最終更新日:平成16年5月7日

第10章 イラク問題は戦後を規定する(15.3.3-16.4.14)


前書き
 本論述は私個人の見解です。こんな考えもあるのか位に読んでいただければと思います。また,本件についての著作権は放棄するものではありません。


 暴君の誕生
 クウェート侵攻の誤算
 したたかなサダム・フセイン
 テロとの戦いを放棄した利権を追求する国家群
 イラクの戦後を見据えて
 我らの取るべき道
 独裁者の本質
 開戦後の対応
 イラクの戦後処理
 総合戦略がない識者たち
 大量破壊兵器の行方
 高くついた勝ちを急ぎすぎたつけ
 盟友日本の取るべき道
 自衛隊イラク派遣は万全の備えをもってなすべき
 捕われたサダム・フセイン
 サマーワに降り立つ自衛隊
 迫撃砲弾発射と復興への道
 列車テロにゆれるスペイン
 日本人人質問題の本質
 救出費用負担のルールを作れ
 米軍による人質虐待報道と米民間人虐殺の勘定



暴君の誕生
 1979年イランでイスラム革命が起こり,パーレビ国王は亡命する。これまで,アメリカはソ連を封じ込めるために,トルコ・イラン・パキスタンのラインで対抗していた。ところが,この一角がくずれ,しかも,イスラム革命の影響は周辺のイスラム諸国に波及する恐れが生じた。その頃のイラクは,イスラムとは一線を隔し,西洋の近代化を推し進めるフセイン政権が誕生したばかりであった。そこで,アメリカはこのイラクに注目した。米国防長官ラムズフェルドはイラクに飛び,アメリカの防衛ラインに組み込んだ。かくして,アメリカというバックを得たイラクはイランに攻め入り,八年に及ぶイラン・イラク戦争は火蓋を切って落とされた。イランは元々アメリカに援助されていた国だから,革命が起こったとはいえ武器は強力だった。これに対しイラクはそれまでアメリカとの繋がりはなかったから武器は劣っていた。イラクが苦戦するのは自然の成り行きだった。そこで,アメリカはイラクを支援して,イスラム革命をつぶそうとした訳だ。この間にイラクはクルド人を毒ガスのモルモットにし5000人殺害したが,同盟国ということで,この殺害を黙認した。して,サダムはイラン・イラク戦争で国際条約で使用を禁止されている,開発した毒ガス兵器(マスタードガス,VXガス)を使用した。元々,サダム・フセインと言う男は,政敵を次々と倒し,独裁権力を手に入れた人物であって,ヒトラー型の人物なのである。こうしてサダム・フセインは,アメリカをバックに独裁権力を欲しいままにするところとなったのである。暴君の誕生である。彼が犯した誤りは,何をしてもアメリカは,対イランの関係から,許されると奢ったことである。元々,アメリカはイラクを利用しようとしたに過ぎないのであって,ソ連が90年に崩壊した後は,その価値は半減していた。状況の変化を見誤ったのだ。
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クウェート侵攻の誤算
 92年8月2日,突然100万のイラク軍はその一部がクウェートに侵攻した。クウェートはイラクの領土だと,フセインは思っていた。自分たちの領土を取り戻すのだと。だが,クウェートはアメリカのアラムコを始めとする石油大資本が利権を持っていたのであるが,アメリカの反撃は予想していなかったのだろうか。酷暑のクウェートには米軍は来ないと考えたのであろうか。反撃を受けても勝てると思ったのであろうか。サダムは何故侵攻したのだろうか。八月を選んだのは,酷暑を考えてのことだろうが,一年を考えれば涼しい季節もあろう。その当たりをどう考えたのであろうね。既成事実を作ってしまえば諦めるとでも思ったのであろうか。アメリカは執念深い国であることを知らなかったのであろうか。疑問は深まるばかりであるがいずれにしても,判断を誤ったことになる。
 この鍵は,ソ連のアフガニスタン撤退に伴う大国の威信低下とソ連崩壊での冷戦構造の崩壊,イスラムの絆な,新たに手に入れた毒ガス兵器などの化学兵器や疸素菌などの細菌兵器にあったのかも知れない。自信を深めたと。アメリカの力「軍事力と政治力」を甘く見たのであろうか。サウジが基地を提供するとは考えていなかったのであろう。アメリカのブッシュ大統領は多国籍軍を編成し,「砂漠の嵐作戦」は実行された。米軍の力は圧倒的であった。誘導爆弾により対空兵器や軍の施設は粉砕され,空爆は,はげたかのようにイラク軍を襲った。実況放送はまるでゲームの世界のような感じで茶の間を独占した。パワーの差は圧倒的であった。地上戦では,劣化ウラン弾が使用された。が,これは米兵をも傷つけた。戦後極めて多数の米兵は放射線病にかかったのである。地下壕もバンカーバスターの餌食となった。こうした中で,誤爆により,多数の民間人も殺傷されていったのである。米軍を主力とする多国籍軍は,イラクの国境を越え,イラク南部の都市バスらに向かった。イラク領内に多国籍軍が入ると,国際世論の風向きは変わっていった。結局,ブッシュは,独裁者「サダム・フセイン」を引きずり落とすことなく,「砂漠の嵐作戦」は終了することとなる。日本は「130億ドル」を負担したが,評価されることは無かった。外交的敗北である。
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したたかなサダム・フセイン
 彼は,終結にあたり国際査察の約束をした。たくさんの守るべきことを要求されたが,のらりくらりとしてほとんど守らなかった。その結果は化学兵器の蓄積,ミサイルの増強,テロ組織との連携だった。これ位なら,守らなくとも通るだろうと,考えた上での違反と断言してよいであろう。要するに,なし崩し的にさまざまな国際約束を反故にしてきたのである。小さな違反を繰り返し,結果として,大きな違反としてきたのだ。
 米国を中心とする国際社会はこれに対して警告を発してきたのだが,彼は守ろうとしなかった。守る気がないのである。一方的に押し付けられたと思っているからだ。国土は日本より広いのだから,隠そうと思えばいくらでも隠せるのである。
 現在,国際査察団のやっていることは,正にイラク国土全体に対する鬼ごっこと同じことである。秤にかけながら,攻撃反対派に論拠を与えるために,協力している姿勢を小出しにして,なし崩し的に,国際約束を反故にする算段なのだ。幸い,世界中で反戦平和を叫ぶ,馬鹿な民衆がいっぱいいるからね。さぞかし,サダム・フセインはにんまりしていることであろう。
 イギリスの首相「チェンバレン」が対ドイツ宥和政策を取ったのも,聞くところによると,世界の「反戦の声」があったからだが,歴史は繰り返すと言うことか。ドイツ,フランス,ロシア,中国に対イラク利権を与え,国際社会の分断を図る「サダム・フセイン」はしたたかだ。

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テロとの戦いを放棄した利権を追求する国家群
 フランス,ドイツ,ロシア,中国は2000年9月11日のテロを忘れたかのようだ。中でも,フランスのシラクは第二次世界大戦でドイツから蹂躙され,アメリカに助けられ国土を回復し,安保理の常任理事国の地位をアメリカによって与えられたことを忘れたかのようだ。物覚えが悪いのであろう。アメリカにしてみれば,テロ国家イラク側に立つか,アメリカの側に立つかを,今見ていることであろう。イラクの持つ化学兵器は,国際的なテロをやる者にとって,極めてありがたいと考えるであろう。アメリカにとって,いつどこから狙われるか分からないから,これに使える大量破壊兵器(毒ガスや細菌兵器)の存在そのものが脅威となっている。彼らはこれを隠し持っている。アメリカは,自国の安全とともに自由と民主主義を守るために,戦うであろう。破壊し尽くすまで。「貿易センタービルを忘れるな」であろう。
 彼らが主張する,査察の継続はイラクを利するだけである。後に伸ばせば,有利に戦えるとサダム・フセインは考えているのだ。だから,小出しにして,引き伸ばし戦術を取っているのだ。なにしろ,遅れれば遅れるほどイラクの気温は高温になり,四月を超えれば日中は40度にもなり,戦車の中は更に5度温度が高くなる。更に,場所によっては50度にもなると言う。引き伸ばせば伸ばすほどイラクにとって有利,逆に,アメリカにとって不利となるのは明らかだ。イラク人は暑さには慣れているが,アメリカ人はそうではないからだ。
 アメリカはいつまでも不利になることを座視してはいまい。自国の兵士を危険にさらす結果となるからだ。
 フランスらのやっていることは,アメリカに仇なすことであることがこれで分かろう。戦後,アメリカはこれに応えるに違いない。誰が敵で,誰が味方かだ。
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イラクの戦後を見据えて
 まもなく,アメリカは攻撃に踏み切るであろう。サダム・フセインがいる限り,アメリカの安全は脅かされると考えているからだ。フランスやドイツはイラクに味方している限り,テロには遭わないし,イラクにある石油の利権も確保できると考えている。
 これに対し,アメリカがイラクを攻撃するのはイラクに親米政府を作り,世界第二の石油埋蔵量を有するイラクの石油を支配するためだと,言いがかりを付け,アメリカの野心をことさら強調する者がいる。が,こう主張することは,国際世論を分断するイラクの戦略なのである。
 アメリカの支配する石油は圧倒的で,理由もなく国民の犠牲を払ってまで支配する必要などありはしない。こういう論陣を張る者はイラクの回し者である。そもそも,クウェート侵攻が無ければ,「湾岸戦争は無かったし,イラクが国際査察を誠実に守り,開かれた国として,どんな国際査察に対しても,進んで協力し,科学者の海外での聴取にも素直に応じていれば,少なくとも,攻撃の口実は与えないのだ。口実を与えるようなことを自らやったことが悪いのだ。悪事を働けば疑って見られることは人間の習性である。であるから,なおさら,疑われるようなことをイラクはしてはいけないのだ。イラクはアメリカを甘く見て,これを怠ったのだ。これはイラク自身の不明ということ。知恵が無かったのである。簡単にいえば,つけ込まれたとすれば,要するに,サダムが馬鹿なのだ。
 だが,アメリカが攻撃に踏み切っても,フランスやドイツはアメリカに敵対して,イラク側に立って参戦するとも思えない。ロシアや中国とて同じである。戦後彼らは発言権を失うであろう。なぜなら,何の解決にも役立たなかったばかりか,解決の邪魔をしただけであるからだ。
 アメリカは,賛同した国からなる新たなる国際組織の樹立に向けて立ち上がることも有るだろう。二十一世紀に向けて,テロとの戦いの世紀として,相応しい組織を構築する必要があるとして。
 国際テロの解決に何の役割も果たせなくなった国際連合は既に使命を終えているのである。
15.3.14加筆
 アメリカが何故「テロ」をこれほどに問題にするかは明らかである。冷戦が終わった今,国としてアメリカに戦争を仕掛ける国など,圧倒的なパワーの差を考えるとありえないのである。その中で唯一の脅威は「テロ」なのである。これを証明したのが,「2001.9.11 貿易センタービル爆破と国防総省,ペンタゴン」への攻撃であったのだ。アメリカに敵意を持つ組織が「脅威」なのである。だから,アメリカが譲る訳は無いのである。テロの手段となる,化学兵器・細菌兵器・核兵器はテロ組織に渡る事が,アメリカの脅威なのだ。だからアメリカは一歩も引かないであろう。これをフランスやドイツは見誤っている。いつまでも反対するなら,アメリカは彼らを敵とみなすことになる。彼の国らは気をつけた方が良い。このままでは,サダムのために国際社会は深刻な危機を迎えるであろう。して,攻撃によってサダムが取り除かれた後,新しい政権は当然,サダムを間接的に支援した国を友好国とは見ないことになる。アメリカこそ解放者となることは明らかである。新政権はアメリカを守護者と考えることになる。当然のことだが,これを邪魔した国は,利権を剥奪されることになる。当たり前である。
