自然公園法(昭和三十二年六月一日法律第百六十一号)


最終改正:平成一四年四月二四日法律第二九号

 第一章 総則(第一条−第四条)

 第二章 国立公園及び国定公園

  第一節 指定(第五条・第六条)

  第二節 公園計画及び公園事業(第七条−第十二条)

  第三節 保護及び利用(第十三条−第三十条)

  第四節 風景地保護協定(第三十一条−第三十六条)

  第五節 公園管理団体(第三十七条−第四十二条)

  第六節 費用(第四十三条−第四十九条)

  第七節 雑則(第 五十条−第五十八条)

 第三章 都道府県立自然公園(第五十九条−第六十八条)

 第四章 罰則(第六十九条−第七十六条)

 附則
 

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
自然公園 国立公園、国定公園及び都道府県立自然公園をいう。
国立公園 我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地(海中の景観地を含む。第二章第四節及び第六十一条を除き、以下同じ。)であつて、環境大臣が第五条第一項の規定により指定するものをいう。
国定公園 国立公園に準ずる優れた自然の風景地であつて、環境大臣が第五条第二項の規定により指定するものをいう。
都道府県立自然公園 優れた自然の風景地であつて、都道府県が第五十九条の規定により指定するものをいう。
公園計画 国立公園又は国定公園の保護又は利用のための規制又は施設に関する計画をいう。
公園事業 公園計画に基づいて執行する事業であつて、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。

 (国等の責務)

第三条 国、地方公共団体、事業者及び自然公園の利用者は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全についての基本理念にのつとり、優れた自然の風景地の保護とその適正な利用が図られるように、それぞれの立場において努めなければならない。
国及び地方公共団体は、自然公園に生息し、又は生育する動植物の保護が自然公園の風景の保護に重要であることにかんがみ、自然公園における生態系の多様性の確保その他の生物の多様性の確保を旨として、自然公園の風景の保護に関する施策を講ずるものとする。

 (財産権の尊重及び他の公益との調整)

第四条 この法律の適用に当たつては、自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第三条で定めるところによるほか、関係者の所有権、鉱業権その他の財産権を尊重するとともに、国土の開発その他の公益との調整に留意しなければならない。

   第二章 国立公園及び国定公園

    第一節 指定

 (指定)

第五条 国立公園は、環境大臣が、関係都道府県及び中央環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、区域を定めて指定する。
国定公園は、環境大臣が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聴き、区域を定めて指定する。
環境大臣は、国立公園又は国定公園を指定する場合には、その旨及びその区域を官報で公示しなければならない。
国立公園又は国定公園の指定は、前項の公示によつてその効力を生ずる。

(指定の解除及び区域の変更)

第六条 環境大臣は、国立公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聴かなければならない。
環境大臣は、国定公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聴かなければならない。ただし、その区域を拡張するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
前条第三項及び第四項の規定は、国立公園又は国定公園の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

    第二節 公園計画及び公園事業

 (公園計画及び公園事業の決定)

第七条 国立公園に関する公園計画は、環境大臣が、関係都道府県及び審議会の意見を聴いて決定する。
国立公園に関する公園事業は、環境大臣が、審議会の意見を聴いて決定する。
国定公園に関する公園計画は、環境大臣が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聴いて決定する。
国定公園に関する公園事業は、都道府県知事が決定する。
環境大臣は、公園計画又は公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
都道府県知事は、公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。

 (公園計画及び公園事業の廃止及び変更)

第八条 環境大臣は、国立公園に関する公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聴かなければならない。
環境大臣は、国立公園に関する公園事業を廃止し、又は変更しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
環境大臣は、国定公園に関する公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係都道府県及び審議会の意見を聴かなければならない。ただし、その公園計画を追加するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
前条第五項の規定は環境大臣が公園計画又は公園事業を廃止し、又は変更したときについて、同条第六項の規定は都道府県知事が公園事業を廃止し、又は変更したときについて準用する。

 (国立公園の公園事業の執行)

第九条 国立公園に関する公園事業は、国が執行する。
地方公共団体及び政令で定めるその他の公共団体(以下「公共団体」という。)は、環境大臣に協議し、その同意を得て、国立公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
国及び公共団体以外の者は、環境大臣の認可を受けて、国立公園に関する公園事業の一部を執行することができる。

 (国定公園の公園事業の執行)

