(1) インゲマル・ステンマルク
12月14日(土) アルペンスキーの王者,インゲマル・ステンマルクの活躍の報道番組を通して感じたことの概要を記しておきたいと思う。
彼は北欧,スウェーデン,ターナビー村に生まれた。16年間の選手生活で86勝をしたスキーの天才である。アルペンスキーでスウェーデンに初めて優勝をもたらした人でもある。彼は七歳の時からスキーを始めたとのことだ。昼間は学校があったから,帰ってきてからが練習だ。この村には,小さなゲレンデがあり,照明がついていて,いつでも自由に滑れたのが良かったと。手ほどきは父から受けたようだ。今日の彼を作ったのは精神力と何よりもスキーが楽しかったことだと述懐している。1980年のオリンピックで初めて金メダルを獲得。以来,七年連続で,回転・大回転で優勝する。
この彼の生まれたターナビー村は,以来これまでに七人の金メダリストを生んでいる。
彼のスキー観は「自由にすべる」ということだそうだ。その他のスポーツはゴルフをたしなむ。スキーをやっていて辛かった事はとの問いに,余り感じていない様子で,訳は,彼自身「スキー人生は楽しい」と感じていたからであろう。
夏のトレーニングは,自然の中で思いのままに実践したとのこと。特に,これと言った特別のメニューをこなしたわけではないとのこと。自転車で,綱渡り。時には一輪車で綱渡りをしたとか。あらゆる自然条件に合わせられるようにやったと。
こんなところに彼の考え方が色濃くにじんでいよう。スキー場を借り切っての子供たちを対象としたスキー教室を通してドキュメンタリータッチで描かれた記録ではあるが,子供たちの感想は,彼は「やさしい人」,とのことだった。
彼の生きた環境と人生から私たちに伝わってくる「メッセージ」は何であろうか。
@ 環境を上手に活用し努力した。
A どんな環境にも耐えられるよう柔軟に対応した。
B 過去のどんなやり方にも縛られず柔軟に考え自分なりの方法を編み出した。
C ちょっとした変化を敏感に肌で感じ取り創意工夫でその変化を克服した。
などが浮かんできた結論である。上記のことは,これからを生きるであろう諸君が何かにあたるとき,指針となるものではなかろうか。学校生活を通して,具体的には学習,部活動,友達,先輩や先生との交わりの中で,単なる交わりではなく,その中は生きた教科書として,何かを学ぶ機会となるはずです。高校生活の三年間を有意義なものとするには,お互いが磨きあう場とすることが大切です,こういった視点が求められると思います。(H14.12.16)
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