 問題はそれだけに終わらないであろう。戦後,経済的な報復が陰に陽に相互に繰り返されることこそが危険なのである。共通の敵「ソ連」がなくなったことで,欧州のフランス・ドイツ同盟は,アメリカの勝手にはさせないと,自己主張を始めたのである。危険な兆候だ。ロシア,中国はどうでるか。この2国は適当にくっついて離れ,できるだけ米国を敵に回さない算段を図ることになろう。
 ドイツ・フランスはなぜかくも激しくアメリカに反発するか。それは,3.8億人を超える統一欧州,ローマ帝国の再来を統括する盟主としての自負があるからである。さらに統一欧州に対して,アメリカの介入を排除したい思惑があるのである。加えて新たに加盟する予定の国々はアメリカを頼りに思い,解放者と考えているから,なおさら存在感を示す必要があるのだ。要するに虚像の大国の統治者のつもりなのであろう。
 憂鬱な時代の始まりを予感させるに十分である。(/3.14)
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我らの取るべき道
 日露戦争の後始末に絡んで,唯一起債できたアメリカに戦債の起債のおり,満州での利権をアメリカに確約しておきながら,国内世論の反対に屈して,最終的にこれを拒否して,アメリカの逆鱗に触れた。以来,陰に陽に日本をアメリカはいびることになった。結果は,大東亜戦争(日中戦争,太平洋戦争)という多大な犠牲を蒙る事になったのだ。日米同盟はこの犠牲の上に,最終的に日本が掴んだ命の綱であることを忘れてはならない。信頼を裏切るようなことをすればどうなるかを証明している。世の中は国際社会といえども,全て利害で動いているのだ。人間は感情を持った動物でもあるから当たり前なのである。
 米国支持は早すぎるなどとして,自民党総務会長は川口外相を批判したが,小泉首相を批判したのである。この人物のなんと日和見的なことか。コウモリは最終的には,獣にも鳥にも仲間はずれにされたことを忘れたのか。
 早く米国支持をすればするほど,その支持は金となり,遅くなればなるほど,それは鉄以下となる事が分かっていない。国会議員を前にして馬鹿呼ばわりははばかるが,国家戦略を考えないお人よしだ。
 橋本元首相は,事もあろうに中国に出かけて行って,中国の意向を伺い,国外から日本のイラクに対する対応を批判した。まったく持って,日中友好議員連盟の会長らしく,人民中国の走狗であることを証明してしまった。北から核ミサイル攻撃を受けたとき人民中国は反撃して日本を守ってくれるというのであろうか。馬鹿か,向こうは同盟国だ。日本を守ることはあり得ない。
 これが自民党大派閥の長であることは日本の不幸である。彼が議員でいる限り,中国の意向が日本の政治に反映するように力を傘にごり押しするつもりだろうか。こういう議員を外国に篭絡された奸賊議員と言うのだろう。日本の国益など考えてはいない。日本の巨額な対中国ODAの見返りに,中国に招待されて鼻薬をかがされて帰ってくるのであろう。外国から賄賂を貰い外国のために働くエージェントみたいである。本人はその自覚すらないであろう。自分は,日中友好のために働いているのだと,胸を張るつもりだろう。友好もいいが言いなりになることは,友好を深めることには決してならない。同じ批判でも,国内で言った総務会長の方がましである。あんなところで言えば,橋本は人民中国の代弁者と人は見るであろう。私も,勿論そう見るね。
 北朝鮮からミサイル攻撃を受けたとき,アメリカから『間違ったのだろう,様子を見よう』などと言われたらどうするつもりだ。困っているときアメリカを助けないなら,こう言われても文句は言えないであろう。「助けてくれない国など,何で助ける必要があろう」と,考えるであろうね。自民党総務会長や橋本元首相は日本に危ない橋を渡らせようとしている。
 断っておくが,悪いのはイラクなのであってアメリカではない。イラクは侵略者でありテロリスト支援国家なのである。その上,独裁者として,イラク国民の人権を踏みにじって,反論なども言えなくしている。彼を取り除くことは,国際正義にかなっている。
 日本の取るべき道は,同盟国として,対米支援しかありえない。お茶を濁すなら国家百年の王道を踏み外すことになる。
 カモフラージのためには,多少はブレーキをかける人物がいても良いが,国の意思決定としては対米支援以外の選択肢は無い。
15.3.12-3.13加筆
 国内世論は,反戦平和を唱えるものも結構いる。これ自体は正常だと思うよ。戦争よりは平和が良いのに決まっているのだから。だが,考えなくてはいけないことは,イラクのフセイン政権をこのままにすることは,それ以上に危険ということだ。彼らは簡単に持ち運べる,化学兵器や細菌兵器を大量に隠し持っている上に,テロリストとつながりがある独裁政権だということである。彼の一存でどうにでもなる事が危険なのだ。もう一つは,北朝鮮の問題だ。日米の信頼関係を損なえば日本の安全は保てないのだ。安全は何よりも重たいのである。日本は例え,単独での攻撃でも米支持以外は日本を危うくする。日米の連帯以外の選択はないということを,言を尽くして国民に説明しておくことだ。して,世論を米国支持に向けさせねばならない。逃げてはいけない。歴史に名を残すことができるかどうかはここ数日の決断が決定することになろう。日本を破滅に追いやる決定だけはしないで貰いたい。
 日本が,仮に核武装するにしても,現在の脅威にはアメリカを除いて対応はできないのだから,選択の余地は無いのである。国民には現実を見せ,理解を求めることである。世論は間違うことも有るのは現実では有るが,誠心誠意言を尽くせば,世論を変えることも可能であろう。間違うこともあると,切って捨てるつもりは無いと思うが,あれでは言葉が足りないよ。そう言えば国民は怒るのではないかな。
 信頼関係があればこそ守ってくれるのである。
 国民を説得することは簡単だよ。
 まず,イラクは12年間国際査察を踏みにじってきた。期限を切ったにも拘わらず,守るべきことをないがしろにして,今日の事態を招いたのです。悪いのは,独裁者フセイン大統領であり。テロリスト支援国家イラクである。アメリカではない。現在,イラクが小出しに,査察に応じているのも,アメリカ軍の断固たる姿勢と30万にも及ぶ米軍の展開という圧力があってのことである。独裁者サダム・フセイン大統領は,これがなければやりたいようにやる人物なのだ。最終的に決まった訳ではないがイラク攻撃は素直に武装解除に応じないための,武力をもっての強制武装解除なのだということを理解する必要がある。もっとも,攻撃の前に,全ての武装解除に応じれば攻撃は無い。
 アメリカの支持をしなければ,アメリカの北朝鮮に対する盾は期待できない。北からミサイル攻撃を受ければ,日本には迎撃能力がないから多くの国民が死ぬことになる。「拉致」家族の解決も難しくなる。
 アメリカの支持をすると言うことは,アメリカの北朝鮮に対する盾を有効にすることだ。『条約という紙に書いてあるからアメリカは日本を守るというものではないのです。信頼関係が無くなれば,アメリカは条約に従って日本を守ってはくれません』と,話して,『皆さんはどちらを選びますか』と,正直に国民に語りかけるのです。これを表現を変えて何度も国民に語りかけるのです。何度も聞いているうちに,これで国民は思いを共有するようになります。人間の脳はそのようにできているのです。納得すると考えますよ。
 ポイントは,ブッシュ大統領が敵対しているのは,イラク国民ではなく,サダム・フセイン体制であるということ。米国支持が北朝鮮のミサイル攻撃から日本を守ることになるということの二点である。
 アーミテージ国務副長官も言ってくれているではないか,日本に対する攻撃はアメリカに対する攻撃として対処すると。心強い言葉である。日本にとって,どんなに心強い言葉であることか。こんな言葉を他のどの国が言ってくれている。無いであろう。日本は友人であるとも,ありがたいことである。これに応える言葉は,『アメリカの考えは日本の考えと同じです』であろう。日本はアメリカの永遠の友人で同盟国でありたい。
 この問題の一番良い解決法は,サダムフセイン大統領の外国亡命であるが。ヒトラーと同じように,どんなに国民を犠牲にしても最後まで戦おうとするであろう。これが,身勝手な自己愛型独裁者の特性なのである。もし,愛があるなら,潔く身を引くであろう。彼が冷酷で身勝手な独裁者であることはまもなく証明されるであろう。
頑張れ小泉さん。今,本質を見据えた外交が問われている。(/15.3.12-3.13)
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独裁者の本質(H.15.3.12-3.13)
 歴史上には幾多の独裁者が登場しては,功績を残した人物もいるが,その多くは災禍をもたらした場合が多いのではなかろうか。勿論,それなりに支持を得た部分もあったから独裁者に成れたのであるから,功績もあったわけだ。いくつかの例を挙げ,彼らの持つ人間性としての本質を考えてみることにする。
 独裁者として名を残すのは,古くは王朝の創始者は何れも,絶対権力をもつ独裁者であったから,その数は膨大なものになる。
 中国で言えば,秦の始皇帝。彼は戦国の世を統一した人物として歴史にその名を残してはいるが,武断政治をし,多くの人を殺したことにおいて,歴史に名を残す最初の人物かもしれない。その末路は哀れである。わずか30年そこそこで王朝は絶え。彼の死体は蛆が湧いてなお抗争のため放置されたと,司馬遷の「史記」は伝えている。
 同じ権力者となった,漢王朝の創始者となった,農民出の劉邦は,楚の貴族の出である項羽と覇を争ったが,項羽が多くの人を殺害したことに比べ,彼は無益な殺生はできるだけ避けた。結果は人望を集め戦いに最終勝利を収め漢王朝初代皇帝となる。して,その治世は,前後合わせて,約400年続く事となる。王朝の長さは,即ち創始者と受け継いだ者の徳の高さを示すものであろう。
 ひるがえって,我が大和朝廷はと言えば,漢王朝より遥かに長く,その権威による治世は1400年を優に超える。その徳は,劉邦の系統の比ではない。考えてみよう,聖徳太子の「和を以って貴しとす」の意味を。神道と仏教の融合を。宗教対立を排除した先人の偉業はすばらしい考えである。西洋においては,血を血で洗う宗教戦争が絶えることが無かったことを考えると。古代天皇の考えは立派な考えであることが分かろう。宗教は人間のために有るのであって,宗教のために人間が存在するのではない。宗教のために対立抗争するなど愚の骨頂である。
 話を戻すが,秦の始皇帝を覇道に生きた人物とすれば,劉邦は王道に生きた人物といえよう。この違いはどこにあるのであろうか。勿論,人間性の違いなのである。簡単に割り切れるものではないが,概要を捕らえ現代に投影することはできる。時代が変わっても,人間そのものはそんなに変わるものではない。
 覇道型独裁者の主な特徴を挙げると次のようになる。
 @冷酷で猜疑心が強い。
 A自己または家族・親族・同族の利益中心の考えが強烈である。
 B自己の利益や目的達成のためには,一般民衆はおろか重臣といえども殺害することや犠牲にすることはなんとも思わない。
 C保身や体制維持のために,住民らの監視システムを作り上げる。
 D厳罰という恐怖心により忠誠という人心の掌握を目指す。
 Eそれなりの指導理念を有する。
 F自己の神格化を図る(銅像などを建立させるのを含む)。
などが主なものと思われる。
 該当する項目が多いほど覇道度が高くなる。(/15.3.12-3.13)

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開戦後の対応(H.15.3.24)
 3月20日対イラク戦が始まった。独裁者はやはり,国民の犠牲などは考えず,政権にしがみつく方針をとるであろう事は,当初より想定されたことであった。小泉首相は取り敢えず,米国支持を鮮明にしたことで,日米同盟を確保はした。
 が,これからの政府の対応はどこまで,アメリカとともにあるかを,問うリトマス試験紙であることを見ているに違いない。即ち,大使館,イラクの資産凍結の問題に対する対応である。現イラク政権と米・英らは戦争をしているのであり外国との関係でこれ以上最悪の事態は無い。だから,当然のごとく,大使館閉鎖とイラク資産の凍結をアメリカは求めてきたのである。