第十条 国定公園に関する公園事業は、都道府県が執行する。ただし、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)その他他の法律の定めるところにより、国が道路に係る事業その他の事業を執行することを妨げない。
都道府県以外の公共団体は、都道府県知事に協議し、その同意を得て、国定公園に関する公園事業の一部を執行することができる。
国及び公共団体以外の者は、都道府県知事の認可を受けて、国定公園に関する公園事業の一部を執行することができる。

 (協議の手続等)

第十一条 第九条第二項及び前条第二項の規定による協議並びに第九条第三項及び前条第三項の認可の手続並びに第九条第二項及び前条第二項の同意を得て又は当該認可を受けて行う公園事業の執行に関して必要な事項は、政令で定める。

 (清潔の保持)

第十二条 国又は地方公共団体は、国立公園又は国定公園内の道路、広場、キヤンプ場、スキー場、水泳場その他の公共の場所について、必要があると認めるときは、当該公共の場所の管理者と協力して、その清潔を保持するものとする。

    第三節 保護及び利用

 (特別地域)

第十三条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域(海面を除く。)内に、特別地域を指定することができる。
第五条第三項及び第四項の規定は、特別地域の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。この場合において、同条第三項中「環境大臣」とあるのは「環境大臣又は都道府県知事」と、「官報」とあるのは「それぞれ官報又は都道府県の公報」と読み替えるものとする。
特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(第五号に掲げる行為を除く。)若しくは同号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為若しくは第七号に規定する物が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
木竹を伐採すること。
鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
環境大臣が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
屋外において土石その他の環境大臣が指定する物を集積し、又は貯蔵すること。
水面を埋め立て、又は干拓すること。
土地を開墾しその他土地の形状を変更すること。
高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷すること。
十一 山岳に生息する動物その他の動物で環境大臣が指定するもの(以下この号において「指定動物」という。)を捕獲し、若しくは殺傷し、又は指定動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
十二 屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。
十三 湿原その他これに類する地域のうち環境大臣が指定する区域内へ当該区域ごとに指定する期間内に立ち入ること。
十四 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境大臣が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
十五 前各号に掲げるもののほか、特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
環境大臣又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の風致に及ぼす影響その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別地域内において第三項各号に掲げる行為(同項第五号に掲げる行為を除く。)又は同項第五号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる行為若しくは同項第七号に規定する物が指定された際同号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
特別地域内において木竹を植栽し、又は家畜を放牧しようとする者は、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
次に掲げる行為については、第三項及び前三項の規定は、適用しない。
公園事業の執行として行う行為
第三十一条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの
通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるもの

 (特別保護地区)

第二十三条 国立公園について第十六条第一項の認定又は同条第五項の立入認定証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(指定認定機関が認定関係事務を行う場合にあつては、指定認定機関)に納めなければならない。
都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき第十六条第一項の認定又は同条第五項の立入認定証の再交付に係る手数料を徴収する場合においては、第十七条の規定により指定認定機関が行う認定又は立入認定証の再交付を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定認定機関に納めさせることができる。
前二項の規定により指定認定機関に納められた手数料は、当該指定認定機関の収入とする。

 (利用調整地区)

第十五条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風致又は景観の維持とその適正な利用を図るため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域内に利用調整地区を指定することができる。
第五条第三項及び第四項の規定は、利用調整地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。この場合において、同条第三項中「環境大臣」とあるのは「環境大臣又は都道府県知事」と、「官報」とあるのは「それぞれ官報又は都道府県の公報」と読み替えるものとする。
何人も、環境大臣が定める期間内は、次条第一項の認定を受けてする立入りに該当する場合を除き、利用調整地区の区域内に立ち入つてはならない。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。
第十三条第三項若しくは前条第三項の許可を受けた行為(第五十六条第一項後段の規定による協議に係る行為を含む。)又は第十三条第六項若しくは第八項若しくは前条第六項の届出をした行為(第五十六条第三項の規定による通知に係る行為を含む。)を行うために立ち入る場合
非常災害のために必要な応急措置を行うために立ち入る場合
公園事業を執行するために立ち入る場合
第三十一条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従つて行うものを行うために立ち入る場合
通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるものを行うために立ち入る場合
前各号に掲げるもののほか、環境大臣又は都道府県知事がやむを得ない事由があると認めて許可した場合

 (立入りの認定)

