□fushigi8


科学者からの国民への緊急メッセージ
   −2007年2月2日− 


 地球温暖化が人為的温室効果ガス排出によるものであることは、科学的に疑う余地がない。
 IPPC(気候変動に関する政府間パネルの第4次評価報告書の執筆メンバーは、2007年、地球温暖化が人為的温室効果ガス排出(CO2など)によるものであることは、科学的に疑う余地がない。このままのペースで排出を続けると、人類はこれまで経験したことのない温暖化した時代に突入する。自然の吸収力を考えると、温室効果ガスの排出を現在の半分以下に削減しないと気候は安定化しない。という緊急メッセージを発表した。
●シナリオ「A1B」は、化石燃料、非化石燃料などのエネルギー源のバランスを考慮しながら、サービス及び情報経済に向かって急速に変化し、物質志向は減少し、クリーンで省資源の技術が導入された社会が実現することを前提としたシナリオである。
●2007年の予測は、A1Bの社会を仮定したシナリオを採用したとき、2100年に気温の上昇量は平均で2,8℃、海面水位上昇量は21〜43pと計算されている。
●1999年の予測は、気温は、約1℃から約3.5℃上昇するとの予測であったので、今回の方がほぼ1℃高く計算されている。
また、海面水位は15〜95pであったが、これは、やや低く、幅も小さくなっている。

●この急速な気温の変化に、地球上の生態系は順応できない。大規模な水不足。農業への打撃、感染症の増加、自然現象の激化など様々な悪影響を複合的に生じるおそれがある。
◇気温上昇の地理分布は、北半球高緯度で大きく、海上に比べ陸上で大きい(図1)。 (注1)気温上昇量の絶対値の予測には大きな不確実性があることが知られているので注意が必要である。現在の世界のモデルの結果を総合すると、大気中CO2濃度を現在の2倍に固定した場合の気温上昇量は1.5〜4.5℃の幅があると言われている。我々の今回のモデルではこの値は4.2℃となっている。  
日本の夏がどのように変化すると見られるか?
2004年、世界最大規模のスーパーコンピュータである地球シミュレータを利用した地球温暖化予測計算によると、2071〜2100年で平均した日本の夏(6・7・8月)の日平均気温は1971〜2000年の平均に比較してシナリオA1Bで4.2℃上昇、日本の日最高気温は同じくシナリオA1Bで4.4℃上昇するとしている。
また、日本の夏の降雨量は温暖化により2071〜2100年平均で1971〜2000年平均に比較してシナリオA1Bで19%増加すると計算している。この理由として、熱帯太平洋の昇温と関係して日本の南側が高気圧偏差となり、これが日本付近に低気圧偏差をもたらすと同時に暖かく湿った南西風をもたらすこと、および、大陸の昇温と関係して日本の北側が上空で高気圧偏差となり、これが梅雨前線の北上を妨げることによることを上げている。
   低炭素社会の実現が、人間と地球が共に生きる第1歩!
●二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスです。人間活動に伴う化石燃料の消費とセメント生産および森林破壊などの土地利用の変化などにより、大気中の二酸化炭素濃度は増加しています。温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2005年の世界の平均濃度は前年と比べて2.0ppm増えて379.1ppmとなっています。現在の濃度は産業革命以前の平均的な値とされる280ppmに比べて35.4%増加しています。(ppmは体積比で100万分の一をあらわします)
●綾里、南鳥島及び与那国島における大気中の二酸化炭素濃度の増加率は、3観測所の間で多少の違いはあるものの、ほぼ同期した増加率の年々変動が見られる。これまでで顕著であったのは、1997年から1998年にかけてと 2002年から2003年にかけての濃度増加率の急激な上昇で、これらは1997/1998年、2002/2003年のエルニ−ニョ現象の発生に対応しており、世界の濃度変動にも見られる特徴である。(気象庁HPより)

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