 これに対して,日本が,現イラク政府と対決している姿勢を明確にすることは,大使館の閉鎖,現政府の外交官追放,イラク資産の凍結である。あいまいにするなら,口では米国支持と言いつつ,現政権を裏では認めていることになろう。我々が決別するのは,現サダム・フセイン政権であって,イラク国民ではない。
 現政権はいずれ崩壊し,新しい政府が必ずできるのである。外交関係は,この政府と結べばよいし,凍結保全したイラクの国内資産はこの新政府に引き継がせれば良いのである。米国と歩調を合わせて,非道な独裁政権は許さないとの毅然とした姿勢を示すことは,日米同盟を不動のものとしよう。北を抱える日本としては,日米関係を不動なものとするは死活的に重要と考える。「非人道的,テロ支援政権は許さない」との北朝鮮に対する日米共通のメッセージでもある。多くの国が,アメリカの要請を断る中で,アメリカと歩調をともにすることこそが重要なのだ。アメリカは日本を真の意味で最も信頼できる友人と考えよう。そのことこそが重要なのだと思いますよ。私なら,『ブルータスおまえもか』と,アメリカに言わせないね。こと安全保障に関しては,日本とアメリカの利害は,完全に一致しているのである。アメリカ抜きの国際連合は何の力もありはしない。重要なのは日米同盟,次に国際連合なのである。もっとも,国連は空中分解する恐れがある。各国の利害が対立しているからである。早くも,アメリカのイラク駐留は認めないなどと抜かしている,フランス,ドイツ,ロシアなどがあるが。では,アメリカが駐留を続けた場合,これを攻撃するつもりなのであろうか。ないであろう。要するに負け犬の遠吠えなのである。我々は一貫して,アメリカ支持でよい。それが国際正義である。今,国際社会は再構築の時を迎えている。
 イラク大使館閉鎖と大使の追放,資産凍結は一時的なもの。何よりも,現政権と決別し,新政権との関係を構築するとの姿勢は,新政権から歓迎されよう。して,開放され自由となったイラク国民からも歓迎されることになろう。外交とは,現在を見てする必要はあるが,常に先を見越して展開する必要がある。でないと,全てが後手に終わることになろう。今こそ戦後のイラクを見据えた外交が求められよう。適当なイラクの担当者を残せば交渉はできる。大使である必要は無い。大体,フセインという男は,在日大使の言うことなど聞く男ではない。現に,亡命の米提案に対し,言葉を濁しただけで軟禁状態にされた要人もいるとのことだから,彼の人は対米強固路線しか聞く耳などないのである。
 現政権への働きかけ云々,と川口外相は言っていたが,それは,相手が大使である必要は無い,大使館を代表部などに格下げしても十分に伝わる。その際,代表部は規模を縮小して,場所も別にし小規模とするのが良い。台湾や,北朝鮮の扱いに習うだけで十分。大使がサダムを弁護している現況では,サダム・フセインの息のかかった人物が大使であると考えざるをえず,即刻追放でも良いくらいだ。滅び行く政権,国民を虐殺ないし虐待した政権に同情は不必要だ。イラク国民を大量に殺害した,サダム・フセインをイラク国民は英雄などにするはずは無い。冷酷で敗れた国の指導者は罵声を浴びせられることは有っても歓迎されることは無いのである。ヒトラー,ムッソリーニ,チャウシェスクなどの末路を見れば分かろう。評価される道があるとすれば,『国民に,これ以上の犠牲を強いることは,私の望む処ではない』として,潔く無条件降伏することだ。が,彼にはそんな度量はないであろう。彼の末路は,「爆死,暗殺,処刑,自殺,逃亡,亡命」などが考えられよう。この内,最もまともな終わり方は亡命であろう。上の三人は自殺・処刑に終わっている。
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イラクの戦後処理(H.15.4.10-4.11)
 4月9日バクダットは米軍の猛攻の前に陥落した。大勢の市民が米軍を歓迎している姿がテレビで報道されている。サダム・フセインの像・肖像は各地で引き摺り下ろされている。数限りなく国民を殺し,政敵を殺し,捕虜になった帰還兵を殺し,スポーツイベントで負けて帰国した者を拷問の上に殺し,五千人のクルド人を毒ガスで殺し,湾岸戦争で蜂起した国民を虐殺し,殺人による恐怖政治を欲しいままにしてきたサダム・フセイン体制の呪縛が解けてきたのである。今や,予見されたことでは有ったが,米軍は圧政者サダム・フセイン大統領からの解放者となったのである。これが恐怖政治を行ったサダム・フセインに対する市民の本音である。
 日本の報道関係者の中には,サダム・フセインは米国と戦った英雄として称えられる。などと抜かした「間抜け」もいたが,本質を見ることのできない報道関係者は,国民に誤った情報を垂れ流し続けたことになる。頭が狂っているからこうなるのであろう。いらぬ感情を抜いて,事実を報道することが重要なのだということの証であろう。
 いよいよ,これからのイラクの統治をどう展開することになるのかという,各国の利害がぶつかり合う国際政治の修羅が待ち構えている。仏・独・露は自分たちの利害を盛り込むために,国連による統治を声高に唱えている。中国もだ。仏は四月一日,独は四月五日にそれぞれ軌道修正をして,同盟国米英を支持しているなどと節操の無いことを言っている。イラク戦の見通しがたって,フセインは持たないと判断したから方針を変えたのだ。何と手前勝手な両国であろうか。国民は八割以上が反戦,結果としてフセイン体制のイラクを支持しているぞ。世論に従えば,あくまで戦争反対,結果的にフセイン体制のイラク支持のはずだが。我々は,こんな指導者の下にいなかったことをまず幸いと言うべきであろう。
 日本の芸能人の中には,この戦争に反対し,結果的に悪魔のごときフセイン大統領に声援を送った人達がたくさんいる。私さえ知っている「氷川きよし」などもそうだ。正しいまともな判断ができない人間を作り上げた戦後教育の被害者であろうか。共産党などは今でもそうだ。彼らは独裁政治とは切っても切れない関係,共産党による一党独裁が究極の目標,にあるからサダム支持なのであろうか。サダム・フセインはスターリンの熱烈な信奉者である。彼の独裁政治における恐怖政治はスターリンに習ったのである。戦争に反対と言うことは,実は暗に独裁者サダム・フセインを支持するという意味があるのである。米英の判断は正しいし,これを完全に支持した日本の判断も正しかった。さて,戦後の統治はどうあるべきや。
暫定政府の構築
 まず,現状の正しい認識から始まらねばならない。現在,イラクの政治組織,軍事組織,警察組織は悉く崩壊している。この中で,明日からでも治安を守らねばならないことは言うまでもないことになる。となると,取り敢えず治安は米英軍がしないことには始まらない。現場にいる彼らがする以外には考えられない。幸い米英軍は解放軍として,多数の市民によって支持されている。従って,当面,米英軍が治安維持の主体となる必要がある。
 明日からでも国民の生活の糧を心配をする必要がある。援助物資の受け入れ組織と,配給組織である。これも既に米英軍は現地の人々を雇い既に始まっている。人々を飢えさせる訳にはいかないから,当面米英軍がしなければなるまい。これが現実的対応であろう。
 その他の政治組織・教育組織・保健組織はどうか
 まず,政治組織は中央のスンニ派,南部のシーア派,北部のシーア派・クルド族があって,急に一つになってまとまれる状況にも無い。ここは,米軍のバックの下にイラク人の各派,各民族のバランスを考慮に入れて,取り敢えず暫定政府を作ればよい。が,適当な行政の専門家が見つからなければ,イラク人の助言者の下に米英を中心とする専門家が当面の間統治するのもやむを得ないであろう。これと平行して,基本的人権の尊重,独裁を生まないための三権の分立,大量破壊兵器を排除した文民統制の軍隊を規定した,民主的な憲法の起草も図る必要があろう。
 イラクは独裁者サダム・フセインを産んだのであるから,これまでのシステムを作り替える必要がある。教育は民主主義的な教育内容にし,独裁を生まないための教育内容とし,イラク人を頭から改革する必要がある。権力を分散し,集中を排除する。平和主義,文民統制の軍事組織などを教育からして進める必要があろう。先進諸国の自由と民主主義の雰囲気の中で学んだ人達が,教育を支えることができれば更によい。
 要するに,周辺国に脅威を与えない平和愛好国家に作り変えることは,国際平和に貢献しよう。
 ここで,仏・独・露・中国などはイラクの恐怖政治を行っていたサダム・フセインを結果として擁護した訳だから,イラク国民からは解放者ではありえない。彼らがイラクに首を突っ込みたいのは利権を確保したいからだが,イラク国民の人権を踏みにじることに荷担した彼らに出る幕は無い。せいぜい恨まれないように,人道援助物資を送り届ける位にしておくことが賢明と考えられよう。
 再建の主人公はイラク人自身であるが,無秩序からの再建には国際社会の援助が必要である。我々としては米英と道を同じくしてイラク再建の援助をすることだと考えますね。国連の関与は人道援助のみでよい。各国の利害を押し付けて,イラクをもみくちゃにしないことがイラクの早期再建にはプラスである。再建を保障するパワーは米英軍に他ならない。
クルド問題
 今回のイラク戦争では,国境線を変えないことが前提のようだが,イラクの独裁政権のもとに弾圧を受けてきた,クルド人のイラク人に対する憎悪は簡単には消えそうにない。私としては,イラクを連邦制にして,クルド人居住区を一つの連邦にして,将来連邦から離れて独立することも可能とするのが国際正義と考えますね。この問題は,トルコ,イラン,シリアも抱えているから,これらの国も,クルド人の自治権を高め,連邦制の一つの連邦とし,将来は独立も可能の道を開き,クルド人が一つの国家にまとまれる道を作っておくことが国際正義と考えてはいる。大体,第二次世界大戦は,民族自決の戦いであったはずである。ならば本来は,第二次世界大戦後独立しているべきであったのである。
 トルコはクルド人はいないと,彼らを弾圧し開き直っている。トルコは日本にとっては友好国なのであろうが,彼らクルド人に自治を与え,連邦制に移行して,将来は独立させ,これと友好的な関係を構築する道を推進するのがトルコのためだと考えるね。されば,EU加盟も障害は減ることであろう。二十世紀の精神は「民族自決」なのである。トルコにとって領土が減ると考えるのであろうが,これは考え方次第である。友好関係を不動のものとすれば,統一クルドはトルコにとって,更なる商圏の拡大を意味しよう。
 日本は,敗戦によって,海外領土や広大な影響国を失ったが,戦後失った以上の商圏を獲得できたのである。その道は,相手国を尊重し,友好関係を再構築することに努めたからではなかったか。であるから,たとい領土を減らしても,これを友邦として迎えれば良いではないか。これがトルコの取るべき道と考えますね。されば今以上に豊かさを享受できる道が必ずある。
 北部のキルクーク,モスレなどの主要都市は元々クルドのものだった。トルコはキルクークの油田から石油を輸入しているから,クルドがこれを支配することには反対していると言う。ずいぶん身勝手な言い分だと考えるね。クルドが力を持つことが問題と考えているようだ。これは,国内のクルドを弾圧していることから来る当然の帰結だが,これは正義ではない。即刻,弾圧政策を止め,クルドと和解する道を選ぶことだと考えるね。 力で,異民族を押さえ込む政策は,21世紀に相応しくない。むしろ彼らを尊重して独立を助け,友邦としてこれを遇するのが賢明な方法だ。されば石油の輸入は何の問題もなくなる。アメリカがこれを担保するのは良い方法と考えられよう。
我らのイラク復興への取り組むべき道
 日本の中には,国連決議があってから,要員を出すべきとの言を弄す自民党長老「野中広務氏」などがいる。国際社会の考えが一致していて,すぐにも話がまとまるのならそれも良いであろう。が,そんな状況に無いことは,イラク戦争の経緯からして明らかだ。こんなことを言っていると,「やる気が無いからそんなことを言っているのだ」と,言われるのではないかな。待って話がまとまらず,決議も出なければどうするつもりだ。仏独露に気兼ねなどしてどうする。かの国らは,国益で判断して動いているのだ。平和主義でもなんでもないのだ。