第十六条 国立公園又は国定公園の利用者は、利用調整地区の区域内へ前条第三項に規定する期間内に立ち入ろうとするときは、次の各号のいずれにも適合していることについて、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を受けなければならない。
国立公園又は国定公園を利用する目的で立ち入るものであること。
風致又は景観の維持とその適正な利用に支障を及ぼすおそれがないものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること。
前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に認定の申請をしなければならない。
環境大臣又は都道府県知事は、第一項の認定の申請に係る立入りが同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。
環境大臣又は都道府県知事は、第一項の認定をしたときは、環境省令で定めるところにより、立入認定証を交付しなければならない。
第一項の認定を受けた者は、前項の立入認定証を亡失し、又はその立入認定証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に申請をして、その立入認定証の再交付を受けることができる。
第一項の認定を受けた者は、当該利用調整地区の区域内に立ち入るときは、第四項の立入認定証を携帯しなければならない。

 (指定認定機関)

第十七条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に、前条に規定する環境大臣又は都道府県知事の事務(以下「認定関係事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
指定認定機関の指定(以下第二十一条までにおいて単に「指定」という。)は、認定関係事務を行おうとする者の申請により行う。
次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
未成年者、成年被後見人又は被保佐人
破産者で復権を得ないもの
禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは自然環境保全法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
第二十一条第二項又は第三項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
環境大臣又は都道府県知事は、指定をしたときは、指定に係る利用調整地区に関する認定関係事務を行わないものとする。
環境大臣又は都道府県知事は、指定をしたときは、その旨をそれぞれ官報又は都道府県の公報で公示しなければならない。
指定認定機関がその認定関係事務を行う場合における前条の規定の適用については、同条第一項中「国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事」とあり、同条第二項及び第五項中「国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「環境大臣又は都道府県知事」とあるのは、「指定認定機関」とする。

 (指定の基準)

第十八条 環境大臣又は都道府県知事は、前条第二項の申請に係る利用調整地区につき他に指定認定機関の指定を受けた者がなく、かつ、当該申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
職員、認定関係事務の実施の方法その他の事項についての認定関係事務の実施に関する計画が、認定関係事務の適確な実施のために適切なものであること。
前号の認定関係事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
認定関係事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて認定関係事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
前三号に定めるもののほか、認定関係事務を公正かつ適確に行うことができるものであること。

(指定認定機関の遵守事項)

第十九条 指定認定機関は、その認定関係事務の開始前に、環境省令で定めるところにより、その認定関係事務の実施に関する規程を定め、環境大臣又は都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定認定機関は、毎事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、その事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、指定を受けた後遅滞なく)環境大臣又は都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定認定機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、環境大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
指定認定機関は、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けなければ、その認定関係事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
環境大臣又は都道府県知事は、指定認定機関が前項の許可を受けてその認定関係事務の全部若しくは一部を休止したとき、又は指定認定機関が天災その他の事由によりその認定関係事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その認定関係事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
環境大臣若しくは都道府県知事が前項の規定により認定関係事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、指定認定機関が第四項の許可を受けてその認定関係事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は環境大臣若しくは都道府県知事が第二十一条第二項若しくは第三項の規定により指定を取り消した場合における認定関係事務の引継ぎその他の必要な事項は、環境省令で定める。

 (秘密保持義務等)

第二十条 指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員並びにこれらの者であつた者は、認定関係事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
指定認定機関及びその職員で認定関係事務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (指定認定機関に対する監督命令等)

第二十一条 環境大臣又は都道府県知事は、第十六条から第二十三条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、認定関係事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
環境大臣又は都道府県知事は、指定認定機関が第十七条第三項各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、指定を取り消さなければならない。
環境大臣又は都道府県知事は、指定認定機関が第十九条の規定に違反したとき、同条第一項の規程によらないでその認定関係事務を実施したとき、第一項の規定による命令に違反したとき、その他その認定関係事務を適正かつ確実に実施することができないと認めるときは、指定を取り消すことができる。
第十七条第五項の規定は、前二項の規定による指定の取消しについて準用する。

 (報告徴収及び立入検査)

第二十二条 環境大臣又は都道府県知事は、第十六条から第二十三条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、その認定関係事務に関し報告を求め、又はその職員に、指定認定機関の事務所に立ち入り、指定認定機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (手数料)

