<BACK> <HOME>

みちのく


  先日、新幹線に乗りました、東北新幹線。

  久しぶりに東京駅へ行ったのですが、
  おお、なんと素晴らしい、
  ホームにコンビニが有るじゃないのさ。

  とはいえ規模は小さいもので、
  最低限の物しか置いてないからね、
  ってな感じ。

  拡張版キオスクってところでしょうか?

  フラフラっと入って、
  ドライ過ぎる店員の態度にコメカミをぴくつかせながらも、
  軽い昼飯を買い込み、新幹線のホームへ向かったのでした。

       ミ☆

  さすがに始発、
  遅めに並んでもシッカリ席に座れました。
  3つ並んだシートの窓側を確保。

  ぼけーっとCDを聞きながら遠くを眺めていると、
  出発の3分ほど前でしょうか、
  隣の隣 ( 通路側 ) にオッチャンが座りました。

  見たところ50歳前後の、
  従業員1桁な零細企業の社長さんてな感じの、
  いつもニコニコ笑ってそうな、オッチャン。

  と、座るやいなや、荷物の整理もそこそこに、
  足元に置いたビニール袋をゴソゴソ。

  引っ張り出したのは、お茶、そして駅弁。

  汗くらい拭けばいいのに……などと横目で眺めていると、
  オッチャン、あっという間に弁当を平らげてしまいました。
  まだ新幹線は動いていません。

  「 ちょっとごめんなさいよ 」
  などと言いつつ、網棚 ( 私の頭の上 ) へ荷物を乗せ、
  さっさとゴミを捨てに行ってしまいました。

  順番、違うんちゃうか?

  ……ま、いいけど。

       ミ★

  オッチャンが戻って来てすぐに、
  新幹線が動きだしました。

  すると、ギリギリに乗り込んだのでしょう、
  額に汗をにじませて、
  大学生くらいの青年が近づいてきました。

  暗黙の了解ってやつで、
  オッチャンは渋々私の隣に移り、
  その青年が通路側の席に落ち着きました。

  すると、汗を拭く拭かないはともかく、
  まだ息が落ち着いてもいないとゆーのに、
  こいつもまたビニール袋をゴソゴソ。

  出てきたのはやはりお茶と駅弁。

  そして彼も、あっという間に食べてしまい、
  ゴミを捨てにデッキへ。

  しばし呆然。

       ミ☆

  これは……、こーゆーものなのか?

  新幹線に乗ったら、とるものもとりあえず、
  ズバッと駅弁を取りだして、
  グアッと胃袋に放り込み、
  エイヤッとゴミを片づけてから、
  おもむろに席に身を沈める、と。

  いやぁ、世の中、深いです。


<BACK> <HOME>