冷蔵庫 邂逅編
ちょうど1週間前にも同じ場所に立っていた。
その時の目的はマウスパッドであったが、今回は冷蔵庫である。
思えば平和な日々であった。
いや、今でもじゅーぶん平和だが。
平和といえば、今この瞬間にも、
ユーゴスラヴィアはNATO軍に爆撃されている。
正義には正義を、暴力には暴力を。
紀元前から進歩がないのか。
当事者ではないが、なんとも悔しくなる。
それとも、
よほど隠したい事でもあるのだろうか。
ま、いいや。
# よくないよ
ミ☆
電車から降りると、思惑通りデパート口付近。
最近とみに混雑が激しくなった改札を抜け、
とりあえず最初に視界に入った家電屋へ突入。
新宿ヨドバシよりも高価い。お話にならない。
なにはともあれ、家電屋をハシゴ。
脳裏に奇跡を描いてみると、
いわゆる電気街の外周を一回り。
「 家電の街 」から「 パソコンの街 」になったと言われて久しいが、
確かに、この街の中心をなすのは電子部品であるようだ。
ったく、
冷蔵庫の情報収集する身にもなってみろってんだ。
しかし、あやしげな ( 敢えて平仮名で書く ) 、
いかにもあやしげな連中が集うこの街にも、
意外な出会いが用意されていたようだ。
ミ★
いわゆる一目惚れとゆーヤツであろう。
身長は150cm程と思われる。
美しく滑らかなボディーライン。
穏やかな愛嬌で仕上げられた ちょっと太目の身体は、
七難なんぞ隠したれとばかりの、透き通るような真珠色。
胸元のワンポイントがまた小憎らしいほどに効果的で、
伝統的なスタイルとは異なる、その、
上半身を強調したデザインには ただただ魅きつけられるばかり。
生まれは大阪とのことだが、
どーゆーわけかと関西風のドギツさは全く感じられず、
それどころか、
磨き上げられたその造形美には、ある種の気品すら漂わせている。
あえて尋ねると、
どうやら見た目よりは年嵩であるらしい。
もうおばさんなのよ、98年製なんだから。
それに、わたし、こう見えても大食らいなのよ。
心地よい囁きは、消費電力は42kWh/月、
月当たりの電気代は1200円程であることを教えてくれた。
……あ、いや、別に、こんな幻聴が聞こえたわけではないが、
とにかく、そのパナソニックの冷蔵庫に一目惚れ。
雲形定規のような滑らかな曲線で構成されたボディも美しいが、
冷蔵室と冷凍室が上下逆というデザインが面白い。
ミ☆
普通の冷蔵庫では冷蔵室が下に配置されているので、
用事があるたびに腰を落とさねばならない。
が、この冷蔵庫ではそれが不要になるのである。
逆に、冷凍庫へのアクセスが困難になる嫌いがあるが、
そこは使用頻度の問題である。
冷凍食品にあまり縁の無い人としては、
そんなことはどーだって良いのである。
と、そーゆーコンセプトで開発されたのかは不明。
私が勝手にそう解釈しただけかもしれないのだが。
実際、
ペットボトルを想定したと思われる棚の位置は高く、
重さのあるそれの出し入れには少々骨を折るかもしれない。
また、買出しの後のまとまった量の食料品を、
位置の高い冷蔵室に収めるのに、ちょっと不便かもしれない。
非力な人、保守的な人には向かないデザインといえよう。
ミ★
発見した家電屋では42500円。
これはちょっと、予算オーバー気味。
型番と値段をメモって、再び周回軌道に乗る。
2周目である。
数ある冷蔵庫売り場を巡るも、相場は42000円前後を推移。
傾き始めた日差しの中にヨドバシカメラの文字が浮かびかけたその時である。
舞台はオノデン・新館。
オノデン坊やで有名な大手電気店である。
ところで。
安さ日本一への挑戦でお馴染みの小島電気。
そのマスコットである太陽型のキャラクターは、
名前を「 安値ボーヤ 」という。
一気にマイナーになるが、
なかなか社名を正しく読んでもらえないフロンティア神代 ( こうじろ ) のそれは、
「 ひらめきたまちゃん 」である。
# 他に ひらめき博士なんてのもいる
この手のキャラクターとしては比較的絵柄が多く、
油断しているとサーフィンなんかしていて、侮れない。
広告や店舗のデザインに光るものを感じるのだが、
田舎という言葉にある種の開き直りを匂わせるのは好きになれない。
考えすぎだろうか?
因みに、本社のある田布施 ( たぶせ ) は、確かに静かなところでした。
# その後、本社は柳井に移ったようです
もひとつ因みに、
うちのメインマシンはフロンティア神代製です :-)
で、先日新聞に入っていたチラシ。
和光市選挙管理委員会 ( だったと思う ) のそれは、
ずばり「 選挙くん 」だそうだ。
そりゃねーだろってばよ。
ミ☆
そんなわけで、オノデン。
新館とゆーわりには人影のまばらな店舗へ入る。
売り場案内表 ( というのかどーか知らんが ) をチラみる。
カタカナの中の漢字というのは思ったより目立つもので、
本当に チラ だけで十分だったりする。
冷蔵庫は2階。
ゆったりとした売り場、高い天井、
この辺りはサスガに新館といったところか。
# 単に客が少ないからそう感じただけかもね
するするっと売り場へ移動すると、
遠目にも美しい、あの特徴的な曲線を発見。
値札を覗き込む、と、驚きの37500円。
良くみると、
普段は45000円程で、週末だけこの値段だという。
が、そんなこたぁどーでも良い。
即決、店員を探す。
ミ★
たまたま目に付いたのは、
齢の頃は22、3と思われる、ちょっと丸めの女の子 ( セクハラ? ) 。
といっても別段太っているわけでもないように見えるが、
たぶん本人は気にしてるんだろうなぁ、
って、関係ないか。
# 今度は人間のことです(汗)
残念がなら眼鏡っ娘ではなし ( なにが?
ついでに廃品回収のサービスも追加してしまう。
廃品ってのは、今朝がた死亡が確認された彼の事である。
最近では粗大ゴミ置き場なんてものはないし、
回収は全て注文制で有料である。
山奥に密かに捨てに行くなんてのは、論外である。
法的にも倫理的にも常識的にも、決して許されるものではない。
と、これはまた別の機会に。
オノデンの場合は120リットル前後で2ドアだと2000円。
回収業者がやってるのはそれほど高くはないと記憶しているが、
冷蔵庫を運ぶ手間、業者との交渉等を考えると、ま、いいか、ってな感じ。
こーゆーところ、一人暮しは不便である。
配達は火曜日以降だという。
さすがに明日とゆーのは無理らしい。
んで、平日に送りつけられても困るので、
結局、次の土曜日を指定する。
仕事が入りそうになったら、
「 いや〜、土曜は冷蔵庫が来るんですよ 」
とか言って逃げてやる。
配達時間帯を指定できないというのは、
こーゆー場合は都合が宜しい。
で、カレンダー通り休みの場合は、
最悪、丸1日待ちつづける事になるかと思うと、そうでもない。
ちゃんと当日の10時頃に、
到着予定時間を知らせる電話があるとこのと。
こーゆー細かいところが抜けてる店が多いので、
こーゆーのは素直に喜ばしい。
つづく