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シロッコの呪い


  忘れもしない1999年4月2日金曜日の23時過ぎ。

  いつものようにPCの電源をON。
  モニタが発する微妙な囁きに、電源とCPU、
  2つのファンの音が重なり、HDDがガリガリ言い始める。

  各種BIOSのメッセージが画面上を流れ、
  お馴染みの、見慣れたと言うよりも見飽きた水色の画面が……、
  一瞬だけ表示されて、消えた。

  おや?

  様子を見ること数秒、
  体を曲げてHDDのアクセスランプを確認する。

  動いてない。
  音もしていない。

  はて。

  とりあえずリセット。

  もう1回リセット。

  1度電源を落として……も、駄目。
  ケースを開けてコネクタを抜き差ししてみても、駄目。

  むぅ。

     ミ☆

  ウィンドウズの起動ディスクは……、ありゃ? ないぞ。

  探索すること約5分。
  あきらめてセットアップディスクを刺し、3度目の電源ON。

  勝手に動き始めたセットアップを中断し、
  懐かしみつつDOSコマンドを打ち込む。

  現在つながっているHDDは2台、
  パーティションは斬ってないので、
  そのままC、Dドライブ。

  で、Cドライブ。

  認識はされている……が、
  なんだ、この空き容量4.3Gってのは、よ。
  HDDの容量そのまんまやんけ。

  Dドライブのデータは正常。
  見覚えのあるディレクトリが並んでいるのを見て安堵。
  OSは入れていない、データ用という位置付け。

  さて。

     ミ★

  しばらく悩んだあと、
  Cドライブにウィンドウズをインストールすることにした。

  もしかしたらファイルを復元できるかもしれないが、
  その手段が全く見当たらないので、どーにもならない。

  それに、
  重要なファイルは引っ越し直前にDドライブにコピーしておいたので、
  それなりの損失はあるだろうが、まぁ、いいか、って、ね。
  どーせ遅かれ早かれ再インストールするつもりだったし。

  フォーマットして、セットアッププログラムを走らせ、
  動き始めたスキャンディスクをぼーっと眺める。

  と、警告。
  なにやらDドライブでエラーが出たらしい。

  むむ、連発……。

     ミ☆

  何回か再起動を繰り返し、
  VGAの狭い画面ではあるが、エクスプローラを使える状態に。

  非常に気になるDドライブ。

  ペケ印をクリックしてみると、
  スキャンディスクの戦果か、そっけない名前のフォルダが並んでいる。

  おや?

  ペケ印をつつくこと数回、
  じんわりと脳ミソに染み込む現実、そして……絶句。

  なにが、起きた?

     ミ★

  とりあえずトイレに行き、
  混乱する脳ミソにDIALKOをかける。

     # 混乱を回復させるの意味

  落ち着いてタイムスタンプを眺めてみると、2月の半ば。

  とりあえず台所に行き、
  冷蔵庫を開けてカフェラッテ・エスプレッソリッチを引っ張り出し、
  ストローを挿して、一口。

  食道を伝わる冷気を味わっていると、
  ふっと脳ミソに閃くものがあった。

  あ、そーいえば。
  2月頃、思いつきでコピーしたことがあったっけ。

  再びペケ印をクリックしまくった結果、
  その2月のバックアップと、どーゆーわけか、
  数日前にテストでインストールしたポストペットを発掘。

  これって、真っ白と大差ないんじゃ……。

  MOのバックアップは、
  仕事場が遠くなってからは一度もやっていない、記憶にない。
  なんてったって、面倒くさいのだ。

  むぅ。

  ……ってことは。

  「 引越 」の後編、その次の「 役所 」の前編、
  それに、書きためたネタの数々、そして大切なネタ帳、
  ぜーんぶ、ぱぁ?

     ミ☆

  てなわけで、「 役所 」はともかく、
  「 引越 」はこのまま未完で終わるかも知れません。
  なんてったって、面倒くさいので(汗)

  因みに。

  DIALKOってのは、
  「 ウィザードリィ 」に登場する、プリースト ( 僧侶 ) 系の魔法です。

  睡眠もしくは麻痺に陥ったキャラを回復する効果があります。
  当然ですが、自分自身にかけることはできません。

  じーざす。


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