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冷蔵庫 発動編


  忘れもしない1999年4月16日金曜日の23時過ぎ。

  10日ぶりに風呂に入って……、いや、語弊がありますね。

  10日ぶりに湯をはって、おまけで薬用入浴剤を放り込み、
  のんびり2時間ばかり浸かったその風呂上がり。

  風呂上がりといえば、ビール、コーヒー牛乳、その他諸々、
  とにかく気持ちのいいものです。

  もっとも、ビールはやったことありませんけどね。

  むしろ「 風呂上がりにビール 」ってのは、
  ひっじょ〜 に嫌な思い出があるのですが、それは別の話。
  ここで余談に突入すると本題が食べられてしまうので、
  また、別の機会に(汗)

  残念ながらコーヒー牛乳は無かったので、
  代わりに牛乳パックを引っ張り出しました。

     # でもビールはあるんだな、これが

  つくばの大地の味がする・つくば山麓3.7牛乳。

  注ぎ口をひょいと開いて、
  微かな紙の香りを嗅ぎ流しながら、ぐいっと……おや?

  ぬるい……ぞ。

  詰め込みすぎたかな?

  ブツブツ呟きながら冷蔵室の扉を開き、
  キャベツやらなにやらの配置を確認して、
  強度つまみの表示を確認する。

  弱。

  なるほど。

     ミ★

  風呂上がりのヌルイ牛乳ってのも案外オツな……ワケがない。

  ブツブツ呟きながら体を乾かし、
  PCの電源を入れる。

  メールチェックその他を済まし、
  最近日課になってるDIABLOを起動。
  データ、消えちゃいましたからね〜。

     # ほんま、よく出来たゲームです

  くるくる回るナイトクランに袋にされ、
  いや〜な感じに真っ赤に染まった画面をあとにして、
  紅茶で気分転換かな、と台所へ。

  ティーバッグをゴミ箱に放り、
  ちょっと啜って……、ミルクティーにしたれ。

  と、冷蔵庫を開き、
  牛乳パックに触れた手に走る、疑問の電流。

  冷えて……ない。

  とりあえずマグカップに牛乳を滴らし、
  パックの蓋を閉じて再び冷蔵室の扉をあける。

  微かな違和感。
  足元に、冷気が流れてこない。

  むむ。

     ミ☆

  冷蔵室、冷凍室と調べ、おもむろに紅茶を胃に流しこむ。
  ダージリンの香りが妙によそよそしい。

  希望や期待は棚の上に放り上げて、
  ここはキッパリと現実と正対しなければならない場面。

  冷蔵室の温度が室温よりも高い。
  冷凍室の温度は、もっと高い。

  ……ぶっこわれた?

  冷蔵庫じゃ再起動も再インストールもあったもんじゃない。
  数少ないプロパティである2種類の温度調整つまみをクリクリ回し、
  幾つかの設定パターンで様子を見ることにする。

  紅茶を一口。

     ミ★

  思えば長い付き合いでした。

  大学の4年間、
  その後、3年ほど実家の物置で休ませて、
  引っ越しに伴って引っ張り出して、今に至ります。

  冷蔵庫の耐用年数がいかほどかは知りませんが、
  プラグを差されたら ずーっと働き詰めですから、
  調子が悪くなるのも仕方が無いのかもしれません。

  緩衝材無しにトラックの荷台で揺られた距離も、
  福島 → 栃木 → 埼玉 ですから、ま、寿命なのでしょう。

  朝の寝ぼけ頭を引きずって台所へ。

  改めて眺めてみると「 Twenty Four 」の文字。
  ブランドなのでしょうが、
  私自身が25歳になってすぐに息絶えるとは、
  なかなか、シャレの判る ( ? ) 冷蔵庫だったようです。

  大きなのっぽの古時計みたいなヤツですねぇ。

  お疲れ様でした。

つづく     


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