言い掛かり

言い掛かり

「おい、てめー 」
柄の悪そうなチンピラが脇を通り過ぎた少年の肩を掴む。
何か因縁をつけようというのは誰の目にも明らかである。
「え、僕のことですか〜」
この少年を除いては。
チンピラはにやりと笑った。 如何にも間抜けそうな少年である。いいカモになるに違いない。
この男は先程同じように青い髪の少年に言い掛かりをつけたが逆に言いくるめられてしまい、機嫌が悪かった。
「おい、兄ちゃん人にぶつかって謝らないとはどうゆう了見だー。」
品の無いチンピラの芸の無い言い掛かりである。
「ええ〜!それは気付きませんでした〜。ごめんなさい〜。」
深々と頭を下げる彼に、いえいえご丁寧にどうも、
って、違うーーーーー
「違うだろ兄ちゃん。こういう時は金だよ金。慰謝料だろ。」
「ええ!何処か悪くされたんですか〜。それは、大変です〜。」
おろおろと心配するあたり何か違うが、まあいいこれで事が早くすすむ。
「すいませ〜ん、何処かこの辺に病院はありませんか〜?」
「おい、ちょっと、」
どうやら病院に連れて行こうとしている少年に男は慌てるが、幸い男を避けて誰も寄ってこない。
どうやらこの少年は普通のやり方では駄目らしい。男は方法を変えることにした。
「病院なら、」
俺の行き付けの所があるから代金だけ払え、と続けようとした。(掛り付けのと言わないあたりこの男の知能が知れるというもの)
「あ〜、そうです。ちょっと遠出になりますが、付いてきて下さい〜。あそこの医者ならば〜腕も良いですし。」
ここで、遠出って何処だと聞かなかったら、或いは今日仕事は上手くいっていたかもしれない。
「王宮です。」
「……」
「『おうきゅう』って、あの?」
男は遠目でも荘厳な建物を指差す。
「はい。そうです。」
「……」
「兄ちゃん、いえ坊ちゃんは王宮で働いてらしゃるんですかい?」
「はい。文官をしてます〜。」
ぶんかん?文官っていやー、
下働き程度ではない事ぐらい男だって知っている。
「あ、ああ、もうそんなに痛くない。変に騒いで悪かったな坊ちゃん、もう病院はいいからさぁ。」
何処かに消えてくれ、とは言わない。
でも念の為という少年に、俺は仕事があるから、おお、もうこんな時間。
と言い残し、男はそくささとその場を離れた。

広場に少年こと、アイシュが一人ぽつんと残された。
本当に医者に見てもらわなくて、大丈夫だったんでしょうか。
…遅くなりました〜。悪い人に絡まれないうちに帰りましょう。




そう言えば、私未だシルフィス以外でプレイしていない。
ということに、今更ながら気が付いた。
だめよ、先ずはシルフィス×セイリオスをみてからよ。