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五十歩百歩


  7月11日(日)、15時過ぎの有楽町線小手指行。
  確か、5両目か6両目。

     ミ★

  目が覚めたら、雨。

  昼頃になって日が射してきたので、
  文庫本をポケットに突っ込んで、駅へ。

  定期の都合で有楽町線に乗る。
  有楽町で山の手線に乗換え、秋葉原で降りる。

  実は、和光からは東武東上線で池袋へ行き、
  そこから山の手線に乗換えたほうが早い。

  が、交通費と着席率を鑑み、
  少々贅沢な時間の使い方をする。

  といっても、差はたかが10分程度で、
  立ちっぱなしに依る体力の消耗、
  池袋駅の人込みを掻き分けることに依るイラダチ、
  山の手線の雰囲気等々を考えると、
  有楽町線を選択するのは必然とも思えてくる。

     # ローカルな話でどーもすいません

  それに、どちらかと言うと、地下鉄が好きだ。
  特に日中の、人影まばらな地下鉄は良い。

  貴重な、気持ち良く本を読める環境。

     ミ☆

  ちょうどボーナスの時期である。

  電気街口を出ると、見慣れたVAIOおねーちゃんズだけでなく、
  幾つかのメーカがこぞってキレイドコロを繰り出している。

  無視して通り抜ける。

  LAOXへ行くと、
  「 世界初、巻き取り式コードのマウス 」とやらの宣伝に、
  やはりおねーちゃんが引っついていた。

  一瞬目が合ったのだが、やはり無視。
  結構好みのタイプではあったのだが。

  ところであの連中は、その商品に対しての質問に、
  果てしてどの程度答えられるのだろうか?

  ……ま、いいや。
  ただのイジワルで終わりそうだし。

     ミ★

  石丸でCDを2枚買う。
  全然知らない人のを1枚ずつ。

  ここの所、こんな買い方が多い。
  本についても、最近はこんな感じ。

  開拓中なのだ。

     ミ☆

  店から出ると、雨が降ってきた。
  メインはCDだったので、さっさと帰ることにする。
  この時間帯ならば、電気街口もそれほど混んでいないはずだ。

  早足で駅へ向かう。
  雨がじわじわと強くなる。傘は持ってきていない。

  信号待ちをしていると、豪快に降り始めた。
  前後左右で傘を開く音が聞こえてくる。
  人込みの中であろうと、皆、お構いなしだ。

  そこから駅まで徒歩2分ほどの間、
  右側頭部を2回、後頭部を1回、傘でさされた。

  少しは考えろってんだ。

     ミ★

  改札はプリペイドカードで抜ける。
  金銭的な特典は無いに等しいが、とにかく便利である。

  不規則な電車の乗り方をする人には、
  地下鉄とJRの2枚セットでの携帯をお薦めする。

     ミ☆

  で。

  ヤツらが乗ってきたのは、有楽町線永田町駅である。
  30半ばと見える大人が3人、お子様が4人。

  前者は男1人女2人の組み合わせで、
  どうやら夫婦+1らしいが、定かではない。

  後者は、ベビーカーに1人、
  父親(?)に抱かれて寝ているのが1人。
  残りの2人は5〜6歳の、
  エネルギーの塊みたいな、元気な盛り。

     ミ★

  その2人、最初は車内を駆けずり回っていたが、
  母親(?)にたしなめられ、空席を幸い、そこに落ち着いた。

  が、静かにしていたのは最初の10秒ほどである。

  歌い出した。
  歌い出しやがった。

  あの、子供の、かん高い声で、である。

  しかも2人とも女の子だったので、
  その歌声は私の可聴範囲の上限付近に容赦なく突き刺さった。

  元気でよいねぇ〜。

  なんて ほのぼのムードは、
  もって せいぜい1〜2駅間である。

  親は?

  父親と思われる男性は、
  乗り込んできた時と同様、子供を抱いたまま、寝たふり。
  タヌキかどうかなんて、ちょっと見てれば判るんだっつーの。

  残りの女性2人は?

  眼球だけ動かして眺めると、2人して世間話。
  子供の声で気付かなかったが、こちらも十分にうるさい。
  敢えて死語を使うなら、オバタリアン的な騒音てところ。

     ミ☆

  ここで子供を静かにさせるべきは、
  たまたま隣に座った見知らぬオバサンであろう。
  古き良き日本の風景である。

  ただしこれは「 子供だけ 」の場合であり、
  親がいる場合は、その親が殴ってでも黙らせた。
  公衆の面前であろうとなかろうと、躾には厳しかったのである。

  ……と、伝えられている。

  それはそれとしても、
  親が率先して騒音をまきちらしてどーするのか。

  ただただ呆れるばかりである。

     ミ★

  とはいえ。

  じゃぁ おまえは何をしていたんだ?
  と問われるなら、答えはこうである。

  無視して本を読んでいた。

  なぜ?

  面倒くさいから。

     ミ☆

  少しくらい変なことしても構わないから、さ、
  他人の迷惑ってのも少しは想像して欲しいんだな。

  普通の意味での常識ってやつを。


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