 イラク国民は食料・水・医薬品など,今すぐにでも必要な物があるであろう。各国の利害の調整に手間取り,結果としてイラク国民を困らせるのは良いことではないと考えますね。日本は独自の判断で必要と思われる援助をしたら良いではないかな。環境は変わっている。過去に捕われず判断して行く必要がこれからは益々増えるのかも知れない。
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総合戦略がない識者たち(H.15.5.13)
 NHKの討論番組に登場する識者達の話を聞いていると,いち早くアメリカを支持したことは間違いだ。カナダのようにアメリカと密接な関係があっても,アメリカ一辺倒と見られないためにも支持しない方が良かったと言っている人がいたが,これは足元を見ない危険な考えだ。カナダの周りにカナダを恫喝する国など有るであろうか。メキシコとて同じである。こちらはむしろアメリカに近すぎて,しかも圧倒的な経済力を持つ国がアメリカであるということだ。こういう場合は,アメリカはあたかも発展して巨大になった日本にとっての中国のように見えるに違いない。仮にも友好国としても,常に脅威を感じているのである。従って,恫喝する国でも有れば別だが,そんな国がない状況では併呑される恐れさえある米国とはある程度の距離を置くのが良いのである。巨象の傍に寄りすぎては踏み潰される恐れがあるからである。カナダやメキシコが所謂小国の立場に立って考えるのはやむを得ない。むしろそれが自然なのである。それが生存本能というものである。日本の位置がカナダの位置にありカナダが日本の位置だったら,日本も同じように振舞えるであろう。肥えた豚に見える日本の傍にやせ細った狼にも見える恫喝屋の北朝鮮がいるのである。日本にとっての巨象である米国の傍にいて行動をともにすることがそんなに悪いとは思えない。北のミサイルに対して無防備である日本にとってこれが安全なのである。
 では,永久にカナダのように振舞えないかと言えば,それは日本次第である。日本に対する第一次ミサイル攻撃に対し有効な迎撃体制が日本だけでできるのなら良いであろう。実際問題としては,GPSを使った精密迎撃ミサイル体系はアメリカ抜きに考えられるであろうか。この技術はアメリカの支配に有るのである。冷戦が終了したことによりアメリカはこの米軍の軍事機密を民間に開放したのである。しかし,その精度のさじ加減はアメリカが握っているのである。精度を落とされれば迎撃できるミサイルもできなくなる。いわば生殺与奪の権利をアメリカが握っているとも言えるのである。従って,アメリカが支配する兵器体系に依存する限り,アメリカの逆鱗に触れないように行動することが賢明である。日本人はカナダ人とは違い,白人ではない。過去には大戦も経験した。同じ決定をしてもアメリカの受け止め方は微妙に異なるであろうことは想像にかたくない。日本が真の意味でフリーハンドを有するようになるためにはアメリカの兵器体系に依存しない独自の兵器体系による防衛体制が整った後である。だが,これは政治に高度な影響力のあるアメリカの防衛産業との対立をも意味する。何しろ日本はアメリカから大量の武器を調達しているのであるから。日本という美味しい武器市場を失うことになることを,彼らは黙って見ているわけはないであろう。また,識別コードも異なる物にする必要があるかも知れないね。  これら全てをうまくクリアして初めて日本はアメリカに対してフリーハンドを有することになる。できないとは言わないがこれができるには長い時間が必要であるし,日米の利害の対立激化というリスクも背負う必要がある。このときは,日本から在日米軍がなくなるときであり,日本が巨大な軍事力によって防衛されるときである。勿論,巨大な人民中国という虎を前面にしてね。日本のかの識者たちにこの覚悟があるのならそれも良かろう。が,これには時間がかかる。当面は無理である。日本は経済規模が大きいから大国のように見えるがそれは大きな誤解である。日本は政治的にも軍事的(ミサイル防御はできないから貧弱な盾しかない)にも極めて小国である。この事実を踏まえて行動することだ。
 「アメリカ追随」とか,「アメリカ一辺倒」をしていては,アジアの国々に云々というの話も識者達は言っていた。
 これはおかしな議論だ。日本はいつから政治大国になったのだ。国際社会からの「いじめ」のように金だけは出させられているが,およそ政治的影響力などないに等しい。単に「打出の小槌」にされているのにすぎない。国連だって分担金こそ,約20%出していてアメリカを除く安保理の常任理事国全部を合わせた国より出している金は多いが,それに見合う発言権があると言うのか。「権利の無いところに義務は無い」と言うではないか。かかる状況を放って置くこと事態なめられている証拠である。その上,旧敵国条項は生きたままだ。国連決議のないまま日本を攻撃することは加盟国に許されているのである。アメリカは分担金を滞納しているから,事実上日本は国連の第一のスポンサーなのである。こんなふざけた関係なら国連など脱退して,分担金など払わなければ良いのだ。後は,二国関係を積み上げていけば良い。常任理事国にしないのなら脱退すれば良い。
 常任理事国に据えると言うなら,その代わり国際紛争には必要なら,他の理事国と同様に自衛隊ではなく「軍隊を出す必要もある」。日本が自衛隊などと言っているから相手にされないのかも知れないが。国際社会の平和と安全の維持に責任を取らない国など常任理事国の資格は無い。日本もまた変わらねばならないということだろう。それだけの覚悟があるのなら主張も良かろうと考えるね。まだ今の日本にはその覚悟も準備も無い。こんな日本を諸国がまともな国として見るわけは無いのである。後始末や金は期待してもそれ以上は期待しないということ。現在の日本の姿はアメリカの保護国ないしは一州に過ぎない。それならそれでそれなりの生き方が有ろう。現況ではアメリカと行動を供にするしかない。現在の北朝鮮や中国のミサイルの的になっている日本の姿は,殻の無い貝にも等しい。身の程を知ることだと思いますね。
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大量破壊兵器の行方(H.15.6.9)
 現在のところ,イラクから大量破壊兵器が見つかっていない。もともと無かったのではないか。あるいは有るとの証拠は無いとの諜報機関の報告を無視した。などと米国内外で米国等への風当たりが強くなっている。
 問題は,この問題を政争に利用しようとする意図があることである。イラクに毒ガスなどが無かったとは言えないことだけは事実である。見つからないだけである。見つからないことが存在しなかった証明にはならない。なぜか。それは,クルド人への毒ガス攻撃があり,イランイラク戦争ではVXガスなどが既に使われいた。従って,彼らがかつて持っていたことは事実なのだ。だから,査察を国際社会は要求したのである。彼らはそれに真面目に応えなかった。となると,隠し持っているからだと考える人も国も現れることはむしろ自然と言えよう。本当に持っていないならば,サダム・フセインのイラク自身が積極的に無実の証明をしなければならなかったのだ。これをなおざりにしたから今次の結果を招いたのだ。イラク自身が墓穴を掘ったということができよう。
 それとは別の視点から,私自身は国民の幸せを考えると,例え間違ったところがあったとしても,アメリカの攻撃によって,国民の虐待や虐殺を続け,恐怖政治を続けるサダム・フセイン政治体制が崩壊したことは良かったと考えている。イラクの多くの国民さえそうであろうことは想像に難くない。
アメリカ自身が我々の判断は正しかったのかと常に自問自答することは,この国の良さである。絶えず振り返り自省する。そのこと自体は良いことである。が,あまり萎縮しないで欲しいと考えている。悪いことは悪いのである。各国の主権は尊重しなければならないことは言うまでも無いことであるが,政治権力者は国民に対して何をしても許されるのか。と,逆に反問したいですね。私は,通常国民の幸せのためになる政治をし,社会通念上さほどに批判される状況がなければ最大限に国家主権は尊重されなければならないであろうことは当然である。だが,サダム・フセインが犯した犯罪(北朝鮮の金正日も同罪だ)は断罪して然るべき内容である。国民にその力が無ければ国際社会が手を差し伸べることは悪いことではない。そうでなければ下手をすると何代にも渡って国民の奴隷状態を継続せしめることになる。これはおそらく正義ではあるまい。
 また,イラクの国土は日本より広いのである。その全てを捜索して対象物を探し出すことは簡単ではない。移動することも可能だし,見つからない前に処分することも可能なわけで,その痕跡の発見となると簡単ではない。発見できなくとも無かったことの証明にはならないのである。
 16.2.8加筆
 最近イラクで大量破壊兵器の捜索に当たってきた責任者が交代することに伴って,この兵器がなかったのかも知れないという発言をしたことについて責任問題云々を言う人が居るのは残念だ。彼はリストにあがっていた90%を捜索したが,まだ見つかっていないので不安になって,残り10%を捜索しても見つからないかも知れないと言っただけである。何年たったら歴史から学ぶのであろうか。
 隠す人は分からないように考えて隠すのである。いくら探しても見つからないことは有り得るのである。地球を全てひっくり返すことなどできるはずも無いからね。また,既に捜索し終わったところに隠すことも可能だ。
 これまでいくつの刑事事件がありました。その全てで証拠品は発見できましたか。できていないで迷宮入りになっている事件すらあるでしょう。また,王の墳墓は財宝も一緒に埋葬されているので,よく盗掘にあうが盗掘に会わないで数千年たって発見された場合すらエジプトで発見されていますよね。ツタンカーメンの黄金のマスクなら誰でも知っているかな。大英博物館に行って確認すれば簡単にすぐ分かることでしょう。お隣の中国でさえですよ。秦の始皇帝稜とされている兵馬俑もそうですね。今日まで発見されなかったからあのようにして保存されてきたのでしょう。日本ですら佐賀県吉野ヶ里の墳丘墓で発見された王権を象徴する直剣しかりです。このことの意味することはどういうことかお分かりでしょう。犯罪の証明は「使用したことをもって証明」となるのです。(/16/2/8)
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高くついた勝ちを急ぎすぎたつけ(H.15.9.10)
 現在、米英軍を中心とするイラク駐留軍はテロリストの攻撃の的になっている。このテロリストはイラク一般国民と同じ姿をしている。駐留軍にとっては,いつどこから狙われるか分からない状況だから事は深刻である。日本軍が中国の南京における更衣隊に悩まされ掃討戦を展開せざるを得なかった悩みを現在味わっていることになる。このテロリストは自爆もいとわないから更に深刻な状況だ。
 このテロリストは,サダム・フェダーインの残党、国外から侵入したアルカイダ,その他のテロ組織が関与しているようだ。この数の多さは,米軍が余りにも順調に進軍したために,彼らは戦う機会と時間がなかったために,戦死する機会が与えられなかったことによる。一方的な勝ち戦にも問題があることを教えている。いまさら言っても始まらないが,米軍はもっと苦しんでいるところを見せ,彼らをおびき出し,米軍の戦死者も水増しして,敵意のある者に戦意を抱かせ,戦場へおびき出し,やるべき戦いをする必要があったのだが,できるだけ早く終わらせようとしたしたのだろう。この戦いをできなかった者が多数いることがテロ攻撃の多さとなっているのであろう。
 この方針が戦略として正しかったかどうかは,今後の展開によってどれだけの犠牲者が出るかによって判断されるだろう。
 今から,駐留軍が取るべき方法は,イラク人による治安部隊をできるだけ早く十分な数まで増やすことだ。して,駐留軍は後方支援に徹することである。
