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<年度・国> <監督・脚本> <撮影> <音楽> <出演> |
2006年・日本(邦画/みてある記) 周防正行 栢野直樹 周防義和 加瀬亮、役所広司、もたいまさこ、瀬戸朝香、山本耕史、田中哲司、光石研、尾美としのり、大森南朋、鈴木蘭々、田山涼成、田口浩正、徳井優、清水美砂、本田博太郎、竹中直人、小日向文世、高橋長英 |
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<あらすじ>
就職活動中の徹平(加瀬)は、面接に向かう満員電車の中で、女子中学生から痴漢をしたと言われ逮捕されてしまう。「やっていない」と主張する彼の主張も空しく、拘留起訴され、ついに裁判となる。 |
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| 「シコふんじゃった」「Shall we ダンス?」から11年、周防監督が次の作品のテーマに選んだのはズバリ「裁判」。折りしも裁判員制度が決まり、社会的にも裁判への感心が高まってきているなかで、この映画は実にタイムリーな企画と言えるでしょう。 物語の主人公はフリーターの青年。就職試験に向かう満員電車の中で、女子中学生から痴漢行為をしたと袖を掴まれます。そのまま駅事務所に連れて行かれた彼は、警察に引き渡されます。警察や検察の取り調べで「何もやっていない」と主張する彼でしたが、言い分を聞いてくれる人もなく、担当した当番弁護士は「無罪になる確率はほとんどないから罪を認めたほうが良い」と言い出す始末。それでも無実を主張する彼は、ついに起訴されて法廷で裁かれることになったのでした。 というのがこの映画のおおまかなストーリーでして、今社会問題化している痴漢の冤罪事件なのです。最初、私は裁判のハウツーものかと思って見ていたのですが、そうではなくて、日本の裁判制度の問題点を提議したとても真面目な作品だったのでした。 この映画の評論の中には裁判をエンターテイメントで描いた作品との評価もありますが、私にはどこがエンターテイメントなのか良くわかりませんでした。痴漢の嫌疑をかけられたらどうすべきか?あくまでも無実を主張すべきか、やっていないのにさっさと罪を認め釈放を選んだほうが利口なのか映画の中では答は出ていないし、そんな災難に遭ったらどう対処したら良いのかの答もありません。要するにこの映画には解答も解決策もないわけで、どちらかというと現状をレポートしたドキュメンタリーもしくは事件をなぞった再現ドラマという趣が強いのです。 周防監督は、「今までの作品を作る動機は『驚き』で、それは喜びや笑い、生きることへの素晴らしさに繋がっていたけれど、今回の『驚き』にあったものは怒りでした」とコメントしています。ですからこの映画を娯楽として見るのは見当はずれということになります。主人公やその家族、支援者と同様に観客は怒らなければなりません。他人事として笑って済まされる話ではないのです。ネタばれのタイトルが示す通り、この映画を見た後の気分は最悪です。きっと監督は観客をそうした気分にさせることを目的にしているに違いありません。 それにしても日本の刑事裁判はこんなにたくさんの問題を抱えているとは思いませんでした。しかも裁判をするには大金が必要です。貧しい庶民はたまったものではないですね。とにかく権力は怖い、それだけです。 犯罪を裁くと言う行為が警察、検察、裁判所で分業され、その中には警察官、刑事、弁護士、検事、裁判官、などなどたくさんの職業の人がいて、それぞれ真面目に職務を果たそうとしているのに、結果が間違ってしまう、これって一体どう言うことなのでしょう? 結局、最初から最後までその事件を見て真実を知っている人間は被告しかいないということの不可思議さ…被告の青年は、裁判でならきっと真実が明らかになって正しい判決が出されると盲目的に信じ込んでいます。それは一般庶民である私たちも同じなんですが、でも現実は決して違うんだと、この映画は『怒り』を持って訴えています。 2009年からの陪審員制度導入に向けて、このような映画が作られたことは大変意義深いことです。この映画はエンターテイメントなんかではありません。一種の社会的な啓蒙作品と言うべきでしょう。 お薦め度 ◎(最後に正義が勝つ!のは物語の中だけ 現実はそう甘くないらしいです) 採点 ★★★★(8/10 points) マキ 1/27/2007 |