第二十三条 国立公園について第十六条第一項の認定又は同条第五項の立入認定証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(指定認定機関が認定関係事務を行う場合にあつては、指定認定機関)に納めなければならない。
都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき第十六条第一項の認定又は同条第五項の立入認定証の再交付に係る手数料を徴収する場合においては、第十七条の規定により指定認定機関が行う認定又は立入認定証の再交付を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定認定機関に納めさせることができる。
前二項の規定により指定認定機関に納められた手数料は、当該指定認定機関の収入とする。

 (海中公園地区)

第二十四条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の海中の景観を維持するため、公園計画に基づいて、その区域の海面内に、海中公園地区を指定することができる。

第五条第三項及び第四項の規定は、海中公園地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。この場合において、同条第三項中「環境大臣」とあるのは「環境大臣又は都道府県知事」と、「官報」とあるのは「それぞれ官報又は都道府県の公報」と読み替えるものとする。

海中公園地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、当該海中公園地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は第一号、第四号及び第五号に掲げる行為で漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものは、この限りでない。

第十三条第三項第一号、第三号及び第六号に掲げる行為

熱帯魚、さんご、海藻その他これらに類する動植物で、国立公園又は国定公園ごとに環境大臣が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷すること。
海面を埋め立て、又は干拓すること。
海底の形状を変更すること。
物を係留すること。
汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
環境大臣又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の海中の景観に及ぼす影響その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
海中公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際当該海中公園地区内において第三項各号に掲げる行為に着手している者は、その指定又は区域の拡張の日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
海中公園地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
次に掲げる行為については、第三項及び前二項の規定は、適用しない。
公園事業の執行として行う行為
通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるもの

 (条件)

第二十五条 第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号及び前条第三項の許可には、国立公園又は国定公園の風致又は景観を保護するために必要な限度において、条件を付することができる。

 (普通地域)

第二十六条 国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海中公園地区に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国立公園にあつては環境大臣に対し、国定公園にあつては都道府県知事に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。ただし、第一号、第三号、第五号及び第七号に掲げる行為で海面内において漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものをしようとする者は、国立公園にあつては環境大臣に対し、国定公園にあつてはこの限りでない。
その規模が環境省令で定める基準を超える工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が環境省令で定める基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。
特別地域内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。
水面を埋め立て、又は干拓すること。
鉱物を掘採し、又は土石を採取すること(海面内においては、海中公園地区の周辺一キロメートルの当該海中公園地区に接続する海面内においてする場合に限る。)。
土地の形状を変更すること。
海底の形状を変更すること(海中公園地区の周辺一キロメートルの当該海中公園地区に接続する海面内においてする場合に限る。)。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
前項の処分は、第一項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。
環境大臣又は都道府県知事は、第一項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の届出をした者に対し、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。
第一項の届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
次の各号に掲げる行為については、第一項及び前二項の規定は、適用しない。
公園事業の執行として行う行為
第三十一条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの
通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
国立公園、国定公園若しくは海中公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
非常災害のために必要な応急措置として行う行為

 (中止命令等)

第二十七条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の保護のために必要があると認めるときは、第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項若しくは第二十四条第三項の規定、第二十五条の規定により許可に付せられた条件又は前条第二項の規定による処分に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において、その行為の中止を命じ、又はこれらの者若しくはこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、環境大臣又は都道府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、環境大臣若しくは都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

 (報告の徴収及び立入検査)

第二十八条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の保護のために必要があると認めるときは、第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号若しくは第二十四条第三項の規定による許可を受けた者又は第二十六条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置を執るべき旨を命ぜられた者に対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号、第二十四条第三項、第二十六条第二項又は前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該職員をして、当該公園の区域内の土地若しくは建物内に立ち入らせ、又は第十三条第三項各号、第十四条第三項各号、第十五条第三項第六号、第二十四条第三項各号若しくは第二十六条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、又はこれらの行為の風景に及ぼす影響を調査させることができる。
前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項及び第二項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (集団施設地区)

第二十九条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の利用のための施設を集団的に整備するため、公園計画に基づいて、その区域内に集団施設地区を指定するものとする。
第五条第三項及び第四項の規定は、集団施設地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。この場合において、同条第三項中「環境大臣」とあるのは「環境大臣又は都道府県知事」と、「官報」とあるのは「それぞれ官報又は都道府県の公報」と読み替えるものとする。

 (利用のための規制)

