復刻服のススメ


服飾は文化です。今日、服飾無しの生活を考える事は出来ません。 目的に応じ、TPOに応じ、私達は様々な服を着ます。でも、常に特定の目的や意味を持った服装を着ているわけではありません。いつもは「普段着」で過ごしています。

その普段着。適当に買って、適当に着る、「気にしてないから普段着」という感じもしますが、共に過ごす事の多いこの普段着こそ、ちょっと深く楽しんでみると毎日の生活ももっと楽しくなるんじゃないかな、と思います。

そこでお勧めなのが「復刻服」。


「復刻服」とは?

「復刻服」とは、服作りにおいて生産効率が優先される時代には切り捨てられることの多い「良さ」を持った服を、その良さを持っていた当時の物作りのプロセスを通して作られる服のことを言います(定義は作者)。特に、ジーンズ、シャツ、革ジャンやフライトジャケットといった、アメカジの定番服で根強い人気を持つ服の1ジャンルとして定着しています。

これらの服は、生産効率が優先されない/できない時代(主に1950年+-10年前後)に作られたが故に生まれた細かい特徴が、とても奥深い趣味の世界を創りあげています。もともと、いわゆる「ヴィンテージ古着」(あの汚いジーンズが○万円!?といったアレです)が好きだけど、「良いもの見つからないなら今作っちゃおう」、といった感じで作られた服なので、生い立ちからして趣味的とも言えます。そのためでしょうか、モノ・マガジンといった趣味モノ雑誌全般にトピックスや記事が取り上げられていますね。でもそれらの特徴は、単にマニアだけの楽しみというわけでなく、普段着のプラスアルファの楽しみとして、普通に着てる分にも面白いです。

普段着に便利な復刻服

でも作者が感じる復刻服の一番の魅力は、そうしたマニアックな楽しさよりも、何より普段着として最適だと思うからです。復刻服は、アメカジベースだから気楽に色々なスタイルに着まわせますし、洗濯や保管といった扱いも気軽です。それに、ブームの高低はあっても廃れることはまずありません。そのため、「見た目は普通だけどさりげなくこだわっている」という服の着方が好きな人におすすめできます。

さらに実際に着て見ると、便利なんですよね。例えばこんな点です:

1.長持ちする。

上に書いたように、これらの服はコレクター的な人気のある古着の魅力を再現するように作られています。古着の大きな魅力の一つは、何十年という時間を経て作られた風合いにありますので、そのような風合いが出てくるまで着れる、出てきたあともその風合いを楽しむために着続けられる、と、とにかくタフな仕様の服なんです。
ある復刻ジーンズでは、「10年付き合ってみて下さい」なんて広告もありました。

2.機能的である。

復刻服は総じて機能的です。生産効率を重視することで削減された服の機能を、その服が機能的に最も作りこまれていた時代の特徴を再現して作ったりします。

例えばスウェットシャツ(トレーナー)。元々は語源の通り「運動用の、汗をかくためのシャツ」でした。そのため、裏地はとにかく保温性の高いコットンの起毛素材で、首リブの伸びを防ぐ(といわれる)汗止めがついていたり、袖や腰周りのリブが長く体にフィットして体温を逃しにくいように作られている、と言った現代のスウェットに無い機能的な特徴をわざわざ再現したりします。
#因みに「トレーナー」は和製英語です。

他にはフライトジャケット。とにかく暖かいです。上空何千メートルの極寒の空間用で任務を遂行するために作られたジャケットを同じように再現した物なのですから、街着には勿体無いくらいの機能を持っています。

3.愛着がわいてくる。

復刻服は、長年着ていると着てきたなりの表情を見せてくれます。 特にジーンズではそれが顕著です。引っ越しのバイト、ショップスタッフ、普段バイクに乗るか自転車に乗るか、、穿く人、着る人のライフスタイルによってそれぞれ特徴ある風合いになってきます。これは復刻服の大きな魅力ですね。

