夢の消えぬ間に 六



子の刻をまわってから帰ってきた常経は、用意された床にも就かず月を眺める格好で、 今日の事を思い返していた。
少納言の館に現れた鬼は、結局捕らえることは出来なかった。
あの後家人達は検非違使と合流して、鬼を捜索したが見つけることも出来なかったのだ。
あの鬼は、捜しものをしていると言った。
捜し物?
者?
どちらにせよ、あの者達の目的が盗みやかどわかしではないことになる。
では何故みやかどわかしを働くのか?
捜しものとやらに関係あるのか?
わからない事だらけだ。
月に照らされた姫。
ふと、あの姫の姿が浮かんだ。
夜目にもその姿は美しく映った。
いや、美しいなんていう一語では表せない。
もっとこう神秘的な・・・
そういえば、鬼達は迷わず館の奥の方に逃げていった。
それまでは確かに自分は鬼を追いつめていた。
だが、逃げられた。
・・あの姫のところに行けば何かわかるかもしれない・・
何か鬼の手がかりが・・



後半、自分で書いてて話が飛んでるなと思いました。
まあ、常経本人も気付いていない思いのせいで常経の思考が飛んでいると思ってください。(言い訳)
それにしても、すごく短い。時間をかけてこれか・・・