<BACK> <HOME>

田中事件


  分析する気の起きないモヤモヤに心の大部分を支配された、
  5月某日、帰りの通勤電車。

  そして、ちょっと安心した翌日、朝の通勤電車。

     ミ☆

  田中芳樹著「 長江落日賦 」。
  久し振りに氏の、作者の名前を意識して買った1冊でした。

  改めて思い返してみると、ここ7〜8年の間、
  片手で数えられるほどしか氏の著作を手に取ることがありませんでした。

  その前は、具体的には高校生の時分ですが、集中的に、氏の、
  世に評されるところの「 洗練された日本語 」に酔う日々を過ごしました。

  もっとも、フトコロや図書館の貸出状況とゆー抗し難い理由があり、
  例えば「 銀河英雄伝説 」は7巻あたりで止まったままだったりで、
  ま、手の届く範囲で読み漁ったとゆー次第。

  大学時代は毎月赤字だったこともあって、なんとなく、
  あまり深い理由もなく、いつの間にやら縁遠くなっていました。

  で、去年の暮れにナニゲに買った「 中国帝王図 」でその存在を思い出し、
  先日の池袋大型書店連続徘徊の際、
  ふと目について他の本の上に重ねてレジに運んだのが、この1冊なのでした。

     ミ★

  退屈でした。

  読み終えるのに4日かかりました。

  300ページ弱の文庫本、平均より大きめのフォントと広めの文字幅。
  単純に文字数から考えると、
  まぁ、2日くらいかな、って感じのボリュームです。

  読むペースには色々あるのアレですが、
  要は、倍近くの時間がかかったってことです。

  ずいぶん睡魔と仲良しになりました。

  ギリギリまで床に転がっていた朝、その直後の通勤電車。
  胃袋に血液をぶん捕られた後の、平和で怠惰な昼休み。
  心身ともに疲れ切った体を包み込む、静かで心地よいレールの振動。

  読書欲と睡眠欲の勢力争いを制するのは、
  その書籍の魅力以外の何者でもありません。

  つまらない イコール 寝てしまえ、なのです。

     ミ☆

  数年のブランクが効きました。

  もしや高校時代の自分は、
  この二流・三流の小説家に心を奪われていたのではなかろうか?

  一度暗い方向へ考えが傾いてしまうと評価もそれに影響されてしまうようで、
  電車の揺れに和するように、脳ミソに暗い影が広がるのが感じられました。

     # 別に変な病気ではなく

  とはいえ。

  考えてみるに、読書の記憶はあまりにも古く、
  また、あの頃の国語力なんぞタカが知れています。
  もちろん「 今 」が基準です。

  ちょうど良い機会だから、
  読みかけの銀英伝なんぞをもう1度読んでみようではないか。

  そーゆー結論に達しました。

     ミ★

  夜遅くまで開いている書店が近所にあるとゆーのは、
  この上なく素晴らしいことです。

  改札を抜け、日が替わるまで営業している書店に入り、
  徳間のスペースに直行。

  幸いにも文庫判が1セット揃っていたので、
  とりあえずは、と、1、2巻を購入。

  帰宅してすぐにでも検証に突入したかったのですが、
  その日は社長に引っ張られて(中略)、
  頭痛がひどかったので、メールの処理だけで就寝。

     # やっぱ紹興酒は駄目

  開けて朝の通勤電車。

  ホームでの待ち時間、
  鞄から引っ張り出した文庫本1冊。

  意識して脳ミソをリフレッシュさせ、
  なにはともあれページをめくること数分……。

  なんだ、面白いじゃないのさ。

     ミ☆

  以下、余談。

  片手で数えられる数ってのは、さて、幾つまででしょうか?
  普通の感覚では5、若しくは10。

  答え、32。

  正確には、
  私の知っている、且つ現実的な方法での最大は、32。

  指は5本です。
  てことは、5ビットってことです。
  2進数です。

  指、つっても知りません(汗)

  因みに両手なら1024までOKです。

     ミ★

  文庫判銀英伝。
  最初のページはイラストがついてます。

  1巻のそれは、まず間違いなくアンネローゼとラインハルト、
  それにキルヒアイスなのですが……。

  変だ……。

  アニメ版が偉大ってことなんですかねぇ。

     ミ☆

  銀英伝といっしょに「 蒼天航路 」の16巻も買ってきました。

  ちょっと白けてきたかな?

     ミ★

  「 長江落日賦 」は「 並 」でしたが、
  巻末の解説はそれ以下、いや、それ未満でした。

  それはそうと、田中芳樹の対談や彼の作品に対する解説や論評って、
  みんな同じような内容の気がするのですが、気のせいでしょうか?

  いや、なんとなく、ですが。


<BACK> <HOME>