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地球と人間のふしぎ
              

A環境破壊を救う海流・2000年間の大航海
 海洋の大循環は、北大西洋(グリーンランド沖)の海水が冷やされて4000メートルにも沈降して海底近くを南下しています。こうした深層の海流は、温度と塩分の濃度によって引き起こされる圧力によって駆動され、やがて南極のウエッデル海の深層流と合流して、アフリカ大陸南端の喜望峰の南で東進して太平洋に至る流れと北東進して浮上する流れにわかれます。東へ進む流れは、オーストラリアの南を通って太平洋を北上しながら何と1年に5メートルというゆっくりした速さで浮上して海面に出てきます。世界の海の循環は、まるでコンベアーベルトのようにつながっているのです。深層を旅した海水は、豊富な栄養塩を含み、浮上しながら太陽の光エネルギーによって植物、動物プランクトンの増殖を活発にし、酸素を生産します。しかも、栄養塩から酸素を生産したとき残る有機物は、どこかの生物のようにポイッと捨てるのではなく、なんと地震の発生メカニズムとして言葉はよく知られている「プレートテクトニクス」によって、海溝深くに沈められて処理されています。
 この海流の航海は、われわれ人間も含めた生物圏を支えるためになくてはならないサイクル・リサイクルの場とも言え、その循環が人間のライフタイムから想像を遙かに超えた2000年いうスケールをもっていることが分かっており、この時間スケールの長さにも驚かされます。
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