
  拍子抜け。

  これなら従兄弟のスカイライン ( 聞くな ) のフル加速のほうが
  キツかったし、自転車で、急な下り坂を極端な前傾姿勢で
  飛び込んでゆく時の加速感のほうが、よっぽど恐い。

  もっとも、前者はともかくとして、後者は土俵が違うが。
  因みに、前者のそれは非常に心地よかった。

  ポケモンの映画を眺めていたらいつの間にやら千歳上空。
  Aが、着陸時の加速感 ( 減速感 ) も嫌だと騒ぎ始めた。

  ポケモンのアニメを観たのはこれが初めてであったが、
  「 ふ〜ん 」てな感じである。
  でも、確かにグッズは売れるわな、ってひねくれ気味の感想。

     ミ☆

  アッサリと千歳に到着。
  宙に浮いていた時間は1時間ちょい。

  1年ほど前に来た時には1日半 ( 実質 ) かかったのを考えると、
  なかなか、感慨深いものがある。

  一長一短。

  私としては、
  呑気な船旅の方が好きだけれど。

  風情がないや。

     ミ★

  レンタカーに乗り込む。

  車は、噂に名高いトヨタ・プリウスである。
  ガソリンと電気で動くとゆー、あれである。

  私自身は免許も持っていないし取る気もないし、
  どっちかというと車は嫌いなので、助手席が定位置。

  運転手はBとAが交互に勤めた。
  Bは走り屋さんの気があるので、先。

  気持ちが悪い。

  例えば信号待ちでエンジンが止まって静かになってしまうあたり、
  確かにドライバーとしては大いにビビるだろう。

  ブレーキのコントロールが難しいとか言っていたが、
  個体の癖かもしれないので言及は避ける。

  乗り心地はソフトでよろしいが、
  飽くまで街乗り限定であろう。
  豪快に何もない北海道の道には合っていない。

     ミ☆

  夕張へ。

  自転車の場合だと、地図と相談しつつ補給の計画を立てつつ……、
  てな感じになるのだが、これが車だと、
  「 カーナビの目的地を、とりあえず夕張駅☆ 」
  でおしまいである。

  便利ではある。

     ミ★

  目的らしい目的はなく、また、
  それほど時間に余裕があるわけでもないので、
  Aの提案により夕張の物産センターとやらへ。

  要は観光者向けの土産物屋であり、
  皆の足にぶら下がっている「 お土産 」という錘を、
  いやがうえにも感じさせた選択であった。

  なにはともあれ芋団子 ( いも餅とも言うらしい ) である。
  北海道に来たらこれを食べてガラナ系飲料を飲むのは、
  義務以外の何者でもない。

  味は、まぁ、普通。

  店によって味付けに差があるのは当然だが、
  やはり18の夏に石北峠で食べたそれが一番であった。

  夕張のメロンは名前で高くなっちゃってね。

  去年の夏、某メロン直売所のおばさんのセリフを思い出す。
  確かにアホみたいに高い。値札を見て逃げ出す。

  店の外に出てみると、Aが自販機の前にいた。
  幾つか見慣れないものがあるので悩んでいたらしい。

  するするっと近づいて、オレンジ色の缶を指差して、
  「 なかなか、凄い味だよ 」
  と、判ったような判らないようなコメントを付ける。

  Aもぼちぼち話の判る男なので(?) 、
  おうと頷くと、コインを3枚投じてそいつをゲット。

  リボン・ナポリン。
  中山美穂とは関係ない。

  背後で彼の悲鳴が聞こえたのは、
  そのわずか3秒後であった。

     ミ☆

  目的地を富良野に設定。

  いま改めて地図を眺めてみると、
  峠あり やたら長いトンネルありと、
  チャリダーの目としては「 ちょっとキツそうやな 」なのだが、
  狭苦しい車窓を流れる風景が記憶にこびりついている程度。

  途中でトイレに寄ったのだが、
  その場所すら覚えちゃいない。

  1年前という比較的新しい記憶だが、地図を辿りつつ、
  ああ、ここの自販機でメッツのガラナ買ったぜよ〜、
  なんて具合に記憶と戯れるなんてできやしない。

  そのトイレ休憩で、狙いすましたように携帯が鳴る。
  町と町の間ではアンテナはまず立たないのだ。
  単に留守電を嫌がったという可能性もあるが。

  兄からであった。
  内容は他愛のないことであったが、果たして彼は、
  私がいま北海道の真ん中付近にいることを認識しているのだろうか?