第三十条 国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内においては、何人も、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。
当該国立公園又は国定公園の利用者に著しく不快の念を起こさせるような方法で、ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。
著しく悪臭を発散させ、拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、嫌悪の情を催させるような仕方で客引きをし、その他当該国立公園又は国定公園の利用者に著しく迷惑をかけること。
国又は都道府県の当該職員は、特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において前項第二号に掲げる行為をしている者があるときは、その行為をやめるべきことを指示することができる。
前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

    第四節 風景地保護協定

 (風景地保護協定の締結等)

第三十一条 環境大臣若しくは地方公共団体又は第三十七条第一項の規定により指定された公園管理団体で第三十八条第一号に掲げる業務のうち風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理に関するものを行うものは、国立公園又は国定公園内の自然の風景地の保護のため必要があると認めるときは、当該公園の区域(海面を除く。)内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「風景地保護協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の自然の風景地の管理を行うことができる。
風景地保護協定の目的となる土地の区域(以下「風景地保護協定区域」という。)
風景地保護協定区域内の自然の風景地の管理の方法に関する事項
風景地保護協定区域内の自然の風景地の保護に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項
風景地保護協定の有効期間
風景地保護協定に違反した場合の措置
風景地保護協定については、風景地保護協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。
風景地保護協定の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
自然の風景地の保護を図るために有効かつ適切なものであること。
土地及び木竹の利用を不当に制限するものでないこと。
第一項各号に掲げる事項について環境省令で定める基準に適合するものであること。
地方公共団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に協議し、同意を得なければならない。ただし、国定公園について都道府県が当該都道府県の区域内の土地について風景地保護協定を締結する場合は、この限りでない。
第一項の公園管理団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

 (風景地保護協定の縦覧等)

第三十二条 環境大臣、地方公共団体又は都道府県知事は、風景地保護協定を締結しようとするとき、又は前条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請があつたときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該風景地保護協定を当該公告の日から二週間関係者の縦覧に供さなければならない。
前項の規定による公告があつたときは、関係者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該風景地保護協定について、環境大臣、地方公共団体又は都道府県知事に意見書を提出することができる。

 (風景地保護協定の認可)

第三十三条 環境大臣又は都道府県知事は、第三十一条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該風景地保護協定を認可しなければならない。
申請手続が法令に違反しないこと。
風景地保護協定の内容が、第三十一条第三項各号に掲げる基準に適合するものであること。

 (風景地保護協定の公告等)

第三十四条 環境大臣、地方公共団体又は都道府県知事は、風景地保護協定を締結し、又は前条の認可をしたときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該風景地保護協定の写しを公衆の縦覧に供するとともに、風景地保護協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

 (風景地保護協定の変更)

第三十五条 第三十一条第二項から第五項まで及び前三条の規定は、風景地保護協定において定めた事項の変更について準用する。

 (風景地保護協定の効力)

第三十六条 第三十四条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた風景地保護協定は、その公告のあつた後において当該風景地保護協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。

    第五節 公園管理団体

 (指定)

第三十七条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、国立公園又は国定公園内の自然の風景地の保護とその適正な利用を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人その他環境省令で定める法人であつて、次条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、公園管理団体として指定することができる。
環境大臣又は都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該公園管理団体の名称、住所及び事務所の所在地をそれぞれ官報又は都道府県の公報で公示しなければならない。
公園管理団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
環境大臣又は都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項をそれぞれ官報又は都道府県の公報で公示しなければならない。

 (業務)

第三十八条 公園管理団体は、次に掲げる業務を行うものとする。
風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理その他の自然の風景地の保護に資する活動を行うこと。
国立公園又は国定公園内の施設の補修その他の維持管理を行うこと。
国立公園又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
国立公園又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関し必要な助言及び指導を行うこと。
国立公園又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関する調査及び研究を行うこと。
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 (連携)

第三十九条 公園管理団体は、環境大臣及び地方公共団体との密接な連携の下に前条第一号に掲げる業務を行わなければならない。

 (改善命令)

第四十条 環境大臣又は都道府県知事は、公園管理団体の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、公園管理団体に対し、その改善に必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

 (指定の取消し等)

第四十一条 環境大臣又は都道府県知事は、公園管理団体が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
環境大臣又は都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨をそれぞれ官報又は都道府県の公報で公示しなければならない。

 (情報の提供等)

第四十二条 国及び地方公共団体は、公園管理団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導及び助言を行うものとする。

