71. 資本金の話
公務員の安月給の私には縁遠い話ですが、自分で作った会社をどんどん大きくしていくってのは、たまらなく快感なんでしょうねぇ。 倒産したらどうにもなりませんけど・・・。
ということで、会社の資本金についての疑問をいただきました。
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会社設立時に用意する資本金って一体何なのでしょうか?
どういう意味があって用意するものなのですか?
すっごく大きな会社でも資本金が中小企業と同額の一千万のところなどもあって、
何だか腑に落ちません。
どなたか分かり易く説明して頂けませんでしょうか?
ブルーカラーくん |
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よしのりさんからの回答です。
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はじめに決算書(企業や個人事業者)を見たことありますか?
その中に貸借対照表ってのがあります。そこにその企業のある時点での状態が表されています。
どれくらいの資産を持ってるか、そして負債(借金みたいなもの)と資本。
さあ、やっと資本(まだ資本金じゃないけど)が出てきました。
資産っていうのは商品や製品、土地や建物、現金預金etc。
負債っていうのは借入金や未払い金etc。
資本っていうのは資本金やその会社の今までの利益etc。
資産=負債+資本 ということは、ある会社が持ってる資産がどれくらいが負債で、どれくらいが資本かが解ります。
新しい会社は、資本金を代表者自身やその会社を応援する人から集めて、その会社がはじめられるように資産にします。
つまり、いっぱい資産があるところは借金も資本金も多い(必ずじゃないよ)、資産が少ないとこは借金や資本金が少ないかもしれない。
ただ儲かるかどうかは持ってる資産をどれだけ有効に活用して活動するかだからねえ。
でも、資産の割に資本が多ければ安全性は高いことになるけどね。
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つづいて、次元さんからの回答です。
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資本金の件ですが、これは、私なんかがいうよりも、商科系を卒業された方があっさり答えていただけるかと思いますが、以前、半ば強制的に勉強させられた事があり、覚えてる範囲で、ということでお許し下さい。
1、大きな会社と小さな会社で資本金が同じ
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資本金には自己資本と他人資本というものがあります。
文字どおり、自分で調達したお金か、よそから、借りてきた、お金かです。
この2つの合計金額が、資本金、となります。
ですから、現在大きな会社でも、創立時はそれほどお金は必要でなかったり、小さい会社でも、いろんな機械とかを準備するお金がたくさん必要だった、とかいろんな場合があると思います。
もちろん、後で資本金を増額していくこともできます。
「うちはこれだけ資本があります。」っていうのが、その会社の、信用度にかかわってくると思います。
他の会社とかから見て取引してもいいかとか、どの程度の商いをやってるのか、とかですね。
荒くいうと最近は自己資本の割合が大きいほど信用があるとされます。
他人資本は借りてきたんだから返さなくてはなりませんから。 |
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2、会社の形態は?
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たしかこの夏頃だったと思いますが、株式会社、を名乗るためには、資本金が、2000万円以上、という法律が施行されました。
これ以前は幾らだったか覚えてません。2000万円に満たない会社は増額しなければなりませんでした。
株式会社、有限会社、合資会社、合名会社、主立った会社形態って、たしかこれくらいだったと思います。
で、それぞれ法律で、資本金はいくら必要とか人数がどれくらい、とか決まってるようです。 |
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お二人の話から言えることは、資本金が多い会社でも、実は借金だらけということもありううるわけですね。
逆に、資本金が少なくても借金なしで、かえって金持ち(?)ということもありえるわけですね。 なるほど。
これまた詳しいご説明をいただきました。 興味のある方はじっくり読んで下さい。
私も勉強になりました。
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資本金とは何か?という話ですが、定義としては「会社財産確保の為の一定の計算上の値」です。(計算上の値ですから、資本金というお金が金庫の中にあったり、預金されてる訳でありません。)
ところで、株式会社の本質ってご存知でしょうか?
まず「所有と経営の分離」で、それをささえる為に「株式」と「有限責任」があります。 それぞれの定義と意味は次のとおりです。
有限責任 ... 株主はその出資について責任を負うだけでよく、会社債権者 に対して何ら責任を負わないということ(商法200条1項)
これにより、株主は安心して出資ができるのです。 会社がつぶれても持ってる株式がパーになるのさえ我慢すればよく、株主の所に会社債権者(会社に貸してる銀行とか)が押しかけてくる事がないのですから。
株式 ... 均一化された割合的単位の形をとる株式会社の社員(=出資者)たる地位。
出資を多くの人から少しずつ募り大規模な会社を営めるように出資の単位は均一化しておくのが都合が良いのです。
均一化というのは、たとえばAさんの持ってる1株とBさんの持ってる1株は全く同じ価値という事です。 そういう風にしておけば、株式の売買もしやすくなります。
さて、上記の本質だけでは困る人達がいます。それは会社債権者です。 合名会社でしたら倒産しても直接無限責任社員がいますから、会社財産に不足があったら個人資産をあてにできます。 しかし、株式会社の社員(商法で社員と言ったら出資者つまり株主の意味です。従業員ではない)は、有限責任ですから会社債権者はあてにできません。
このままでは会社債権者は不利なので政策的に保護する必要があります。 そこで資本金制度が要請されるのです。
会社は、モノを売ったり買ったり、お金を借りたり貸したり、人を雇ったり様々な活動を通じて最終的に利益を上げるのが目的ですが、1年決算の会社であれば毎年1回決算をして利益の額を確定し、株主総会の決議をもってその利益を配当金や役員賞与等として処分します。
この利益処分に際して、株主は沢山配当欲しいですし、取締役は報酬多いのがうれしいでしょう。 でも、好き勝手な額をどんどん流出させてしまうと会社財産は危うくなり会社債権者は不利になります。(返済の原資が減ってしまう)
そこで商法290条第1項により、資本金の分は流出させないで取っておきましょうね...とされています。 この為「会社財産確保の為の一定の計算上の値」の意味を持っているのです。
(この値の最小値は株式会社1000万円です。cf.商法168条の4 有限会社は 300万円です。cf.有限会社法第9条
合名会社と合資会社は無限責任社員 がいるので資本金制度はありません。会社ですから出資はしますが「資本金」はないのです)
このような歯止めとなる値ですから、配当を貰う人としては、小さいければ小さいほどうれしく、会社債権者としては大きい方がうれしいのですが、その値の決定方法も商法は定めています。
商法284条の2第1項によれば、株式の発行価額を資本に組み入れることになります。
たとえば、7万円で1株発行したら同時に資本金という計算上の値を7万増やすのです。 ただしこれは原則でして、商法284条の2第2項の例外により、資本への組み入れ額を発行価額の半分まで下げることもできます。(但し額面株式は額面額より下げることはできない)
このように、株式を発行するとき、つまり会社を設立するときや、その後の資金調達の為に増資する際に資本金という値は大きくなっていきますので、資本金の額を見ることで、たくさん出資がされた会社か、そうではない会社かという事で、会社の規模を大まかに知ることもできます。
でも、会社が大きくなっていくのは増資に限定されません。 沢山モノが売れて沢山利益を得て、それを配当等で流出させずに設備投資にまわし、もっと沢山作れるようになって大きくなる事もありますし、あるいは、利益を研究開発にまわし新製品を売り出していくこともあるでしょう。 銀行から借りてきて工場を建ててモノを作って、返済をしつつ利益を上げていくこともあるでしょう。
このように、会社が大きくなって行くのは株式発行に限定されないので、会社の規模と資本金の額は一致しないのです。
(紹介不要)
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