なので、たとえジーンズに穴が開いてもステッチが解れても、「もういいや」って捨てるのではなく、なんとか直して穿いてやろうと思うようになります。リペア(修繕)をやっているショップも多数あります。そうして長いこと着ていくと、何物にも代えがたい愛着が生まれてくるものです。

また、例え飽きたとしても古着として売ることも出来ます。着古していても、逆に長年着ないと出てこない風合いがそのまま手に入る、と考えられることもあるので、新品より好まれることもあります。アメカジには古着の文化もありますので、「他人のお古」でも着ることに抵抗がない場合が多いですので。経年劣化が2次的な付加価値になる服なんて(「芸能人の着用」とかは別)、復刻服位のものでしょう。
 

まだある魅力

上に書いた以外にも、こんな点も面白いです。

a.色々と「深い」。

冒頭に書いた細かい特徴、気にしだすとこれが深いです。

その特徴の一つ一つに「時代背景」が垣間見えると言いましょうか。復刻服に見られる細かな特徴は、その服が作られた当時にある意味必然的に生まれたものです。ですので、「なぜそんな特徴が生まれたか」を考えると、その時代背景を知ることに通じ、結果として服を通じていろいろな雑学を知ることが出来ます。

例えば有名な「501XX(ダブルエックス)」。革パッチ、ビッグE、赤耳といった有名な特徴を持つモデルが生産されていた年代を調べてみると、1950年代中盤まで。1950年代のアメリカと言えば、いわゆる「フィフティーズ」。車や音楽、服や家具のデザインetcに、独自のスタイルがあります。車で言えばロケットみたいなテールランプに羽飾り、音楽で言えばエルヴィス・プレスリー。洋服が趣味の幅を広げるきっかけになってくれたりします。

参考文献:「REALMcCOY

b.着る楽しさが多い

復刻服は、見た目普通の普段着です。でも昔の服を当時の雰囲気そのままで再現しているので、現代の服に無いデザイン、柄や色使いの物が多いです。ですので、一見普通でもなんか雰囲気が違う、、なんて着方が楽しめます。例えば、ネルシャツですと一見普通なんだけどあまり無い雰囲気の配色してたり、カバーオールですとポケットの形が変わってたり。で、その変わった形にも機能的な意味があることを知るとまた楽しくなってきます。

趣味性も強いから、ふとしたきっかけで 「ずいぶん渋いの着てますね〜」 なんて声をかけられることもあるかもしれません。(フリーマーケットに出店しているとよくある:-)。

さらに、ここに自分の「好きなもの」が繋がると、着るのにも俄然気分が盛り上がってきますね。例えば上に書いた501XX。一本のジーンズが、ただの普段着から「俺の好きな○○が実際に存在していた時代」を楽しむためのアイテムになるんです。

c.大人にこそ着て欲しい服

これらの復刻服、基本的にジーンズに合せる服ばかりなのでどうしても「若者向き」というイメージにりますが、確かな「機能」と様々な「深さ」は、大人の趣味として十分楽しめる、と思ってます。モノマガジン等にもよく紹介されているのも、「機能」と「深さ」の話題が尽きないからでしょう。

またこういうカジュアルな服を、年季の入った方が颯爽と着こなしている姿ってカッコイイんですよ。たとえばスタジャン。ガキにはマネできない着こなしを、どんどん提案して欲しいなと思ってます。

オフの普段着に、百貨店で訳の分からないキャラクターのパッチが付いたニットや、とんでもない色使いのシャツ、名前だけの「革」製品等を高いお金出して買うなら、是非復刻服を試してみて下さい。若い子の見る目は間違いなく変わりますよ。

まとめ

このサイトでは、洋服好きの一人としてこれらのウェアを楽しむ為に役に立てそうな話を、個人的な経験を元にいろいろ書いていきたいと思ってます。安く買う為の様々なノウハウとか、メンテの方法、便利なアイテムetc...。webに公開する以上、できるだけ役に立てる情報をお届けできればいいなと思っていますので、質問等は随時メール頂ければと思ってます。 。

さて長い前置きにつきあって下さいましてありがとうございます。テキストメインのヘボサイトですが、楽しんでもらえれば幸いです。


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