    第六節 費用

 (公園事業の執行に要する費用)

第四十三条 公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行する者の負担とする。

 (国の補助)

第四十四条 国は、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、公園事業を執行する都道府県に対して、その公園事業の執行に要する費用の一部を補助することができる。

 (地方公共団体の負担)

第四十五条 国が国立公園に関する公園事業を執行する場合において、当該公園事業の執行が特に地方公共団体を利するものであるときは、当該地方公共団体に、その受益の限度において、その執行に要する費用の一部を負担させることができる。
前項の規定により公園事業の執行に要する費用の一部を地方公共団体に負担させようとする場合においては、国は、当該地方公共団体の意見を聴かなければならない。

 (受益者負担)

第四十六条 国又は地方公共団体は、公園事業の執行により著しく利益を受ける者がある場合においては、その者に、その受益の限度において、その公園事業の執行に要する費用の一部を負担させることができる。

 (原因者負担)

第四十七条 国又は地方公共団体は、他の工事又は他の行為により公園事業の執行が必要となつた場合においては、その原因となつた工事又は行為について費用を負担する者に、その公園事業の執行が必要となつた限度において、その費用の全部又は一部を負担させることができる。

 (負担金の徴収方法等)

第四十八条 前三条の規定による負担金の徴収方法その他負担金に関して必要な事項は、政令で定める。

 (適用除外)

第四十九条 この節の規定は、公園事業のうち、道路法による道路に係る事業及び他の法律にその執行に要する費用に関して別段の規定があるその他の事業については、適用しない。

    第七節 雑則

 (実地調査)

第五十条 環境大臣は国立公園若しくは国定公園の指定、公園計画の決定若しくは公園事業の執行又は国立公園の公園事業の決定に関し、都道府県知事は国定公園の指定若しくはその区域の拡張に係る申出、公園計画の決定若しくは追加に係る申出若しくは公園事業の決定又は公園事業の執行に関し、環境大臣以外の国の機関は公園事業の執行に関し、実地調査のため必要があるときは、それぞれ当該職員をして、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくは垣、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。ただし、道路法その他他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。
国の機関又は都道府県知事は、当該職員をして前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者(所有者の住所が明らかでないときは、その占有者。この条において以下同じ。)及び占有者並びに木竹又は垣、さく等の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
第一項の職員は、日出前及び日没後においては、宅地又は垣、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。
第一項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
土地の所有者若しくは占有者又は木竹若しくは垣、さく等の所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入り又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げてはならない。

 (公害等調整委員会の裁定)

第五十一条 第十三条第三項、第十四条第三項、第二十四条第三項又は第二十六条第二項の規定による環境大臣又は都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
行政不服審査法第十八条の規定は、前項の処分につき、処分庁が誤つて審査請求又は異議申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。

 (損失の補償)

第五十二条 国は国立公園について、都道府県は国定公園について、第十三条第三項、第十四条第三項若しくは第二十四条第三項の許可を得ることができないため、第二十五条の規定により許可に条件を付せられたため、又は第二十六条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
前項の規定による補償を受けようとする者は、国に係る当該補償については環境大臣に、都道府県に係る当該補償については都道府県知事にこれを請求しなければならない。
環境大臣又は都道府県知事は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、当該請求者にこれを通知しなければならない。
国又は都道府県は、第五十条第一項の規定によるそれぞれの当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
第二項及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、第二項及び第三項中「環境大臣」とあるのは、「第五十条第一項に規定する実地調査に関する事務を所掌する大臣」と読み替えるものとする。

 (訴えの提起)

第五十三条 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による決定に不服がある者は、その通知を受けた日から起算して三月以内に訴えをもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、国又は都道府県を被告とする。

 (負担金の強制徴収)

第五十四条 この法律の規定により国に納付すべき負担金を納付しない者があるときは、環境大臣は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
前項の場合においては、環境大臣は、環境省令の定めるところにより、延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金は、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額を超えない範囲内で定めなければならない。
第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、環境大臣は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
延滞金は、負担金に先立つものとする。

 (協議)

第五十五条 環境大臣は、国立公園若しくは国定公園の指定、その区域の拡張若しくは公園計画の決定若しくは変更又は国立公園の特別地域、特別保護地区、利用調整地区若しくは海中公園地区の指定若しくはその区域の拡張をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
都道府県知事は、国定公園の特別地域、特別保護地区、利用調整地区又は海中公園地区の指定又はその区域の拡張をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
環境大臣以外の国の機関は、第九条第一項の規定により国立公園に関する公園事業を執行しようとするときは、環境大臣に協議しなければならない。
国の機関は、第十条第一項ただし書の規定により国定公園に関する公園事業を執行しようとするときは、都道府県知事に協議しなければならない。