 もう1つはサダムの組織になっていた部族の長老以下の部隊を駐留軍の協力軍に組替えて行くことだ。彼らはサダムの天下だったから彼の支配下で生きるために協力したのに過ぎない。一部の筋金入りを除けば,天下が変われば人々は新しい環境に順応しようとする。これを排除しようとすると,やたらと多くの敵を作ることになる。できたらそっくり組織を利用するくらいの度量が必要である。多くの人は生きるために従っていたのに過ぎないからである。
 暮らしが良くなれば感謝もし,協力もしようが,悪くなれば反発もする。
 今のイラクの状況は,治安は最悪,サダムが放った犯罪者は十分にその真価を発揮しているところと言えるだろう。こういう中で一般民衆はどういう反応をするだろうか。アメリカに抗議していればテロリストから攻撃される確率は減少すると考えられよう。逆にアメリカに好意的な言動をすればテロリストに攻撃される確率は高くなると判断されよう。駐留軍は命の保障はできない相談だから,より安全な方法として人々は駐留軍批判に走ることになるのである。だから治安状況が変われば,人々の言動も変わるのである。現在の批判はある意味で彼らが生き延びるための批判である。駐留軍はそのところを甘受しなければならない。要するにイラク人の心を理解することである。卑怯者と言われようと,これが一般民衆なのだ。
 テロリスト対策としては,新兵器を開発することである。どんな新兵器が考えられるか。それはテロリストを識別できる兵器である。どうやって。これはまだないと思われるが,アメリカはこれから長い時間をかけて戦わねばならないのだから,開発する価値がある。戦いはイラクだけではないから,恐らく百年はかかるかと思われる。方法は次のとおりである。
 ずばり人間から放出されている脳波を分析する携帯用の装置,高感度の指向性脳波分析器を作り,テロリストの発する脳波を嗅ぎ分け指示を出すようにすれば良いのである。こうすることで攻撃される前に,逮捕或いは予防攻撃ができるだろう。
 現在は脳科学が格段に進歩している。敵意を持つ攻撃意志をもった人物の脳波と,敵意はあっても攻撃意志をもたない人物の脳波には違いが有るだろう。また,程度にも強弱はあるだろう。この違いを解析できるシステムを作り上げることである。されば見分けは容易となる。この脳波を研究し,好意をもっている人物,人の物を盗もうとしている人物,人を殺そうとしている人物,強姦しようとしている人物なども識別できるように,脳波の違いを解析できる装置と,データの蓄積を図ることであらゆる犯罪にも対処できるようになるだろう。だだし,悪用されないように,それなりの法整備は必要であろう。科学技術には光と影が有ることを十分に心得ておく必要がある。また,テロリストにはテロ行為を止めることを求めたい。して,イラクの建設にその力を振り向けて欲しいものだと考えている。彼らも人間なのだから。できるならば彼らをイラク建設のための人材と作り返られたらベストである。その方法がないわけではない。彼らにも無垢な時代はあったのだ。何かがあって人生が狂ったのであろう。頭を作り変えることである。衣食足りて礼節を知るとも人は言う。まず,誰もがある程度食べられるようにすること。次に,教育である。逆ではない。イエスは「人はパンのみにて生きるに有らず」と,言っている。これは,食べられれば人として十分ではなく,教養・道徳・愛が必要なのだと言っているのであって,食べられなくても後者があれば十分だと言っている訳ではない。イラクに愛の手を差し伸べることがイラクにある怒りを沈め,怨念を開放することに繋がるであろう。
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盟友日本の取るべき道(H.15.9.10)
 現在日本は自民党総裁選の最中にある。私は誰が良いとは言わない。それは国民が決めることである。人気投票では小泉首相が過半数のようだが。それぞれが主張を闘わせ議論すればするほど,よりましな選択の機会が訪れる可能性は増大しよう。誰も日本を悪くしようとしている者はいないと思いますからね。私としては,行財政改革も必要だし,デフレ対策も必要との認識だが,百%意見が一致する人などいないのだから,人は重要度の高い項目が一致している人から選ばれることになろう。その重要度は人によって異なるということは言うまでもない。
 北朝鮮というならず者国家が近くにあり,日本人を拉致し恫喝しているのだから,日米関係最重要視するのは生存本能というべきものであろう。だから,経済がいっこうによくならず低迷状態を続け,年金不安,リストラ不安などなど解決すべき問題が山積しているにもかかわらず小泉首相支持なのであろう。
 現在の論調の中には,安全なところなどないのだから,自衛隊は出す必要はないという主旨のことを述べる人がいる。私はこういう考えに立つのなら自衛隊派遣は必要ないということになるどころか自衛隊はいらないと考えるね。だが,そもそも自衛隊といえども軍隊である。隊員には勿論危険手当も出でいる。死を恐れていたら自衛隊員としての務めは果たせまい。だいたい国内においてさえ,歩いていても事故に遭って死ぬ人さえいるのであって,百%安全な所は地球上には存在しない。まったく持ってナンセンスな議論をしている。自爆テロなどに対して備えをした上で,支援の方法はあるであろう。
 まず,ロケット弾等を発射する場所を突き止める高性能レーダー,爆弾などを所持している人物を見分ける探知システム,自爆テロなどを防ぐ防塁付の陣地,及び侵入路にたいする堀割付の自動落下できる橋などを構築し,自爆テロ攻撃に備える。身の安全を図った上で,支援事業を展開することだ。市中パトロールはロケット弾に耐える構造とし,GPSを使った自動迎撃ミサイルも装備した物にすることだ。状況を考えると工兵隊も必要になろう。
 こんな議論をしていては,日本は危なくなったとき,危険だから引き上げると米国から言われたらどうするつもりだ。同盟国というものはお互いに命を張って協力する関係を言うのではないか。それを否定するなら,それは絵に書いたもちであると思うが。不幸にして命を落とした隊員が出たなら出たで補償を手厚くする他はない。警察官だって殉職することはあるのである。店で働いていて強盗に襲われ命を落とす人もいる。夜道を歩いていて強姦魔に襲われ命を奪われる者もいる。およそ地上に百%安全な場所はないのである。だから想定される危険に対しては備えをもって対処する以外にないのである。ただちに支援自衛隊を派遣するべきなのである。
 そうして初めて日米は確固たる同盟関係になるのである。
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自衛隊イラク派遣は万全の備えをもってなすべき(H.15.12.12)
 外交官2名の犠牲者が出た。これに対し,だから危険だから自衛隊は出すべきではないと言う識者やマスコミ等が存在する。これはイラクのような正式な政府が存在せず,治安も最悪な状況下で,自衛隊による護衛もなく外交官が情報収集に当たっていた結果である。相手国政府が外交官の生命の安全を保証するなら自衛官の護衛は無くとも良いかもしれない。が,イラクのような場合は,自衛隊による護衛が必要である。この犠牲は戦前の亡霊に手足をしばられ,これを怠った政治家の怠慢による犠牲である。かの二人の犠牲者に応える道は,かかる状況の外交官への護衛を自衛隊によってできるように法律を整備することなのである。これをせず葬式だけを立派にしたところで,犠牲者を無駄にしないことにはならない。今速やかにすべきは,通常外国がしているように,自衛隊による外交官の護衛を可能にする道を開くことである。
 二人の犠牲者によって,首相はせっつかれたように,派遣の有無を決めねばならぬ羽目になったということが正確なところか。我が自衛隊は,イラクの援助のために行くのである。なぜ自衛隊であらねばならぬかははっきりしている。第一に,選定した現地でさえテロをする者がいるかも知れず,危険を予感させるからである。第二は自衛隊は自己完結能力を有しており,もっとも効率的に援助ができる専門家であるからである。
 9日派遣実施要綱が閣議決定されたようだ。私は,遅すぎると思ってはいるが,さらに先送りするよりはましであろう。日本はテロには屈しないと宣言してきたのだ。ここで脅しに屈したら更に攻撃されるだろう。反撃しない弱い者に,よってたかって襲いかかる例はいくらでもある。安全に攻撃できるのだから当たり前である。テロ集団には自衛隊にテロ攻撃することが高くつくことを身をもって教えてやることだ。それが唯一安全になる道である。防御の高いところではなく,防御の弱いところを攻撃するのは戦略的に正しいからである。だから,できる最高の防御システムの備えをして,自衛隊は送り出す必要がある。ハリネズミのごとくしておくことが重要なのである。あらゆる奇襲テロに対応できるように備えておく必要がある。これのみが唯一犠牲者を出さない道である。犠牲はこちらに油断があるからである。装備の出し惜しみは犠牲者を増やすと心得よ。もって行き過ぎなどと批判されることを恐れてはならない。批判する者は犠牲者がでれば,待ってましたとばかり批判の大合唱をするに違いない。どのみちどんな装備でも批判したい者は批判するのである。彼らは隊員の命の保障はしない。自らの命は自らが守らねばならないのだから遠慮はいらないのである。今回の,装備は以前よりはマシなのかも知れないが,米軍のストライカーのような装備も必要である。相手は,ロケット弾,機関銃で攻撃してくるのだ。旧イラク軍将校,配下の者もかかわっているという状況なら,ミサイル攻撃,化学兵器による攻撃もあると考えて対処できるように,識別キットやミサイル発射地点を反撃できる装備である対地ミサイルも持って行ったら良い。が,我々は援助が目的であることは絶対に忘れてはならない。
 一つ配慮が足りないと思われる点がある。イラクの治安が悪いのは80%という高率の失業のせいでもある。これを少しでも緩和する事業を展開することである。できるだけ現地人を雇い彼らに収入の道を与えることである。こうして,失対事業を自衛隊が中心になって展開することだ。無償のODAを使うことだ。こうすることによりイラク人に感謝される道を歩むことが米英とは一味違った日本の味を出すことにつながろう。彼らは飢えている。彼らが食べられるようにすることは理にかなっている。道路の修復に,下水道の修復に,学校の再建に,現地人を雇い隊員はその指揮をするように,具体的な事業計画を立案して行くと良いだろう。これをじゃまするテロリストが現れたら,撃退するほかは無い。
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捕われたサダム・フセイン(H.15.12.16〜12.19)
 2003年12月13日元イラク共和国大統領サダムフセインは2m位掘り下げられた一人がやっと入れるだけの穴蔵の中に潜んでいるのを,彼の故郷に近いティクリット近郊の農家の近くで米軍によって捕獲されたことが現地米軍文官によって報道された。彼が捕獲される前,最後に取った行動は、「撃つな」である。意外にも「無抵抗であった」と,報道されていた。もっとも,これは米軍の演出だと言っていたメディアもあるが。いずれにしろ,反撃せず,どんな形にしろ投降したことは事実である。ここに独裁者の本質が見事に現れている。一般兵士には,「最後まで戦え」と,言っていたが。自分のときは「命乞い」をしている。投降したとしても,命乞いには違いない。他人の命は実に粗末に扱わせている。こんな指導者の下にいた「イラク人が哀れである」。発表時イラク人記者からは歓声が上がった。世界中の人々がそれぞれの立場から思い思いの言葉を言っている。反米の立場の人はそれなりの言葉で。また,親米の立場の人もその立場で,中立の人は客観的立場でそれぞれの感想を述べていた。
 では,今後の展開はとなると,それぞれの立場から,期待も込めて,「テロが激しくなる」とか,「テロは下火になることを期待したい」とかと。が,これらは全て希望的観測である。テロが激しくなるも下火になるも今後の「サダム・フセインの扱い次第」と,私は思っている。では,日本を始め,イラクに平和と協和・復興を願っている立場なら,どうなるべきと考えるかによって,どうシナリオを描き展開させるかが決まろう。
