<BACK> <HOME>

厚岸 → 霧多布 ( きりたっぷ )


  ■ 7月7日(火)

  「 北海道には梅雨がない 」

  確かに、無いのでしょう。
  気象方面の知識はイイカゲンなのであまり自信はないのですが。

  でも、降る時は降る。
  そりゃそうだ。

  そう、今日は七夕です。

  どんなにパチンコ屋さんが賑わおうとも、
  どっかの私鉄が顰蹙記念切符を売り出そうとも、
  やっぱ、タナバタなのです。

  少なくとも神奈川よりは星は奇麗だろう、
  天の川もバッチリ拝めるに違いない。
  と、密かに期待しつつテントから出てみると、曇天。

  ま、人生長いし、ね、と、アッサリ諦めて出発の準備。

     ミ☆

  昨日来た道を6kmほど戻って厚岸駅へ。
  目的はツーリングマップルお薦めカキ弁当。

  駅の売店でも入手可能とのことでしたが、
  そこから徒歩1分の直売所 ( 弁当屋さんとも言う ) へ。

  こんちわ〜、と中を覗き込むと、
  なにやら店員さん同士でもめてる様で、空気が重い。
  自然、客 ( 私だ ) への態度もオザナリとなり、
  こちらとしても面白くない。

  本格的に虫の居所が悪くなる前に代金を支払い、
  さっさとその場から待避。
  むぅ、朝からツマランものに出会ってしまった。

  味を落とすのは簡単なんですよ。
  マイナスの感情で接客しちゃいけませんやな。

     ミ★

  道道142号線を南下。

  厚岸大橋は、右手に厚岸湾、
  左手に厚岸湖を眺める気持ちのいい場所……のはずが、
  霧のために何も見えず。

  10km程走ると陽が出てきたのでちょっと安心。
  見渡すと、遠くに輝く厚岸湖。うーむ、いい感じ。

  と、思ったら、霧。
  因みに、次に太陽を見たのは5日後の知床でした。

     ミ☆

  あやめが原という所。

  「 視界一杯に広がるヒオウギアヤメが見事 」とのことで、
  時期も合っていたので、寄り道。

  晴れてれば良かったのにねぇ。
  ま、霧の中の、ってのもそれなりに風情があって良いかな。

  札幌から来たとゆー老夫婦と立ち話。

  何を話したかサッパリ覚えていないのですが、
  「 隠居してから夫婦で旅を 」というのも良いな、なんて。

  ちょっと羨ましくもあったのですが、
  あまりにも先の話。

     ミ★

  涙岬。

  人の横顔の形をした岩があって、
  それっぽい「 伝説 」が語られていましたが、
  物語としては、イマイチ。

  ただ、途中の散策路は良い雰囲気で、
  人気も少ないので、
  恋人と2人で行くと良いかもしれません。

  ただし熊に注意(汗)

     ミ☆

  琵琶瀬 ( びわせ ) 展望台とやらに到着。
  太平洋と霧多布 ( きりたっぷ ) 湿原が一望できるとのこと。

  休憩がてらに立ち寄ってみましたが、
  予想通り霧しか見えなかったので、さっさと出発。

  ところで。

  自転車は風と戦いながら走ります。
  も少し具体的には、空気抵抗との戦い。

  他のスポーツ同様、
  エアロダイナミクス、エアロデザインなど、
  すっかりお馴染みになっています。

  推進力が同じなら、
  空気抵抗が小さいほうがスピードが出るのは当然で、
  ハンドルを握る腕を内側に寄せるだけで、
  ずいぶんと効率は変わるものです。

  で。

  スピードが上がる
みかけの風速が上がる
体感温度が下がる
寒い
無意識に風にあたる面積を減らしてしまう
空気抵抗が小さくなる
スピードが上がる

  というループが形作されます。
  おなかがすくとおなかがすくのです、……余談。

  いや、気温が高ければ問題ありません。
  むしろ積極的に利用したいくらいです。

  が、今は、寒い。
  夏と言っても北国の初夏。気温は低めです。

  世の中は霧でしっとり濡れて、
  おまけに、着ている服は風通しバッチリ。

  寒さで集中力は低下気味、
  有効視界ズドンと落ちて数十メートル、
  路面はとーぜんウェット。

  眼鏡には水滴がびっしり張りついて、
  タダでさえ不安な視覚を制限。

  ほんでもって、
  頼りになる音の伝搬もアバウトになるし、
  まぁ、一言でいってしまうと、さいってー。

  これは自動車も同様。危険です。

  だからといってペダルを回すのをやめると、
  あっという間に体温がどこかへ行ってしまいます。

  こんな時は無理せずにどこかへ避難するのが上策でしょう。

  避難場所があれば、ね (T T)

     #とはいえ、こーゆーことを経験していると、
       身体が「 速く走れる走り方 」を覚えてくれるので、
       ある意味では結果オーライだったりします、死ななければ

  幸い 交通量が少なかったので、開き直って霧の中を爆走。
  すると、いつの間にやら霧が晴れ「 霧多布岬 」の看板。

  地図を見ると「 コーヒー牛乳はヤミツキ 」とある。

  とりあえず突入(笑)

     ミ★

  お馴染みのセイコーマートで補給して、
  霧に奪われた体力の回復に専念。

  こーゆー時に「 やくそう 」とか「 仙豆 」とかがあったらなぁ。
  と、シミジミしながらパンをかじる。

  霧多布岬へ。

  名前の通り、霧。一面、霧、霧だらけ。
  ほんで、シーズンオフなので人影はまばら。

  ただでさえ寂しい場所なのに、ねぇ。

  地図を観ると、
  すぐ近くに「 きりたっぷ岬キャンプ場 」。

  けど、時間的にも早いし、
  なによりも高湿度下のキャンプってのは大嫌いなので、ヤメ。

     ミ☆

  コーヒー牛乳の情報を収集。

  街中のお店でも扱っているけれど、
  牧場 ( というのかな? ) でも売ってくれるのから、
  そっちへ行きんしゃいとのお言葉。

  道を尋ねること3度、発見。小松牛乳さん。

  そこのオバサンと立ち話しながらビンを2本。
  いたって普通の、アッサリした味ではありますが、
  毎日飲むにはこのくらいが丁度良いのでしょう。

  コーヒー牛乳は100円、
  普通の牛乳も100円、
  フルーツ牛乳は不明。

  と、自転車の音、
  続いて「 あ〜 ここでは牛乳が飲めるんだぁ〜 」という、
  独り言とも呼びかけともつかない、けっこう大きな声。

  思わずビクッと振り返ると、
  そんなに若いわけでもなく、かといってオバハンと呼ぶに早い、
  なんとも不審な姉やんが近づいてくる。

  地元民にしてはさっきの台詞は変だし、
  旅行者にしては軽装過ぎる。
  隣の町から……は、けっこう遠いぞ、ママチャリだし。

  さてはヤバイ系か?
  自前で電波を受信できるよーな ( ぉぃぉぃ

  話を聞くと、荷物を置いてレンタサイクル、だそうで。
  なるほど。

  話そこそこに、逃げる、なんとなく(汗)

つづく     


<BACK> <HOME>