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新 潟 の 山 の 概 況 |
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1 新潟県の地勢 新潟県は、日本海沿岸のほぼ中央に位置し、東側に連なる朝日山地、飯豊山地、越後山脈並びに 側西に発達する西頸城山地及び白馬山地の山々に囲まれ、これらの山岳に源を発する信濃川、阿賀 野川の流域に日本海沿岸随一の広大な越後平野が広がっています。 気候・風土は、おおむね阿賀野川を境として、以南は北陸型、以北は東北型に入ります。 面積は、12,582kuで全国第5位の大きさです。また、海岸線は336.9kmと非常に長 く変化に富んだ海岸美を形成するとともに砂丘の発達している所も多くあります。 佐渡は、周囲264km、面積855kuで、北に金北山を主峰とする大佐渡山地、南は、小佐渡 山地に並行して走り、中央部に国仲平野が広がっています。 国立公園では、磐梯朝日国立公園、日光国立公園、中部山岳国立公園、上信越高原国立公園が指 定されています。 地域としては、佐渡地方と上・中・下越地方に分けて分類しています。 2 新潟県の気候 10月に初雪が降り、12月から3月まで降雪があります。雷は、夏より11月、12月に多く 発生します。 ○ 冬の気象 12月から3月までが雪の季節である。関東方面から新潟に向かうと谷川岳の県境で雪の世界 となり、が状況一変します。 新潟の雪は、湿雪で積雪の多いところは3〜4mとなる多雪地域です。 積雪は、山間部に多い時「山雪」、平野部に多い時「里雪」、沿岸部に多い時「海雪」と呼ば れ、様々な降り方があります。 1月から2月にかけて最低気温が現れ、吹雪が続くが2月下旬になると乾雪も多くなります。 ○ 春の気象 3月になると降雪量も少なくなり、日中の溶けた雪が夜間に凍るので、朝方はしまった雪の上 をよ歩けるうになります。これを地元では「しみわたり」と呼んでいます。 南風が吹くと1日に20センチも溶けると言われています。 日本海の低気圧に南方の高気圧から南風が吹くと「春一番」で5月ころの気候となるが、移動 性高気圧が来ると冷たい北風が吹き、陽気が変わり雪が降るので、極端な変わり方をします。 4月に入ると融雪水が洪水となったり、底雪崩等が発生するが、雪はザラメ雪となり越後の薮 山も雪を利用すると登山しやすい状況ともなります。 5月は、気温も上がり好天が続くので登山の好適期となります。 ○ 夏の気象 6月に入ると夏型に近い気象となるが、梅雨は、6月半ばに入り7月20日ころに梅雨明けと なります。 梅雨の末期に、集中豪雨があり山では鉄砲水があるので注意する必要があります。 フェーン現象による高温、乾燥風も夏の特徴です。 ○ 秋の気象 9月に入ると涼しさが増してくるが、季節の変わり目で降水量が多い時期であります。 新潟は、台風の経路から外れることが多くあります。 10月に入ると秋晴れの好天が続くが、好天の周期が3〜4日から日を追うごとに段々短くな ります。 中旬になるとに初雪もあるが根雪とはならない。 11月になると季節風が吹き、冬の到来を知らせるが冬型の気圧配置にはならない。下旬ころ から雷鳴と霰が降るが山間部では、「雪降ろしの雷」と呼んでいます。国道でも山間部は、冬期 の通行止めが始まり、山小屋も閉鎖され、山は、冬シーズンとなります。 12月に入ると車も冬用タイヤに入換え、本格的な冬に備えます。スキー場では、少ない雪で も人口降雪機を利用するので営業が始まります。 ○ 平年の初冠雪 ・妙高山 10/15 ・飯豊山 10/17 ・金北山 11/04 3 新潟県の山 新潟県を地域別に分けると佐渡、上越、中越、下越となります。 ここで、注意するのが上越地区の場所です。この「上越」には、JRの上越線があるためこの上 越線沿線を指すと思われがちですが、それは、間違いです。このJR上越線は、上州と越後を結ん でいづるため一字づ取って同じ「上越」としたものです。ここでいう「上越」は、「上方の越後」 を指しています。 ○ 佐渡の山 金北山を中心とした大佐渡山地と女神山を中心とした小佐渡山地に分類されます。 ○ 下越の山 下越地方は、通例「阿賀北」と言われて、阿賀野川右岸より北東の山形県境「鼠ヶ関」までを いいます。 この区域の山は、登山の対象になる山の殆どが宗教的な開山であって頂上部に神仏の祭祀があ まりす。 朝日山地、飯豊山地を中心として、蒲萄山塊・櫛形山塊・五頭山塊があります。 ○ 中越の山 信濃川の流れる新潟平野に、弥彦山・角田山が浮かぶ形であり、阿賀野川左岸には川内山塊が あります。 中越地区の奥の山を概観すると、北の守門、浅草岳山群と南の苗場山塊が新期火山岩類の山、 駒ヶ岳、中ノ岳、八海山の越後三山周辺が古生層の花崗岩類の山、谷川連峰周辺が石英閃緑岩類 の山と、大きく三ブロックに分かれて連座し、その山麓地帯が魚野川水系の沖積地域となってい ます。 つまり、JR上越線の山々、と云われるように、中越地区の大都市長岡市から清水トンネルを 貫く鉄道沿線の左右に、それらの山脈が集中しているのが特色です。 ○ 上越の山 上越の山のシンボルは妙高山群です。日本海岸に沿って南波山塊、鉾ヶ岳、海谷山塊、金山連 山が、また、富山・長野県境に日本海から断崖状に高度差3000mも一気の突っ込む白馬連山 があります。 4 主な山脈 ○ 朝日山地 新潟・山形県境の朝日岳を主峰とする山地。南北60km、東西30kmにわたります。花崗 岩質を主体とする隆起地塁山地。北の以東岳から大朝日岳が主脈で、さらに東に鳥原山、南に祝 瓶山、南西は相模山と支尾根を出し、主脈中央の三方境より北東の大檜原山にも大きな支尾根を 出しています。山麓や山腹はブナの原生林で覆われ、また、日本海からの冬期季節風の影響で編 東積雪が見られ、盛夏になっても雪渓・雪田となり、非対称山稜などの雪食地形を多く形成して います。 高山植物も多く、ハクサンイチゲ、ヒナザクラ、ミヤマウスユキソウ、チングルマ、タカネマ ツムシソウ、ヒメサユリなどのお花畑が点在しています。 ○ 飯豊山地 山形県、新潟県、福島県の3県にまたがる雄大な山地。南東から北西に20kmにわたる山域 は、北股岳・烏帽子岳・御西岳・大日岳・種蒔山・杁差岳、主峰の飯豊山などの山々よりなり、 地質は主として花崗岩質である。全体に広々とした、2000m級の尾根筋であるが、季節風の 影響を受けるため、山肌は急峻で険悪な沢すじを持っています。特に主稜東側は偏西風による雪 の多量堆積のために著しい雪食をうけ、急な斜面となっている。 山域中腹までは、ブナを主とする広葉樹林帯で覆われ、それ以上は高山帯となり、山頂雪渓周 辺には、お花畑が展開しています。 高山植物では、この山域が北限とされるナンキンコザクラの他、ミヤマウスユキソウ、チシマ ギキョウニッコウキスゲ、ハクサンイチゲ、タカネマツムシソウなど雪消えとともに一斉に咲き 乱れ、一面がお花畑となります。 ○ 谷川連峰 群馬県利根郡水上町と新潟県南魚沼郡湯沢町にまたがる三国山脈の、谷川岳を中心とした三国 峠から清水峠までの山域です。 高山植物、夏まで残る豊富な雪、岩場、スキー場等変化に富んでいます。 三国峠・三国山・大源太山・平標山・仙ノ倉山・エビス大黒ノ頭・万太郎山・大障子ノ頭・オ ジカ沢ノ頭・主峰谷川岳をなすトマノ耳とオキノ耳、一ノ倉岳・茂倉岳・武能岳・蓬峠・七ツ小 屋山・清水峠などからなります。 主脈の他に、清水峠東方から次第に南下すると朝日岳・笠ヶ岳・白毛門山などがあります。 地質は、火成岩の石英閃緑岩でありますが、三国山付近に堆積岩の第三紀層、笠ヶ岳に火成岩 の輝緑岩蛇紋岩がみられます。 谷川岳付近は、典型的な非対象山稜で、東側は高度800mの絶壁をなし、越後側は緩傾斜と なっています。積雪が多く、一ノ倉沢には我国で最も高度の低い位置に氷河があったと考えられ、 マチガ沢にはカール地形がみられ、笠ヶ岳にも小さなカール地形が見られます。 ○ 妙高連峰 頚城山塊と妙高群峰に別れ、新潟県南西部、長野県境近くに位置する妙高火山群の総称です。 前山の外輪山をもつ妙高山から始まり、黒沢岳・火打山・唯一の活火山である焼山と続き、さ らに焼山から富士見峠を経て南へ下る稜線は、裏金山・金山・天狗原山・薬師岳・乙見山峠・松 尾山と続き、また、金山から西へは、繁倉尾根が雨飾山へと延びています。最高峰火打山より北 東の延びる新建尾根には、容雅山・不動山が並び、矢代山地へと続いています。また、北に延び る空沢尾根には空沢岳・放山があります。南側は弥八山・笹ヶ峰・赤尾山・弛ノ峰などがありま す。 活火山の焼山は、山頂付近は登山禁止区域に指定されています。 妙高山東麓は、裾野がよく発達していて、火山灰台地を利用してのタバコの産地になっていま す。 また、全国有数の豪雪地帯でもあるので古くからスキー場があり、温泉も多くあります。 |
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