 私は,我々の立場から論ずることにする。多くのイラク国民を虐殺した(彼自身は殺したのは犯罪者やスパイだと言ってはいた。イラクでは犯罪者はあのように葬るのであろうか。日本では考えられないことだが。刑死の後でも家族が引取りに来ている。ごみのようにブルドーザーで埋められることは無い。)サダム・フセインの末路はどうあるべきかは,彼ら@「イラク人」に「イラクの法律」によって,裁かせるのが一番良い。次はA「国際司法裁判所」,最後はB「米国の軍事法廷」である。
 @の方法は,最も民族感情を刺激しない。Aは世界の意見なら「止むを得ない」,Bは反米感情に火をつける恐れが多分にある。悪いやつでも外国人に裁かせるのは彼らの自尊心を傷つける。いわば「治外法権を許している状況だからだ」。従って,後の統治を考えると,シナリオとしては@がベスト,Aは次善の策,Bは最悪の選択ということになるであろう。
 だが,@の場合でも密室での裁判は何かと米国が疑われる。公開の場で,外国記者の傍聴を認め公明正大に行うことだと考える。
 期間については,六箇月以内に判決と処分を出すことが望ましい。長引けば長引くほど,旧政権の復活を望む「旧政権下でうまい汁を吸っていた連中とシンパ」からの「サダム・フセイン」奪還の「ハイジャック」などの冒険が起こる可能性はある。なぜこれを冒険と呼ぶかは,現況を考えると,「ハイジャック犯」を受け入れる適当な国は,報復を考えると,おいそれとは出にくい状況があるからである。
 処分が決まり,彼がさまざまな罪で処刑されれば,彼を求心力とするテロは収斂することになる。組織を維持するには,「金」と「旗印」が必要だ。この一方が消えることの意味は大きい。次の旗が決まるまで「内部抗争」が展開されよう。それは下火を意味する。つぎに,テロを続けるには「武器と金」が必要だが,イラクには武器は溢れているようだ。問題は,前政権が残した金がどうなっているかだろう。この金を確保することだ。
 処分の中身については,国連事務総長は,処刑は避けるべきとの考えのようだが,次の二つの理由と紛争の解決のために,私自身は極刑が相当と考える。@三,四人も殺せば日本では常識的には一般人なら死刑である。彼は分かっただけでも,5000人のクルド人の殺害を命じていることは尋問の中で認めている。イランに協力したからだと言い訳はしていたが。イラク人数千人を虐殺して無造作に埋めて虐殺の証拠隠滅を図った。Aクウェートに侵攻を命じ,クウェート人を殺害している責任者である。よって,彼は万死に値する。万死とは数え切れないほど繰り返し死刑にしても足りないという意味。根拠は(クルド人5000+イラク人9000以上殺害+クウェート人何人でしょうか)/4は少なくとも3500回以上の刑死にあたる。追加の理由は,彼が生きていれば,彼を担ごうとして奪還を図る集団が現れる事が当然のごとく予想される。卑怯で卑劣な指導者ではあるが,それでも担ごうとするものは現れるであろう。これはこれからできるであろう新政府にとっては災いの元である。禍根は小火のうちに消すに限るからである。彼を生かしておくことは後の政情不安の種をまくことに通ずる。であるから,独裁者は処刑以外の選択は無いのである。歴史的にもかかる理由で,権力者は処刑された例が極めて多い。
 処刑しないで問題になった例としては1804年に帝位についた,フランス皇帝ポナパルド=ナポレオン一世がいる。彼は初回地中海のエルバ島に流された時,脱出を図り成功させ帝位を復活させ百日天下を取り,欧州諸国に対し戦いを挑んだ例がある。これを見ても分かるように権力者は生きている限りその影響力は不死身なのである。今回の場合,政権の中枢を占め甘い汁を吸ってきたといっては語弊があるが,影響力を行使できるのなら,もう一度サダム=フセインを担ごうと,旧支配階級やスンニ派系住民が思ったとて不思議は無い。処刑はこれを絶つ意味がある。
 彼を許す道があるとすれば,彼自身に彼の支持者に呼びかけさせ,支持者のテロを収めさせ,結果が成就した(テロが収まった)とき,その功績によって,20年位の有期刑とし,この間にイラクが安定し,平和が回復した場合は,期間を短縮して特赦によって以後の刑を免除することはあっても良いだろう。これにはこれで問題があるにはある。彼の影響力を証明する結果となるからである。が,いずれを選ぶかはイラク国民に任せたら良いと思う。その結果の責任を被るのは善きにつけ悪しきにつけイラク国民にその大部分が掛かってくるからである。
 問題は更なるテロが続くかどうかだが,少数の反米組織は残存することになる。消えることは無い。犯罪がいつになっても尽きることが無いことに同じである。が,減ることはあるだろう。これまでアメリカの政策実行者は反イスラムと思われる発言を何度か不用意に言ってしまった。また,実際の政策としてもイスラム革命封じ込めをしてきた。これは熱心なイスラム信者にとってアメリカに反発するに十分である。従って,アメリカがその強さに頼った政策を続ける限り,これに反発し,テロを考える者を無くすことはできない。しかしながら,どんなに善意に満ちた政策を実行しても,ゼロにはならないであろう。それは,アメリカが世界に君臨するある意味で勲章でもある。が,テロを減らすことは可能である。それは世界の諸民族を尊重する政策を忍耐強く実行し,その誠意が認められたときだと思う。それまでの長い間トップであるがゆえにアメリカはテロリストから狙われると,考えられよう。今は耐えるしかない。今必要なことは,それでも援助を続け彼らが食べられるようにすることである。これを続けることによってのみ,怒りは消える。ただし,テロが起こればこれを犯罪者として捕獲し裁き罰することは必要である。銃撃戦で死亡するのであればそれは身を守るためにはいたし方ござらん。これを避けたいなら,撤退あるのみである。イラクの治安は信頼できる政府に任せることである。これが根付くまでは,駐留を続けることが望ましいとは思っている。しかしながら,撤退は当面の犠牲は避けることはできても,テロリストを勇気付けさせるだけで,アメリカがテロの標的からはずされることにはならないと考えられよう。世界中でテロリストから狙われよう。だから,「単なる撤退は何の解決にもならない」ということになる。
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サマーワに降り立つ自衛隊(H.16.1.28)
 自衛隊派遣に最終決断をした小泉首相・自民党、これを最終的に支持した公明党,紆余曲折はあったが,イラクの復興を助けようとする日本の姿勢は日本の戦後史を飾る歴史的決断であったということになろう。幸い現地の人々から歓迎されている姿を確認できたことは,日本の真意が彼らに伝わっているということであろう。喜ばしいことである。勿論,イラクでの前体制復活を望む者には面白くないであろう。従って,テロを試みる者の出現は想定しておく必要がある。
 現地からの報道姿勢については考えておく必要がある。先遣隊の報道を見ていて,あれでは自衛隊員の数より報道陣の数の方が多い。まず,数を制限すべきである。報道陣の安全は誰が守るのかな。自衛隊ですか。であれば,子守が大変なようになる状況を作るべきではない。こんな状況を放置すれば,テロの格好の餌食となるであろう。ごく少数に厳選すべきである。選び方は報道陣の互選でよかろう。こんなことをしていると,漢末の時代,劉備が新屋から彼を慕う大勢の農民と供に落ち延びようとして,曹操の軍の餌食となり惨劇を招いたようになりかねない。隊員の数の1/100位,多くとも1/20位までに制限するべきである。この位なら,隊員と報道陣の安全も守りやすいであろう。
 次に,報道内容と方法であるが,至近の隊員の姿,部隊の配置,装備の詳細及びその性能などは報道から全てカットすべきである。テロリストに自衛隊の装備より勝る武器を簡単に準備させる情報ともなりかねず,隊員及び報道陣の生命を危険にさらす結果となる恐れがあるからこれをしてはならない。三十メートル以上離れた遠影を背景に,場所を特定できないようにして,標準レンズ(自衛隊に対してはズームなし)で言葉による報道がよい。背景をイラストに置き換えても良いくらいである。オサマビンラーデンの宣伝映像は撮り方が賢い。慣れているといった感じだね。だから捕まらないのだろう。習ったらいい。どこにでもある風景をバックに報道するのが最も安全である。自衛隊はもっと情報を出してほしいと報道陣が言ってきても,報道陣が自衛隊員の命の保障はできる訳もないから,危険となる恐れのある情報を出してはいけない。情報が何もないのは無事との情報である。これよりありがたい情報はない。
 我々にとって,何が価値ある報道かといえば,無事任務を終え,イラクの復興が軌道に乗り,イラク人に感謝され,全員が再び日本の地をその足で踏むことができたという報道である。これ以上に価値ある報道はないのである。それ以外は末葉の報道に過ぎない。そのためには逆に情報を利用することがあっても良い。偽情報,本物の情報これらを駆使し,テロリストを翻弄せよ。情報を制する者が最終勝利をつかむことは古今東西の戦いにおける結論である。移動・場所・日時・隊員名・人数など標的の材料とされうるデータは当然暗号を使うべきである。
 さて,派遣に反対している野党の諸氏についてだが,私はこれはこれで価値があるとは思っている。なぜか。憲法の縛りがある中,これだけ反対がある中で,日本は派遣してくれたのだと,派遣の価値は高くなることがあっても下がることはないからである。俗にいう引き立て役としての価値がある。大変な決断をしたと諸国に見せることが可能となる効果がある。これを馬鹿にはできない。場合によったらこれを高く評価させる材料ともなろう。政治家というものはどこの国でも世論を背負っているからね。効果は抜群である。だから,野党は健全な反対は大いにしたら良い。議論を尽くす意味もある。
 また,無事にはすまない可能性があれば,反対する者がいて当然である。反対する者の数の多さは,ある意味で日本における民主主義の健全性の証明になる。が,反対は派遣までであると思いますよ。多数の意見に従うのは民主主義のルールであり,更なる健全性の証明にもなるからである。野党としての存在をアピールするためのものだとは思ってはいるが。まあ,テレビを意識してのショウなのでしょうか。案外与野党含めてカメラのないところでは,それこそ仲良く飲んでいるのかも知れないね。日本の政治家にはそのような「戦友的暖かさがある」と言っては語幣があるが。私自身はこれはこれで良いとは思っており,これを私は談合などと言うつもりはない。が,派遣されたからには隊員たちが無事に戻ってくることを全員で祈ってもらいたい。誰だって命は惜しいのは当たり前である。報道陣は当たり前のことを聞かないでもらいたい,聞けばいたく心を傷つける。残酷な質問であるからだ。奥さんは誰か代わりに行って欲しいなどと,仮に思っても言えるわけはないだろう。命は誰だって一つしかないことぐらい知っているではないか。そうそう,夫を犯人に殺害された未亡人に,「今の気持ちは」などと聞く無神経な記者もいるから,記者にはもっと聞き方,取材の仕方を勉強して欲しいと思う。人格がないとも思いたくはないから。
 私は,危険のある任地に国民を代表して赴かれる自衛隊員全員に感謝の言葉を送ろうと思います。「自衛隊の皆さん,ご苦労さんです。任務を果たし,全員無事に日本に戻ってきて下さい」と。
16.1.31加筆
 報道を見ていて感じたことだが,自衛隊員の戦闘服と戦闘帽のことだ。あの姿は緑の多い日本国内や,同等地域なら保護色となりその存在を目立たなくする効果がある。でも派遣地域は砂漠のような緑がほとんどない地域ではありませんか。あの姿では逆にその存在が目立つように思えます。と言うわけで,派遣地域の環境に相応しい姿で派遣できるように柔軟に戦闘服と戦闘帽の規格をさまざまな色の組み合わせで調達できるようにすべきではなかろうか。(/16.1.31)
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迫撃砲弾発射と復興への道(H.16.2.12-13)
