御伽ファンタ 〜赤ずきん編2〜



本日の配役
赤ずきんメイ
レオニス
狩人シルフィス
黒子ガゼル
お祖母さんセイリオス
お母さんディアーナ

「と、言う訳でお祖母さん〔お兄様〕の所に届け物をして欲しいのですけど。」
唐突な話だね。
「何?」
「この袋を届けて欲しいんです。」
袋の中はバンテリン・サルノコシカケ……
「ねぇ、若しかしてお祖母さん〔殿下〕って腰痛?」
……
「お祖母さん〔お兄様〕も長いデスクワークで大変なんですわ。」
ふ、って…そんな遠い目をしなくても…
更に、高麗人参・ユンケル・まむしドリンク…
「おーい。」
赤ずきん〔メイ〕。袋に向かって呼びかけても誰も答えてはくれないぞ。

所変って森の中。
狼〔レオニス〕は熱心に台本を読んでいた。
もとい、赤ずきんが来るのを待ち受けていた。
折り良く赤ずきん〔メイ〕が通りかかる。
先ずは一呼吸。
慣れぬ事ゆえ慎重に取り掛からなくては…
二呼吸。
どんな事でも務めは勤め、
三呼吸。
前を見た時、既に赤ずきん〔メイ〕は100メートル先にいた。
頑張れ狼〔レオニス〕!

更にさき。
どうやったのか狼〔レオニス〕は先回りしいている。
今度こそ声を掛けようね。
「…赤ずきん〔メイ〕。」
狼〔レオニス〕の呼びかけに赤ずきん〔メイ〕は振り返る。
…で?その先は?
「何か用?」
呼び止めたまま用件を言わない狼〔レオニス〕に赤ずきん〔メイ〕が逆に尋ねる。
「……」
更に沈黙。
「隊長。隊長。花畑に誘うんです。」
台本片手にくろこ〔ガゼル〕が助太刀する。
うん、それは分かってると思うよ。台本熟読してたもの。
「何こいつ?」
と、赤ずきん〔メイ〕はくろこ〔ガゼル〕を指差す。
…無視してくれ。赤ずきん〔メイ〕
余計なお世話のくろこ〔ガゼル〕。更には痺れを切らして登場した狩人〔シルフィス〕に見守られて、
さあ、誘えるか?狼〔レオニス〕!
「…いや、何でもない。」
甲斐性なし…は、いやいや何でもない。
脱力するくろこ〔ガゼル〕と狩人〔シルフィス〕。
赤ずきん〔メイ〕は首を捻りながら去ってしまったぞ。

機会があったら再度誘うのに挑戦してみるといい。
きっと無駄だと思うけど。



甲斐性が無いのはきっと空葉月でしょう。
次の狼さんはシオンだからそれなりに甘いかもしれない。