 (国に関する特例)

第五十六条 国の機関が行う行為については、第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号又は第二十四条第三項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に協議しなければならない。
都道府県知事は、国定公園について前項の規定による協議を受けた場合において、当該協議に係る行為が当該国定公園の風致又は景観に及ぼす影響その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
国の機関は、第十三条第六項から第八項まで、第十四条第六項若しくは第七項、第二十四条第六項若しくは第七項又は第二十六条第一項の規定により届出を要する行為をしたとき、又はしようとするときは、これらの規定による届出の例により、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
環境大臣又は都道府県知事は、第二十六条第一項の規定による届出の例による通知があつた場合において、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、当該国の機関に対し、風景の保護のために執るべき措置について協議を求めることができる。

 (事務の区分)

第五十七条 第十三条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項、第十四条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項、第二十四条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項及び第五十五条第二項(利用調整地区に係る部分を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 (原生自然環境保全地域との関係)

第五十八条 自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、国立公園又は国定公園の区域に含まれないものとする。

   第三章 都道府県立自然公園

 (指定)

第五十九条 都道府県は、条例の定めるところにより、区域を定めて都道府県立自然公園を指定することができる。

 (保護及び利用)

第六十条 都道府県は、条例の定めるところにより、都道府県立自然公園の風致を維持するためその区域内に特別地域を、都道府県立自然公園の風致の維持とその適正な利用を図るため特別地域内に利用調整地区を指定し、かつ、特別地域内、利用調整地区内及び当該都道府県立自然公園の区域のうち特別地域に含まれない区域内における行為につき、それぞれ国立公園の特別地域、利用調整地区又は普通地域内における行為に関する前章第三節の規定による規制の範囲内において、条例で必要な規制を定めることができる。
都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し認定関係事務の実施のため必要がある場合に、都道府県知事が第十七条から第二十三条までの規定の例により指定認定機関を指定し、当該指定認定機関に認定関係事務を行わせることができる旨を定めることができる。
都道府県は、都道府県立自然公園の利用のための施設を集団的に整備するため、条例の定めるところにより、その区域内に集団施設地区を指定し、かつ、第三十条の規定の例により、条例で、特別地域及び集団施設地区内における同条第一項各号に掲げる行為を禁止することができる。

 (風景地保護協定)

第六十一条 都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し自然の風景地の保護のため必要がある場合に、地方公共団体又は次条の規定に基づく条例の規定により指定された公園管理団体が前章第四節の規定の例により土地の所有者等と風景地保護協定を締結することができる旨を定めることができる。

 (公園管理団体)

第六十二条 都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し自然の風景地の保護とその適正な利用を図るため必要がある場合に、都道府県知事が前章第五節の規定の例により公園管理団体を指定することができる旨を定めることができる。

 (実地調査)

第六十三条 都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し実地調査のため必要がある場合に、都道府県知事が第五十条の規定の例により当該職員をして他人の土地に立ち入らせ、又は同条第一項に規定する標識の設置その他の行為をさせることができる旨を定めることができる。

 (損失の補償)

第六十四条 都道府県は、第六十条第一項の規定に基づく条例の規定による処分又は前条の規定に基づく条例の規定による当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

 (公害等調整委員会の裁定)

第六十五条 第六十条第一項の規定に基づく条例の規定による都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、第五十一条第一項後段及び第二項の規定を準用する。

 (協議等)

第六十六条 都道府県は、都道府県立自然公園の特別地域又は利用調整地区の指定又はその区域の拡張をしようとするときは、国の関係地方行政機関の長に協議しなければならない。
都道府県が第六十条第一項の規定に基づく条例で都道府県立自然公園の区域内における行為につき規制を定めた場合における国の機関が行う行為に関する特例については、第五十六条の規定の例による。

 (報告、助言又は勧告)

第六十七条 環境大臣は、都道府県に対し、都道府県立自然公園に関し、必要な報告を求めることができる。
環境大臣は、都道府県に対し、都道府県立自然公園の行政又は技術に関し、必要な助言又は勧告をすることができる。

