□fushigi7                                   RETURN    
地球と人間のふしぎ
F海水と羊水/そして地球大気
 人間の生命誕生のドラマの中で受精後第5〜6週のわずか1週間は劇的である。この1週間の間に人間の生命は,地球に初めて生命が誕生した35億年前の「魚類」から「両棲類」,「爬虫類」,そして約6500万年前に出現した「哺乳類」と生物の進化過程の全てを辿ってくるという。

 さらに,地球と人間の関わりについて述べたある地球化学者の著書の一文に見つけた「
大気はちょうど人間の赤ちゃんが母親のお腹の中で漂っている羊水のようだ」という表現に強い関心を持たされた。

 なるほどと思うと同時に地球と人間にスケールは異なるが,極めて似た構造と働きのあることに気づいた。
 確かに地球大気は,太陽から降り注ぐ有害な紫外線や地上の急激な温度変化を和らげ,人間をはじめ地球上のあらゆる生命を守っている。この働きがなければ,人間や生物は生きていけない。まさに,母親の体内で赤ちゃんが羊水に守られ育まれているのと同じだ。

 羊水は,温度が37.5℃,約800ミリgある。どこで作られるのか,まだはっきり分かっていないという。この羊水と海水の成分(右下表)を調べてみて驚いた。完全に
海水・羊水のミネラル比
塩素 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム
 海 水  60.1 33.4 1.2  1.3  4.0
 羊 水 53.2 42.6 2.8  1.1  0.3
同じだとは言えないが,羊水は原始地球の海水とほぼ同じ塩濃度を持ち,いずれも弱アルカリ性の液体であることがわかる。
 われわれ人間は,地球上に誕生するまでを母親の羊水に守られ,育まれ,人間として地球上に生まれ出てからもさらに「地球大気」という「羊水」に守られて生きている存在であることに気づかないだろうか。
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