コアを取り付けるクリップはコアの構造上それを取り付ける部分がフリーに
動くタイプでないといけないので、探したところDIY店に「パワークラン
プ」という商品名で売られていました。(下の写真参照)
このクリップのスプリングは強すぎてコアが割れる恐れがあるため、交換して
使っています。
クリップにコアを取り付けたところ。
赤い挟むところが自在に動くようになっています。
「製作」
全体の回路は下図の通りです。
構造については検出部分(コアで被測定電線を挟む部分)と電流表示部分を
一体にするのが難しいため、セパレートタイプとしました。
ダイオードの倍電圧整流回路はクリップの部分に組み込んでいます。
検出部分から伸ばすリード線には直流電流しか流れないのでHFバンド内で
あれば誤差を増長するようなことにはならないと思います。
R1は10KΩ、R2には100〜200KΩの半固定抵抗を仮取り付け
しておき、調整が終了した時点で固定抵抗に置き換えます。
「較 正」
| 較正に必要な測定器、他 |
| 電子電圧計又はオシロスコープ |
| 出力を可変可能な送信機(0.5W〜50W) |
| ダミーロード50Ω50W以上 |
|
事前にクリップ・オンメーターのS1を閉じ(上図のように)、R1の
抵抗値を最大に合わせておきます。
測定器等を下図のように接続し、実際にダミーロード両端の電圧を
オシロの波形で測定します。
例えば最大値(波形の一番高くなったところ)が7.1Vとすると、
I=(V/Z)×(1/√2)
=(7.1/50)×0.71
≒100(mA)
と高周波電流は100mAとなるのでオシロで7.1Vの波形を表示
するように送信機の出力を調整します。尚、モードはCW(キャリアの連続
送信)です。
その出力を維持してR1を回し、電流計が100μAを指示するように
します。その後R1を外しテスターで抵抗値を測定した後、同じ抵抗値の
固定抵抗に置き換えます。
次にS1を開いてR1,R2が直列接続となるようにしR2を抵抗値最大に
合わせておきます。オシロの波形が71V(約50W出力)になるよう
送信出力を調整した後、R2を回して電流計の振れが100μAを指示する
ようにします。
その後R1と同様にして固定抵抗に置き換えます。
私の場合、R1は6.2kΩ、R2は112kΩになりました。
「誤差表の作成」
この検出回路からの出力電流はダイオードの順方向電圧ドロップ分も含まれており、
指示値が検出電流に対して直線的に変化しないため、あらかじめその誤差を把握し
ておく必要があります。
理想的には100mAレンジ、1Aレンジ共把握しておけばよいのでしょうが私
の場合送信電波によるインターフェア対策を念頭において作りましたので、100
mAレンジのみ誤差表を作ることにしました。
そもそも電圧測定をオシロの波形で行なっており電子電圧計に比べて精度がそう
高くないのでフルスケールの25%、50%、75%のスポット3点のみで誤差
測定をしました。
25%・・・1.8V
50%・・・3.8V
75%・・・5.6V
以上3点のダミーロード両端電圧時のクリップ・オンメーター指示値をプロット(
記入)し、下図のような誤差表を作成しました。これを表示部側面に貼り付けて
おきます。
理想は、翻訳文中の「Fig.2]のように電流計に直接較正後の目盛を貼り付けれ
ばよいのでしょうが、私は技術的に自信がなかったので上記の方法をとりました。
イアン氏によると送信する周波数によってもわずかながら誤差が生じるとの事ですが、
そのあたりの誤差修正をすればキリがないので14MHzでの較正のみとしました。
「最後に」
適当なケースが手に入らなかったので、例によってプラスチック容器に収めました。(
下の写真参照)
送信設備から2m程離れて置いているオーディオアンプに丁度良い具合(?)にアンプI
が発生しているので、試しに14MHz、20Wの電波を出しながらDIN、ACコードな
どを挟んでみたところACコードで50mAの電流が検出されました。
今後インターフェア対策に使っていく予定ですが微弱な電流検出をしづらいようで
あれば、コア部分の巻数を減らしてさらに高感度の電流計に変更しようと思って
います。
以上
製作したセパレートタイプのクリップ・オン型RF電流計
ご意見、ご質問をお待ちしています。
ja6uvf@jarl.com
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