 二月十二日朝五時頃サッカースタジアムや学校近くの空き地から暫定統治機構のある建物方角に向かって迫撃砲弾が発射された。着弾点は道路と民家の屋根であった。屋根が壊れたのと近くの民家の窓ガラスが割れたのが被害で傷ついた人が居なかったのは幸いであった。この迫撃砲は七連装で四発は発射されずに残されていた。二発だけが発射されたようである。一発は装てんされていなかったことになる。
 このロケット弾の発射装置は手製で時限式の装置のようだ。分析の途上のようだが,残りは不調だった可能性が大か。早朝五時の発射のようだから,警備の隙を狙っての発射ということになろう。暫定統治機構に向けての発射と思われる。政権移譲が迫っていることへの焦りから,全土で騒擾状態を作るのが彼らの狙いであろう。
 テロリストは,時限装置,無線操作などを用いて破壊工作をしているようだ。目に付かない時間帯に設置しているのであろう。これを阻止する手段は唯一つ,国民からの情報を生かすことである。これには国民の協力が不可欠である。この種の情報提供ネットワークを持っている者を治安要員として採用するのは極めて効果があると考えられる。所謂情報屋を金で買う方法もあるな。さまざまな方法で情報をつかむことだ。これには現地の事情を良く知っている有力者の協力を取り付けることだと考えますね。自衛隊にとって現地のイスラム指導者の協力が得られているようだから好ましい。この関係を良好にしておくことが何よりも大切であろう。
 イラクはやがて中東のあらゆる意味で強国となるであろう。資源は豊かで,中東で最も早く民主化の道を歩むことになるからである。この国の人々に力を貸しておくことは日本の国益でもあろう。イラクの組織化に日本もどんどん意見を言って,早く安定化の道を進めたらよい。
 復興事業は,民間企業を使い,現地人を雇って展開するように漸次変えていったらよい。自衛隊は民間へのつなぎでよい。治安を守る要請がでてきたら現地人による治安維持が軌道に乗るまで暫時留まるのも良かろう。本格的復興は民間が主体となる。現地に需要のある企業を誘致したらよい。こうして雇用を創出してイラクの安定は本格となるのである。ここに工場を作るのも良い。中東市場を視野に入れてアラビア語圏仕様の製品を製造しその拠点としての展開が可能となろう。賃金は日本の1/10と聞く。いずれ中国も賃金は上昇する。為替も調節することになろうから,いつまでも中国一辺倒はどうかとも思いますよ。我々はイラク同様アメリカの占領下からの復活と言う共通のキーワードを下に彼らの手助けをすれば必ず参考になるに違いない。(/16.2.13)
 16.2.16-18加筆
 福田官房長官の言だと,上部からの攻撃には防ぎようがないとのことだが,私は次のようにすることで少なくとも至近弾を防ぐことはできると考える。
 野営地の住居部の然るべき範囲を適当なメッシュの超高張力鋼でできたワイヤーネットで二重に三重に覆うことである。ゴルフ練習場のように。メッシュは網の目の大きさの単位である。ワイヤーが伸びても砲弾を通さないサイズであれば良い。なお,結び目が滑る事も計算に入れておく必要がある。張力と強度がよければ新素材も可。ネットの高さを十五メートル以上に取れば,たとえネットに当たり沈んでも三メートル位かそこらで爆発しても地上まで十二メートルは確保できる。勿論,信管が作動しなければ爆発はしない。通常信管は砲弾の先端にある。ここが変形することにより信管が作動する構造と思われるので,ネットキャッチは不発弾にする確率が高いと思われる。地上二メートル位から箱型に覆っておけば効果抜群と思うのだが。炭素繊維のネットも強度がよければありだな。柔構造で受け止めるようにしておけば,爆発せず受け止めることもできよう。ポールは釣竿のように柔構造の炭素繊維が良いだろう。「柔はよく硬を制す」である。要するにネットでキャッチするのである。ここで柔構造にするのは砲弾を受け止める衝撃力を緩和する狙いがある。これで上部からの攻撃は阻止できよう。試してみる価値はあると思うが。勿論,強度計算をして理論上の実効性を確認してから設置する必要はあるが。命を守るという事は金のかかることなのである。して,夜間宿泊はこの中にすれば危険度は大幅に低下すると考えますよ。勿論,宿営地全てを覆っても予算上問題なければやったらよい。瀬戸大橋だってワイヤーで吊っているのだから可能だと思うよ。また,このワイヤーネットは再利用可能だから,今後の派遣でも活躍すること間違いなしと思うが。暫定統治機構の建物をこのワイヤーネットでしかるべく覆うということも可能だな。建物から十五メートルくらい離れた位置に建物をぐるりと囲むように張り巡らしたら効果十分であろう。勿論,上部も心配なら上も覆えばよい。(/16.2.16-18)
 16.2.25加筆
 上の防護用ワイヤーネットは中央に20m位のポールを建て,周辺部を3mの高さのポールを建てる。ポールの先端に接続金具を付けてポール間をワイヤーで張り骨組みとする方法もある。多角錐の構造とするのである。多角錐の面に当たる部分をワイヤーネットで被えばよい。周辺のポール間のワイヤーの下には必要に応じて下へワイヤーネットを張る。錐体の稜線には二本のワイヤーを張り,各面のワイヤーネットの張替えが容易にできるようにしておくとこの方法は,単位ネットの面積が上の方法よりかなり小さくできるので,破損した場合の修復が簡単であると言うメリットがある。網の目の大きさは40mmで直径約50mmの輪になる。外形70〜100mm位のロケット弾なら受けとめるには丁度良いサイズであろう。直径6〜8mm位の強度が取れる構造のステンワイヤーで全天候オーケーとなるであろう。市販が無いようだからオーダーメイドにすれば良い。これでサマーワの自衛隊は安全になると思えるのだが。(/16.2.25)
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列車テロに揺れるスペイン(H.16.3.26)
 スペインで総選挙前に列車テロが発生し200人以上が死亡した。政権与党は,国民の90%がイラク派兵に反対する中,テロとの戦いを主導するアメリカの要請に応え,対米関係を重視する視点に立ってイラクに派兵した。野党はイラクに派兵したスペインのイラク派遣軍を撤退すると選挙公約を掲げて戦った。
 スペインは我々の眼からは統一国家のように見えていたが,日本のような単一民族国家ではなくいくつかの言語が話され地方により自治が行われ更にはバスク地方のように,独立を唱えて政府軍と対峙している州もあるから複雑なようだ。かかる背景があったからか,現政権は「テロ」はバスクの独立派が行ったとはっきりしないままに断定した。後日イスラム過激派から犯行声明があった。国民は「派兵したからテロにあった」と,受け止め,バスクの独立派と断定した政府与党に反旗を翻したと言うことであろう。だが,これは国民は「撤兵すればテロに遭わない」と,考えたということだ。スペイン軍が何人のイラク人を殺したと言うのであろうか。ほとんど殺してはいないのではないか。イラク国民のために,単に治安維持のために参加したのに過ぎまい。死に損でもいいというのであろうか。国内は地方により自治が行われているという事情から,同胞という意識が希薄なのであろう。スペインは特別外国からの攻撃にさらされているわけでもなく,EUの一員という意識の方が強くなってきているのかも知れない。テロリストに対する反感より国内の政治家に反感が向いていると言うことか。この国民の愚かさはどうしようもないね。撤兵したところで派兵した事実は消えないし,米英を支持した事実は消えない。テロリストは許してくれるとでも思っているのであろうか。他の国ならテロに遭ってもいっこうにかまわないということであろうか。テロリストに対する全面降伏をしている状況だな。テロ対策を徹底しない限り安全になるとは思えないが。
 もっともこの野党,「六月まで政権移譲が行われなければ」という条件を付けているし,イラク派兵反対のデモには新政権幹部(現野党)は慎重に参加しなかった。選挙に勝つための戦術としていたことは明らかだ。米英と対立することに突っ走ることはさまざまなリアクションがあろうから慎重に政策決定はすることになろう。撤兵を取り下げる条件を米英が出してくれることを最良と考えているに違いない。およそ政治というものはこんなものだ。
 我々が取るべき道はテロ対策を強化することに他ならない。
 国内でテロをするとすれば,まず,テロリストが入国する必要がある。従って,入国の監視体制を強化することである。パスポートに使われている写真は偽造されるから意味が無いようだ。新しい識別システムを作り上げる必要もあろう。「手の平の指紋と同部位の血管文様」をセットで暗号化し識別のキーとすることで国際条約を結びこれらの識別機器を各国の空港の出入国管理システムに組み込めばよい。これで登録されたテロリストは即識別できるし,登録されていない偽造パスポートも高い確率ではじくことができよう。当面は現在可能な体制で強化を図るしかないが。
 また,テロには銃器または爆弾・爆薬が必要となる。従って,これらを扱う,銃砲店,銃器製造工場,弾薬・爆発物製造工場,同保管倉庫,自衛隊の兵站基地などおよそ武器が入手可能な場所を厳重に警備し盗難に遭わないようにすることが重要である。
 設置された爆発物の発見には,警察犬も活用したらよい。
 諜報機関を新たに設け,戦前の中野学校のように諜報将校を育て,空港などに配置,テロリストを検挙することだと思うがね。
 諜報将校の訓練には,イギリスやアメリカの力を借りたらよい。機能するまでの間,しばらくは両国の諜報将校による常駐訓練をしてもらうことである。こうして常時5000人位の諜報部員を必要な場所に配置したらよい。安全を守るためには奇麗事を言ってはいられまい。(/16.3.26)
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日本人人質問題の本質(H.16.4.14)
 今回のテロリスト(?)に限らず人質を取って,自分の主張をとうそうとするのは所謂「恐喝・恫喝」の類である。このようなことをするテロリストないしは犯罪者の主張を受け入れることは,この種の犯罪を助長することになるのは「世の常」と,思われる。巷間の推理小説でも,脅しに乗れば「次々と要求をエスカレートするシナリオ」に満ちている。脅すだけで,自分たちに都合の良い政策を相手に押し付けることも可能で,更には金だって手に入れようとすればできるわけだ。以前の「ダッカ事件」がそうであった。脅しに屈すればこうなるのは目に見えている。その点小泉首相を初めとする政府首脳が今回取った「(脅迫に屈する形で)自衛隊は撤退しない」方針は正しい判断であろう。この方針の下,救出の手段を講じることだと考えます。
 一方,家族の中には,「自衛隊を撤退してでも助けて欲しい」と泣き言を言っている者もいる。自分たちはいったいどんな指導をしたのだと言いたいね。政府はイラクは超危険だから,「渡航しないように」と,今年だけでも十三回指示を出していたと言うことだから,この警告を無視して行ったことになる。このような事態を想定しないで行ったと言うなら「馬鹿」の一言だ。でなければ「傲慢」とも言えよう。馬鹿に付ける薬は無いとも言うが,これ自体は本人の責任である。
 もっとも,わざとこのような事態を作り出し,「自衛隊を撤退に追い込もう」と,考えていたのかも知れぬな。日本人の中には国の政策に反対し行動する者が少なからずいるからね。たしか「ダッカ人質事件」を起こし,「犯人の釈放と身代金の要求」をしたのも「日本人」ではなかったか。もともと,彼らは自衛隊派遣反対だったようだから,こう考えたとて不思議は無い。人質を装うことだってできるわけだからね。
 彼らNGOは政府から補助金を貰って活動しているとも聞く。政府とは関係なくしたいのであれば,本来なら自前で活動資金を調達して活動すべきと考えるが。かかる状況だから,自衛隊が彼らNGOの分野で活動するのは言わば「競合」関係にあるわけで,歓迎しないわけであろう。一応ボランティアとしての自分たちの仕事が減ることになりかねないからね。ボランティアと言っても自分の交通費,食費などの自分にかかる費用は結局補助金でまかなわれている部分もあるわけだから,言わばNGOは就職先で,ボランティア活動と言っているものが仕事というわけだ。だから危険は承知で仕事に行ったのかも知れぬな。今日のように就職難の時代にはありがたい就職先でもあることにはなる。これも彼らとぐるになる動機としては十分である。自分たちが活躍できる場を確保するために自衛隊には帰ってもらいたいとね。
