茶会閑話 1



メイ「もうすぐ3月3日か…」
ディアーナ「何がありますの?」
メイ「雛祭りっていう行事がね、あんのよ私の世界では」
シルフィス「ひなまつり、ですか?」
ディアーナ「何なんですの、それ」
メイ「ええと、手っ取り早く言えば女の子の成長を願うお祭りなんだけど、全体的に結婚を意識した感があるね」
ディアーナ「結婚…」
シルフィス「女の子の…」
メイ「人形を飾って、白酒飲んで、あられ食べて…」
ディアーナ「…(一体どうゆうお祭りなんでしょう?)」
メイ「おら、シルフィス。私には関係ないって顔しないでよ」
シルフィス「と、言われましても…」
メイ「関係ないかあるかは、まだ分かんないんでしょ」
シルフィス「はあ……」
メイ「桃の節句って言ってね。その日にはひな人形っていう結婚式を模した人形を飾るの」
メイ「で、ご馳走を模した色鮮やかなあられと、白酒で宴会の場を作るのね」
メイ「要するにお雛様という人形の結婚式を女の子達が祝う祭りなのよ(きっと)」
ディアーナ「結婚…「それにどんな意味がありますの?」
メイ「意味…ええっと。ちゃんと結婚できますようにって事かな?」
シルフィス「曖昧ですね」
メイ「う、」
キール「問題は何で結婚を祝うことが、結婚祈願になるかってことだな」
ディアーナ「び、びっくりしましたわ」
メイ「どこからわいたのよ。キール」
キール「人をぼうふらみたいに言うな。さっきから居ただろうが。シルフィスは気がついて居ようだが」
シルフィス「(こっくり)」
メイ「え、ほんと?私ぜんぜん気がつかなかった」
ディアーナ「私もですわ」
キール「全くその集中力を課題にも生かして欲しいものだな」
メイ「う、(ずきずき)」
ディアーナ「(ぐさぐさ)」
シルフィス「大丈夫ですか?メイ・姫」
メイ「…何であんたがここに居るのよ」
キール「居ちゃ悪いか?」
メイ「あんたが女の子ONLYのお茶会に参加するとは思えない」
シルフィス「(女の子ONLY?)」
キール「『お茶会は時と場所・メンバーを選ばず行われる。』」
メイ「何よ」
キール「いや、急にさっき借りた本が読みたくなってな」
シルフィス「キール何か飲みますか?」
キール「ああ、コーヒー」
シルフィス「はい、どーぞ。あ、掛けて下さいね」
キール「どうも」
メイ「……(無視するな)」
キール「で?」
メイ「何が」
キール「続きが知りたい」
メイ「あんたが?雛祭りを?」
キール「ああ、メイの話を聞くとどうもこことメイの世界に共通点があるような気がしてな」
キール「普段の生活やら政治形態やらは聞いたが、神話・伝承の類はさっぱり要領を得ないので諦めていたが、どうやらその「雛祭り」は分かるようだから聞きたい」
メイ「ちゃんと話しているでしょ」
キール「ぐちゃぐちゃしてて要領を得ない」
メイ「だって実際にぐちゃぐちゃしてるんだもん」
キール「だから、自国の神話だけでいいと言ってるのに、それはよく分からんと言ったじゃないか」
メイ「だって、日本神話には詳しくないんだもん」
キール「何で自国のことが分からないだ?といって他国の事も断片断片ばかりでしっかりと知っているわけではないし…」
メイ「う、う」
ディアーナ「まあまあ、あまりメイを苛めないで下さいね」
キール「苛めているわけけではないのですが、姫」
シルフィス「よしよし」
メイ「えーん。シルフィス」
キール「……」
キール「で、他には何を知っている」
メイ「後は…3日過ぎたら早く人形をしまわないとお嫁に行き遅れるって言われてる事くらいかな」
キール「…その祭りはしないと何か言われるのか?」
メイ「ううん。内輪の祭りだからそういう事はないね」
キール「………」
ディアーナ「それって、出さなければいい話ではありませんの」
キール「だな」
シルフィス「(うんうん)」
メイ「…………あれっ?」
キール「あれ?じゃないだろ、あれ?じゃ…」
メイ「で、でも結婚式と一緒で女の子ならば誰でもしてみたくなるもので…」
メイ「しなくちゃいけないわけではないね」
キール「はーー」
メイ「……」
キール「時間の無駄をした。メイ、先に戻ってるからな」
メイ「(ぐっ、何も言えない。)」
ディアーナ「では、今日はこれでお開きですね」
シルフィス「…ですね」