高齢者施設設計について
現在、高齢者用の施設や住宅は種類が多く、一般の人にも区別がつきにくい状況です。
そこで私なりに分かりやすく区分してみたいと思います。
【介護保険施設】
- 特別養護老人ホーム ・・・・・・・・・・・・
実例(くすのき苑) - 介護老人保健施設・・・・・・・・・・・・・・
実例(はくあい) - 介護療養型医療施設・・・・・・・・・・・・
実例(山口はくあい病院)
【老人ホーム】
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム・・・・・・・・・・
実例(光の郷)
【その他】
この中で、介護保険施設やグループホームは県や市町村の認可が必要となるので自由に建設することはできません。一般的に医療法人や一般法人が新規に開設するとすれば、住宅型有料老人ホームか、サービス付き高齢者向け住宅になります。
施設の内容としては一方が厚生労働省管轄の福祉施設、一方が国土交通省管轄の住居施設となります。しかし、利用者側からすると区別がつかないのが実情です。
そこで施設運営側の視点で私なりの考えを述べてみます。
サービスの違い
サ高住は安否確認や生活相談サービスが義務付けられます。一方、住宅型有料老人ホームは食事のサービスや緊急時の対応のみです。
しかし、どちらも個別に介護保険を利用したサービスの提供を受けることがほとんどなので、大きな違いはないと思います。
居室面積の違い
サ高住は居室面積が25㎡以上(十分な広さの共有の食堂・居間・浴室等があれば18㎡以上)でトイレや収納が各室に必要です。住宅型有料老人ホームは13㎡以上でトイレは共用でもよいとされています。単純に言えば同じ定員に対して住宅型有料老人ホームの方が建物面積が小さく出来、建設コストが抑えられるということです。
ただし。入居希望される人が何を求めるかが重要で、そのニーズを図ることが大切と考えます。より居住性を高め、プライバシーを確保するのであればサ高住と思います。
(あくまでもこの考えは私の経験に基づく私見であることをご了解ください。)