  なんか、不思議。

     ミ★

  「 日の出公園ラベンダー園にしよう 」

  反対する理由はないので、
  信号待ちを利用して目的地を再設定。
  走行中の操作は不可なのである ( 仕様 )

  なんとなく引っ掛かるものを感じつつ地図を広げると、
  すぐ近くに日の出公園キャンプ場の文字。

  おや?
  これは18の夏に来た時に泊まった所じゃないのさ。

  あんときゃ半日富良野駅の前にいたからねぇ、
  スピーカからエンドレスで流れてくる「 北の国から 」のテーマが
  耳にこびりついて大変なことになったっけ。

  そういや去年もちょろっと通ったんだった、
  文字どおり通り抜けただけだけど。

  今でも音楽が流れつづけているかは不明だが、
  変わらないのは、観光客の大半がカップルであって、
  ヤローだけで行くには大変虚しい所であるということ。

  間違っても傷心旅行で行ってはいけない場所であろう。
  やっぱ冬の日本海だ。

     ミ☆

  ちょうどラベンダー祭り ( だったかな? ) が開催されており、
  ちょっと開けたところに即席と思われる野外ステージ。

  悪いタイミングで聞き慣れないバンドの曲が流れ始める。
  下手くそ。

  ボーカルを黙らせれば及第点かもね、というレベルだが、
  それにしても音量が尋常ではない。
  明らかに勘違いしている。

  無視して丘に登り、
  主に紫色の花畑を一回りして駐車場に戻る。

  花に罪はないのだが。

     ミ★

  そのまま北上して旭川へ向かう。

  個人的には、西の、
  どーゆー訳か知り合いが2軒もある芦別 ( あしべつ ) 市へ行って、
  道内随一といわれる星空を肴にしたかったのだが、
  そこは集団行動と予約有りの悲しさ、黙ってナビに徹する。

  記憶に新しい道を、去年とは逆に走る。

  そこの信号の先にJAの直売所があってね、
  去年送りつけたジャガイモってばそこで買ったのさね

  ああ、そこのカーブの所にでっかい石が落ちててさ、
  よけたらバランス崩して死にそうになったで

  などと、どーでも良いことを喋りつつ旭川に突入。

  と、ハタと気付く。
  旭川でラーメン食べるのは良いけど、どこへ行くのさ?

  視線が集中する。
  なんたって旭川歴(?)はダントツである。

  不味い店と普通の店なら知ってるけどね。
  ってことで、観光スポットのひとつ「 旭川ラーメン村 」とやらへ。

  道中もやはり、

  ああ、そこの公園で10分くらいぼーっとしてたわ

  そこ入ったところに良い自転車屋さんがあってね、
  すんごい世話になったわぁ

  てな具合。

     ミ☆

  おなじみのツーリングマップルお薦めの店は無視して、
  某原発の近所で鍛えたAの勘 ( 深い意味はない ) に全てを任せ、
  彼の選んだ店に入る。

  B 「 しょうゆラーメンと半ライス 」
  私「 チャーシューメン 」
  A 「 えーと、しょうゆラーメン…… 」

  夕方の忙しめの時間帯である。
  店員は忙しそうに復唱の準備を済ませ、唇をわずかに動した。

  A「 ……と、塩ラーメン 」

  一瞬虚を衝かれたらしいが、
  不思議そうな表情を噛み殺して態勢を整える。
  と、

  A「 それと、ミソラーメン 」

  とは、さすがに言わなかったが、
  Aは更に餃子を注文し、すましている。

  A曰く、ここんとこ胃の調子悪くてさ、と。

     ミ★

  ヤキソバみたいな麺はイマイチ、
  スープはしょっぱ過ぎ、
  具はイマイチ、
  店の雰囲気イマイチ、で、45点てところ。

  ま、北海道人Kのお薦めであった、
  同じ旭川の某○岡屋はわずか5点であったけど。

  因みにその5点とは、
  トイレが清潔であった事による得点。

  も一つ因みに、去年旭川で食べた吉野家の並盛りは、
  明らかに関東のそれよりは劣っていた。

  米の質か炊き方か、具が北海道向けに調整された結果なのか、
  その辺は今ひとつ不明であったがとにかく、
  「 不味かった 」というデータだけが脳ミソに厳然と刻み込まれている。

  ここだけ読んでいると、
  北海道人の味覚が狂っているような印象が残るかもしれないが、
  事実は事実なのだから仕方がない……じゃなくて、
  他に美味しいものが幾らでもあるので、ご安心めされい。

     ミ☆

  プリウスを返さなければならない。
  タイムリミットは20時、営業所の営業時間である。

  またもや見覚えのある道を辿り、旭川鷹栖 ( たかす ) ICへ。
  時間がないので道央自動車道に乗るのである。

  因みにこのICの近くに良質のキャンプ場がある。
  銭湯も近いので、お薦め。

  町外れの国道と見紛うばかりの高速道路。
  防音フェンスが少なく、世間との隔離感が小さいのがその原因である。

  とはいえ、途中にPAがあるあたり、
  やはり高速道路なのである。

  途中「 宇宙家族カールビンソン 」の舞台であるという噂の、
  美唄 ( びばい ) 市は我路( がろ )を通過。
  とりあえずレンズを向けてみるが、
  「 だからなに? 」ってな1枚となった。

  プリウスはやはり高速走行には向いていない。

  軽い下りで160km/hを微かに越えたが、
  あっという間にバッテリーは底をつき、
  その間の燃費はボロボロであった。

     # 燃費を計算する機能があるのだが、精度は不明

  街で乗りましょう。

     ミ★

  レンタカーを返し、
  贅沢にもタクシーでホテルへ移動、
  みな疲れていたので早々に消灯。

  忙しい1日であった。

つづく     


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