21. 借りたもんは返す、それが浮き世の義理っちゅうもんや!


   最近、ネットで親交の厚い、「あくび茶屋」のご主人畑中さんより次のような質問をいただきました。


 実は、一つお願いがあります。

 あくび茶屋の「主人出生」の処でも言ってるんですけど、算数で二けたの引き算をするときに「十の位から一借りて、、、」というのがあります。
 私達の時代は、多分みんなコレで教えられたようです。

 この「十の位から借りてきた1」は、いったい、いつ、返すんでしょうか?
 最近は、こうじゃなくて「十の位から一もらって、、、」とか、違った教え方をされてるんでしょうか?

 一の位という奴は、借りたものを返さないトンでもない奴なのか?
 それとも、「もらった」のを「借りた」と、間違った表現されて、冤罪をかぶせられてる気の毒な人なんでしょうか?


自分自身のことを振り返ると、最近低学年を受け持っていないので気にもしませんでしたが、そういえば、「借りてきて・・・」という表現をしていたような気がします。
とはいうものの、2けたのくり下がりのある引き算は2年生で習うのですが、はじめてその計算の仕方を習う子どもたちに、「借りてきて・・・」という説明の仕方はしなかったようにも思います。

はて? 教科書や指導書にはどう書いてあるのだろう。さっそく調べてみることにしました。

10−8 のような計算は、1年生で学習します。
で、2年生になると、 20−8 のように(何十)−(何)を学習します。

 [20−8 の計算の考え方]

計算棒1




ひき算の暗算でも、たし算と同様、被減数を分解しないで計算できる
ようにしたい。

しかし、これを初めから児童に要求するのは無理である。

20−8の例でいえば、
初めは「20のうちの10から8をひいて2,10と2で12」というふうに、
被減数を分解する仕方も認め、

漸次、「20から8をひいて12」と被減数を分解しない仕方へと
高めていくとよい。  



  つづいて、(何十何)−(何)で、くり下がって何十何になる計算を学習します。

 [21−8 の計算の考え方]

計算棒2




20−8や30−6と結びつけ、
「21の20から8ひいて12,12と1で13」のように、
減加法で計算させるようにする。








             ポンプ

 「借りてきて・・・」というような表現は、まったくありません。
 でも、やっぱりふだん言うよなあ・・・・。

 そこで、何人かの同僚の先生方にお聞きしたのですが、「子どものときに担任の先生にそのように教わった記憶があるし、実際に自分が教師になって算数を教えるとき、いつのまにやら使っている。」というのがおおかたの答えです。

 ただ、私もそうですが、2年生にこの単元を教えるときには、「借りてきて・・・」という表現は使っていないと思います。
 しかし、この単元もいつしか終わり、日数がたつと、いつのまにやら「借りてきて・・・」というようなことを言っているわけです。

 「借りてきて・・・」という表現は基本的にはおかしいわけで、借りた以上は返すのが浮き世の義理。
 返しようがないから、そういった表現は教科書にも指導書にもいっさい書かれていません。

 では、なぜ自然と「借りてきて・・・」といった表現をしてしまうのか?

 われわれが子どものころの教科書や指導書にはそのような表現がなされていたのでしょうか?
 それとも、「借りてきて・・・」なんていうのは関西特有のマイナーな表現なのでしょうか?
 単なる表現ミスが市民権を得てしまっただけなのでしょうか?

 自分の仕事のことを他の人に聞くのもへんですが、何か情報があれば教えて下さい。



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