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地球と人間のふしぎ
 D大気と体温調節
  オッ! ブル! 今朝は冷え込んでいるな・・・・ と,一度震えるだけで,人間は休息時の3倍の熱を発生するのだそうです。
 雪合戦で耳たぶが赤くなるのはなぜ?
 予期せぬ雪で,一面の銀世界。北日本を除いて,東日本や西日本の太平洋側の平野部に降る雪は,南の海上を低気圧が発達しながら通るとき降ることが多いものです。それは,3月から4月の春先に多いのですが,暖冬傾向だと1月でも南の海上を低気圧が通るので,大雪になったりすることがあります。昨年の1998年1月8日がそうでした。
 大雪が降ると,中年のおじさん達は,昔の雪合戦を思い出して,手袋もせずに「雪の玉をこしらえて」,相手めがけて「ヤー!」
 イヤー冷たい・・・と家に飛び込んで手の指を見ると「真っ赤」。そして,耳たぶに手をやるとポカポカ暑くなって,鏡で見ると「真っ赤」・・・・
 雪合戦をやって指や身体が冷えると,その寒さのために血管が収縮して,動きが鈍くなりますね。血管を流れる血が熱を運ぶ役割もしていますから,動きが鈍くなると熱を身体の表面に送らなくなってしまいます。しかし,しばらくすると身体が独りで凍傷を起こさないように、逆に血管を拡張して熱を送るようになります。その結果,余程のことでない限り,凍傷になったりすることがないように自動調節しているらしいのです。その結果,耳が赤くなったり,指先が赤くなるのです。

 身体って巧くできているな・・・と感心したい方は,お風呂で実験を
 ちょっと熱めの(そっと入りましょう)お風呂に入ります。しばらくは「ウッ!」と言うくらい熱いですね。そこで,そのままじっとしていますと,そのうち熱さになれて次第に熱くなくなります。
 ところで,もう一度,手でお湯をかき混ぜてお湯を動かして見て下さい。どうですか。また,先ほど入った時のように熱く感じませんか?。これはなぜでしょう?。 
 熱いお湯に入りますと,お湯が身体を温めます。皮膚がちょっぴり温まりまるということは,お湯が身体を温める仕事をしたことになり,その仕事の分だけ皮膚のそばのお湯は温度が下がります。つまり,熱くなくなったということは,身体の表面の温度とお湯の温度が同じになったから熱さを感じなくなったのです。つまり,皮膚を通して身体の中と外の温度をバランスしたいうことになります。そして,2度目に手でお湯をかき混ぜたときも熱く感じるのは,身体を温めて身体と同じ温度だったお湯と入れ替わって,新しいまだ仕事をしていない少し温度の高いお湯が皮膚の近くにやってくるので,また熱く感じるわけです。
 熱が一つの所に偏らず,皮膚という層を介して外と熱のやりとりをして,身体を温め,あるいは保温する。こうした働きは,地球でいえば,地球を取り巻く空気の層(大気)が太陽熱を受け,地表面や雲が熱を放射し,温室効果気体の作用を受けて気温をほぼ一定に保っているというのと同じ働きであると考えますと,地球と人間の機能が実に良く似ていることに再び気づかれるのではありませんか。無意識の中で脈々と働くバランス機構。これもまた,神わざとしか言いようがありませんね。こうした働きに,たまには感謝をしましょ。明日もよろしくっと・・・

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