 (国立公園等との関係)

第六十八条 国立公園若しくは国定公園又は自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、都道府県立自然公園の区域に含まれないものとする。

   第四章 罰則

第六十条 第二十七条第一項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項又は第二十四条第三項の規定に違反した者
偽りその他不正の手段により第十六条第一項の認定を受けた者
第二十五条の規定により許可に付せられた条件に違反した者
第七十一条 第二十条第一項の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第七十二条 第二十六条第二項又は第四十条の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。
第七十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 偽りその他不正の手段により第十六条第五項の立入認定証の再交付を受けた者
二 第十九条第四項の許可を受けないで認定関係事務の全部を廃止した者
第二十二条第一項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第二十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第二十六条第五項の規定に違反した者
第二十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第二十八条第二項の規定による立入検査又は立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者
国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において、みだりに第三十条第一項第一号に掲げる行為をした者
国立公園又は国定公園の特別地域、海中公園地区又は集団施設地区内において、第三十条第二項の規定による当該職員の指示に従わないで、みだりに同条第一項第二号に掲げる行為をした者
第五十条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入り又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げた者
第七十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第六十九条、第七十条、第七十二条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第七十五条 第十六条第六項の規定に違反して立入認定証を携帯しないで立ち入つた者は、十万円以下の過料に処する。
第七十六条 第六十条、第六十二条又は第六十三条の規定に基づく条例には、その条例に違反した者に対して、その違反行為の態様に応じ、それぞれ、前各条に定める処罰の程度を超えない限度において、刑を科する旨の規定を設けることができる。

     附 則  (施行期日)

この法律は、昭和三十二年十月一日から施行する。

 (国立公園法の廃止)

国立公園法(昭和六年法律第三十六号)は、廃止する。

 (経過規定)

この法律の施行の際現に国立公園法第一条の規定により指定されている国立公園又は同法第十一条ノ二第一項の規定により指定されている国立公園に準ずる区域は、それぞれ、この法律による国立公園又は国定公園とみなし、その区域は、それぞれ、この法律による国立公園又は国定公園の区域とみなす。
この法律の施行の際現に国立公園法の規定により決定されている国立公園計画若しくは国立公園に準ずる区域に関する計画又は国立公園事業は、それぞれ、この法律に基いて決定された国立公園若しくは国定公園に関する公園計画又は国立公園に関する公園事業とみなす。
この法律の施行の際現に国立公園法第八条第一項の規定により指定されている特別地域又は同法第八条ノ二第一項の規定により指定されている特別保護地区は、それぞれ、この法律に基いて指定された国立公園の特別地域又は特別保護地区とみなす。
この法律の施行前に国立公園法又はこれに基く命令の規定によつてなされた許可、認可、申請その他の行為は、この法律又はこれに基く命令に当該規定に相当する規定があるときは、当該相当規定によつてなされたものとみなす。
国立公園法若しくはこれに基く命令の規定によつて許可その他の処分若しくは届出その他の手続を要しなかつた行為でこの法律若しくはこれに基く命令の規定によつて新たに許可その他の処分若しくは届出その他の手続を要することとなつたもの又は国立公園法若しくはこれに基く命令の規定によつて届出をもつて足りた行為でこの法律若しくはこれに基く命令の規定によつて、許可その他の処分を要することとなつたもののうち、この法律の施行の際現に着手しているものについては、この法律若しくはこれに基く命令の規定による処分若しくは手続を要せず、又は従前の例による届出をもつて足りる。
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(都道府県が処理する事務)

この法律に規定する環境大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、当分の間、政令で定める都道府県の知事が行うこととすることができる。
10 環境大臣は、前項の都道府県を定める政令の立案をしようとするときは、関係都道府県の知事の申出により、これを行うものとする。

(国の無利子貸付け等)

11 国は、当分の間、都道府県に対し、第四十四条の規定により国がその費用について補助することができる公園事業で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号)第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第四十四条の規定により国が補助することができる金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。
12 前項の国の貸付金の償還期間は、五年(二年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。
13 前項に定めるもののほか、附則第十一項の規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
14 国は、附則第十一項の規定により都道府県に対し貸付けを行つた場合には、当該貸付けの対象である公園事業について、第四十四条の規定による当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。
15 都道府県が、附則第十一項の規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、附則第十二項及び第十三項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行つた場合(政令で定める場合を除く。)における前項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。