 彼らは人質になる際,何の怪我もしていないばかりか,話さえしている。ナイフを突きつけられたと報道している「某誌」もあるが,で殺されたわけではない。また,声明文も,イスラムのこれまでの主張とは微妙に異なっているようだから,日本を脅すように入れ智恵をした者がいるということであろう。敵は国内にむしろ居るのかも知れない。社民党・共産党は「自衛隊撤退」を言っている。彼らにとって,政府を困らせるように仕向けることは党利にかなっているとも判断されよう。従って,彼らには背後で「そそのかしたくなる動機に満ちている」とも言えよう。もっとも彼ら自身そこまでの考えは無く単に純粋に行動しただけなのかも知れない。しかしながら,世の中にはその純粋さにつけ込む者も当然ながらいるのであるから,つけ込まれたとすれば思慮が足りなかったと言うことにはなるであろう。そう言われないためにも,自衛隊撤退を彼らは口にすべきではない。勿論,たとい彼らがぐるであったとしても同じ日本人としては解決に全力を尽くして欲しいとは思う。現在のところ,事実は不明であるし,この先も本当のところは分からずじまいになることは予想されるからである。しかし,あえて言うなら,自衛隊を撤退せずに,彼らが殺されることになったとしても,政府に責任は無い。警告を無視して行った彼ら自身の責任であるからだ。もっともこれを小泉首相を初めとする政府の責任として利用しようとする者は出よう。が「テロに屈する選択は民主主義の否定である」ことを十分に説明し多くの国民を納得させる必要はあろう。
 「テロリストとは取引しない」とは「アメリカやイスラエル」の一貫した政策と思われるが,我々は,政策の変更はしないが,彼らの立場も認め,「司法取引」には応じても良いと思われる。一部とはいえ彼らもアラブ・イラク人の一員である。仲間を殺されれば反発したくなるし,殺したくなるのも道理の内であるからだ。少なくとも敵を増やさない努力は必要と思われる。彼らも友人として恩讐を越えて行く必要があるからである。イラクは日本と違い,宗教指導者・部族の有力者の影響力が強い。「郷に入れば郷に従え」は先祖の知恵であろう。ならば彼らの力を借りられるように働きかけるのは道理にかなっている。民主化といっても,それぞれの地域にあったスタイルを考えても良いのではなかろうか。人は無視されれば反発したくなるのは人の常ではないか。自然の流れに逆らって構築しようとすれば大変な犠牲を強いることになる。我々はそこまでの犠牲を払ってまで民主化のレベルを急ぐ必要は無いと思われる。(/16.4.14)
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救出費用負担のルールを作れ(H.16.4.15-5.8)
 今回人質は無事救出されたようだ。これ自体は喜ばしいことだ。関係機関の努力の賜物でしょう。良かったと思います。ところでこれら救出のためにかかった費用は誰が負担するのかな。救出された人の中にはまたイラクに行くと言っている者もいる。また,フリージャーナリストは仕事だからと言っていた。今後も行く気なのであろうか。仕事なら救出費はコストであろう。彼らは今回の事件をネタに救出劇の本を書いて売ることもできよう。かかった費用は全て請求するのが良いと思われる。でなければコストはそちら負担で救出劇と言う売れるシナリオを低コストで得られるとなれば,このようなフリーライターに続く者が続出しよう。ここは懲罰的な意味もあるから,かかった費用の倍位本人に請求し,しっかりとお灸をすえる必要がある。このような冒険は割に合わないことを身をもって教えるためである。
 後で人質になった2人のフリーライターの中には「政府が自衛隊を派遣したからだ」と言っている者がいた。何という不遜な態度か。政府の決定は即ち民意の決定である。これを否定することは民主主義の理念を否定することであり,独裁者的発想と言わねばなるまい。こういう事を言うのなら救出はやはり家族の依頼を以って行動を起こし,その費用を依頼者に請求する仕組みにする必要がある。彼らは取材のために行っているのであり,その取材記事を売るのが目的で国民が彼らに取材を依頼したわけではない。彼らの金儲けのために国民の税金を使うなどもっての外である。
 というわけで,結論から言って政府の退避勧告や渡航禁止勧告を無視して危険地に滞在ないし渡航して被害にあった結果救出する羽目になった場合は,家族や本人の要請に基づいて政府の関係機関は行動する。その費用は,懲罰の意味も含めて倍額請求が相当である。表に計上できる金とは別に,関係機関職員に対して通常勤務以上の労役を課すことになる。また様々な国・団体・人に協力を仰ぐことなり,国際的な借りを作ることになる。当然後日これに見合う協力をする羽目にもなろう。だから概算二倍なのである。これを本人ないし要請した家族・支援組織等に請求すべきものと考えられる。国の負担とするのは結局国民の税金であるから,身勝手な行動の付けを国民に負わせることに他ならず,これはとんでもないことである。人の金と思うから勝手な行動ができるのであって,自前となれば行動も慎重になろう。これは身の安全を考えれば結局本人のためでもある。
 どうしても行きたい人のためには,事故保険への加入を義務付けるとよい。万が一の場合,この保険金で賄うのである。また,法律を整備して各航空会社は保険の加入が無い者には危険地への航空搭乗券を発行できなくすればよい。保険会社は所謂戦時保険の考えを準用し危険の度合いに応じて,高率の料率で戦地保険を発売したらよい。また,この種の保険は保険各社が保険を掛け合うようにしなければ発売できない仕組みも必要と思われる。要するに危険な場所はコストがかかるということである。彼らがなぜ敢えて危険な戦地へ行くか理由ははっきりしている。要するに高く売れる写真や記事が得られるとの経験に基づく打算的読みがあるからであろう。彼らは真実の報道を言うであろうが,これは表の理由である。一ジャーナリストの報道など凡そ真実とはかけ離れている。該当者の視点からの報道になるのは当たり前である上,書く人の思想的影響を受けるからである。同じことの報道に対する各新聞社の報道を読み比べればそのことの意味が容易に理解できる。困っているイラクの子供たちへの人道援助をしていた人はジャーナリストよりは純な気持ちもあるだろう。が,困っている人は何もイラクの子供たちだけではない。日本にも困っている人はたくさんいる。アフリカにだってである。その中で敢えて危険なイラクをなぜ選ぶか。理由は簡単だ。イラクで無ければならなかったのだ。頭に,イラクのフセイン体制擁護・イラク戦反対・自衛隊派遣反対がある。いい口実に自衛隊撤退を迫ろうと考えたのであろうか。以前も行っていたようではあるが敢えて紛争地を選ぶのは,これに対する批判のためであろう。これは国益に反する行為と考えられよう。最近の状況を考えると,旧フセイン体制派やアルカーイダの代弁者的立場ともなっている。劣化ウラン弾の調査のためと称した高校生活動家がいたが,兵器は何も劣化ウラン弾だけではない。これも反米活動の一環であろう。放射線を放出する「劣化ウラン弾」の弊害は調査せずとも既に分かっている。米軍がこれを使うわけは,「劣化ウラン弾」が「ウランのかす」でできていて,これが重金属であり,砲弾とすると破壊力が大きいからである。これは戦車などの厚い装甲も打ち破れると言わている。強者の横暴と言えば横暴だが,世の中こんなものだろう。世の中は理想で動いているわけではない。取引で動いているのである。
 話を戻すが,退避勧告や渡航禁止勧告が無い場合でも,それなりの危険が予見できた場合の救出費用の実費は本人とその家族に請求するようにしたらよい。遭難の救出費用の考えと同じでよい。このため,この種の事故に備え,旅行保険の中にこの種の事故即ち誘拐などの犯罪に対する担保をつけた保険を発売し,旅行者に加入を義務付けたらよいと思われる。保険料率は事故発生の確率と被害額に応じて,旅行する国・地域ごとに費用・料率を国際間で話し合って,世界の統一基準を決めたら良いと思われる。21世紀はテロと犯罪との共存の世紀となりそうであるからである。勿論,費用と料率は毎年の事故発生と支払額の実績から費用・料率を算定する必要がある。リアルタイムで料率に反映できればなお結構である。
(/16.4.16-5.8)
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米軍による人質虐待報道と米民間人虐殺の勘定(H.16.7.14)
 先般米軍による捕虜虐待の報道があった後,報復と称して米民間人の虐殺シーンがテロ組織によってインターネットで流された。この事実に虐待報道をした該当記者は何と思っていることか,ぜひとも聴きたいところだ。少なくとも先の報道をしなければ後の虐殺も無かったとも思われるからである。戦争の延長にあるような状況で敵の神経を逆撫でるような報道をすれば相手が激昂するであろうことはジャーナリストなら想像が付くはずであろう。従って,米民間人虐殺はかのジャーナリストが引き金を引いたことになる。
 そもそも,米軍はなぜあのような捕虜虐待を何のためにやったのであろうか。公になれば批判されることを承知の上で。私は次のように考えるのである。
 まず、「米軍の兵士は毎日のように戦死者が出ていた」と,いうことに注目する必要がある。この状況は米軍にとって耐え難い状況であったろう。つまりは余裕がなくなっていた。余裕がなくなるとどういう行動を人は取るかということである。もはや,奇麗事を言っていられる状況ではなくなっていた。現場の兵士にしたらもっと深刻であったに違いない。「明日は自分がやられるかも知れない」という状況では,テロリストの情報は喉から手が出るほど欲しかったに違いない。であるから,捕虜たちがペラペラと仲間の情報を売れば虐待は必要なかったであろう。が,そうではなかったから,情報を得るために謂わば拷問である「虐待」をしたのであろう。「人道的扱いをして殺される」より「非人道的扱いをしても敵の情報を得,生きたかった」と言うことであろう。これが戦場にいる者の心理であろう。これを私は批判できない。「生か死か」選べと言えば「生を選ぶ」のではないかな。
 この選択に批判が出来る人は所詮「安全な場所にいる人」だろう。
彼らは戦場にいるのと同じであり,見えない敵に常に怯えねばならない戦場では「虐殺や虐待」は起こるべくして起こるのである。それが生命体の本能(DNAの命令)なのだ。
 では,テロとの戦いの報道はどうあるべきなのか考え直す必要があろう。
まず,テロとの戦いは,所謂「国と国との戦争ではない」ということを認識する必要がある。国と国との戦争ではいずれの国も「戦争法の支配」を受ける。が,テロリストはこの法を無視するか,ないしは知らないから守らない。所謂犯罪者とほとんど違わない。この点を考慮すれば国に対してだけ戦争法の縛りを求めるなら国は著しく不利な状況に追いやられるであろう。して,テロリストが全世界に跋扈することに繋がろう。これは民主国家群の利益とは私は思わない。であるから,彼ら兵士が生き延びるために必要な情報を得るためなら,多少のことは目をつぶる必要がある。行き過ぎは勿論正さねばならない。がこの処置は影響を考えるなら,ことが終結してから正すのが望ましい。先のような事件を避けるためである。全てを明らかにすることが良いとは限らない。報復の連鎖の種になりかねないからである。こういった問題はいずれ明らかにする必要があるが,それは民族が和解をし十分に時間が経過し,冷静に判断できるまで時の経過を待つのが最も良いと思われる。その意味では先の報道は早すぎであり報復の連鎖の種を蒔き,火に油を注いだだけに終わろう。報道は結果について責任を持った報道となるようにするのがジャーナリストの使命と考えられないだろうか。(/16.7.14)
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